Coolier - 新生・東方創想話

執着生涯

2026/08/09 01:18:32
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足を組むのにも飽きる季節だった。じゃあ紅葉でも狩ってくるかな~~って外行ってたら何かお姉ちゃんが此処に来てるっぽい。

「まぁようこそいらっしゃいました『さとり』殿」
「どうも。うちの『こいし』がお世話になっております」
「いえいえ。妹さんはさっきまで皆と座禅修行されてたんですが……」
「また何処か行ったんですね」
「その様で。良かったら客間で待ちませんか? 丁度話し相手が欲しかったところです」
「はぁ。私でよければ」
 そう言って二人は襖の向こうに入ってっちゃった。
『うわ……マジでいるじゃん『さとり』の奴』
『そりゃあんた何時だって『さとり』様はマジだよ』
 はーい『こいし』様もいまーす。『ナズーリン』と『お燐』ったら全くこっちには気づかないでコソコソ襖の陰でのぞき見してらぁ。これってお姉ちゃんたちも気づいてないのかな? もしもーし、貴方達のペットが密会にきてますよーー。
『コソコソ……『聖』の奴よくさとりなんかと話そうと思えるよな』
『コソコソ……さとり様は「心が読める」もんだからねぇ。あんたのとこの住職は珍しいよ』
『チュウチュウ……命蓮寺は妖怪と人間の共存を謳ってるからなぁ、無下に扱えないだけじゃない』
『ニャアニャア……それならOKしないよ。気を使われてもさとり様分かっちゃうもん』
 ちょっとうるさいなこの子たち。全然お姉ちゃんたち何話してるか聞き取れないんですけど。ていうか何でお燐は命蓮寺にいるのよ、貴方入門断られたんじゃなかったっけ。
『しかしだねぇ』
『しかしだよねぇ』
『一方は人妖関わりなく公平に接する完璧超人『聖白蓮』。当然皆の人気者で』
『もう一方は人妖関わりなく平等に読心する覚妖怪『古明地さとり』。当然皆の嫌われ者』
『こんなのはさぁ』
『こんなのだねぇ』
『『「すっっっげぇ面白そうーーー!!!」』』

 いや分かるーー! 絶対面白いのよねこんなの。何話すんだろ? わかんないけど。
いうなれば矛盾ってやつーー?
聖はよく「私自身も未だ悟りも開けぬ若輩者。だからこいしさんの様になれればと日々修業しているの」なんて言ってくれるし、お姉ちゃんは「エゴのない者など居ないわ。あんたにだってまだそれは残されているはずなの」だなんて言う。どっちやねーん、私って分裂してるんですかー?
 でもでもこの二人が直接対談してくれるんならさー、どっちが正しいのかやっとわかりそうだよ。
『さぁて見ものだな』
『サードアイの視線に入らないようにしなよナズーリン。さとり様はあれで心を読むんだからね』
『知ってる知ってる。お燐も死霊は抑えろよ。聖に知れたら皆お陀仏だ』
『コソチュウ……』
『ニャアコソ……』
 猫と鼠、仲良く見学しな。わたしもワクワクもんだーーっ!

 1時間後――。
「……」
「……」
『……何も喋らないじゃんあの二人』
『あ、足しびれた。ナ、ナズーリン、あたいはもう降りるよ』
『な、何を馬鹿なことを。此処まで一緒に頑張ったじゃあないか。私と一緒に彼女らの弱みをトレジャーしなきゃこの時間は一体何だったんだということに――』
 ただの座禅時間だったねーー。これじゃ普段とやってること変わんないや。お姉ちゃんは当然としても聖すら何も話さないなんて一体何がしたかったのかしら。
「――さて貴方達、座禅体験はいかがでしたか」
『『あ』』
 聖だ。突然開けるからびっくりしちゃった。
『す、すまない聖べ、別に盗み聞きするつもりななかったんだけどね』
「嘘ですね」
『さとり様お迎えに上がりました。地霊殿まで一緒に帰りましょう、足もしびれたでしょう?』
「貴方のね」
 お姉ちゃんだ。何だ全然喋れるじゃん。はぁ。
「とりあえずナズーリンは折檻として――お宅の猫ちゃんはどうしましょう?」
「視姦しときます」
『『やだああああああああああああああああ!』』
「……私ももういいやお姉ちゃん。お燐と一緒に帰ろ」
『『うわあ! びっくりした』』
「何だいたんじゃないあんた」
「いたよ? 最初から」
「良い修行になりましたか? こいしさん」
「うん。またね聖――」
「はい、またお越しください……さとりさんもね?」
「……考えておきます」

 地霊殿まで帰る道中、私はお姉ちゃんに聞いてみた。
「ねぇ、結局お姉ちゃんと聖ってなんで無言同士だったのーー?」
 するとお姉ちゃんは顎に手を当てて視線が右往左往。何考え事してんのよーーっ。正直に申しなさい正直にぃ。
「別に、ちゃんと話したわよ。心の中でだけど」
「ん~~? それって聖はどうやってお姉ちゃんの心読むんだろ」
「さぁね」
 つん、と澄ましてお姉ちゃんは前を歩く。お燐を抱えているからかしら、下を向いて猫背でとぼとぼとしているように見える。
「ああ分かった! お姉ちゃんって分かりやすいもんね。聖に悟られまくったんでしょ」
「なによそれ」
「なるほどなるほど~~で何話したの?」
「あんたの話」
「ふーん、まぁお姉ちゃんはね? 聖は?」
「あんたみたいなのの話」
「何ィ! やっぱり私は分裂してるのかーーっ!?」
「違う違う……白蓮の弟の話。ここに寄ると毎回弟さんへの執着を捨てれてるかチェック係にされてるの。まぁ毎回姉あるあるで盛り上がっちゃって終わるんだけど……」
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1.100アンソニーエドワーズ削除
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