【おまけ】
地下の神社には、今日も静かな時間が流れている。
その中で、ユイマンの手はいつまでも阿梨夜の頬を撫で続けていた。
なでなで。
「……」
なでなで。
「……」
頬を撫でていた手が、今度は目元へと移る。
そのまま輪郭をなぞるように、ゆっくりと指先が動いていく。
阿梨夜は相変わらず、何も言わない。
(ずっと、顔撫でてる……)
その顔には困ったような、照れたような、何とも言えない表情が浮かんでいた。
「随分、その……気に入ってるのね」
「だって、三千年ぶりだよ? 阿梨夜が素顔見せてくれたの」
「……」
「ふふふっ」
視線を逸らす阿梨夜を見つめたまま、ユイマンはどこか蠱惑的な笑みを浮かべる。
けれど、その胸の内にあるのは、不思議なくらい穏やかな気持ちだった。
(阿梨夜が、今の顔も悪くないなーって思えるようになるまでは、私がこうしてようかな──なんて)
(貴方には、とても言えないけども)
──今も昔も変わらない、私の可愛い女神様。
これから先、私がどんなに世界を巡っても、必ず貴方のところに帰るからね。