むか~しむかし、あるところに、ネズミの村がありました。
この村で一番偉い人は、村長さんです。
その村長の娘さんは、大層美しいことで評判でした。
橙「え?美しいって?えへへ~。」
紫「でも橙の場合は、美しいと言うよりも可愛いと言う方が似合うかしら?」
橙「どっちだって良いですよ~。えへへ~。」
紫「よしよし。橙は可愛いわねぇ。誰かさんと違って。」
村長は大変な親バカで、それはもう、娘を大切にしていました。
ネズミなのに、猫可愛がりしているのです。
ある日村長は、ふと思いつきました。
紫「そんな大切な娘なら、いいお婿さんを貰って、うんと幸せになってくれなきゃね。」
娘も年頃なので、そろそろお婿さんを貰っても良いなぁと考えました。
でも、手塩にかけて育てた娘を、その辺のボンクラな輩にやるわけにはいきません。
藍「ふ。そんな貴方に要望にお応えしましょう村長様。」
紫「あらあら。誰かと思えば近所に住む電気ネズミ。」
藍「ぴか~。って、誰が黄色い電気ネズミですか。」
近所に住むネズミの青年が現れました。
どうやら、村長の独り言が耳に入ったようです。
紫「それで、何の用かしら?」
藍「この数学万能で弾幕も強い文武両道。式も使えりゃイリュージョンも出来るお茶目さん。
そんな私こそ、橙の……もとい、貴方の娘さんの婿に相応しいと思うのですが、如何か?」
紫「却下。」
藍「早っ!」
青年は村長の娘に思いを寄せていたようです。
是非自分を婿にと言う青年でしたが、村長は一言で蹴ってしましました。
紫「大切な娘だもの。その辺のネズミなんかじゃなく、こう、もっと強い……
そうね、世界一強い人じゃないと、安心して嫁がせられないわ。目指すは天ね。」
藍「そ、そんな~。」
村長は、世界一強い者に、娘を嫁がせることにしたのです。
当然、その辺からぽっと出たネズミの青年ごときに、大切な娘をくれてやる気など、全くありません。
紫「さしあたって、世界一強いと言ったら、雑菌を天日干しで抹殺すること数兆数億。
何時も皆を明るく照らし続けて誰からも好かれている、太陽かしら?さっそく商談に行かなきゃ。」
藍「待ってください!待ってください!後生ですから~!」
紫「さて、善は急げ。早速出かけてくるわね~。」
藍「無視するなんて酷い~……しくしく。」
橙「行ってらっしゃい。藍様、大丈夫?」
この決定に、ネズミの青年はしょんぼり落ち込みました。
娘は心優しいので、青年を気遣います。
藍「橙、お前は優しい子だなぁ……。」
紫「橙、居間の戸棚に鰹節があるから、適当に食べてらっしゃい。あと、またたび酒もあるわよ。」
橙「わ~い。」
娘は食べ物に釣られて、居間へ行ってしまいました。
藍「しくしくしくしく………。」
想いを寄せる娘に見捨てられ、青年はめそめそと泣いてしまいました。
そんな青年を放っておいて、村長は早速、太陽さんの所へ向かいました。
紫「ところで太陽さん。うちの可愛い娘を、お嫁に貰ってくれないかしら?」
妹紅「え?何?話が急過ぎてついて行けないんだけど?」
紫「会話は大気圏外から自由落下中。」
妹紅「それじゃ途中で会話が燃え尽きるじゃない。」
いきなりの話で、流石の太陽さんもびっくりしてしまいました。
村長は、世界一強い者に、自分の娘を嫁がせたいと言うことを話しました。
妹紅「う~ん。世界一と言われて、悪い気はしないけど……。」
紫「でしょう?今なら三割引。」
妹紅「何が?」
紫「それはもう、色々。」
妹紅「て言うか、引いたら損する気がする。まぁそれはそうと、このお話はお断りよ。」
太陽さんは、縁談を断りました。
紫「どうして?こんなにお得なのに。」
妹紅「私に勝てる者なんて、居ない。そう思われがちだけど、これがまた違うのよねぇ。」
紫「太陽さんでも勝てない者が居るの?」
妹紅「雲よ。ほら、あれが出ると光が遮られるじゃない?そういうことよ。」
紫「ふうん。なるほどねえ。」
雲さんは、太陽さんの光を遮ってしまいます。
つまり、雲さんは太陽さんより強いと言うことです。
妹紅「だから縁談なら、雲に持ちかけたほうが……って、早速来たわね。」
紫「あら?太陽さんが消えたわ。」
妹紅「消えたんじゃなくて、雲が邪魔してんのよ。」
村長が、雲さんに話を持ちかけようかと思った矢先、雲さんが現れました。
雲さんのせいで、太陽さんは見えなくなってしまいました。
ルーミア「何か呼ばれた気がした~。」
妹紅「呼んでないけど。」
紫「呼んでないけど、呼びましたわ。」
ルーミア「そーなのかー?」
雲さんはふわふわとしていますが、その身体は太陽さんの光を遮ることが出来るのです。
今、村長の耳に、太陽さんの声は聞こえますが、その目で太陽さんの姿を見ることは出来ません。
妹紅「私はこんなのに負ける立場なのね……。」
ルーミア「こんなのって言わないでよ~。」
紫「唐突だけど雲さん?」
ルーミア「何?」
紫「うちの娘を、お嫁に貰ってくれないかしら?」
村長は、雲さんに縁談の話をしました。
ルーミア「それってつまり……食べれるの?」
紫「それはもう、手取り足取り。彼女の身も心も全て、貴方のモノよ。ふふふ。」
妹紅「こらこら。」
ルーミア「う~~~~ん………。」
紫「今なら洗剤1パックとビール券が付きます。」
妹紅「新聞かい。」
ルーミア「う~~~~~~~ん。くれるって言うなら、貰っちゃおうかなぁ。」
雲さんは、結構その気になりました。
縁談がまとまりそうになった、その時です。
ぶぉおおおおおおお!!
突風が吹きました。
妹紅「とっととと…。」
紫「いや~ん、まいっちんぐ~。」
妹紅「そんなサービス要らないから。どうせ見えないんでしょ?」
紫「見えるか見えないか、ギリギリの際どい所が良いんじゃないの。」
ルーミア「あ~~~~れぇ~~~~~………。」
妹紅「あ、飛ばされた。」
突然の風に吹かれて、雲さんは遥か彼方へ飛ばされてしまいました。
その雲さんと、入れ替わるようにやって来たのが……。
文「風の便りよりも早くて正確、皆の情報源、文々。新聞です。ご愛読ありがとうございます。」
ブン屋……もとい、風さんです。
妹紅「あ~、いや。読んでないけどさ。」
文「で、新聞を取りたいって言うのは貴方ですか?」
妹紅「待て。何で話がそんな方向に飛ぶのよ?」
文「え?だって、新聞って聞こえたから。」
妹紅「どれだけ売れてないのよ、あんたの新聞は。」
紫「こらこら。本職も良いけど、こっちも忘れずにね。」
文「ああ、そうでしたそうでした。新聞と聞くと、つい。」
妹紅「まったく、突然出てきちゃプライベートの事。話の流れがおかしくなるじゃない。」
紫「まぁ、色々手間が省けて良いわ。それより、話があるんだけど。」
文「何ですか?契約なら三ヶ月から百年まで貴方のニーズに合わせて……。」
紫「新聞じゃなくてね。」
太陽さんの光を遮る雲さんを、あっと言う間に吹き飛ばしてしまった風さんこそ、
世界一強い者だと、村長は思ったのです。
早速村長は、風さんに縁談を持ちかけました。
紫「………と、言うわけで。うちの娘をお嫁に貰って下さいな。」
文「う~ん、唐突にそんな話をされてもですねえ。」
紫「今なら新聞のネタを、百件提供。」
文「なっ……!!な、何ですか、その、素晴らしく魅力的なおまけは…。」
紫「大サービスよ?」
文「ぬぬ……しかし、その話はお断りしなければなりません。」
紫「今なら最新型のカメラもつけちゃうわ。さらにフィルムも一緒でお買い得。」
文「ぐっ!…い、いや、しかし……!」
紫「じゃあ、特ダネスキャンダル珍プレイ寝起きにドッキリその他、全部で千件提供。」
文「う~!う~!ああ~!私の中で押し付け嫁とその財産とが秤に駆けられてる~!」
紫「よ、この商売上手。憎いわねぇ。」
妹紅「そこまでしてお嫁にやりたいもんなの?」
風さんは、陥落寸前です。
文「は~、は~……。ま、負けませんよ。一時の感情で、一生の過ちを犯す訳にはいかないのです!」
紫「しぶといわね。それじゃあ……。」
文「聞きません!も~何も聞こえませ~ん!わー!わー!」
陥落寸前でしたが、何とか持ち直したようです。
文「そもそも。私よりも強い人なんて、まだ居るんですから。簡単に決めてはいけません。」
紫「あら、貴方より強い人が居るの。」
文「風ですから。雲や屋根は飛ばせても、立派な家の壁とかは、飛ばせないんですよ。」
何と、太陽さんの光を遮る雲さんを吹き飛ばせる風さんでも、敵わない者が居ると言うのです。
風さんが言うには、それは壁さんだと言うのです。
文「ほら、ちょうどそこに。」
紫「あらご都合主義。ちょいと風を吹かせて頂戴。」
文「わかりました。それ!」
風さんが指した先には、でかでかとそびえ立つ、巨大な壁さんが居ました。
試しに風さんが、壁さんを吹き飛ばそうとしましたが……。
萃香「あ~、涼しい風だわ~。」
壁さんは、びくともしません。
文「ね?この通りです。」
萃香「送風のサービスはもう終わり?」
文「ああ、これ、サービスでも何でもないんですよ。ただの実験です。」
紫「ふ~ん。立派なもんねえ。」
萃香「あれ?紫ってば、何時からそんなにちっこくなったの?」
紫「今の貴方が大きいだけ。今の私は、ネズミの村の村長さんよ。それより、話があるんだけど?」
萃香「何なに?今度の宴会の話?」
紫「縁談のお話。」
萃香「宴団?賑やかそうな集団だねえ。」
紫「違う違う。実は……。」
太陽さんの光を遮る雲さんを吹き飛ばせる風さんでも吹き飛ばせない壁さんが、
世界一強い者だと言うことで、娘との縁談の話を持ちかけました。
萃香「やだわよ。酒のつまみにもなりゃしない。」
紫「つれないわね~。今ならビール券10枚。」
萃香「どうせならお酒そのものを持ってきてよ~。持ってこられてもお嫁は要らないけど。」
壁さんは、あっさりと縁談を蹴ってしまいました。
紫「そんなこと言う娘は、こうよ。」
萃香「あ、ちょっと!傘の先っちょ刺さないで~。ああ、身体が~。」
文「あ、空気が抜けましたよ。」
妹紅「空気で膨らんでたの?」
村長は怒ってしまったのか、壁さんの身体に、尖った歯を突き立てました。
すると、壁さんの身体に穴が空き、壁さんはそのまま崩れてしまいました。
萃香「…も~、だからネズミは嫌いなのよ~。」
紫「あら、ネズミはお嫌い?」
萃香「身体に穴開けたりするからね。まぁ見ての通りさ。」
太陽さんの光を遮る雲さんを吹き飛ばす風さんでも吹き飛ばせない壁さんでしたが、
身体を崩されてバラバラにされて、すっかり小さくなってしまいました。
実は壁さん、ネズミが苦手なのでした。
文「あれ?その理論から行くと、最強はネズミってことになりませんか?」
紫「ん?ああ、それもそうね。」
妹紅「いや、その理論だと振り出しにもど……ムグムグッ!」
文「(折角話がまとまりかけてるんだから、黙っててください)」
妹紅「ぷはっ!……あ、ああ。そうそう。最強はネズミで決定ね。めでたしめでたし。」
文「そうです。この世界でネズミに勝る生物があろうものですか。否、ありません!
人間の次に発展する生物は、ネズミなのです。数億年後はネズミが星を支配するのです!」
萃香「酔っても無いくせに、調子良いなぁ。」
そう。
太陽さんの光を遮る雲さんを吹き飛ばせる風さんでも吹き飛ばせない壁さんに、
いとも簡単に穴を開けてしまうネズミこそ、世界一強いと言うことなのです。
紫「なるほどねえ。つまり、ネズミの中で一番強いネズミ、
キング・オブ・ネズミに、可愛い可愛い娘をお嫁にやれば良いのね。」
妹紅「何で中途半端に英語かね。」
萃香「あ、宴会の匂い!」
文「まぁ、異種交配はキメラでも生まれそうだから。やめておいた方が無難ですね。」
と、言うことでネズミの村長は早速村に帰ると、この世で一番強いネズミを決める、
『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX』を開催したのです。
村長は世界中に御触れを出し、参加者を募りました。
鈴仙「って、何でネズミのとこだけ中途半端に日本語なの?」
てゐ「ネズミの英訳知らないからじゃないかな?」
鈴仙「いや、流石にそこまでバカじゃないでしょ。どっかのアレじゃあるまいし。」
村中から、我こそはと思うネズミが集まって来ました。
チルノ「へっくしょいっ!あ~、風邪引いたかな?」
リグル「それって、洒落なの?」
チルノ「へ?何がさ?」
リグル「いや、何でもない。」
村長の娘は大層美しいので、密かに想いを寄せている者が沢山居たのです。
そんなネズミたちが続々と、会場に集まってきます。
ミスティア「ぼっくらのむ~らの村長は~♪ゆっかり~んゆっかり~んゆっかゆっかり~ん♪」
慧音「……ああ、何か、参加者の微妙な共通点が見えてきたなあ。」
咲夜「私には、さっぱり分からないんだけど。」
レミリア「咲夜は頭の回転が遅いわねえ。」
慧音「う~ん、知らない方が良いかも知れないな……。」
ミスティア「あ~しが臭くて胡散臭い♪ゆっかり~んゆっかり~んゆっかゆっかり~ん♪」
慧音「こらっ!そんな歌、こんな所で……!」
ミスティア「ゆっかり~ん♪ゆっかり~………ん?ひええええええ!!スキマがああああ!!」
慧音「ああ、言わんこっちゃ無い。」
レミリア「静かになって丁度良いわ。」
咲夜「南無。」
あんまり多いので、意図的に行方不明にされてしまった者も居たとか居なかったとか。
それはともかく、参加者中には当然、彼の姿も有りました。
藍「橙……橙や、待っていておくれ。今お前を、魔王の手から開放してやる!
そして、二人で幸せに暮らそう!幸せな暮らしを築こう!ああ、橙!可哀想な橙!
鰹節や酒なんかで騙されて……。橙の純粋な心を弄ぶのなら、例え紫様でも………!」
そう、あの、ネズミの青年です。
闘志をみなぎらせ、気合十分、何としても、村長の娘を射止めようとしています。
目つきとかが少々危ないような気もします。
文「レディース、アーンドネズミーズ!これより、お婿さん決定戦、
『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX ポロりもあるよ?』を開催いたします!」
村長の根回しか、風さんが司会をやってます。
文「司会進行は私、風の便りで皆さんに情報をお届けする、風です。新聞もよろしく。
レフェリーは、この大会の黒幕。レティじゃないよ?みんなの村の村長さんの、村長さん。
解説は、天から皆に萌えと恵みと暑苦しいまでの温もりを与え続ける、太陽さんです。」
紫「始めましてじゃないけどこんにちは。貴方の村の村長さんです。ズバリ審判するわよ?」
妹紅「……まだ出演させられるなんて、思ってもなかったんだけど。」
文「集まったネズミたちよ、今こそ血戦の刻!最強の名を賭けて、いざ闘わんっ!
この大会の趣旨はそんな感じですので、お集まりの選手の皆さん、がんばって下さい。」
妹紅「……最強アニマル決定戦?」
これまた何故か、村長と一緒に太陽さんが解説席に居たりします。
文「優勝したネズミには、最強の称号と、村長の娘さんが与えられます。
さらに副賞として、村長さんが何か一つ願い事を叶えてくれるそうです。」
橙「何だか良く分からないけどよろしく~。」
藍「うおおおおおおお!ちぇえええええええん!!!」
チルノ「最強の称号は、あたいにこそ相応しいわね!」
てゐ「お嫁も称号も要らないけど、副賞は魅力的だねー。」
鈴仙「むしろ、そっちがメインでみんな集まった気がするわ。」
文「おっと。娘さんの美貌を前に、選手たちも気合が入った模様です。」
妹紅「それで気合入ったの、たった一人じゃない。」
優勝者には、村長の娘が与えられることになっています。
美しい村長の娘をお嫁にするため、選手たちは気合を入れます!
特に、昔から憧れていたネズミの青年は、気合を入れすぎて、少々興奮しすぎているようです。
文「ルールは簡単。一対一で闘って、とりあえず相手をぶちのめして下さい。
形の上はトーナメント形式です。最後まで勝ちあがった人が優勝です。」
妹紅「単純明快ね。分かりやすくていいけど。」
ルーミア「そーなのかー。」
萃香「さっさと始めろ~!」
雲さんと壁さんは観客席です。
壁さんは野次を飛ばしています。
文「では、記念すべき一回戦のカードは……。」
今、史上最大の戦いの火蓋が、切って落とされたのです
・
・
・
戦いは、熱狂と混迷に包まれました。
慧音「9ひく1は!?」
チルノ「あ~、え?ええと……?」
慧音「隙あり!」
チルノ「え?わ~っ!」
紫「それまで!」
カンカンカン!!
文「勝者!白!ハクタ~~~~ク!ケネ~~~ゴ~~~ン!!!」
慧音「ちょっと待て!何その怪獣みたいなリングネーム!て言うか叫ぶな恥ずかしい!」
文「いやぁ、見事な作戦勝ちでしたねえ。どうですか、太陽さん。」
妹紅「そんな古典的な勝ち方……どうなのよ?」
慧音「あ~、いやまぁ、まさか通じるとは思ってなかったんだけど……。」
ある者は、策略で勝ち、
リグル「わ~!何よこれ~!取れないし動けない~!」
てゐ「外の世界の便利アイテム、ゴキブリホイホイよ。」
リグル「何で私に使うのよ~~~!!いや~!ベトベトする~~~!!」
紫「はい、凶器攻撃は認めるけど小道具は駄目よ。退場。」
てゐ「え~~。」
紫「ゴキグルホイホイはこのままゴミ箱に。」
リグル「ゴキグルって何~!?捨てないで~!」
ある者は、反則で勝利を逃し、
ある者は、そのとばっちりで再起不能になり、
文「続いて青コーナー!私のモノはお嬢様のモノ。お嬢様のモノはお嬢様のモノ。私はお嬢様のモノ!
お嬢様は私のモノ!悪魔の犬!紅魔館のヘルバウンド!ケルベロス・さくや~~~~ぐはぁっ!」
咲夜「誰が犬なのよ、誰が。」
妹紅「あ~あ、脳天直撃。」
紫「ぴ~。場外乱闘はご法度よ。退場~。」
文「うう、頭のナイフは痛いですが、解説者としての責務は果たしたいと思います。
と、言うわけで勝者は紅コーナー、世界の全ては私のもの、バットマン・レミリアーーーー!!」
レミリア「ああ~、目の前に太陽が~。溶ける溶ける。」
妹紅「目の前の太陽って……私かぐふぁっ!?」
咲夜「お嬢様溶かすな。」
レミリア「ああもう、これじゃ闘えないわ。」
文「ケルベロス咲夜さん。解説席にナイフ投げるのはやめはぐぁっ!」
ある者は、場外乱闘で退場させられ、
ある者は、勝手にリタイアし、
藍「橙のために死ねぇぇぇえええええ!!」
鈴仙「えええ!?何もしなくても狂ってる~~!」
藍「ボンクラネズミめ!死ねよやぁあああああ!!」
鈴仙「わ~~~~~!!!!」
ある者は、普通に勝利し……。
試合は、順調に進んで行きました。
そして。
慧音「ぐぅ……無念……。」
藍「はぁ……はぁ……。か、勝った………!」
紫「勝負あり!」
文「勝者!ネズミの青年!!この瞬間、『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX ポロりは無かった詐欺だ金返せ』!
優勝は、村長さん家の近所に住むネズミの青年に決定しましたぁああああ~~~~~~~!!!!!」
全ての闘いが、終わりました。
優勝は、あのネズミの青年でした!
藍「うおぉぉぉぉおおおお!!テンッッッッコォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!」
文「吠えています。嬉しさの余り吠えてます。数々の激戦を勝ち抜き、優勝を手にしたネズミの青年!
その汗、その血、その傷、全ては勝利の証!彼の喜び、果たしてどれ程のものなのでしょうかっ!
待った、ちょっと待った!服を脱ぎ捨てて踊りたくなる気持ちも分かるっ!でも落ち着いて!
公衆わいせつ罪で逮捕しちゃうぞ?逮捕されれば優勝は次元の彼方だ!だから落ち着けネズミの青年!」
妹紅「……数々?闘ったの2回だけのような気がするんだけど。」
文「まともに闘って勝ったのって、そのネズミとハクタクケネゴンの二人だけですから。」
藍「橙や!これでようやく!ようやくっ!く~~~~!!」
文「泣いています!漢泣きならぬ、天狐鳴きですっ!く~~!不覚にも、私の目からも涙が!感動です!」
妹紅「目薬持ってちゃ、説得力の欠片も無いけどね。」
悲願が叶い、ネズミの青年は涙を流しています。
これで、憧れていた村長の娘と、結ばれることが出来る、そう思いました。
そう、思われました、でも……。
文「まぁ、全部ぬか喜びに終わりますけど。」
藍「へ?ちょっと司会者、何言って…うわっ!?」
誰かが突然、ネズミの青年を攻撃しました。
間一髪、ネズミの青年は、攻撃を避けることが出来ました。
藍「だ、誰だ!?」
紫「ふふふ、やるわね。」
藍「ゆ、ゆか……じゃなくて、村長!?」
ネズミの青年を攻撃したのは、なんと村長でした!
村長は、準備運動を兼ねてのシャドーボクシングで、青年を威嚇しています。
紫「これでも昔は、プロのファイターとして、最強を目指して闘ったものよ。しゅっ、しゅっ!」
藍「な、何ですと~~?!?!……って、嘘おっしゃい!」
紫「娘を持って行きたいなら、私の屍を超えて行きなさい。」
藍「わ、私に、紫様に勝てって言うんですか!?無理に決まってるでしょう!?」
紫「あら?橙をどうこうする輩は?例え紫様でも………?」
藍「あ、あ……あ~、う~~~………。」
村長の気や構え、見た感じ、ただ者ではありません。
最強を目指して闘っていたと言う、村長の話は、本当っぽいような気もしてきます。
最初の意気込みは何処へやら。
ネズミの青年は、すっかり弱気です。
文「何と言う大うどんげ返し!もとい大どんでん返し!
娘が欲しければ、わしを倒して持って行け!古き良き父親像、今ここに復活!」
妹紅「はて、何時の時代の父親なのやら。」
文「では、突然ですがここで一息入れて、休憩席を呼んでみましょう。休憩席の、ハムスターさ~ん!」
幽々子『は~い。現場のハムスターで~す。大好きなのは向日葵の種とか色々です。』
幽香『ん?食べる?』
幽々子『あら、ありがとう。(ぽりぽり)』
藍「勝手に一息入れるなそこ~!」
紫「ほらほら、来ないなら、こっちから行くわよ?」
藍「く………!く……く、くそぉぉお!やぶれかぶれだぁああああああ!!」
ネズミの青年は満身創痍ですが、村長は手加減をするつもりは無いようです。
退路もありません。
ネズミの青年は、半ばヤケクソで、村長に襲いかかりました。
文「そちらでは、催し物をやっているようですが?」
幽々子『は~い。ここでは、参加者やお客さんを労うために、料理が振舞われていま~す。美味しそう。』
文「何とお料理!一体、どんなものが有るのですか?」
幽香『ええと、メニューは鶏がらスープ、虫の佃煮、座薬うどん、慧角ラーメン、特製カキ氷など。
お客のニーズに応えて、どんどんメニューが増えていってるの。ここの食通も大喜びよ。
って、こらこら。職務放棄してがっつかないの。あ、料金はタダにしておいてね。』
てゐ『そりゃ困るよお客さん。こっちも商売ですよ?』
幽香『じゃ、領収書は白玉楼宛でね。』
幽々子『あ~、うどん美味しいわね~。あ、慧角ラーメン追加ね~。』
ルーミア『私も慧角ラーメン~。』
萃香『じゃあ、お酒のつまみになりそうな佃煮。』
レミリア『咲夜、カキ氷。』
咲夜『カキ氷二つ下さいな。』
てゐ『へい、まいど~。ほらほら、注文入ったよ~!』
鈴仙『ちょっと待ってよ~!何で私一人で料理しなきゃいけないのよ~?全部は無理だってば~。』
てゐ『今が稼ぎ時なのよ!ガタガタ抜かすとメニューに兎鍋追加するよ?』
妹紅「って、商売してんのあんたらか。」
藍「ねえ!誰も見てないけど私ボコボコにやられてますよぐぅっ!ええだって私、このヒトの式ですよぶはっ!
敵うわけないじゃないですがはぁっ!その辺わかっててやってるでしょうそんちょうぐはぁっ!
嫌っ!もう駄目審判ギブアップギブアップッ!って~!審判居ない!て言うか審判この人だ~ぎゃあッ!
紫様、もうやめて、許してっ!これ以上は死ぬ!本気で死んじゃいますからぁぁああぶるはぁっ!
誰か止めて!この人止めてタオル投げてぶべっ!誰かこっち見て!お料理なんかいいからこっちがはっ!
このままじゃ私が肉塊に!ミンチになってしまう~~ふぎゃはっ!橙!助けておくれ!ちぇ~~~ん!!」
橙「う~ん……むにゃむにゃ………ごろごろ~……。」
藍「寝てる!ああ可愛いなぁうぼぁっ!!」
幽香『では、犠牲になった食材に一輪の花を添えて、スタジオへお返ししま~す。こら、座薬うどん遅いわよ。』
文「はい、ありがとうございました。またまた突然ですが、お別れの時間がやってきてしまいました。
この大会は、ネズミの村の村長さん、速い安い濃い!幻想郷の知識の泉、文々丸。新聞、
永遠亭ネズミの村出張所、博麗神社、香霖堂、その他沢山の人たちの提供でお送りいたしました。
司会は私、誰よりも情報を速くお届けする風。解説は、みんなのアイドル、太陽さんでした~。」
妹紅「うん、まぁ、ありがとうさようなら。」
文「ではみなさん、さようなら~。」
紫「トドメの~~~。ゆかり~~~ん、ぱ~~~んち!!」
藍「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁ………………。」
結局、『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX ポロりは無かった詐欺だ金返せ』は、
村長の乱入と優勝者の敗北で幕を閉じ、村長の娘さんのお婿さんは決定することはありませんでした。
大会に優勝し、果敢にも村長に挑んだこの青年は、この後どうなったのでしょうか?
涙を呑んであきらめたのか、山奥に隠れて修行をしているのか、はたまたお客に振舞われたのか……。
また、村長の娘さんのお婿さんは、その後決まったのか、それとも、ずっとお嫁に行けなかったのか。
『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX 今度はモロ出し放送禁止?』は、その後開催されたのか………。
文「それは、誰も知らないように見せかけて、村長さんだけが、知っていた………と。
う~ん、イマイチかなぁ。でもボツにするには惜しいネタだし……。」
おしまい
キャスト
ネズミの村長 ・・・ 八雲 紫
ネズミの娘 ・・・ 橙
ネズミの青年 ・・・ 八雲 藍
太陽さん ・・・ 藤原 妹紅
雲さん ・・・ ルーミア
風さん ・・・ 射命丸 文
壁さん ・・・ 伊吹 萃香
ネズミ1 ・・・ 鈴仙・U・イナバ
ネズミ2 ・・・ 因幡 てゐ
ネズミ3 ・・・ チルノ
ネズミ4 ・・・ リグル・ナイトバグ
ネズミ5 ・・・ 上白沢 慧音
ネズミ6 ・・・ ミスティア・ローレライ
ネズミ7 ・・・ 十六夜 咲夜
ネズミ8 ・・・ レミリア・スカーレット
ハムスター1 ・・・ 西行寺 幽々子
ハムスター2 ・・・ 風見 幽香
この村で一番偉い人は、村長さんです。
その村長の娘さんは、大層美しいことで評判でした。
橙「え?美しいって?えへへ~。」
紫「でも橙の場合は、美しいと言うよりも可愛いと言う方が似合うかしら?」
橙「どっちだって良いですよ~。えへへ~。」
紫「よしよし。橙は可愛いわねぇ。誰かさんと違って。」
村長は大変な親バカで、それはもう、娘を大切にしていました。
ネズミなのに、猫可愛がりしているのです。
ある日村長は、ふと思いつきました。
紫「そんな大切な娘なら、いいお婿さんを貰って、うんと幸せになってくれなきゃね。」
娘も年頃なので、そろそろお婿さんを貰っても良いなぁと考えました。
でも、手塩にかけて育てた娘を、その辺のボンクラな輩にやるわけにはいきません。
藍「ふ。そんな貴方に要望にお応えしましょう村長様。」
紫「あらあら。誰かと思えば近所に住む電気ネズミ。」
藍「ぴか~。って、誰が黄色い電気ネズミですか。」
近所に住むネズミの青年が現れました。
どうやら、村長の独り言が耳に入ったようです。
紫「それで、何の用かしら?」
藍「この数学万能で弾幕も強い文武両道。式も使えりゃイリュージョンも出来るお茶目さん。
そんな私こそ、橙の……もとい、貴方の娘さんの婿に相応しいと思うのですが、如何か?」
紫「却下。」
藍「早っ!」
青年は村長の娘に思いを寄せていたようです。
是非自分を婿にと言う青年でしたが、村長は一言で蹴ってしましました。
紫「大切な娘だもの。その辺のネズミなんかじゃなく、こう、もっと強い……
そうね、世界一強い人じゃないと、安心して嫁がせられないわ。目指すは天ね。」
藍「そ、そんな~。」
村長は、世界一強い者に、娘を嫁がせることにしたのです。
当然、その辺からぽっと出たネズミの青年ごときに、大切な娘をくれてやる気など、全くありません。
紫「さしあたって、世界一強いと言ったら、雑菌を天日干しで抹殺すること数兆数億。
何時も皆を明るく照らし続けて誰からも好かれている、太陽かしら?さっそく商談に行かなきゃ。」
藍「待ってください!待ってください!後生ですから~!」
紫「さて、善は急げ。早速出かけてくるわね~。」
藍「無視するなんて酷い~……しくしく。」
橙「行ってらっしゃい。藍様、大丈夫?」
この決定に、ネズミの青年はしょんぼり落ち込みました。
娘は心優しいので、青年を気遣います。
藍「橙、お前は優しい子だなぁ……。」
紫「橙、居間の戸棚に鰹節があるから、適当に食べてらっしゃい。あと、またたび酒もあるわよ。」
橙「わ~い。」
娘は食べ物に釣られて、居間へ行ってしまいました。
藍「しくしくしくしく………。」
想いを寄せる娘に見捨てられ、青年はめそめそと泣いてしまいました。
そんな青年を放っておいて、村長は早速、太陽さんの所へ向かいました。
紫「ところで太陽さん。うちの可愛い娘を、お嫁に貰ってくれないかしら?」
妹紅「え?何?話が急過ぎてついて行けないんだけど?」
紫「会話は大気圏外から自由落下中。」
妹紅「それじゃ途中で会話が燃え尽きるじゃない。」
いきなりの話で、流石の太陽さんもびっくりしてしまいました。
村長は、世界一強い者に、自分の娘を嫁がせたいと言うことを話しました。
妹紅「う~ん。世界一と言われて、悪い気はしないけど……。」
紫「でしょう?今なら三割引。」
妹紅「何が?」
紫「それはもう、色々。」
妹紅「て言うか、引いたら損する気がする。まぁそれはそうと、このお話はお断りよ。」
太陽さんは、縁談を断りました。
紫「どうして?こんなにお得なのに。」
妹紅「私に勝てる者なんて、居ない。そう思われがちだけど、これがまた違うのよねぇ。」
紫「太陽さんでも勝てない者が居るの?」
妹紅「雲よ。ほら、あれが出ると光が遮られるじゃない?そういうことよ。」
紫「ふうん。なるほどねえ。」
雲さんは、太陽さんの光を遮ってしまいます。
つまり、雲さんは太陽さんより強いと言うことです。
妹紅「だから縁談なら、雲に持ちかけたほうが……って、早速来たわね。」
紫「あら?太陽さんが消えたわ。」
妹紅「消えたんじゃなくて、雲が邪魔してんのよ。」
村長が、雲さんに話を持ちかけようかと思った矢先、雲さんが現れました。
雲さんのせいで、太陽さんは見えなくなってしまいました。
ルーミア「何か呼ばれた気がした~。」
妹紅「呼んでないけど。」
紫「呼んでないけど、呼びましたわ。」
ルーミア「そーなのかー?」
雲さんはふわふわとしていますが、その身体は太陽さんの光を遮ることが出来るのです。
今、村長の耳に、太陽さんの声は聞こえますが、その目で太陽さんの姿を見ることは出来ません。
妹紅「私はこんなのに負ける立場なのね……。」
ルーミア「こんなのって言わないでよ~。」
紫「唐突だけど雲さん?」
ルーミア「何?」
紫「うちの娘を、お嫁に貰ってくれないかしら?」
村長は、雲さんに縁談の話をしました。
ルーミア「それってつまり……食べれるの?」
紫「それはもう、手取り足取り。彼女の身も心も全て、貴方のモノよ。ふふふ。」
妹紅「こらこら。」
ルーミア「う~~~~ん………。」
紫「今なら洗剤1パックとビール券が付きます。」
妹紅「新聞かい。」
ルーミア「う~~~~~~~ん。くれるって言うなら、貰っちゃおうかなぁ。」
雲さんは、結構その気になりました。
縁談がまとまりそうになった、その時です。
ぶぉおおおおおおお!!
突風が吹きました。
妹紅「とっととと…。」
紫「いや~ん、まいっちんぐ~。」
妹紅「そんなサービス要らないから。どうせ見えないんでしょ?」
紫「見えるか見えないか、ギリギリの際どい所が良いんじゃないの。」
ルーミア「あ~~~~れぇ~~~~~………。」
妹紅「あ、飛ばされた。」
突然の風に吹かれて、雲さんは遥か彼方へ飛ばされてしまいました。
その雲さんと、入れ替わるようにやって来たのが……。
文「風の便りよりも早くて正確、皆の情報源、文々。新聞です。ご愛読ありがとうございます。」
ブン屋……もとい、風さんです。
妹紅「あ~、いや。読んでないけどさ。」
文「で、新聞を取りたいって言うのは貴方ですか?」
妹紅「待て。何で話がそんな方向に飛ぶのよ?」
文「え?だって、新聞って聞こえたから。」
妹紅「どれだけ売れてないのよ、あんたの新聞は。」
紫「こらこら。本職も良いけど、こっちも忘れずにね。」
文「ああ、そうでしたそうでした。新聞と聞くと、つい。」
妹紅「まったく、突然出てきちゃプライベートの事。話の流れがおかしくなるじゃない。」
紫「まぁ、色々手間が省けて良いわ。それより、話があるんだけど。」
文「何ですか?契約なら三ヶ月から百年まで貴方のニーズに合わせて……。」
紫「新聞じゃなくてね。」
太陽さんの光を遮る雲さんを、あっと言う間に吹き飛ばしてしまった風さんこそ、
世界一強い者だと、村長は思ったのです。
早速村長は、風さんに縁談を持ちかけました。
紫「………と、言うわけで。うちの娘をお嫁に貰って下さいな。」
文「う~ん、唐突にそんな話をされてもですねえ。」
紫「今なら新聞のネタを、百件提供。」
文「なっ……!!な、何ですか、その、素晴らしく魅力的なおまけは…。」
紫「大サービスよ?」
文「ぬぬ……しかし、その話はお断りしなければなりません。」
紫「今なら最新型のカメラもつけちゃうわ。さらにフィルムも一緒でお買い得。」
文「ぐっ!…い、いや、しかし……!」
紫「じゃあ、特ダネスキャンダル珍プレイ寝起きにドッキリその他、全部で千件提供。」
文「う~!う~!ああ~!私の中で押し付け嫁とその財産とが秤に駆けられてる~!」
紫「よ、この商売上手。憎いわねぇ。」
妹紅「そこまでしてお嫁にやりたいもんなの?」
風さんは、陥落寸前です。
文「は~、は~……。ま、負けませんよ。一時の感情で、一生の過ちを犯す訳にはいかないのです!」
紫「しぶといわね。それじゃあ……。」
文「聞きません!も~何も聞こえませ~ん!わー!わー!」
陥落寸前でしたが、何とか持ち直したようです。
文「そもそも。私よりも強い人なんて、まだ居るんですから。簡単に決めてはいけません。」
紫「あら、貴方より強い人が居るの。」
文「風ですから。雲や屋根は飛ばせても、立派な家の壁とかは、飛ばせないんですよ。」
何と、太陽さんの光を遮る雲さんを吹き飛ばせる風さんでも、敵わない者が居ると言うのです。
風さんが言うには、それは壁さんだと言うのです。
文「ほら、ちょうどそこに。」
紫「あらご都合主義。ちょいと風を吹かせて頂戴。」
文「わかりました。それ!」
風さんが指した先には、でかでかとそびえ立つ、巨大な壁さんが居ました。
試しに風さんが、壁さんを吹き飛ばそうとしましたが……。
萃香「あ~、涼しい風だわ~。」
壁さんは、びくともしません。
文「ね?この通りです。」
萃香「送風のサービスはもう終わり?」
文「ああ、これ、サービスでも何でもないんですよ。ただの実験です。」
紫「ふ~ん。立派なもんねえ。」
萃香「あれ?紫ってば、何時からそんなにちっこくなったの?」
紫「今の貴方が大きいだけ。今の私は、ネズミの村の村長さんよ。それより、話があるんだけど?」
萃香「何なに?今度の宴会の話?」
紫「縁談のお話。」
萃香「宴団?賑やかそうな集団だねえ。」
紫「違う違う。実は……。」
太陽さんの光を遮る雲さんを吹き飛ばせる風さんでも吹き飛ばせない壁さんが、
世界一強い者だと言うことで、娘との縁談の話を持ちかけました。
萃香「やだわよ。酒のつまみにもなりゃしない。」
紫「つれないわね~。今ならビール券10枚。」
萃香「どうせならお酒そのものを持ってきてよ~。持ってこられてもお嫁は要らないけど。」
壁さんは、あっさりと縁談を蹴ってしまいました。
紫「そんなこと言う娘は、こうよ。」
萃香「あ、ちょっと!傘の先っちょ刺さないで~。ああ、身体が~。」
文「あ、空気が抜けましたよ。」
妹紅「空気で膨らんでたの?」
村長は怒ってしまったのか、壁さんの身体に、尖った歯を突き立てました。
すると、壁さんの身体に穴が空き、壁さんはそのまま崩れてしまいました。
萃香「…も~、だからネズミは嫌いなのよ~。」
紫「あら、ネズミはお嫌い?」
萃香「身体に穴開けたりするからね。まぁ見ての通りさ。」
太陽さんの光を遮る雲さんを吹き飛ばす風さんでも吹き飛ばせない壁さんでしたが、
身体を崩されてバラバラにされて、すっかり小さくなってしまいました。
実は壁さん、ネズミが苦手なのでした。
文「あれ?その理論から行くと、最強はネズミってことになりませんか?」
紫「ん?ああ、それもそうね。」
妹紅「いや、その理論だと振り出しにもど……ムグムグッ!」
文「(折角話がまとまりかけてるんだから、黙っててください)」
妹紅「ぷはっ!……あ、ああ。そうそう。最強はネズミで決定ね。めでたしめでたし。」
文「そうです。この世界でネズミに勝る生物があろうものですか。否、ありません!
人間の次に発展する生物は、ネズミなのです。数億年後はネズミが星を支配するのです!」
萃香「酔っても無いくせに、調子良いなぁ。」
そう。
太陽さんの光を遮る雲さんを吹き飛ばせる風さんでも吹き飛ばせない壁さんに、
いとも簡単に穴を開けてしまうネズミこそ、世界一強いと言うことなのです。
紫「なるほどねえ。つまり、ネズミの中で一番強いネズミ、
キング・オブ・ネズミに、可愛い可愛い娘をお嫁にやれば良いのね。」
妹紅「何で中途半端に英語かね。」
萃香「あ、宴会の匂い!」
文「まぁ、異種交配はキメラでも生まれそうだから。やめておいた方が無難ですね。」
と、言うことでネズミの村長は早速村に帰ると、この世で一番強いネズミを決める、
『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX』を開催したのです。
村長は世界中に御触れを出し、参加者を募りました。
鈴仙「って、何でネズミのとこだけ中途半端に日本語なの?」
てゐ「ネズミの英訳知らないからじゃないかな?」
鈴仙「いや、流石にそこまでバカじゃないでしょ。どっかのアレじゃあるまいし。」
村中から、我こそはと思うネズミが集まって来ました。
チルノ「へっくしょいっ!あ~、風邪引いたかな?」
リグル「それって、洒落なの?」
チルノ「へ?何がさ?」
リグル「いや、何でもない。」
村長の娘は大層美しいので、密かに想いを寄せている者が沢山居たのです。
そんなネズミたちが続々と、会場に集まってきます。
ミスティア「ぼっくらのむ~らの村長は~♪ゆっかり~んゆっかり~んゆっかゆっかり~ん♪」
慧音「……ああ、何か、参加者の微妙な共通点が見えてきたなあ。」
咲夜「私には、さっぱり分からないんだけど。」
レミリア「咲夜は頭の回転が遅いわねえ。」
慧音「う~ん、知らない方が良いかも知れないな……。」
ミスティア「あ~しが臭くて胡散臭い♪ゆっかり~んゆっかり~んゆっかゆっかり~ん♪」
慧音「こらっ!そんな歌、こんな所で……!」
ミスティア「ゆっかり~ん♪ゆっかり~………ん?ひええええええ!!スキマがああああ!!」
慧音「ああ、言わんこっちゃ無い。」
レミリア「静かになって丁度良いわ。」
咲夜「南無。」
あんまり多いので、意図的に行方不明にされてしまった者も居たとか居なかったとか。
それはともかく、参加者中には当然、彼の姿も有りました。
藍「橙……橙や、待っていておくれ。今お前を、魔王の手から開放してやる!
そして、二人で幸せに暮らそう!幸せな暮らしを築こう!ああ、橙!可哀想な橙!
鰹節や酒なんかで騙されて……。橙の純粋な心を弄ぶのなら、例え紫様でも………!」
そう、あの、ネズミの青年です。
闘志をみなぎらせ、気合十分、何としても、村長の娘を射止めようとしています。
目つきとかが少々危ないような気もします。
文「レディース、アーンドネズミーズ!これより、お婿さん決定戦、
『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX ポロりもあるよ?』を開催いたします!」
村長の根回しか、風さんが司会をやってます。
文「司会進行は私、風の便りで皆さんに情報をお届けする、風です。新聞もよろしく。
レフェリーは、この大会の黒幕。レティじゃないよ?みんなの村の村長さんの、村長さん。
解説は、天から皆に萌えと恵みと暑苦しいまでの温もりを与え続ける、太陽さんです。」
紫「始めましてじゃないけどこんにちは。貴方の村の村長さんです。ズバリ審判するわよ?」
妹紅「……まだ出演させられるなんて、思ってもなかったんだけど。」
文「集まったネズミたちよ、今こそ血戦の刻!最強の名を賭けて、いざ闘わんっ!
この大会の趣旨はそんな感じですので、お集まりの選手の皆さん、がんばって下さい。」
妹紅「……最強アニマル決定戦?」
これまた何故か、村長と一緒に太陽さんが解説席に居たりします。
文「優勝したネズミには、最強の称号と、村長の娘さんが与えられます。
さらに副賞として、村長さんが何か一つ願い事を叶えてくれるそうです。」
橙「何だか良く分からないけどよろしく~。」
藍「うおおおおおおお!ちぇえええええええん!!!」
チルノ「最強の称号は、あたいにこそ相応しいわね!」
てゐ「お嫁も称号も要らないけど、副賞は魅力的だねー。」
鈴仙「むしろ、そっちがメインでみんな集まった気がするわ。」
文「おっと。娘さんの美貌を前に、選手たちも気合が入った模様です。」
妹紅「それで気合入ったの、たった一人じゃない。」
優勝者には、村長の娘が与えられることになっています。
美しい村長の娘をお嫁にするため、選手たちは気合を入れます!
特に、昔から憧れていたネズミの青年は、気合を入れすぎて、少々興奮しすぎているようです。
文「ルールは簡単。一対一で闘って、とりあえず相手をぶちのめして下さい。
形の上はトーナメント形式です。最後まで勝ちあがった人が優勝です。」
妹紅「単純明快ね。分かりやすくていいけど。」
ルーミア「そーなのかー。」
萃香「さっさと始めろ~!」
雲さんと壁さんは観客席です。
壁さんは野次を飛ばしています。
文「では、記念すべき一回戦のカードは……。」
今、史上最大の戦いの火蓋が、切って落とされたのです
・
・
・
戦いは、熱狂と混迷に包まれました。
慧音「9ひく1は!?」
チルノ「あ~、え?ええと……?」
慧音「隙あり!」
チルノ「え?わ~っ!」
紫「それまで!」
カンカンカン!!
文「勝者!白!ハクタ~~~~ク!ケネ~~~ゴ~~~ン!!!」
慧音「ちょっと待て!何その怪獣みたいなリングネーム!て言うか叫ぶな恥ずかしい!」
文「いやぁ、見事な作戦勝ちでしたねえ。どうですか、太陽さん。」
妹紅「そんな古典的な勝ち方……どうなのよ?」
慧音「あ~、いやまぁ、まさか通じるとは思ってなかったんだけど……。」
ある者は、策略で勝ち、
リグル「わ~!何よこれ~!取れないし動けない~!」
てゐ「外の世界の便利アイテム、ゴキブリホイホイよ。」
リグル「何で私に使うのよ~~~!!いや~!ベトベトする~~~!!」
紫「はい、凶器攻撃は認めるけど小道具は駄目よ。退場。」
てゐ「え~~。」
紫「ゴキグルホイホイはこのままゴミ箱に。」
リグル「ゴキグルって何~!?捨てないで~!」
ある者は、反則で勝利を逃し、
ある者は、そのとばっちりで再起不能になり、
文「続いて青コーナー!私のモノはお嬢様のモノ。お嬢様のモノはお嬢様のモノ。私はお嬢様のモノ!
お嬢様は私のモノ!悪魔の犬!紅魔館のヘルバウンド!ケルベロス・さくや~~~~ぐはぁっ!」
咲夜「誰が犬なのよ、誰が。」
妹紅「あ~あ、脳天直撃。」
紫「ぴ~。場外乱闘はご法度よ。退場~。」
文「うう、頭のナイフは痛いですが、解説者としての責務は果たしたいと思います。
と、言うわけで勝者は紅コーナー、世界の全ては私のもの、バットマン・レミリアーーーー!!」
レミリア「ああ~、目の前に太陽が~。溶ける溶ける。」
妹紅「目の前の太陽って……私かぐふぁっ!?」
咲夜「お嬢様溶かすな。」
レミリア「ああもう、これじゃ闘えないわ。」
文「ケルベロス咲夜さん。解説席にナイフ投げるのはやめはぐぁっ!」
ある者は、場外乱闘で退場させられ、
ある者は、勝手にリタイアし、
藍「橙のために死ねぇぇぇえええええ!!」
鈴仙「えええ!?何もしなくても狂ってる~~!」
藍「ボンクラネズミめ!死ねよやぁあああああ!!」
鈴仙「わ~~~~~!!!!」
ある者は、普通に勝利し……。
試合は、順調に進んで行きました。
そして。
慧音「ぐぅ……無念……。」
藍「はぁ……はぁ……。か、勝った………!」
紫「勝負あり!」
文「勝者!ネズミの青年!!この瞬間、『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX ポロりは無かった詐欺だ金返せ』!
優勝は、村長さん家の近所に住むネズミの青年に決定しましたぁああああ~~~~~~~!!!!!」
全ての闘いが、終わりました。
優勝は、あのネズミの青年でした!
藍「うおぉぉぉぉおおおお!!テンッッッッコォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!」
文「吠えています。嬉しさの余り吠えてます。数々の激戦を勝ち抜き、優勝を手にしたネズミの青年!
その汗、その血、その傷、全ては勝利の証!彼の喜び、果たしてどれ程のものなのでしょうかっ!
待った、ちょっと待った!服を脱ぎ捨てて踊りたくなる気持ちも分かるっ!でも落ち着いて!
公衆わいせつ罪で逮捕しちゃうぞ?逮捕されれば優勝は次元の彼方だ!だから落ち着けネズミの青年!」
妹紅「……数々?闘ったの2回だけのような気がするんだけど。」
文「まともに闘って勝ったのって、そのネズミとハクタクケネゴンの二人だけですから。」
藍「橙や!これでようやく!ようやくっ!く~~~~!!」
文「泣いています!漢泣きならぬ、天狐鳴きですっ!く~~!不覚にも、私の目からも涙が!感動です!」
妹紅「目薬持ってちゃ、説得力の欠片も無いけどね。」
悲願が叶い、ネズミの青年は涙を流しています。
これで、憧れていた村長の娘と、結ばれることが出来る、そう思いました。
そう、思われました、でも……。
文「まぁ、全部ぬか喜びに終わりますけど。」
藍「へ?ちょっと司会者、何言って…うわっ!?」
誰かが突然、ネズミの青年を攻撃しました。
間一髪、ネズミの青年は、攻撃を避けることが出来ました。
藍「だ、誰だ!?」
紫「ふふふ、やるわね。」
藍「ゆ、ゆか……じゃなくて、村長!?」
ネズミの青年を攻撃したのは、なんと村長でした!
村長は、準備運動を兼ねてのシャドーボクシングで、青年を威嚇しています。
紫「これでも昔は、プロのファイターとして、最強を目指して闘ったものよ。しゅっ、しゅっ!」
藍「な、何ですと~~?!?!……って、嘘おっしゃい!」
紫「娘を持って行きたいなら、私の屍を超えて行きなさい。」
藍「わ、私に、紫様に勝てって言うんですか!?無理に決まってるでしょう!?」
紫「あら?橙をどうこうする輩は?例え紫様でも………?」
藍「あ、あ……あ~、う~~~………。」
村長の気や構え、見た感じ、ただ者ではありません。
最強を目指して闘っていたと言う、村長の話は、本当っぽいような気もしてきます。
最初の意気込みは何処へやら。
ネズミの青年は、すっかり弱気です。
文「何と言う大うどんげ返し!もとい大どんでん返し!
娘が欲しければ、わしを倒して持って行け!古き良き父親像、今ここに復活!」
妹紅「はて、何時の時代の父親なのやら。」
文「では、突然ですがここで一息入れて、休憩席を呼んでみましょう。休憩席の、ハムスターさ~ん!」
幽々子『は~い。現場のハムスターで~す。大好きなのは向日葵の種とか色々です。』
幽香『ん?食べる?』
幽々子『あら、ありがとう。(ぽりぽり)』
藍「勝手に一息入れるなそこ~!」
紫「ほらほら、来ないなら、こっちから行くわよ?」
藍「く………!く……く、くそぉぉお!やぶれかぶれだぁああああああ!!」
ネズミの青年は満身創痍ですが、村長は手加減をするつもりは無いようです。
退路もありません。
ネズミの青年は、半ばヤケクソで、村長に襲いかかりました。
文「そちらでは、催し物をやっているようですが?」
幽々子『は~い。ここでは、参加者やお客さんを労うために、料理が振舞われていま~す。美味しそう。』
文「何とお料理!一体、どんなものが有るのですか?」
幽香『ええと、メニューは鶏がらスープ、虫の佃煮、座薬うどん、慧角ラーメン、特製カキ氷など。
お客のニーズに応えて、どんどんメニューが増えていってるの。ここの食通も大喜びよ。
って、こらこら。職務放棄してがっつかないの。あ、料金はタダにしておいてね。』
てゐ『そりゃ困るよお客さん。こっちも商売ですよ?』
幽香『じゃ、領収書は白玉楼宛でね。』
幽々子『あ~、うどん美味しいわね~。あ、慧角ラーメン追加ね~。』
ルーミア『私も慧角ラーメン~。』
萃香『じゃあ、お酒のつまみになりそうな佃煮。』
レミリア『咲夜、カキ氷。』
咲夜『カキ氷二つ下さいな。』
てゐ『へい、まいど~。ほらほら、注文入ったよ~!』
鈴仙『ちょっと待ってよ~!何で私一人で料理しなきゃいけないのよ~?全部は無理だってば~。』
てゐ『今が稼ぎ時なのよ!ガタガタ抜かすとメニューに兎鍋追加するよ?』
妹紅「って、商売してんのあんたらか。」
藍「ねえ!誰も見てないけど私ボコボコにやられてますよぐぅっ!ええだって私、このヒトの式ですよぶはっ!
敵うわけないじゃないですがはぁっ!その辺わかっててやってるでしょうそんちょうぐはぁっ!
嫌っ!もう駄目審判ギブアップギブアップッ!って~!審判居ない!て言うか審判この人だ~ぎゃあッ!
紫様、もうやめて、許してっ!これ以上は死ぬ!本気で死んじゃいますからぁぁああぶるはぁっ!
誰か止めて!この人止めてタオル投げてぶべっ!誰かこっち見て!お料理なんかいいからこっちがはっ!
このままじゃ私が肉塊に!ミンチになってしまう~~ふぎゃはっ!橙!助けておくれ!ちぇ~~~ん!!」
橙「う~ん……むにゃむにゃ………ごろごろ~……。」
藍「寝てる!ああ可愛いなぁうぼぁっ!!」
幽香『では、犠牲になった食材に一輪の花を添えて、スタジオへお返ししま~す。こら、座薬うどん遅いわよ。』
文「はい、ありがとうございました。またまた突然ですが、お別れの時間がやってきてしまいました。
この大会は、ネズミの村の村長さん、速い安い濃い!幻想郷の知識の泉、文々丸。新聞、
永遠亭ネズミの村出張所、博麗神社、香霖堂、その他沢山の人たちの提供でお送りいたしました。
司会は私、誰よりも情報を速くお届けする風。解説は、みんなのアイドル、太陽さんでした~。」
妹紅「うん、まぁ、ありがとうさようなら。」
文「ではみなさん、さようなら~。」
紫「トドメの~~~。ゆかり~~~ん、ぱ~~~んち!!」
藍「ぎゃああああああああぁぁぁぁぁ………………。」
結局、『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX ポロりは無かった詐欺だ金返せ』は、
村長の乱入と優勝者の敗北で幕を閉じ、村長の娘さんのお婿さんは決定することはありませんでした。
大会に優勝し、果敢にも村長に挑んだこの青年は、この後どうなったのでしょうか?
涙を呑んであきらめたのか、山奥に隠れて修行をしているのか、はたまたお客に振舞われたのか……。
また、村長の娘さんのお婿さんは、その後決まったのか、それとも、ずっとお嫁に行けなかったのか。
『THE・KING・OF・NezumiFighters 20XX 今度はモロ出し放送禁止?』は、その後開催されたのか………。
文「それは、誰も知らないように見せかけて、村長さんだけが、知っていた………と。
う~ん、イマイチかなぁ。でもボツにするには惜しいネタだし……。」
おしまい
キャスト
ネズミの村長 ・・・ 八雲 紫
ネズミの娘 ・・・ 橙
ネズミの青年 ・・・ 八雲 藍
太陽さん ・・・ 藤原 妹紅
雲さん ・・・ ルーミア
風さん ・・・ 射命丸 文
壁さん ・・・ 伊吹 萃香
ネズミ1 ・・・ 鈴仙・U・イナバ
ネズミ2 ・・・ 因幡 てゐ
ネズミ3 ・・・ チルノ
ネズミ4 ・・・ リグル・ナイトバグ
ネズミ5 ・・・ 上白沢 慧音
ネズミ6 ・・・ ミスティア・ローレライ
ネズミ7 ・・・ 十六夜 咲夜
ネズミ8 ・・・ レミリア・スカーレット
ハムスター1 ・・・ 西行寺 幽々子
ハムスター2 ・・・ 風見 幽香
気を取り直してゆっかり~んゆっかり~んゆっかゆっかり~ん♪
いやー橙を娶るために、艱難辛苦を張り飛ばし死山血河を踏み潰す藍と、
我が屍を超えていけ超えれるもんならなっ! な紫。
いやぁかっちょいいガチバトルを幻視しましたよー
嘘 だ が な w