Coolier - 新生・東方創想話

東方てるよ抄

2006/02/17 09:43:59
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「永琳、ちょっといいかしら?」
「はい、なんでしょう?」
「五つの難題の本物の宝を揃えようと思ったの。」
「玉、皮衣、子安貝は幻想郷にもあるかもしれませんが、仏の御石の鉢だけは手に入れることは不可能だと思いますよ」
「どうして?」
「それは仏の国にしか無く、そこへは死者しか辿り着けない。永遠を生きる我々に、それを望むことはできないのです」
「そう。ところで、あなたは今、何の薬を作っているの?」
「人の体以外の、ありとあらゆるものを溶かす薬です。風向きに気をつけてくださいね。お召し物が溶けてしまいますから」
「用途が気になるところだけど・・・その薬は失敗よ。調合の為の薬鉢が溶けていないもの」
「この鉢は絶対に割れない仏の御石の鉢ですから」
「そう」

 てるよ は  ほとけのはち を  てに いれた!

「これはどうやって取ってきたの?」
「仮死薬を使って」
「あなたは薬が効かないじゃない」
「うどんげに」
「・・・・・・」


「あと三つ、どこにあるのかしら?龍も火鼠も燕も、幻想郷で見たことないのよね」
「村の近くに夜雀がいるらしいですよ」




「そこのヒトネギ!私の歌で鳥目にしてあげる!」
「そこな夜雀、あなた、燕の子安貝を持っていないかしら?」
「私は燕じゃない!変な物を集めるのはあの鳥の仕事。あなたはここで目が見えなくなるのよ!」
「仕方ないわね・・・倒してから聞き出すとしましょう」

@~少女弾幕中~ 「ちょっと!今の確実に当たってたでしょ!」「私のコンティニュー回数は無限なのよ」

@~少女拷問中~ 「ごめん!謝るから!やめっ、それ以上は!」「まだまだ、新難題や本物の鉢の試し撃ちがあるのよ」

「も~、なんで鳥目にならないのよ~」
「永遠とは不変、鳥目になんてならないのよ」




「さて、このあたりにいるはずだけど・・・」
「~♪」
「大当たり。ちょっと、そこの妖怪!」
「ん?何よ?」
「あなたの持っているその子安貝は戴くわ」
「新手の強盗?言っとくけど、私をそんじゃそこらの妖怪と一緒にしてたら痛い目見るわよ!」

@~少女弾幕中~ 「必殺!巫女をも倒した、後ろからの妖弾!・・・って、なんでかわすのよ!後ろに目があるの!?」
         「後ろに目は無いけれど、そう宣言されたらねぇ・・・」

 てるよ は  こやすがい を  てに いれた!

「うぅ・・・せっかくあの店で手に入れたのに・・・」
「重大情報、行く価値あり、ね」




これは願いを叶える程度の力を持った玉。
橙色の玉で、中に星がひとつだけある。
これを見つけてから三日間、色々試しているが、まだ願いを叶えて貰ってはいない。
非常に残念なことだが、僕はこの玉に認められなかったのだろう。
恐らく中の星は願いを叶えれる回数。最後の一回は相応しい人に、と玉自身が選んでも不思議ではない。
もちろん、願いを叶える力を失っているとも、僕が気づかないうちに願いが叶えられたとも考えられるが。
いずれにしても、この玉は置物として、店頭に飾られることになるだろう・・・
相応しい人を選ぶのなら相応しい人の元へ
力を失っているならただの置物として
そして、僕の願いを叶えていたのなら、やっぱり置物として・・・


誰かが来る気配がする。いつもならとても客とは呼べない来訪者だが・・・
これはもしかすると『まっとうな』客かもしれない。
一応、店主として対応しよう。

「店主はいるかしら?」
「いらっしゃい」
「ちょっといい?店頭のあの玉を買いたいのだけど」
「まいど」

 てるよ は  りゅうのたま を  てに いれた!

「この店は品揃えが良いわね。気が向いたらまた利用させてもらうわ」
「どうも」

彼女はそう言って店を後にした。

どうやらあの玉は、僕の願いを叶えてくれたらしい。
あんなに客らしい客だなんて、初めてかもしれない。
・・・あの玉を売ったのは失敗だったかな。
店の奥に飾ってある剣、そしてあの玉。
あとは鏡さえあれば、僕は神にすらなれたかもしれないのだ。
いやまあ、あまりそういうことに興味は無いが、一人の蒐集家として、三種の神器を揃えておきたかったなぁ。




「永琳、とりあえず4つ揃ったわ」
「それはよろしゅうございました」
「ただ、あと1つ、火鼠の皮衣が無いのよ。火鼠なんて幻想郷にいないし」
「その皮衣でしたら、姫はもうご存知のはずですよ?」
「どういうこと?」
「不死の炎に包まれても燃えぬ衣、姫はもうご存知のはずですよ?」
「!!」




「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
「どうした妹紅?そんな、肩で息をして」
「輝夜が・・・」
「またか。だが、輝夜殿はそこまで強いわけではないのだろう?」
「うん・・・けど今日はなんかこう・・・怖かったというか」
「老いる事も死ぬ事も無いのだ。恐れることはあるまい」
「違う・・・なんというか、生命の危機じゃなくて・・・身の危険を感じたのよ」
「?」


「妹紅を剥くのは失敗でしたね。どうです、姫。この新薬、使ってみませんか?」
「皮衣を溶かしてどうするのよ。逆でしょ逆。」
「あら、そうでしたか。てっきり・・・」
「どういう意味よ」
「いえ、何も」
こちらでははじめまして。
時事ネタなんてチョコ貰ったことないから出来ない人間です。
初めての長文投稿、でもそんなに長くないという不思議
THAK
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コメント



0.1680簡易評価
19.100名前が無い程度の能力削除
流石てるよだ、もこたんの服を奪ってもなんともないぜ。

っていうか羅生門てるよ幻視
23.60七死削除
師匠・・・・・・w
28.90名前が無い程度の能力削除
えーりんマジ鬼畜w
30.80れふぃ軍曹削除
それぞれ難題のオチに、いちいち納得でした。
会話のテンポが心地よくて読みやすいですね。