Coolier - 新生・東方創想話

不思議なメタルギアダンジョン2

2006/04/04 05:15:23
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文々。新聞

幻想郷、氷の湖の孤島の紅魔館の生ゴミ廃棄所がテロリストに占拠された。
テロリストは紅魔館に対し「亡き王女」の遺体を要求。
24時間以内にそれが引き渡されなければ生ゴミ弾幕を発射すると脅迫している。
紅魔館から事態の収拾を依頼された元CHOCOBO HOUND隊員
射命丸・文は、生ゴミ廃棄所への潜入に成功。
人質として地下100Fに囚われたミスティア局長の救出に向かう。






不思議な地下迷宮2F








文:「下書きは終わりました。これはとても良い記事になりそうです。」

チルノ:「待て!手帳に変な事書くな!」

文:「心配しないで下さい。私は真実を書いているのです。」










遠距離会話魔法本:「ガガガガガガッ」

セレクトボタン ポチ。



本:「レティ・ホワイトロックだ。チルノは居るか?」

チルノ:「レティじゃないか!どうしてそこに!」

レティ:「私は南極サバイバルの教官をやめて幻想郷に来ている。
君と同じ隠居生活だ。」

チルノ:「お互い世代交代の時代ですか。」

レティ:「パチュリーから今回の事を聞いた。
サポートさせてもらおう。」

チルノ:「レティのサポートがあれば心強いな。」

レティ:「サバイバル教官としての知識と経験を役立ててくれ。
それと私は幻想郷暮らしは君より長い。幻想郷の環境、動植物の事に詳しいつもりだ。」

チルノ:「ところで次の部屋に居る水色の液体生命体について何か判らない?」

レティ:「その液体生命体はゲンソウスライムだな。
心配するな、害は無い。スライムが居るという事は階段があるはずだ。
そっちに行ってみるんだ。」

チルノ:「いや、そこに階段があるのはわかってるから。」







・・・ガチャ。

チルノ:「待て、切るな。」















文:「仕方ありませんね、さっき拾ったスペルカードもあるので正面から行きましょう。」










デレレロレーン

***「モンスター ハウスだ!」





チルノ:「ちょっと待て!今の”なんとかハウスだ”ってのは誰が言ったんだ!」


文:「戦場で生き抜くには喋る前に戦うべきですよ!
さぁ、さっき拾ったスペルカードの出番です!」




ルーミア:「爆符シオナスン!」


***「ゲンソウハタスライムは ナスにへんかした」
***「ゲンソウハタスライムは ナスにへんかした」
***「ゲンソウハタスライムは ナスにへんかした」
***「ゲンソウハタスライムは ナスにへんかした」
***「ゲンソウハタスライムは ナスにへんかした」
***「メルランプリズムリバーは ナスにへんかした」
***「ゲンソウハタスライムは ナスにへんかした」
***「ゲンソウハタスライムは ナスにへんかした」




チルノ:「なんか混ざってるから!食っちゃいけない何かが混ざってるから!」

文:「そうですね、さすがに画面右上に”発見”とか”危険99 9”って書いてあるのでナスは無視して階段を降りましょう。」












不思議な地下迷宮100F


チルノ:「早すぎだから!ねぇ、今までの階はどこに消えたの!」

文:「天狗は幻想郷一足が速いですからね、すぐ来れるんですよ。
ほら、画面右上に”回避”って文字が出てるでしょう。」

チルノ:「そういう問題じゃ無くて!」





ガガガガガガッ

メイリン:「魔道レーダーを見て!ミスティア局長を見つけたわ!
緑の点がそうよ。早く助けてあげて!」

文:「あの牢獄に入るにはドアを開けるしかなさそうね。」

パチェ:「そこを開けるにはアクションボタンを押して。」





ウィーン、ガタガタガタ








不思議な地下迷宮100F 「牢獄」






ミスティア:「だ、誰だ!」

文:「助けに来ました。」













パチェ:「あら、ミスティアってあの小鳥とは別物だったの。」






文:「ミスティア局長、ミスティア・ローレライですね?」

ミスティア:「助けに来ただと?どこの所属だ?」

文:「私は貴方の様な夜雀を助ける為に雇われた哀れな捨て駒ですよ。」

ミスティア:「本当か?」




チルノ:「それはいいとして、二人とも手帳見ながら喋らないで!
こっちから見ると劇でもやってるみたいだよ!」







ミスティア:「確かに、テロリストの一味では無いようだな。
ならば、ここから早く出してくれ。」

文:「大丈夫です、まずは先に情報を教えてください。
そうそう、テロリストの事です。」

ミスティア:「テロリスト?」

文:「奴らは本当に生ゴミ弾幕を撃てるのですか?」

ミスティア:「どういう事だ?」

文:「テロリストは”レッド・ハウス” 通称:紅魔館を脅迫しています。
要求を呑まなければ生ゴミ攻撃をしかけるとの事です。」

ミスティア:「なんという事だ!」

文:「どうなのです?」

ミスティア:「…可能だ。奴らは生ゴミ弾幕を撃てる。」

文:「どうやって撃つつもりです?
ここは解体した生ゴミを地中保存して肥料にする施設ですよね?
生ゴミ弾幕なんて無いはずですよ。」

ミスティア:「それは表向きの話だ。
いいか?ここである新型兵器の演習が行われていた。
幻想郷のあらゆる地点へ向けて生ゴミ攻撃を実現する。」



ミスティア:「その兵器は生ゴミ搭載歩行戦車」








チルノ:「なにそれ!しかも熱心に手帳読まないで!
せっかく雰囲気出てるのにミスティアは顔は手帳に向けないで!相手の方を向かないと!」










文:「スカーレット・ギア …まさか!」

ミスティア:「知っているのか?
スカーレット・ギアは極めて機密性の高いブラック・プロジェクトの一つ。
どこでその名を知った?」

文:「昔から多少縁があったのです。
ミスティアさんがこの廃棄所に居たのはそれが理由ですか?」

ミスティア:「そうでなければ、私はわざわざこんな場所に来たりはせん。」

文:「スカーレット・ギア計画は全て破棄されたと聞いていますが、何故あるのです?」

ミスティア:「いや、ナイトバグ社と我々の手によって大きなプロジェクトに育て上げた。
今回の演習を材料にして量産に移行する計画だった。
しかし、フランドールはテロリストの手に渡ってしまった。」

文:「フランドール?」

ミスティア:「”フランドール・スカーレット” 新型スカーレット・ギアのコードネームだ。
もう奴らはフランドールへの生ゴミ弾幕搭載も完了しているはずだ。
奴らはそのうちのプロだ。兵器の整備に取り扱いにも慣れている。」

文:「でも、生ゴミ弾幕には安全装置が組み込まれている筈ですよ。
起爆コード入力式の物です。あれが無ければ発射出来ません。」

ミスティア:「ああ、”ミラクルホラーイ”の事か。確かにミラクルホラーイはある。
あれは原稿用紙30枚に渡る長い暗号だ。
二つのパスワードを入力しなければ発射出来ない仕組みだ。
もう一つの安全装置として、”キラキラシャンハーイ”がある。」

文:「パスワードが二つ?」

ミスティア:「そうだ。私とリグルが一つずつ知っていた。」

文:「リグル?誰の事です?」













チルノ:「さっきまで一緒に居た人の事だよ!」







ミスティア:「ナイトバグ社の社長だ。我々二人の起爆コードを両方とも
入力しなければ発射は出来ないのだが、私のパスワードは知られてしまった。」

文:「喋ったのですか?」

ミスティア:「サイコ・咲夜は人の心を読む。抵抗はできん。」

文:「サイコ・咲夜?」











チルノ:「だから!咲夜さんは今は掃除でもなんでもしてる時間だよ!」







ミスティア:「そうだ。CHOCOBO HOUNDの一員だ。
読心能力を持っている。」

文:「厄介ですね。」

ミスティア:「恐らく咲夜はリグルのパスワードも…」

文:「もし奴らがリグルの起爆コードを手にしていたら大変ですね。」

ミスティア:「そうだ。いつでも生ゴミ弾幕を撃てる。
だが、生ゴミ発射を止める方法はある。」

文:「その方法とは?」

ミスティア:「鍵だ。システムの開発元であるナイトバグ社は緊急時の為に用意している物だ。
暗号を使わずにセーフティを入力・解除出来る。」

文:「それを使えば良いのですね。」

ミスティア:「ああ。生ゴミ発射を食い止める事が出来る。」

文:「その鍵はどこにあるのです?」

ミスティア:「リグルが持っていたはずだ。いいか?
鍵は3つ必要だ。ロックは3箇所ある。それを解除すればいい。」

文:「そのリグルさんについてですが、居所は知ってます?」

ミスティア:「地下101Fのどこかだ。」

文:「地下101F?わかりました。脱出しましょう。」

ミスティア:「ちょっと待ってくれ。」

文:「どうしました?」

ミスティア:「ぐああああああああああ」

文:「いきなりなんですか!」

ミスティア:「心臓発作だ。がくり。」

文:「大丈夫ですか!」







チルノ:「だから無駄に芝居の時間が長いって!」






文:「死んでます。」

チルノ:「いや生きてるよ!どう見ても横になってるだけで息してるしラジオ体操もしてるよ!」

文:「私は出来る限りの事をしたのです。でも、救う事は出来ませんでした。」

チルノ:「あんた医者じゃ無いだろ!」




本:ガガガガガッ

ポチ。






パチェ:「文!悲しんでいる時ではない!そこから脱出してリグルを探し出すんだ!」

文:「大佐、わかりました。」

パチェ:「フロア移動はエレベーターを使って、まずはそれを探して。」

チルノ:「エレベーターじゃなくて階段だから!」






















リグル:「虫の生命力をなめてもらっては困るな!この程度じゃ死なん!
ってちょっとどこに連れて行くのよ!」



リグル・ナイトバグは生きていた。
しかし、とらばさみにかかったまま地下101Fまで拉致されて拷問にあっていた。

四つの柱、一つしか無い出入り口、天井からのわずかな電灯の光。
そしてその柱の中心にリグルは居た。













不思議な地下迷宮101F 「拷問部屋」






リボルバー・アリス:「お前の四方八方には無数のゴキブリホイホイがある。暴れても無駄だ。
さぁ、サイコ・咲夜よ。精神に進入して起爆コードを探り出すんだ。」

サイコ・咲夜:「わかりました。」

リグル:「なっ、何をする!」

サイコ・咲夜:「…どうやら爪をついつい切りすぎてしまう癖がある様です。
深爪には気を付けるべきね。」

リボルバー・アリス:「それはどうでも良いとして。」

サイコ・咲夜:「駄目だわ、精神手術が施されていて精神に進入出来ない。」

リボルバー・アリス:「そうか、直接吐かせるしか無い。さぁ吐くんだ!起爆コードを言うんだ!」

リグル:「教える訳にはいかない!」

リボルバー・アリス:「サイコ・咲夜、殺虫スプレー4つ持ってきて。」

サイコ・咲夜:「わかりました。行ってきます。」

リグル:「ひえぇ!それは虫の生命力強い弱いとか関係無しに死ぬから!」














***「ドアが ひらいた」


リボルバー・アリス:「あら、サイコ・咲夜とても早――」
そしてリボルバー・アリスの目は見開かれた。





チルノ:「なんであたしだけドアの前で留守番なんですか!」

文:「それは気にしないでください。もっと大きな問題があるのです。
リグルの生命が感じられないのです!」

リグル:「いや、生きてます!とらばさみにかかったままだけど生きてますよー!」

文:「あ、生きていましたね。助けに来ました。」

リグル:「待って、近づかないで!」

文:「これは…、24個のゴキブリホイホイ!
ってそこのいかにも危なさそう人は何でこっちに拳銃向けてるんですか!」

リボルバー・アリス:「そいつに近づくとゴキブリホイホイが作動する。
近づけばお前自身の命も無い!」

文:「私はゴキブリじゃありませんし、ところで貴方は誰なのですか!」

リボルバー・アリス:「私はCHOCOBO HOUND部隊…」



なぞの ぎおん:「くるくるくる しゅぱ」




リグル:「ちょっと話題を壊してすいませんけど、拳銃回しをして時間稼ぐとか西部劇みたいで古くさいですよ。」

文:「それペンじゃあるまいし無駄に拳銃をクルクル回さなくていいですから、どうぞ話続けて。」






リボルバー・アリス:「私はリボルバー・アリス!待っていたぞ!射命丸 文!
お前が噂道理の天狗かどうか試してやろう。」







なぞの ぎおん:「しゅぱ くるくるくる つるっ ごとん」






文:「あのー、落とした拳銃拾ってあげましょうか?」

リボルバー・アリス:「あ、どうもありがとう。」

リグル:「回すのは構わないけど落としたら格好悪いよ。」











リボルバー・アリス:「これは世界で最も高貴な銃”シングル・アクション・アーミー”だ。」

文:「あのー、シングルでもダブルでもトゥエンティーフォーでも違いがわからないのですが。」

リボルバー・アリス:「六発・・・。六発以上生き延びた奴は居ない。
私が何故リボルバーと呼ばれているか、じっくりと味合わせてやる。」


リボルバー・アリス:「来い!」

文:「いきなり始めないで!なんの合図も無しにいきなり戦闘ですか!」






本:ガガガガガガッ

ポチ



パチェ:「待って!その部屋では無闇に弾幕は使っちゃ駄目!
それに柱の内側に一歩でも踏み入れたり、ゴキブリホイホイを刺激すればとんでもない事になるわ。」

メイリン:「部屋の中心で身動きの取れないリグルに被害が行ってしまうわ!
相手もリグルに死なれてしまったら困るから恐らく単発の銃しか使ってこないはず。」

文:「大佐、じゃあ一体どうすれば?」















レティ:「愛情を注ぐんだ。そうすれば相手も――」

パチェ:「それは絶対無理だ。」









パチェ:「文、とにかく武器は無いのか?」

文:「最後の手段に取っておいた武器が二つだけなら!」

パチェ:「それを使うんだ!くれぐれも生き延びてくれ!」

文:「わかりました!相手の隙をついて攻撃しますね!」




















リボルバー・アリスは完全に余裕だった。
こっちには人質が居る。
出口は氷精が固めている。
完全な密室空間、助けは来ない。
あの天狗は武器を持っていない。
気が狂いでもしない限り計算外の行動はしない。
柱の内側が通れないとなれば天狗の足の速さも意味が無い。

完璧だ。完璧過ぎる。











天狗に目をやった。



こちらへと走ってくる天狗は
ジグザグに距離を詰めてきている。
当然、私も距離を取る為に走っている。

リボルバー・アリスはさらに余裕の表情を持った。
ジグザグ歩行とはすなわち、通常の移動速度よりも遅い。
そして右か左へと進路を変更する時が必ずある。
その時は少ない時間でも一瞬だけ立ち止まる。
こっちも距離を取りつつ狙いを定めた。
そして引き金を二度引いた。


だが、恐るべき反射神経とでも言うのだろうか?
一発目はこちら側から見て左側に回避されてしまった。
もう一つの弾は先程まで天狗が居た場所を抉っている。




これは面白い。
とても面白い。




相手は確実に体力を消耗している。
そして私は何十という弾を持っている。
少しいたぶってやろう。


部屋を時計回りに回りながら同じ事を繰り返した。
余裕が残っている時は狙いはわざと外す様に、
少ない時は狙いを正確に。






六発の弾が切れた。
それでもリボルバー・アリスは余裕だった。




リボルバー・アリス:「戦闘中のリロードがたまらない。
銃に命を吹き込んでいるようだ。そう思わない?」


文:「思いません!」



弾を込めている間は天狗はこっち一直線に走ってきている。
なんとか全速力で時計回りに走って距離を取っているが、追いつかれるのも時間の問題だ。

早く弾を込めなければやられてしまう。


しかし、最後の弾を使った時はある程度の距離を保っていたからある程度は安全だ。

ほぼ確実に追いつかれない様に計算して距離を取っている。


やはり余裕は常に残すべきだ。




弾込めをしている間、部屋の中心から両耳を押さえて呻いている生物が目に入った。







リボルバー・アリス:「よし、生き返った!さぁ行くぞ!」

相手は確実に一直線に来ている。
これは計算済みだ。見なくても判断出来た。


意外にもあれ程距離を取っていたというのに天狗は眼前に居た。

そしてその奇妙な底になっている靴が私の腹部にめり込んだ。



リボルバー・アリス:「うぐっ!」

あのスピードで蹴りを放てば威力はとても大きい様だ。



蹴られたとほぼ同時に引き金を一度引いた。


定期的に相手の位置を確認するべきだった。

計算外だったが、この至近距離なら攻撃は当たる。
今までの経験から考えればそうだ。

だが、天狗は後ろにバックステップを取りつつ斜めに移動して避けた。

続けてもう一発撃ち込んだ。

これも不思議な事に避けられた。


隙は出来た。

やっと距離を取る事が出来る。





いくつか考えて見たが、

ワンパターンでは勝てる見込みが低く、いたぶる事も出来ないと判断した。








仕方無い、攻撃パターン変更。


天狗は毎度お馴染みのジグザグでこっちに走ってきている。







リボルバー・アリスは銃を右手の壁に向けた。



壁との距離...OK
壁との角度...OK
天狗の位置...OK
天狗の速度...OK





完璧だ。これは完璧過ぎる。





引き金を引いた。










作戦に気づかれたのだろうか、天狗は高く飛び跳ねた。

だが、ちゃんと計算済みだ。




一瞬の間に銃弾は壁へと向かって飛び、その後は天狗へと一直線に向かっていった。


天狗の右足が金槌で殴られたかの様にガクッと動き、顔がこわばるのが見えた。

その足があった場所は本来、頭蓋骨があるべき場所だった。



リボルバー・アリス:「飛んでも無駄だ!
私には弾の気持ちがわかる。跳弾を操る事が出来る!」




あの状態で地上に舞い降りれば隙が出来ると計算していた。

落下速度は計算済みだ。
今は何も居ない地面に向けて引き金を二度引いた。





しかし期待を裏切る様に天狗は真下ではなくこちら側から見て右側にずれていた。

これは計算外。



足を使った着地には失敗した様だ。

身体への損傷を最小限に抑えつつ回転し、立ち上がった。




前回よりも速度は遅いながらも確実にこちらに来ている。

足を怪我をしながら速度が出せないジグザグ歩きで、
人間が本気を出した時に等しい、はたまたそれ以上の速度は見事だ。







リボルバー・アリス:「決着を着けようとは思わない?」

恐らく、私が戦闘中に喋るのは完全に余裕を残している時だけだろう。







リボルバー・アリス:「早くしないとその虫の命が持たんぞ!」

あのリグルと呼ばれている虫はゴキブリホイホイに四方八方を囲まれて精神的に追いつめられている。
ましてや、”とらばさみ”と呼ばれる残忍かつ極まりない罠をまだ解除していない。
いつ命が途切れてもおかしく無い状態だ。


残っている弾を二度撃ち込み、弾を込め直す事にした。

これもまた易々と回避された。




今回は先程の様にレッドラインぎりぎりの所まで接近される恐れは無い。

足を怪我しているのだから。




だが、目の前に計算外の物が居た。





黒い鳥類。


鴉だ。

ここは確かに生ゴミ廃棄所ですけど
鴉は立ち入り禁止では無いですか?

もちろんこの鴉は天狗の手下だろう。


でも、何故こんな所に?

完全な密室空間の筈だ。






天井に目をやると通風口があった。

これは大きく計算外だ。





鴉ごときにやられる危険性はゼロだ。

問題無い。





通風口から鴉がどんどんやって来ている。

計算外。


そして私の逃げ道を塞いでいる。

計算外。


六発撃ち込んだのにひるみもしない。

計算外。



気を取られ過ぎて居た。

天狗の方に目をやると先程、距離を詰められた時よりも近くに居る。



後ずさりしようにも鴉が妨害している。

そしてさらに計算外だった事は天狗がこちらに向けてシャープ・ペンシルを向けて居る事だ。



一体、何をする気だ?


何度も計算しても答えは同じだった。



天狗はシャープ・ペンシルを私の喉元に向けている。

新しく弾を込める時間は無い。





そして




一気に近づいて来た。












シャープ・ペンシルのキャップが空中を飛び、私の額にぶつかった。




キャップを飛ばすには非常に高度な技術が要求される。
シャープ・ペンシル本体は大きな力を持っていない。

それはさておき、


文:「わーい勝ったー!」

リボルバー・アリス:「うわーやられたー!ってちょっと待て!」






眼前にいる天狗に飛びかかろうとしたら鴉に取り押さえられた。


とても良いしつけをしている様だ。


さらに多くの鴉が飛び乗ってきた。


鴉の群れによる重量で足で立っている事が出来ない。


その場に俯せになる様に倒れ、それでも鴉の数と重量は増えていく。




体が酸素を欲しがって悲鳴をあげている。


必死で抵抗しても鴉は動かない。





そして意識は途切れた。















チルノ:「ちょっと待って!また手帳を出さないで!
しかもその足、携帯用ケチャップがついてるだけじゃん!」




文:「話せます?」

リグル:「…君は?」

文:「奴らの仲間ではないですね。ミスティア局長は起爆コードを知られたと言っていましたが、
起爆コードは無事なのです?」

リグル:「…私は喋ってしまった。」

文:「これで起爆コードは二つとも奴らに知られてしまった事になりますね。」

リグル:「私だって抵抗しなかった訳じゃない。
サイコ・咲夜の精神進入はかわしたんだ。」

文:「サイコ・咲夜の読心を?どうやって?」

リグル:「精神手術だ。」

文:「精神手術?」

リグル:「我々の様な極秘コードを知る者は皆、手術を受けている」

文:「ミスティア局長は受けたのですか?」

リグル:「そいつにそんな手術の金があるとでも?」

文:「そうですか、何故起爆コードが奴らに知られてしまったのです?」

リグル:「拷問に耐える訓練など、受けてないからな。」

文:「その様子じゃ相当やられた様ですね。」

一、とらばさみにかかってる これは見るからに痛々しい。ちなみに私に外してくれとかは言ってこない。
二、ゴキブリホイホイ四方八方 並のゴキブリだったら見ただけでショック死している。私にどけてくれとかは言ってこない。
三、その他多数


リグル:「あいつは普通じゃない。明らかに拷問を楽しんでいた。」

文:「その足はどうしたのです?」

リグル:「見捨てたお前 ―じゃなくて奴らに折られた。
それで、ミスティア局長は無事か?」

文:「残念ながら、死にました。」

リグル:「なんだと!?まさか!お前が・・・」

文:「勘違いしないでください。ミスティア局長の死因は心臓発作だったのです。」

リグル:「心臓発作だと?ばかな!」

文:「とにかく、起爆コードは二つとも奴らに手に渡ってしまった事になります。」

リグル:「連中は完全にいかれとる。奴らなら生ゴミの発射をためらう事も無い!」

文:「いずれにせよ、好きにさせる訳には行かないのです。
それで、今も鍵を持っているですか?」

リグル:「鍵?」

文:「起爆コードを緊急解除する鍵です。」

リグル:「もうここには無い。」

文:「まさかテロリストに?」

リグル:「いいや、妖精に渡した。」

文:「妖精?誰です?」

リグル:「そこのドアでずっと待ってるチルノさんです。」

文:「そうですか、後で聞いてみますね。」

リグル:「そうだ、うちの社員のルーミアに聞いてみるんだ。
優秀な技術者だ。少々変わってはいるがな。
あいつなら発射を食い止める手立てを考えているかもしれん。」

文:「方法が思いつかなければどうするのです?」

リグル:「破壊するしかない。ルーミアなら破壊方法も知っている筈だ。」

文:「そのルーミアはどこに居るのですか?」

リグル:「一緒に居たんじゃ?」

文:「はぐれたのにチルノは何も無反応なのです。」

リグル:「そうか。」


リグル:「うっ、心臓発作だ、ぐわおえー。」

文:「リグルまでもですか。さては仕組まれていますね?」










重みに耐えきれず、潰された筈のリボルバー・アリスが立ち上がった。

その体からは黄色い変なオーラが出ている。





リボルバー・アリス:「そう、その通り。全ては私が仕組んだ。」

文:「なんて事を!」

リボルバー・アリス:「クックック、そろそろ本気を出してやろう。」






奇妙な黄色いオーラがより一層強大になり、
取り巻いていた鴉を全て吹き飛ばした。








文:「まさか!スーパーヤサイ人!」






リボルバー・アリス:「そう、その通り。私の正体はスーパーヤサイ人だ。」








ガガガガガガッ

ポチ



パチェ:「そいつはスーパーヤサイ人!正面から戦っても勝ち目は無いわ!」

文:「どうすればいいのです!もう武器は全て使い果たしましたよ!」

パチェ:「もう神に祈るしか無いです…」














リボルバー・アリス:「あ、そうだ。本気出すのやめよう。
本気を出したら負けかなと思ってる。」








***「リボルバー・アリスは そのばに たおれた」
























***「15の けいけんちを えた」





***「文の レベルが あがった」



なぞの ぎおん「ちゃーらーらー たららたっららー」



***「さいだい HP が 2 あがった」



***「さいだい MP が 2 あがった」



***「やるき が 30 さがった」
登場人物及び作者は壊れております。
あががが
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コメント



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5.80削除
>通風口から鴉がどんどんやって来ている。
それなんてEX混沌開放・黒翼種?
6.80ま~れお削除
チルノのツッコミが輝いておりましたw
さくさく読めて良いですね。私は好きです。
リボルバーな人が出てきただけでもお腹一杯。本当にありがとうございました。