「パチェはスレンダーがいいに決まってるでしょ!」
「いいえ!パチュリー様はムッチムチなのが至高です!」
―紅魔館の図書館。
普段は静寂に満ちた空間に、レミリアと小悪魔による言い争いの声が響いていた。
「…貴方達、読書の邪魔なんだけど…静かにしてくれる?」
パチュリーが手に持った本から視線を上げ、恨めしげに二人を睨んだ。
その声をきっかけに、レミリアと小悪魔は弾かれたようにパチュリーを見やる。
「パチェは当然細身の方がいいわよね!?」
「ふくよかの方が絶対いいですよね!?」
二人がずいと身を乗り出し、パチュリーに迫る。
その圧に耐えきれず、パチュリーは思わず後ろに身を引いた。
「…別に、極端じゃなければどっちでもいいけれど…」
絞り出すような声。その答えに二人は一瞬ぽかん、とした表情を浮かべた。
「そんな玉虫色の答えなんて求めてないのよ!どっちかはっきりして頂戴!」
「そうですよ!ご自身のことなんですから、ずばっと答えてください!」
威圧感たっぷりにずずいと迫る二人に、パチュリーは遂に癇癪を起こした。
「もう、二人ともうるさいわよ!さっさと出ていきなさい!」
◆
―翌日。
パチュリーは妙に身体が重く感じた。
試しに自分の腹を触ってみると、ぷにぷにとした肉感が伝わった。
「…え?」
慌てて体重計のもとへ駆け寄り、測ってみる。
すると…■■kg。なんと、●●kgも太っていたのだ。
(※センシティブなため一部修正しております)
「ど、どういうこと…?」
―更に翌日。
パチュリーは妙に体が軽く感じた。
試しに自分の腹を触ってみると、浮いたあばら骨が指に触れているのが分かった。
「…なんで??」
慌てて体重計のもとへ駆け寄り、測ってみる。
すると…▲▲kg。なんと、▼▼kgも痩せていたのだ。
どうやら、日によって痩せたり太ったりしているようだ。
「食事を取らない私が、どうしてこんなに体形がコロコロ変わるのよ…」
流石に不審に思ったパチュリーは、思考を巡らす。
―そういえば数日前にレミリアと小悪魔が私の体形について言い争いをしていた。
「まさか!」
パチュリーは急いで紅魔館から飛び出した。
◆
「さあ~!パチュリー・ノーレッジ本の新刊よ!買った買った!」
日傘を差したレミリアが人里の通りで露店を開いていた。
そこにはパチュリーの薄い本…いわゆる同人誌が積み上げられていた。
『動かない図書館と吸血鬼 禁断の愛』と題字され、
表紙のイラストは痩身のパチュリーが悩ましげにベッドに仰向けになっている。
人里の男性達が列をなして本を購入していた。
「よってらっしゃいみてらっしゃい!待望の新刊!パチュリー・ノーレッジの触手モノだよ!」
その向かい側には小悪魔が同じような露店を開き、同人誌を頒布していた。
『触手召喚!魔女の長い一夜 ~小悪魔の甘い策略~』と題字され、
表紙のイラストはムチムチの肉感的なパチュリーが触手に絡め取られている。
こちらも同じくらいの男性客の行列ができていた。
◆
パチュリーはその場に降り立った。ぜえ、はあ、と息を切らせている。
全速力で飛んできたので、相当バテているようだ。
「何してんのよあんたら!!」
パチュリーが叫んだ。
「あ、パチェ!どう?私の新刊。うまく描けてるでしょ」
「パチュリー様!今回の本は触手の質感とパチュリー様の肉感にこだわりました!」
レミリアと小悪魔が自身の本を手に持ちPRする。
パチュリーは額に青筋を立て、体を震わせた。
「本人によくそんなの見せられるわね!どういう神経してるのよ…」
と言いながらも、同人誌の表紙を飾る自身のイラストをじっと見つめた。
「…貴方達、意外と絵が上手いじゃない。デッサンも狂ってないし、個性を残しつつも適度に流行の絵柄を取り入れ…
ってそんなのどうでもいい!」
パチュリーの一人突っ込みに、レミリアと小悪魔は呆気にとられていた。
「成人本をこんなゾーニングもなしに往来で頒布するなんて…お子様の目に入ったらどうするのよ!
それに、野菜売りみたいに声掛けするなんてマナー違反よ!一般参加の人がじっくり選べないでしょ!」
パチュリーは腰に手を当て、二人に説教した。
「パチェ…貴方、妙に詳しいわね…?」
レミリアが疑問を呈すも、パチュリーはそれには構わなかった。
「そもそも、なんで私のあられもない姿を描いたエロい本を人里でばら撒いてるのよ!!」
パチュリーが顔を真赤にして―これは怒りだけでなく、羞恥もあるのだろう―二人に怒鳴りつけた。
「いや~、スレンダーなパチェの薄い本を人里でばらまけば、認知が広がってパチェ自身も細身になるかなって」
「軽率に人の体型を弄ろうとしないで頂戴!あんた達の発想の方が異変よりよっぽど怖いわ!」
てへ、と舌を出すレミリアにパチュリーが即座に突っ込みを入れる。
小悪魔がなぜかドヤ顔で胸をそらして続ける。
「だからこうして布教してたんですよ。パチュリー様はムチムチこそ正義、という真理を世の常識とするために」
「あ?細身の方がいいに決まってるでしょ。伝統の紫もやしこそ究極なのよ!」
「当主だからって私は引きませんよ!ムチムチの紫大根が至高なんです!」
パチュリーは肩を震わせつつ、何かをぶつぶつと呟いた。
二人は目を見合わせた。
「…人の体を何だと…ふざけないで…こんなの…全部燃やし尽くしてやる…」
怨嗟の声の後、魔法の詠唱が漏れ聞こえた。やがてその両手に大きな火球が生成された。
「ちょ、待ちなさい!私の傑作を燃やさないで!」
「それにこんな人里で魔法をぶっ放したら霊夢さんが…!」
◆
そこに箒に乗った魔理沙が降り立った。
「お前らこんなとこで何揉めてんだ?」
帽子に手をやり、訝しげに尋ねる。
「魔理沙さん!」
小悪魔は事情を説明した。
「…はー。そんな事で揉めてたのかよ」
魔理沙はため息をつき、呆れた表情を浮かべた。
「いいか、どんな体型だろうとパチュリーはパチュリーだろ?
すべてのパチュリーに貴賤はないんだよ」
その言葉を聞き、その場に反省の空気が流れた。
「そ、そうね…私たちは肝心なことを忘れていたわ」
「はい…自身の主張にこだわるあまり、本質を見誤ってました…」
レミリアと小悪魔が頭を垂れ、悔恨の念を込めて呟く。
「魔理沙…!」
パチュリーが救われたように、感謝の視線を向ける。
「ま、私は『一見着痩せしてるけど脱いだらデカい』派だけどな!」
魔理沙はそう言って爽やかな笑顔を残し、箒にまたがって颯爽と飛んでいった。
「…は?」
レミリアと小悪魔が険悪な視線を交わした。
「ふざけないでよ!そんなの邪道よ!」
「そうですよ!そんないいとこ取りみたいな…許せません!」
飛び去った魔理沙に向けて声を上げ、またぎゃあぎゃあと騒ぎ出す。
パチュリーは何かがぷつんと切れるのを感じた。
「貴方達、いい加減にしなさい…!」
両手の火球が勢いを増して燃え上がった。
「セントエルモピラー!!」
轟音とともに天高く火柱が立ち上り、レミリアと小悪魔もろとも、薄い本の露店を焼き尽くした。
◆
―その後。
パチュリーは霊夢によって思い切りしばかれた。
『―幻想郷はすべてを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ』
「いいえ!パチュリー様はムッチムチなのが至高です!」
―紅魔館の図書館。
普段は静寂に満ちた空間に、レミリアと小悪魔による言い争いの声が響いていた。
「…貴方達、読書の邪魔なんだけど…静かにしてくれる?」
パチュリーが手に持った本から視線を上げ、恨めしげに二人を睨んだ。
その声をきっかけに、レミリアと小悪魔は弾かれたようにパチュリーを見やる。
「パチェは当然細身の方がいいわよね!?」
「ふくよかの方が絶対いいですよね!?」
二人がずいと身を乗り出し、パチュリーに迫る。
その圧に耐えきれず、パチュリーは思わず後ろに身を引いた。
「…別に、極端じゃなければどっちでもいいけれど…」
絞り出すような声。その答えに二人は一瞬ぽかん、とした表情を浮かべた。
「そんな玉虫色の答えなんて求めてないのよ!どっちかはっきりして頂戴!」
「そうですよ!ご自身のことなんですから、ずばっと答えてください!」
威圧感たっぷりにずずいと迫る二人に、パチュリーは遂に癇癪を起こした。
「もう、二人ともうるさいわよ!さっさと出ていきなさい!」
◆
―翌日。
パチュリーは妙に身体が重く感じた。
試しに自分の腹を触ってみると、ぷにぷにとした肉感が伝わった。
「…え?」
慌てて体重計のもとへ駆け寄り、測ってみる。
すると…■■kg。なんと、●●kgも太っていたのだ。
(※センシティブなため一部修正しております)
「ど、どういうこと…?」
―更に翌日。
パチュリーは妙に体が軽く感じた。
試しに自分の腹を触ってみると、浮いたあばら骨が指に触れているのが分かった。
「…なんで??」
慌てて体重計のもとへ駆け寄り、測ってみる。
すると…▲▲kg。なんと、▼▼kgも痩せていたのだ。
どうやら、日によって痩せたり太ったりしているようだ。
「食事を取らない私が、どうしてこんなに体形がコロコロ変わるのよ…」
流石に不審に思ったパチュリーは、思考を巡らす。
―そういえば数日前にレミリアと小悪魔が私の体形について言い争いをしていた。
「まさか!」
パチュリーは急いで紅魔館から飛び出した。
◆
「さあ~!パチュリー・ノーレッジ本の新刊よ!買った買った!」
日傘を差したレミリアが人里の通りで露店を開いていた。
そこにはパチュリーの薄い本…いわゆる同人誌が積み上げられていた。
『動かない図書館と吸血鬼 禁断の愛』と題字され、
表紙のイラストは痩身のパチュリーが悩ましげにベッドに仰向けになっている。
人里の男性達が列をなして本を購入していた。
「よってらっしゃいみてらっしゃい!待望の新刊!パチュリー・ノーレッジの触手モノだよ!」
その向かい側には小悪魔が同じような露店を開き、同人誌を頒布していた。
『触手召喚!魔女の長い一夜 ~小悪魔の甘い策略~』と題字され、
表紙のイラストはムチムチの肉感的なパチュリーが触手に絡め取られている。
こちらも同じくらいの男性客の行列ができていた。
◆
パチュリーはその場に降り立った。ぜえ、はあ、と息を切らせている。
全速力で飛んできたので、相当バテているようだ。
「何してんのよあんたら!!」
パチュリーが叫んだ。
「あ、パチェ!どう?私の新刊。うまく描けてるでしょ」
「パチュリー様!今回の本は触手の質感とパチュリー様の肉感にこだわりました!」
レミリアと小悪魔が自身の本を手に持ちPRする。
パチュリーは額に青筋を立て、体を震わせた。
「本人によくそんなの見せられるわね!どういう神経してるのよ…」
と言いながらも、同人誌の表紙を飾る自身のイラストをじっと見つめた。
「…貴方達、意外と絵が上手いじゃない。デッサンも狂ってないし、個性を残しつつも適度に流行の絵柄を取り入れ…
ってそんなのどうでもいい!」
パチュリーの一人突っ込みに、レミリアと小悪魔は呆気にとられていた。
「成人本をこんなゾーニングもなしに往来で頒布するなんて…お子様の目に入ったらどうするのよ!
それに、野菜売りみたいに声掛けするなんてマナー違反よ!一般参加の人がじっくり選べないでしょ!」
パチュリーは腰に手を当て、二人に説教した。
「パチェ…貴方、妙に詳しいわね…?」
レミリアが疑問を呈すも、パチュリーはそれには構わなかった。
「そもそも、なんで私のあられもない姿を描いたエロい本を人里でばら撒いてるのよ!!」
パチュリーが顔を真赤にして―これは怒りだけでなく、羞恥もあるのだろう―二人に怒鳴りつけた。
「いや~、スレンダーなパチェの薄い本を人里でばらまけば、認知が広がってパチェ自身も細身になるかなって」
「軽率に人の体型を弄ろうとしないで頂戴!あんた達の発想の方が異変よりよっぽど怖いわ!」
てへ、と舌を出すレミリアにパチュリーが即座に突っ込みを入れる。
小悪魔がなぜかドヤ顔で胸をそらして続ける。
「だからこうして布教してたんですよ。パチュリー様はムチムチこそ正義、という真理を世の常識とするために」
「あ?細身の方がいいに決まってるでしょ。伝統の紫もやしこそ究極なのよ!」
「当主だからって私は引きませんよ!ムチムチの紫大根が至高なんです!」
パチュリーは肩を震わせつつ、何かをぶつぶつと呟いた。
二人は目を見合わせた。
「…人の体を何だと…ふざけないで…こんなの…全部燃やし尽くしてやる…」
怨嗟の声の後、魔法の詠唱が漏れ聞こえた。やがてその両手に大きな火球が生成された。
「ちょ、待ちなさい!私の傑作を燃やさないで!」
「それにこんな人里で魔法をぶっ放したら霊夢さんが…!」
◆
そこに箒に乗った魔理沙が降り立った。
「お前らこんなとこで何揉めてんだ?」
帽子に手をやり、訝しげに尋ねる。
「魔理沙さん!」
小悪魔は事情を説明した。
「…はー。そんな事で揉めてたのかよ」
魔理沙はため息をつき、呆れた表情を浮かべた。
「いいか、どんな体型だろうとパチュリーはパチュリーだろ?
すべてのパチュリーに貴賤はないんだよ」
その言葉を聞き、その場に反省の空気が流れた。
「そ、そうね…私たちは肝心なことを忘れていたわ」
「はい…自身の主張にこだわるあまり、本質を見誤ってました…」
レミリアと小悪魔が頭を垂れ、悔恨の念を込めて呟く。
「魔理沙…!」
パチュリーが救われたように、感謝の視線を向ける。
「ま、私は『一見着痩せしてるけど脱いだらデカい』派だけどな!」
魔理沙はそう言って爽やかな笑顔を残し、箒にまたがって颯爽と飛んでいった。
「…は?」
レミリアと小悪魔が険悪な視線を交わした。
「ふざけないでよ!そんなの邪道よ!」
「そうですよ!そんないいとこ取りみたいな…許せません!」
飛び去った魔理沙に向けて声を上げ、またぎゃあぎゃあと騒ぎ出す。
パチュリーは何かがぷつんと切れるのを感じた。
「貴方達、いい加減にしなさい…!」
両手の火球が勢いを増して燃え上がった。
「セントエルモピラー!!」
轟音とともに天高く火柱が立ち上り、レミリアと小悪魔もろとも、薄い本の露店を焼き尽くした。
◆
―その後。
パチュリーは霊夢によって思い切りしばかれた。
『―幻想郷はすべてを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ』
私はスレンダー巨乳派です。
いやパチュリーは不健康なくらいの痩せぎすなので