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酒呑鬼は猫耳娘の夢を見るか?⑤

2026/05/28 11:45:58
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萃香の家は、一般的な日本家屋のようになっている。縁側の外に大きな庭があり、そこにミスティアの屋台がお邪魔している感じだ。居間でスイカは何か探し物をしていたらしい。
「相変わらず酒臭いな、萃香の家」
勇儀が言った。橙はそれに激しく共感した。でも、酒をとりあげた萃香なんて想像できないので、否定はしなかった。
「萃香ー何探してるんだー?」
藍が言った。ちなみに先ほども書いたが彼女と萃香は面識があり、すでに親しい。紫が異変解決に乗り出した時、着いて行ったからだ。
「ううー」
萃香が声を上げた。探し物が見つからなくて不満げそうだ。
「お酒がないのよ」
「お酒?伊吹瓢に常備されているだろ」
勇儀が言った。
「違うよ。もっと別のお酒。おもてなしする時用にって、取っておいたの。でも、無くしちゃって・・・」
「あやや、これはいい新聞ネタにになりそうですねぇ」
文が呑気なことを言った。
「あんたねぇ、今日は新聞休みって言ってなかった?そんなこと言ってる暇があったら、探すの手伝いなさいよ。ほら、橙も、ミスティアさんも」
藍が言った。
「お酒って、どういう種類のものなの?」
ミスティアが聞いた。
「ええと、日本酒だよ。とっても珍しいお酒らしくて。何で割っても、どんな飲み方しても美味しい、伝説のお酒らしいよ」
「萃香、そんなもの持ってたっけ?萃香は伊吹瓢の酒しか飲まないイメージなんだけどな」
勇儀が言った。ちなみに勇儀のもつ盆は、酒を注ぐと注いだ酒が何倍も美味くなるものらしい。
「手分けして探そうよ」
橙が言った。皆が同意した。

萃香の家は、なぜかやけに広い。わけをきいても、広い方がいいでしょ?みたいな答えしか返ってこない。おそらく、こうなることなど予知できなかったのだろう。
台所、二階、縁の下・・・いろんなところをくまなく探しても、見つからなかった。
「うーん・・・誰かが撮とっていったっていうのは?誰が取るなんてわからないけど」
萃香の酒がその「銘酒の中の銘酒」だったとしたら、取られてもおかしくないだろう。だって銘酒なんだもの。
「その可能性、ありそうね。」
萃香がいった。
「幻想郷中を、くまなく探してみる?」
橙が言った。
「でも、誰がするんです?」
文が言った。文以外全員の視線が文にむいた。
「あっ・・・」

「トホホ・・・久しぶりの休みだっていうのに、結局走り回ることになるなんて、あにはからんや」
文はため息をついた。まあ、あれだけお願いします!という視線で見られたら、断るわけにもいかないし、仕方がない。「誰が取っていったのだろう?幻想郷で盗む癖がある人って・・・あっ」
気づけば文の行先は魔法の森になっていた。
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