「紅茶を飲まない?」
メリーは蓮子に向かってそんな提案をした。
「紅茶をね…わざわざ提案をするってことはよっぽど珍しい茶葉でも手に入ったのかしら?メリー。」
声を少し弾ませながら、蓮子は身を乗り出した。
まだ、夏も目を擦る梅雨の時期。
メリーの家で2人は週末を悠々自適に過ごしていた。
「まあ、そんなところね。」
メリーは古そうな箱を机の上に出した。
箱の材質的には木箱と呼ぶのが相応しいだろう。
とても年季が入ってるように見えるもののガラクタには見えなかった。
アンティークと呼ぶに相応しい箱だった。
木箱には滑らかにTeedoseと掘られていた。
「——— Teedose、確かドイツ語で茶箱って意味だったかしら…メリーこの茶箱どこで手に入れたの?」
言葉を弾ませながら、蓮子は箱を舐めるように見る。
「夢の中で…紅いお屋敷で貰ったのメイドさんに。お土産って。」
「へえ…夢の中で。」
メリーは夢の中で貰った物や拾った物を現実に持ってくることができる。
もし、これもそうなら幻想郷に関わりのある物なのかもしれない。
「——— 勘違いじゃないならきっとその屋敷の主人のお嬢様は吸血鬼だったと思うわ。だって羽が生えていたし、それに、見た目はちっちゃい女の子なのに喋り方とか、雰囲気とか凄かったもの——— まるでなん100年も生きているように——いえこの場合は実際に生きているによね。」
「おばあちゃんみたいってこと?」
蓮子は益々茶箱から目を離せない。
「そういうことじゃないけど、高貴な…カリスマ性を感じたの。」
蓮子はどこからともなく本を取り出しペラペラと捲る。
「幻想郷に住んでいて、紅いお屋敷——— 紅魔館に住んでいる吸血鬼はスカーレット姉妹しかいないわ!」
メリーに向かってレミリア・スカーレットの挿絵を見せる。
メリーは挿絵をじっくり見てから
出会ったのがレミリア・スカーレットだと認めた。
「あとさっきも言った通りメイドさんにもあったわ、あと洋館に似合わない中華風の人にも。逆に妹さん——フランドール・スカーレットには会ってないわね。」
蓮子はもう一度ページを少し捲ってから、
「メイドさんの方は紅魔館に住む唯一の人間、十六夜咲夜ね。中国の方は紅美鈴ね、こっちは妖怪だわ。フランドールに関しては基本部屋に閉じこもってるみたいだし、残念だけど会ってなくてもしょうがないわね。」
蓮子は目を輝かせながら、
「でも、まさかメリーが吸血鬼に会うなんてねー。私も是非会ってみたいわ!」
メリーはうんうん頷いてから
「そうね。さて、説明は一通り終わったしその茶箱の中のお茶っ葉を使って紅茶を飲まない?」
「そうね!少し、勿体無い気もするけどこのまま持っているより、飲んだ方がもっと何かわかると思うわ!」
そして、蓮子は茶箱の蓋を開ける。
「紅魔館の紅茶なだけあって葉っぱも紅いわねえ。」
そこには紅い葉っぱが敷き詰められていた。
本当に紅い、真紅と呼ぶに相応しい色をしている。
「香りは少し鉄っぽいかしら?」
「人間の血液でも染み込ませてるのかしらね。」
蓮子はやや真面目に言った。
「もう、やめてよ。蓮子——それに関しては私もちゃんと確認したわ。」
メリーはピシャリと言う。
確認したのねと蓮子が薄ら笑いを浮かべながら
「ところで、わざわざ吸血鬼の弱点の雨が活発な時期にこの紅茶を飲む理由について聞かせてもらえないかしら?メリー。今までの話から推測すると紅茶を飲む時期は自由な筈だけど。」
と話を切り込む。
「あら、指定はあったのよ、言ってなかっただけでね。メイドさん——咲夜さんが言ってたの。『ここの屋敷にあるものは多かれ少なかれ妖怪の影響を強く受けています。ここで召し上がるならまだしも外の世界に持って帰る場合何が起こるか私にはわかりません…ですから、吸血鬼の弱点の近く、例えば雨の日などに召し上がってください。なんなら梅雨の時期の方がしばらくお嬢様も外に出られないので、ただの紅茶レベルになると思いますよ。』って。
なんだあ、先に言ってよーと蓮子が少し拗ねる。
「さて!今度こそ疑問も全部解消したし、飲みましょう!」
とメリーがいい、ティーポットをキッチンから持ってきて紅茶の葉を入れる。
そして、熱湯を注ぎ込むとなんとも不思議な匂いがあたりを漂う。
「この匂いは…何かしら?なんだかわからないけどいい匂いね。」
「確か紅魔館にも充満していたわね。色んな葉っぱの匂いが混ざったような匂いな気もするわね。」
すんすんと2人でなんの匂いか相談を続けるものの結論は出なかった。
そして、遂にカップに紅茶を注ぐ時がきた。
カップに注がれる紅茶は真紅と呼ぶに相応しい滑らかな紅色だった。
匂いが部屋に充満する。
うっとりするほど優雅な香りだ。
そして、2人で口にゆっくり紅茶を運ぶ。
「なんていうか…美味ね。めちゃくちゃ美味しいわ。紅茶を飲む吸血鬼が目に浮かぶわ。」
「そうね。無理を言って咲夜さんに頼んだ甲斐があったわ!」
その後も2人で優雅なティータイムを過ごした。
変化としては特になく、部屋に優美な匂いが充満したこと、翌日外の植物が急成長を遂げた以外には問題は起こらなかった。
ただ、紅魔館でメイドがお嬢様に紅茶を勝手にあげたので怒られているのはまた別のお話。
メリーは蓮子に向かってそんな提案をした。
「紅茶をね…わざわざ提案をするってことはよっぽど珍しい茶葉でも手に入ったのかしら?メリー。」
声を少し弾ませながら、蓮子は身を乗り出した。
まだ、夏も目を擦る梅雨の時期。
メリーの家で2人は週末を悠々自適に過ごしていた。
「まあ、そんなところね。」
メリーは古そうな箱を机の上に出した。
箱の材質的には木箱と呼ぶのが相応しいだろう。
とても年季が入ってるように見えるもののガラクタには見えなかった。
アンティークと呼ぶに相応しい箱だった。
木箱には滑らかにTeedoseと掘られていた。
「——— Teedose、確かドイツ語で茶箱って意味だったかしら…メリーこの茶箱どこで手に入れたの?」
言葉を弾ませながら、蓮子は箱を舐めるように見る。
「夢の中で…紅いお屋敷で貰ったのメイドさんに。お土産って。」
「へえ…夢の中で。」
メリーは夢の中で貰った物や拾った物を現実に持ってくることができる。
もし、これもそうなら幻想郷に関わりのある物なのかもしれない。
「——— 勘違いじゃないならきっとその屋敷の主人のお嬢様は吸血鬼だったと思うわ。だって羽が生えていたし、それに、見た目はちっちゃい女の子なのに喋り方とか、雰囲気とか凄かったもの——— まるでなん100年も生きているように——いえこの場合は実際に生きているによね。」
「おばあちゃんみたいってこと?」
蓮子は益々茶箱から目を離せない。
「そういうことじゃないけど、高貴な…カリスマ性を感じたの。」
蓮子はどこからともなく本を取り出しペラペラと捲る。
「幻想郷に住んでいて、紅いお屋敷——— 紅魔館に住んでいる吸血鬼はスカーレット姉妹しかいないわ!」
メリーに向かってレミリア・スカーレットの挿絵を見せる。
メリーは挿絵をじっくり見てから
出会ったのがレミリア・スカーレットだと認めた。
「あとさっきも言った通りメイドさんにもあったわ、あと洋館に似合わない中華風の人にも。逆に妹さん——フランドール・スカーレットには会ってないわね。」
蓮子はもう一度ページを少し捲ってから、
「メイドさんの方は紅魔館に住む唯一の人間、十六夜咲夜ね。中国の方は紅美鈴ね、こっちは妖怪だわ。フランドールに関しては基本部屋に閉じこもってるみたいだし、残念だけど会ってなくてもしょうがないわね。」
蓮子は目を輝かせながら、
「でも、まさかメリーが吸血鬼に会うなんてねー。私も是非会ってみたいわ!」
メリーはうんうん頷いてから
「そうね。さて、説明は一通り終わったしその茶箱の中のお茶っ葉を使って紅茶を飲まない?」
「そうね!少し、勿体無い気もするけどこのまま持っているより、飲んだ方がもっと何かわかると思うわ!」
そして、蓮子は茶箱の蓋を開ける。
「紅魔館の紅茶なだけあって葉っぱも紅いわねえ。」
そこには紅い葉っぱが敷き詰められていた。
本当に紅い、真紅と呼ぶに相応しい色をしている。
「香りは少し鉄っぽいかしら?」
「人間の血液でも染み込ませてるのかしらね。」
蓮子はやや真面目に言った。
「もう、やめてよ。蓮子——それに関しては私もちゃんと確認したわ。」
メリーはピシャリと言う。
確認したのねと蓮子が薄ら笑いを浮かべながら
「ところで、わざわざ吸血鬼の弱点の雨が活発な時期にこの紅茶を飲む理由について聞かせてもらえないかしら?メリー。今までの話から推測すると紅茶を飲む時期は自由な筈だけど。」
と話を切り込む。
「あら、指定はあったのよ、言ってなかっただけでね。メイドさん——咲夜さんが言ってたの。『ここの屋敷にあるものは多かれ少なかれ妖怪の影響を強く受けています。ここで召し上がるならまだしも外の世界に持って帰る場合何が起こるか私にはわかりません…ですから、吸血鬼の弱点の近く、例えば雨の日などに召し上がってください。なんなら梅雨の時期の方がしばらくお嬢様も外に出られないので、ただの紅茶レベルになると思いますよ。』って。
なんだあ、先に言ってよーと蓮子が少し拗ねる。
「さて!今度こそ疑問も全部解消したし、飲みましょう!」
とメリーがいい、ティーポットをキッチンから持ってきて紅茶の葉を入れる。
そして、熱湯を注ぎ込むとなんとも不思議な匂いがあたりを漂う。
「この匂いは…何かしら?なんだかわからないけどいい匂いね。」
「確か紅魔館にも充満していたわね。色んな葉っぱの匂いが混ざったような匂いな気もするわね。」
すんすんと2人でなんの匂いか相談を続けるものの結論は出なかった。
そして、遂にカップに紅茶を注ぐ時がきた。
カップに注がれる紅茶は真紅と呼ぶに相応しい滑らかな紅色だった。
匂いが部屋に充満する。
うっとりするほど優雅な香りだ。
そして、2人で口にゆっくり紅茶を運ぶ。
「なんていうか…美味ね。めちゃくちゃ美味しいわ。紅茶を飲む吸血鬼が目に浮かぶわ。」
「そうね。無理を言って咲夜さんに頼んだ甲斐があったわ!」
その後も2人で優雅なティータイムを過ごした。
変化としては特になく、部屋に優美な匂いが充満したこと、翌日外の植物が急成長を遂げた以外には問題は起こらなかった。
ただ、紅魔館でメイドがお嬢様に紅茶を勝手にあげたので怒られているのはまた別のお話。