Coolier - 新生・東方創想話

過去の価値

2026/04/25 01:59:24
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昼下がりの幻想郷
雨が降っており暗闇に閉ざされている
今日も今日とて香霖堂の店主は本を読みながら
時間を過ごす
ーカランカラン
こんな天気に誰だ?
それに今日は休業の看板をかけていたはずだ
こんな大雨の日
霊夢や魔理沙でもくるはずが…
「お邪魔するぜ」
……どうやら僕の予想は外れたようだ
魔理沙とは長い付き合いなはずなんだが
「今日は休みの看板がかけてあったはずだが?」
金髪の魔法少女はわざとらしく
「ん?そんな看板あったか?まあこの店なら開いてようが閉まっていようが同じだろ?客が来ないんだから。」
確かに客は少ないがうちには常連が一定数いるし侵害である
「ところで今日は何しに来たんだい?こんな雨の日なんだ、霊夢はいないよ?」
すると魔理沙は
「今日は香霖に用事があってきたんだぜ、ってことで母さんの墓参りに行こうぜ。」
「?別に構わないが…後日にしないかい?こんな雨の日になんで…」
魔理沙は不思議そうに
「なんでって今日はお盆最終日だぜ?香霖のことだからもう行ってるとは思ってたがなんせ霊夢を誘うことでもないし…親父は論外だしな。」
そうか今はお盆だったのか…
最近僕はどうもおかしいな
時間の感覚がわからなくなってきている
それに睡眠時間も増えた…
疲労が溜まっているのだと
思っていたが…
「そうだったのか…すまないな…忘れていたよ…、確かに今日行くべきだね…準備しよう…。」
「香霖…大丈夫か?いつもならお盆に関する蘊蓄語り始めてる頃なんだが…マジで大丈夫か?」
大丈夫なんだろうか
確かにおかしいな
これは
なんだ…
この感情は…
今までのお盆はこんなこと………………………………………………………………………………
















というわけで魔理沙と墓参りに行ってきた
どうも不思議だが魔理沙のお母さんには世話になったし
これからも魔理沙に面倒を掛けられるなら必要だろう
………………………………………………………………
どうもおかしい
今考えるとこの無気力状態はお盆に入ってからである
冥界から帰ってくる幽霊に半妖である僕も影響を受け始めているのだろうか
今まではなかったことだが
年齢が上がったことで
寿命が少なくなり
半妖ということも相まって影響を受けているのでは……………
「そうじゃないわよ?」
「勝手に入ってくるのはやめてほしいと言ったはずだが…」
僕は室内で傘を広げる突如現れた金髪の少女に話しかけた。
「あら、ごめんなさい。でもあなたがあまりにも事実から遠ざかろうとするから気になってしまって…」
事実から遠ざかる?
彼女は僕の身に何が起きているのか知っているのか?
「じゃあ、聞くけどなのが起きてるんだい?」
「単純な話よ、あなたにとって大事だった誰かの死を思い出してるってことよ……今風に言うとトラウマね…記憶は覚えていなくとも体は覚えているということよ。」
なるほど…それならこの何も考えることができない気持ちの理由にはなるかもしれない…しかし……
「なんで僕が覚えていないような僕の過去の出来事を君が知ってるんだい?」
金髪の少女は不思議そうに
「こういうのはあなたの顔を見ればわかるわよ、そうじゃなくてもあなたのことは割と調べたのよ?」
そういうものだろうか…きっとそういうものなのだろう
いつもの僕とは違う
魔理沙が知っている昔の僕とも違う
これは僕も覚えていない僕だ
もっと幼い
今の魔理沙よりも幼い子供時代の…
もう100年以上も前のことだ
しかし、何故今になって思い出したのだろう
いや厳密には思い出してはいない
ただ今年は大事な年なのだろう
何故大事かはもうわからない
何をすることもできない
…無力だが覚えていない物はどうすることもできない
「そうだね…君のいうことは合っていると思うよ、きっと昔の僕にとって誰かの命日なんだろうね……
でも今の僕にはどうしようもないよ…僕は僕だが、子供の僕と100年以上生きた僕ではまるっきり違うんだよ。」
僕はその頃の記憶がないんだ
もうその頃の記憶にしがみつくこともできない
もうこれでこの感情のおそら限界なのだろう
もう終わるものがそこにあるんだ
あの日終わらせることができなかった僕を終わらせるのが今の僕の過去の僕に弔える最善なんだと僕は思うよ…
きっとだから僕は半分人間なんだと思う、どうしようもないほどどこか人間なのだと思う
どこか捨てることができないのだ
…そこにはもう金髪の少女はいなかった
というか彼女はやっぱり苦手だな
なんか久しぶりすぎてビミョイっすね
なにも生み出さない存在よりかは…場合によってはそれよりも
岸野洋成
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