Coolier - 新生・東方創想話

闇鍋 EX(やみなべ えきすとら)

2006/02/08 19:07:58
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幽々子「よ~む~」
白玉楼から主、幽々子の声が上がった。

妖夢「はい、どうしました?」

幽々子「今日の晩ご飯何~?」

妖夢「まだ何も考えてませんが・・・」
それもそのはず、先ほど昼食を取ったばかりだ。

妖夢「幽々子様は何が食べたいですか?」

幽々子「そうね・・・・」
しばらく考えた後。

幽々子「闇鍋がいいわ、やっぱり冬は鍋よ♪」

妖夢「闇鍋?なんですか、それは?」
首を傾げる妖夢。

幽々子「知らないの妖夢?」

妖夢「知りませんよ!そんな得体の知れないもの!」

幽々子「じゃあ、特別に教えてあげるわ」

妖夢「ええ」

幽々子「闇鍋とは古来から伝わる伝統料理で、部屋を暗くし皆が持ち寄った食材を思うがままに鍋にぶち込んでいくと言う料理よ。その姿形から、かつては何かのの儀式として用いられていたと言う説もあるらしいわ」

妖夢「へえ~(紫様だな、幽々子様に変なこと吹き込んだの)」

幽々子「分かった?」

妖夢「ええ、とりあえず今日が宴会になるということは分かりました」

幽々子「分かったら、さっさと用意しなさい」

妖夢「は、はい!」


―― 闇鍋EX(やみなべ えきすとら)――



妖夢は急いで宴会の参加者を募った結果、

「タダ飯食えるのなら」と博麗 霊夢。

「そんなにおもしろいイベントに参加しないなんてあるか!」と霧雨 魔理沙。

「そうね暇だし、いいわよ」とアリス・マーガトロイド。

「霊夢が行くなら」「お嬢様が行くなら」とレミリア・スカーレットと十六夜咲夜。

「それはおもしろそうね」とわざとらしく言う八雲紫。

「ああ、行くわ。ねぇ妹紅?」と蓬莱山 輝夜。

「絶対に行かない!」といいながらも無理矢理連れてこらされた藤原 妹紅。

「姫が行くなら、あなたも護衛として行って来なさい」と言われてついてきた鈴仙・優曇華院・イナバ。

あと暗闇用にルーミアと、ルーミアと遊んでいたチルノ。

と有志総勢十三人が集まった、さながら最後の晩餐である、ただイエスの最後の晩餐はユダは一人だったが、このたびは全員がユダになり得ることが違った。ああ、それと十人は人ですらない。




幽々子「みんな、材料は持ってきた~?」

一同『お~』

幽々子「それではこれより『白玉楼主催 大闇鍋大会』を開催します」

一同『お~!』

妖夢「それではルールを説明します、ルールは簡単です、これより部屋を暗くしますので、その間に持ってきた材料を鍋の中に入れてください。そして、その後、食べることになるのですが順番に鍋に箸を入れ初めに掴んだ物を食べてください。ちなみに絶対に食べるというルールです、食べないという選択肢は無いので気を引き締めてかかってください」

既にテーブルの上には大きめの、というかすごく大きい鍋がセットされ中では昆布と鰹節でとられたダシがグツグツと煮えていた。このまま、普通の具を入れさえすればおいしい鍋のできあがりなのだが、さてもこのダシもこのような事態になるとは思ってなかっただろうに、すこしダシに同情したくなった妖夢だった。



妖夢「それではルーミアさんよろしくお願いします」

ルーミア「わかった~」
そう言うと辺り一面が暗やみに包まれた、見えるのは鍋を温める火だけである。

妖夢「それでは皆さん材料を入れてください」

一同『おー!』


  ぽとぽと        ぬめ
                      ギャア    
    ばしゃーん     ショワワー          ボン
             ぬるぽ      がっ
   ぬる                     
               「痛!なにかが私の指噛んだ!」
        
               もっちゃん
    ぶるあぁ                   ガン
            ゴシカァン
        ぐつぐつ           ぷるるーん


そして、辺りが明るくなる。


妖夢「どうやら、できたみたいですね。では鍋の様子はと・・・」




















         すごく、カオスです・・・・


そこには見たこと無い暗黒があった。見るからに先ほどの透き通ったダシの色は消え去り何色ともつかない色をしていた。
この世にある色を全部混ぜて120%くらいに凝縮したような・・・・。

霊夢「誰から行く?」
魔理沙「私は嫌だ」
アリス「私も」
レミリア「私も嫌よ」
咲夜「ちょっと気分が・・・」
チルノ「あたいも」
ルーミア「これって食べられるの?」
輝夜「こんな物、動物で試せばいいのよ。ああでも、どこかの兎ははすぐ逃げるんだから」
鈴仙「うわオブラートに包んだようで、まったく包めてない私バッシング!個人を特定できるような中傷はやめてください!」

輝夜「じゃあ、最初はイナバで決定ね」
鈴仙「なしてよ!?」

霊夢「まあ、まあどうせ順番はみんなに回って来るんだしね」
輝夜「先に死ぬか、後で死ぬかってわけね?私は死なないけど」
魔理沙「と言うわけで、早く食べろよ」

一同『食べろ!食べろ!食べろ!食べろ!』

鈴仙「うう、わかりましたよ・・・」
周囲の食べろコールに耐えきれなくなった鈴仙が鍋に箸を入れた。


鈴仙「(月のお父さんお母さん、先立つ不幸をお許し下さい・・)」


鈴仙「えい!!」
鍋から箸を出す。その箸につままれていた物は・・・。






鈴仙「えっ、白菜!?」


意外にも普通だった。
鈴仙「助かった・・・うん、味も普通だわ」
魔理沙「なんだ、そんなもんか」
咲夜「意外とまともなのね」



妖夢「じゃあ、次行ってみましょう」
霊夢「次誰行く?」
妹紅「じゃあ、私が行くわ」
輝夜「分からないわよ、次はやばい物かも・・・」
妹紅「ふん、どうせ死なないんでしょ!?」

鍋に箸を入れる妹紅。
妹紅「これだ!」

妹紅が引き当てた物は・・・。
妹紅「何これ?なんかドロドロしてるけど・・まあ、食べてみるか」

妹紅「この味は・・・どこかで・・・・」









妹紅「って蓬莱の薬じゃねえかぁぁぁぁぁ!!!!!!」

輝夜「あら、アタリよ、良かったじゃない。よっ、蓬莱の薬ソムリエ!」
妹紅「アタリじゃない!他の誰かが食べたらどうしてたんだ!?」
輝夜「まあ、その時はその時で・・」
妹紅「そのときじゃねぇぇぇ!!!」
輝夜「じゃあ、次私が行くわ」
妹紅「無視かよ!」
輝夜「ふんふふ~ん、これだ!」






輝夜「あら、これはキノコかしら・・・」
輝夜の箸にはこれまたカラフルなキノコがつままれていた。

魔理沙「ああ、それは私が入れたんだ」
輝夜「で、これは食べられるの?」
魔理沙「ああ、味は保障するぜ」
輝夜「わかったわ・・・」

 ぱくっ 



輝夜「これはなかなか美味・・・ごはっ!!!」
血を吐き倒れる輝夜。でも次の瞬間リザレクションで生き返る。

魔理沙「味は保障するが、安全性までは保障できないんだな、これが」

輝夜「危ないじゃないの!」
魔理沙「大丈夫だろ、どうせ死なないし」
咲夜「私達が食べてたらどうしてたの?」
魔理沙「それはほら解毒剤持ってきてるし」
ポケットから薬の入った瓶を取り出す。
霊夢「そう言う問題じゃないのよ!」

アリス「じゃあ、次は魔理沙ね」
魔理沙「おっと、ちょっとやんごとなき用事が・・・」
紫「いいから覚悟を決めなさい」
魔理沙「おい、ちょっと待ってくれ!私はまだ死にたくない」
妹紅「いいから早く食べろ」
魔理沙「い、いやだ!って腕が勝手に!!!」
レミリア「私があなたの運命を変えたわ、あなたはもう食べるしかないのよ」
魔理沙「いやぁぁぁ!!!」

で、引き当てた物は・・・。








魔理沙「なんだこれ?肉か?」
食べてみる。
魔理沙「ああ、やっぱり肉か。ああ、良かったまともなので」

魔理沙「ところでこの肉なんの肉なんだろうな?なんか食べたことのない食感だぜ」
ルーミア「あ!それ私が入れた奴だ」
魔理沙「へえ、ルーミアが・・・・ってまさか!」
見る見るうちに顔が青くなる魔理沙。
ルーミア「どうだった?最近とれた新鮮なお肉だったんだけど」
魔理沙「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
魔理沙は逃げ出した。





ルーミア「う~ん、口に合わなかったのかな?イノシシの肉なんだけど・・」


霊夢「絶対に今のトラウマになったわね」
アリス「まあ、いい薬よ、次は私が行くわね・・」

そしてアリスが引いた物は・・・。







アリス「これ私が入れた薬草じゃないの」

霊夢「まあ、確かに安全なんだけど・・・」
咲夜「展開的には非常においしくないわね」
輝夜「なんか空気を読めない人みたいね」
アリス「なんでこんなに言われなくちゃいけないのよぉぉ!!(泣)」
アリスもどっかにアウェイしてしまった。





幽々子「さあ、気を取り直して次行くわよ~次は私~」
妖夢「幽々子様気を付けてくださいよ、何が入ってるか分かりませんから・・」
幽々子「大丈夫よ、むしろこのスリルがこの鍋のおいしさの秘訣なのね~」
妖夢「たぶん違うと思いますが・・・」

幽々子「ぐ~る ぐ~る ポン!」






幽々子「あら?また肉?」
幽々子の箸につままれていたのは普通の肉だった。
幽々子「う~ん、おいしいけど。小骨が多いわね~」

咲夜「ああ、それは私が入れた物だわ。来る途中に雀が飛んでいたからしとめてみたの」

幽々子「でもね~、なんか前にもこのお肉食べた気がするのよね」


幽々子「次は妖夢よ~」
妖夢「みょん!私ですか!」
幽々子「そうよ、早くなさい」
妖夢「分かりました・・・」

いやいやながら鍋に箸を入れる妖夢、そして掴んだ物は。


妖夢「こ、これは・・・」










   カエルだった。


妖夢「そぉい!『待宵反射衛星斬』!!!!」

   だばぁ

派手に吹き飛ぶ鍋。
だが次の瞬間には元の位置に戻っていた、咲夜が時間を止めて元に戻したのだろう。

妖夢「い、嫌です!こんなの食べられません!」
幽々子「だめよ妖夢、ルールはちゃんと守らなきゃ」
紫「カエルって食用もあって、食べれないこともないんだから」
妖夢「それでも嫌です!」
紫「まあ、まあ妖夢」
気付けば紫にがっちり腕をロックされていた。
妖夢「うぇ!誰か助けてぇ!」
だが誰も助ける者はいなかった、みんなこの地獄絵図をただ眺めるしかなかった。
幽々子「はい、あ~ん、た~んとお食べ」
妖夢「う、うわぁぁぁぁ」    


      ぴちゅーん


―――――しばらくお待ち下さい――――



レミリア「さて、次は私ね・・・」
咲夜「お、お嬢様!私が先にやります!」
レミリア「いえ、主たる私が先にやらないと示しがつかないじゃない」
咲夜「ですが・・」
レミリア「あと、時間を止めるのも無しね、ここは正々堂々と行くわ。勿論、運命操作も使わない」
咲夜「お嬢様・・・分かりました・・・」
レミリア「じゃあ、行くわよ・・」
レミリアは羽をピンと伸ばし殺気を漂わせる。
そして、掴んだ物は・・・。






  ニンジン


レミリア「なによ、この程度なの?ここまで緊張してバカみたいだったわ」
咲夜「そうでしたか」
ほっと胸をなで下ろす咲夜。
レミリア「大丈夫そうよ咲夜、あなたもやりなさい」
咲夜「分かりました」
箸を鍋に入れる姿も瀟洒、完璧なメイドの姿がいた。











 輸血パックそのまま



咲夜「時符『プライベートスクウェア』」

   そぉい!      だばぁ

咲夜「飲めっか!!!」
咲夜は時を止めて鍋をひっくり返し、そしてわざわざまた元に戻しておいた。

「(飲まないとまずいわね、飲んでも不味いけど・・・)いただきます・・・」

「どう咲夜?」

咲夜「お、おいしいです」

嫌な顔一つせずに飲む姿も瀟洒、完璧なメイドの姿がいた。ちなみに殆どは時を止めてだばぁしておいた。



この後、ルーミアがタケノコでセーフ。

紫がお煎餅で比較的セーフ。

チルノが霊魂を引いてダイアモンドブリザードだばぁ。

だばぁするたびに鍋が飛ぶわけだが咲夜が時間を止めて次の瞬間には元通りだった。
だけど、時を止めてる間、わざわざ鍋を直しているメイド長を思うと少し心が痛む。


そして、最後霊夢の番が回ってきた。


霊夢「さすがにもうやばそうな物は入ってないでしょう・・・」

そして最後に引き当てた物は・・・。






















         靴  下



霊夢「神霊『夢想封印 瞬』 Lunatic!!!」

だばだばぁ  鍋が砕け散った、ついでに白玉楼も吹き飛んだ。

さすがに咲夜はもう鍋を元に戻すことはしなかった。

















数日後、半壊した白玉楼にて

幽々子「ねえ、ねえ妖夢、最近向こうでは焼酎の瓶をくるくる回して止まった方向の人が一気飲みをするというのが流行ってるらしいわ、今度みんなでやってみない?」

妖夢「もう勘弁してください」


どうでもいいが白玉楼のちかくでチルノが木っ端ミジンコになったのが発見されていたのはまた別のお話。
だばぁスレ見てたら、むしゃくしゃして書いた今でも反省してないし、むしろ清々しい気分だ。

誤字脱字等有りましたらご報告願います。
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コメント



0.2970簡易評価
4.60名前が無い程度の能力削除
やっべぇ癒される。 今後も期待期待。
8.70名前が無い程度の能力削除
そら霊夢怒るわwww
ゆあきん、なにしてんのさwwwwww
10.80月影蓮哉削除
めるぽとかぷるるーんって何!?

私の父上は靴下入れたって話を聞きました。…本当だったのね、靴下。
これがゆかりんの靴下だったら(永夜四重結界
14.80ルドルフ削除
………するとセーフなのも靴下エキスを含んでいたことに……
18.80削除
CV:若本とDCSが入ってた! 入ってた!
20.100暇を潰す程度の能力削除
せめて食べ物入れようよw
26.70ぐい井戸・御簾田削除
洗ってない相撲取りのマワシはいいだしがとれるとか言う噂を聞いたことが
ある。きっとゆかりんソックスも似たような原理でおいしい鍋になったんだ
ろうな。
36.90名前が無い程度の能力削除
何を入れてるんですかこのスキマはwwww
42.80名前もない削除
飲んでたサイダーだばぁした。ああ、折角吹いた、じゃない、拭いたのに!(笑)
43.70れふぃ軍曹削除
蓬莱の薬って、お湯に溶け出さないのかな~。
もし溶けたら、この後全員…。(滝汗)

咲夜…くじけずがんばれ…。
44.80名前が無い程度の能力削除
だばぁスレって…あのときのか?そうなのか?
52.100あふぅぁ削除
だばぁ!!たまらん!
スキマの殺戮兵器がここまでの事態を招いt(死)
60.80油揚げ削除
鍋を元に戻す咲夜さんの姿を思うと、涙が……
74.100名前が無い程度の能力削除
ゆかりんは靴下なんていれないよ!!                       多分