Coolier - 新生・東方創想話

博麗の呪い

2006/02/25 09:01:07
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*この話にはオリジナル設定が大きく含まれて居ます。
*オリジナル設定を嫌う方は読まない方がいいと思います。
*内容に一部ダークな表現などがあるかも知れないので注意してください。
*こんなの東方じゃない!と言う方は読まない方がいいと思います。
*それでも読まれる方は↓へどうぞ。



























いつもの様に博麗神社に魔理沙が遊びに来ている時だった。
「霊夢、お前が好きだ」
唐突に魔理沙が霊夢に告白をした。
「・・・私達は女同士だと思ったけど違ったかしら?」
霊夢は冷ややかな目で魔理沙を見つめる。
「別にいいじゃないか、女同士でも。子供に関しては魔法でなんとかなるはずだ」
魔理沙は真剣なようだった。
「そう、まあ考えておくわ」
霊夢はいつもの様に気の無い態度をとる。
魔理沙は長年の付き合いのカンから霊夢が真剣に考えてくれていると察した。
「それじゃあ私はこれで帰るぜ」
後は時間を置くばかりと魔理沙はさっさと帰ってしまった。
神社には一人霊夢が残された。
「・・・私だって魔理沙が好きよ・・・でも・・・今はまだ・・・だめ・・・」
霊夢はぽつりと呟いた。

幻想郷に夜が訪れた。
霊夢は夕食を食べ終え、一息つくと神社の裏へと歩いていった。
そこには大きな岩に注連縄が施されたものが置かれていた。
「・・・後どれぐらい掛かるのかしら・・・」
霊夢は誰に言うでもなく呟くと注連縄を外す。
『恨めしい、憎たらしい、あいつが居なければよかったんだ』
岩から次々と魂が飛び出してくる。
魂が10個ほどになったところで霊夢は再び岩に注連縄を施す。
「いらっしゃい・・・貴方達の憎む存在はここにいるわ」
霊夢の呼びかけに魂は直ぐに反応する。
『恨めしい、憎たらしい、我らの苦痛を受けるがいい』
「あぐっ!」
魂は次々と霊夢へ飛び込んで行く。
魂の飛び込む苦痛に霊夢は呻き声を上げる。
霊夢の体の中で魂が暴れまわる。
「ひぐぅ・・・ッ!」
霊夢は激痛に悲鳴を上げる。
いつ終わるのか分からない激痛にただ霊夢は耐えるだけだった。
内側から鋭い刃物で突き刺されるような、地獄の業火で焼き尽くされるような激痛。
しかし霊夢はそれらを甘んじて受けている。
それが霊夢に出来る唯一の贖罪の方法だからだ。
やがて霊夢の体から一体また一体と魂が出てゆく。
しかし霊夢は激痛のあまり気絶しておりまったく動く事はなかった。
「今日もまた気絶か・・・」
突如現れた人影が霊夢を抱きかかえると神社へと運んでゆく。
それは八雲藍だった。

「う・・・」
「気がついたか?」
藍が霊夢を布団に寝かせると霊夢は直ぐに目を覚ました。
「・・・いつも悪いわね藍。貴女の主人の世話だってあるのに・・・」
「ふ、もう慣れたさ。それに霊夢はもう一人の私のご主人様だからな・・・」
藍がそう言って微笑む。
「もう何百年も前の話よ・・・私と紫が一人だったのは・・・」
霊夢は遠くを見つめる目をしながら言った。



幻想郷が出来てまだ間もない頃の話だ。
人間と妖怪は相容れぬもの。
その禁忌を破る者が居た。
妖怪の男と人間の女。
二人は恋に落ち、そして一人の娘を授かった。
半妖の娘を・・・。
やがて禁忌を破った者として男は人間に、女は妖怪にそれぞれ殺された。
しかし父の妖力と母の霊力を受け継いだ半妖の娘の力は誰も手を出す事が出来ないほど強力であり、尚且つ半妖はどちらが殺せばバランスを保つ事が出来るのか分からなかった為に娘が大きくなるまで誰も殺す事ができなかった。
大きくなった娘は父と母を殺した人と妖怪を襲い始めた。
何百、何千、何万と奪われる人と妖怪の命。
困り果てた人は博麗神社へ、妖怪は当時妖怪の中でも最強と謳われていた八雲家へ相談した。
博麗神社の神主と八雲家の長は互いに協力し合い、半妖の娘を退治する事にした。
だが、半妖の娘の力は凄まじく、二人の力を持ってしても退治するのは無理であった。
そこで二人は半妖の娘を人間と妖怪の二人へ分ける事にした。
彼らの持てる最大の力を使い、半妖の娘は人間の娘と妖怪の娘へ分かれた。
しかし殺すのは可哀想だと思った二人はそれぞれ娘を引き取り、育てる事にした。
それが後の人間博麗霊夢と、妖怪八雲紫である。



「そして半妖によって殺された妖怪の恨みを人間である霊夢が、人間の恨みを妖怪である紫様が受ける事でバランスを保つ・・・か」
藍が神社の裏の方を見ながら呟いた。
注連縄のされた岩には半妖だった霊夢と紫が殺してしまった妖怪の魂が入っている。
しかしそのまま放置しておけばそれは幻想郷のバランスを崩してしまう。
その為に霊夢は毎晩魂を肉体に受け入れ、その恨みを苦痛として受け取る事によりバランスを保っているのだ。
紫もまた人間の恨みを毎晩苦痛として受け取っている。
「後どれぐらい行えば全ての恨みが消えるのだろうな・・・」
「初めの頃は数えてたけどもう数えるのも馬鹿らしくなってやめちゃったわ・・・」
視線を霊夢に戻した藍の呟きに力なく答える霊夢。
霊夢にとって今は地獄すら生温い現実。
しかし霊夢は死んでもその魂は地獄へ行かずに妖怪達の恨みが無くなるその時まで苦痛に晒されるのだ。
逃げ場などどこにも存在しないのである。
「紫様から聞いたが今日魔理沙に告白されたそうだな。どうするつもりなんだ?」
「出来る事なら受けたいわ・・・私も魔理沙は好きだもの・・・でも今は無理・・・」
霊夢は悲しそうに俯いた。
「もし私か魔理沙が私達の子供を身篭れば、あの苦痛を魔理沙も受ける事になってしまうわ。博麗に名を連ねる者になるもの・・・」
愛するが故にそれは出来ないと霊夢は言った。
「・・・だそうだがどうする?魔理沙」
藍が障子を開けるとそこに魔理沙が立っていた。
霊夢は驚いて魔理沙を見つめる。
「霊夢・・・」
魔理沙はゆっくりと霊夢に近寄っていく。
「お前がそんな風に苦しんでるなんて知らなくて無神経な事言っちまって悪かった・・・」
俯きながら魔理沙が言う。
「でも私は霊夢の力になりたい・・・霊夢が苦しんでいるなら共にその苦しみを受けたい・・・それで少しでもお前が楽になれるなら・・・」
「魔理沙・・・」
魔理沙は涙を流しながら霊夢の両手にそっと手を添えた。
「・・・どうやら私はお邪魔なようだな」
藍はそっと立ち上がると外へと出て行った。
夜の神社に霊夢と魔理沙の吐息が微かに響き渡った。

終わり
初作品なのでうまく出来ているか分かりませんが最後まで読んでいただければ幸いです。
儚夢龍也
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コメント



0.770簡易評価
5.無評価名前が無い程度の能力削除
……うーん。
これは、どのあたりの層へ向けて書かれたものでしょうか。
自分自身(儚夢龍也という名のあなた)だけに向けたものにしか見えないです。
もうちょっと読者を意識してくれるといいかなー、なーんて。
6.10名前が無い程度の能力削除
なんか肩透かしを食らった気分ですなぁ・・・
設定は面白いとは思いましたが、盛り上がったところでいきなり終わった感じがしますです
次回に期待ということで・・・
7.20らららくらら削除
設定集あるいはプロットを読んでいる気がした。
アイデアはよく思いつくなーっと感心したので10点
その思い付きを書き記した思い切りっぷりに10点
14.30名前が無い程度の能力削除
アイデア自体はおもしろいものになりそうだなあと思った。
あとはその見せ方というか。
28.-30名前が無い程度の能力削除
次に期待していません。
31.30WIND削除
こういう面白い発想もあるのだなと感心しました。私的には、紫がどのように感じているのかも書いてほしかったです。
32.70創製の魔法使い削除
個人的には好きな話です。

設定なども面白いですが・・・・・・
何と言うかいまひとつ物足りなさを感じました
次に期待してますね。

マイナス点をつけている方へ
否定する事だけではなく
まずは作品を理解する事から始めた方が良いですよ?
38.80ミスターX削除
>それが後の人間博麗霊夢と、妖怪八雲紫である。
紫はともかく、人間である霊夢が何百年というのは無理がある
『初代博麗の巫女』ならまだわかる