盗み食いをする。ガッツポーズとともに決心した。
夏の青空のもと、紅魔館の門番としての職務を果たしているときである。
「やらなきゃ、駄目」
もちろん、私は普段から悪事を働く「犯罪者」ではない。しかし!善良な門番が盗み食いを決心するほどの出来事があったのだ。目を瞑り思い出す。あれは1週間前のことだ。
その日、いつも通り仕事をサボっていた。当たり前のことだが炎天下のなか外にいるのは馬鹿らしい。なので物置部屋のなかで寝転がっていると、隣の部屋から声が聞こえた。
「咲夜。例の取引は上手くいきそう?」
「はい。お嬢様のトマトですが一週間後には収穫できそうです」
「ふふ。予定通りいきそうね」
まさかレミリアお嬢様と咲夜さんの密談?例の取引、収穫、予定通り、出てくる単語全部怪しさしかない。トマトは何かの隠語だろうか。主人の暴走は忠臣が止めるべきだし私は手柄を立てて給料を上げたい、いや給料はこれとは関係なしに上げるべき。起き上がり、拳を高く突き上げた。
「お嬢様の暴走は私、紅美鈴が止めます!」
目を開け、振り向くと紅魔館があった。トマトが危ない何かを指しているなら全部廃棄する、文字通りのトマトなら全部食べる。
まずは紅魔館の敷地内に入り、トマト(隠語)が栽培されている場所を探そう。大地を踏みしめ仕事の持ち場を離れた。
「いやほんまにトマト育ててますやん」
一軒家が建てられそうな広さの土地でトマトが栽培されていた。太陽に照らされた真っ赤なトマトが眩しい。どうするべきか。一旦このトマトが本物かどうか確かめる必要がある。トマトと見せかけて、危ないクスリの可能性もあるだろう。ちなみに、私はバリアでクスリは効かないので大丈夫だ。トマトを引きちぎり手にした。
「では、いただきます。んー瑞々しくて美味しいですね~」
口の中がトマトの水分で潤う。思わず食レポしてしまうほどの美味しさだったが、危険物質が入っているので全て収穫して食べてしまおう。他のトマトに手を出そうとした瞬間、後ろから声が聞こえた。
「さっさと収穫しますか」
この声は咲夜さんか!とっさに身体を伏せた。ほふく前進で彼女から離れる。今すぐ逃げたほうがいいか、いやここで逃げる姿を見られたら誤解される。最終手段に出るしかない。立ち上がって咲夜さんの前に出た。
「おやおや、そこのメイドさん?ここで何をしているのかしら」
髭は生えていないが、ある風にいじる仕草をしつつメイド長に言い放った。
「あんた門番の仕事サボって何してんの。お嬢様に言いつけるわよ」
「いやいや、私はあなたの言う門番ではありません。トマト評論家です」
「?????」
ここで下手に謝ってしまうと私が悪いことになってしまうので、評論家を名乗る。評論家は無条件で尊敬されがちなので、名乗ってしまった者が勝ちなのである。
「メイドさん?ここのトマトはあまり状態が良くないですね」
「いやすごくいい色してますけど」
「ほら、あのトマト見てください。かじられているではないですか」
地面に落ちているトマトを指さした。
「あんたがかじったんでしょ!」
く、全然言うことを聞いてくれない。そういえば、人間はスピリチュアルなものに魅了されるって聞いたことがある。試してみる価値はあるか。ポケットからハンカチを取り出し、振り回した。
「あー私、占い師でもあるんですよね。隕石!ほら、隕石落ちてくるんで逃げた方がいいですよ!」
「もう言ってることめちゃくちゃよ」
咲夜さんは眉間にしわを寄せている。やばい!めっちゃ怒ってるじゃん。レミリアお嬢様にバレたら……私、犯罪者になってしまう!牢屋に入れられて495年くらい出して貰えない可能性もあるかも。いや待て、犯罪者は主に人間や妖怪に対して使う言葉だ。私が妖怪をやめれば犯罪者にはならない。体操座りになり宣言した。
「私はトマトです!!!赤いし、丸いでしょ!」
「!?!?」
咲夜さんは突然のことで困惑しているだろう。狙い通りだ。人間はパニック状態では正常な判断ができない。私のことを許すはずだ。
「トマト!トマト!」
「よくわからないけど、お嬢様の所へ持って行った方がいいかしら」
咲夜さんは体操座りの私を持ち上げ、紅魔館に持ち帰った。
「トマトを収穫してこいって言ったのよ私は」
机の上で体操座りをしている私を見て、レミリアお嬢様は失笑している。
「お嬢様、すみません。この門番が自分をトマトって言い張るもので」
「トマト!トマト!トマト!」
トマトコールが虚しく部屋に鳴り響く。お嬢様と咲夜さんは口を開けたまま、静かに私を見つめ続けた。
その後咲夜さんに猛烈に怒られたのち、減給処分となり始末書を書かされた。ちなみに取引相手は八雲紫だったそう。
夏の青空のもと、紅魔館の門番としての職務を果たしているときである。
「やらなきゃ、駄目」
もちろん、私は普段から悪事を働く「犯罪者」ではない。しかし!善良な門番が盗み食いを決心するほどの出来事があったのだ。目を瞑り思い出す。あれは1週間前のことだ。
その日、いつも通り仕事をサボっていた。当たり前のことだが炎天下のなか外にいるのは馬鹿らしい。なので物置部屋のなかで寝転がっていると、隣の部屋から声が聞こえた。
「咲夜。例の取引は上手くいきそう?」
「はい。お嬢様のトマトですが一週間後には収穫できそうです」
「ふふ。予定通りいきそうね」
まさかレミリアお嬢様と咲夜さんの密談?例の取引、収穫、予定通り、出てくる単語全部怪しさしかない。トマトは何かの隠語だろうか。主人の暴走は忠臣が止めるべきだし私は手柄を立てて給料を上げたい、いや給料はこれとは関係なしに上げるべき。起き上がり、拳を高く突き上げた。
「お嬢様の暴走は私、紅美鈴が止めます!」
目を開け、振り向くと紅魔館があった。トマトが危ない何かを指しているなら全部廃棄する、文字通りのトマトなら全部食べる。
まずは紅魔館の敷地内に入り、トマト(隠語)が栽培されている場所を探そう。大地を踏みしめ仕事の持ち場を離れた。
「いやほんまにトマト育ててますやん」
一軒家が建てられそうな広さの土地でトマトが栽培されていた。太陽に照らされた真っ赤なトマトが眩しい。どうするべきか。一旦このトマトが本物かどうか確かめる必要がある。トマトと見せかけて、危ないクスリの可能性もあるだろう。ちなみに、私はバリアでクスリは効かないので大丈夫だ。トマトを引きちぎり手にした。
「では、いただきます。んー瑞々しくて美味しいですね~」
口の中がトマトの水分で潤う。思わず食レポしてしまうほどの美味しさだったが、危険物質が入っているので全て収穫して食べてしまおう。他のトマトに手を出そうとした瞬間、後ろから声が聞こえた。
「さっさと収穫しますか」
この声は咲夜さんか!とっさに身体を伏せた。ほふく前進で彼女から離れる。今すぐ逃げたほうがいいか、いやここで逃げる姿を見られたら誤解される。最終手段に出るしかない。立ち上がって咲夜さんの前に出た。
「おやおや、そこのメイドさん?ここで何をしているのかしら」
髭は生えていないが、ある風にいじる仕草をしつつメイド長に言い放った。
「あんた門番の仕事サボって何してんの。お嬢様に言いつけるわよ」
「いやいや、私はあなたの言う門番ではありません。トマト評論家です」
「?????」
ここで下手に謝ってしまうと私が悪いことになってしまうので、評論家を名乗る。評論家は無条件で尊敬されがちなので、名乗ってしまった者が勝ちなのである。
「メイドさん?ここのトマトはあまり状態が良くないですね」
「いやすごくいい色してますけど」
「ほら、あのトマト見てください。かじられているではないですか」
地面に落ちているトマトを指さした。
「あんたがかじったんでしょ!」
く、全然言うことを聞いてくれない。そういえば、人間はスピリチュアルなものに魅了されるって聞いたことがある。試してみる価値はあるか。ポケットからハンカチを取り出し、振り回した。
「あー私、占い師でもあるんですよね。隕石!ほら、隕石落ちてくるんで逃げた方がいいですよ!」
「もう言ってることめちゃくちゃよ」
咲夜さんは眉間にしわを寄せている。やばい!めっちゃ怒ってるじゃん。レミリアお嬢様にバレたら……私、犯罪者になってしまう!牢屋に入れられて495年くらい出して貰えない可能性もあるかも。いや待て、犯罪者は主に人間や妖怪に対して使う言葉だ。私が妖怪をやめれば犯罪者にはならない。体操座りになり宣言した。
「私はトマトです!!!赤いし、丸いでしょ!」
「!?!?」
咲夜さんは突然のことで困惑しているだろう。狙い通りだ。人間はパニック状態では正常な判断ができない。私のことを許すはずだ。
「トマト!トマト!」
「よくわからないけど、お嬢様の所へ持って行った方がいいかしら」
咲夜さんは体操座りの私を持ち上げ、紅魔館に持ち帰った。
「トマトを収穫してこいって言ったのよ私は」
机の上で体操座りをしている私を見て、レミリアお嬢様は失笑している。
「お嬢様、すみません。この門番が自分をトマトって言い張るもので」
「トマト!トマト!トマト!」
トマトコールが虚しく部屋に鳴り響く。お嬢様と咲夜さんは口を開けたまま、静かに私を見つめ続けた。
その後咲夜さんに猛烈に怒られたのち、減給処分となり始末書を書かされた。ちなみに取引相手は八雲紫だったそう。