寒さが肌に刺さる静かな夕暮れ、彼女ーーミスティア・ローレライの屋台に私は招かれるように足を運んでいた。いつもの席に座る私…そんな私を店主である彼女が笑顔で迎える。
「…はいこれ。君にこれを渡したかった」
ミスティアは私に箱を差し出してきた。それはお菓子が入ってそうな小ぶりな白い箱だった。
「ありがとう、ミスティア…嬉しいよ」
そう言って箱の蓋を開けた。するとそこには美しい渦巻き模様の美味しそうなロールケーキがあった。
「凄いな、とても綺麗だしいい匂いだよ。美味しそうだ、食べていいかな?」
私が尋ねるとミスティアはその綺麗な瞳で私を見つめながら静かに答える。
「うん、食べてみて」
彼女の声はいつも以上に柔らかく、そしてどこか熱を帯びていた。
「君の為に作ったの…『私のロールケーキ』」
その言葉に私はどこか寒気が走った。
しかし深く考えることはやめた。彼女の期待に満ちた目を見てしまったからだ。どこか狂気に孕んでいたように見えたのは…気にしない。
一口食べると、ふわふわの生地、そして甘さが控えめなクリームがとろける。これまで食べたことがないような美味しさ。私は感動した。
「美味しい…?」
ミスティアが私を覗き込む。その表情からはどこか狂気じみた熱を感じさせる…そして彼女の羽根はパタパタと上下に動いていた。
「美味しいよ、まるで君の味がするようだ」
「!!」
ミスティアは私の言葉に驚いたのかビクッと震える。
「どうしたの?」
「な、なんでも…ないよ」
それから私は夢中でロールケーキを貪った。その様子をじっとりと見つめるミスティア。その瞳は光を帯び、自らの頬に手を添え恍惚とした表情を浮かべていた。頬は赤く染まり口元が緩む。
「(君の中に私の卵が入っていく。これで君と一緒だね…)」
「ご馳走様、美味しかったよ。また食べたいな」
そう話すとミスティアは羽を上下に動かしながら嬉しそうに答える。
「えへへ、ありがとう。また作ってあげるね」
ミスティアはさらに頬を紅潮させ目を細めた。そしていよいよ核心に迫っていく。
「ねぇ…このロールケーキ、どうやって作ったか気にならない?」
彼女が私に近づき、耳元で囁く。
「私の卵が入ってるんだよ」
一瞬、言葉の意味が理解できなかった。そんな私を見ながら彼女は話を続ける。
「私、卵を1ヶ月に1回産むの。このロールケーキには『私の』卵を使ったんだよ?」
その言葉が頭の中で反響する。
理解した瞬間、全身に鳥肌が立った。
目の前の彼女は満足そうにこちらを見つめる…その表情は獲物を狙う一匹の夜雀、いやかのローレライのようだった。破滅へといざなうあのローレライである。
「全部食べてくれるなんて…嬉しい。君の中に私が入っていく感覚で私どうにかなっちゃいそう」
いつの間にかミスティアはカウンター側からこちら側に来ていた。
「これからももっと作ってあげるね?」
彼女の声には狂気が帯びていた。
「あ…え…」
言葉にならない声が私の口から漏れる。ミスティアはさらに近付き私の頭を優しく撫でる。
「怖がらなくてもいいんだよ〜?1つになったんだから…。これからは私しか見えないようにしてあげる…」
ミスティアの目は狂おしいほどの愛情で満ちていた。
「…はいこれ。君にこれを渡したかった」
ミスティアは私に箱を差し出してきた。それはお菓子が入ってそうな小ぶりな白い箱だった。
「ありがとう、ミスティア…嬉しいよ」
そう言って箱の蓋を開けた。するとそこには美しい渦巻き模様の美味しそうなロールケーキがあった。
「凄いな、とても綺麗だしいい匂いだよ。美味しそうだ、食べていいかな?」
私が尋ねるとミスティアはその綺麗な瞳で私を見つめながら静かに答える。
「うん、食べてみて」
彼女の声はいつも以上に柔らかく、そしてどこか熱を帯びていた。
「君の為に作ったの…『私のロールケーキ』」
その言葉に私はどこか寒気が走った。
しかし深く考えることはやめた。彼女の期待に満ちた目を見てしまったからだ。どこか狂気に孕んでいたように見えたのは…気にしない。
一口食べると、ふわふわの生地、そして甘さが控えめなクリームがとろける。これまで食べたことがないような美味しさ。私は感動した。
「美味しい…?」
ミスティアが私を覗き込む。その表情からはどこか狂気じみた熱を感じさせる…そして彼女の羽根はパタパタと上下に動いていた。
「美味しいよ、まるで君の味がするようだ」
「!!」
ミスティアは私の言葉に驚いたのかビクッと震える。
「どうしたの?」
「な、なんでも…ないよ」
それから私は夢中でロールケーキを貪った。その様子をじっとりと見つめるミスティア。その瞳は光を帯び、自らの頬に手を添え恍惚とした表情を浮かべていた。頬は赤く染まり口元が緩む。
「(君の中に私の卵が入っていく。これで君と一緒だね…)」
「ご馳走様、美味しかったよ。また食べたいな」
そう話すとミスティアは羽を上下に動かしながら嬉しそうに答える。
「えへへ、ありがとう。また作ってあげるね」
ミスティアはさらに頬を紅潮させ目を細めた。そしていよいよ核心に迫っていく。
「ねぇ…このロールケーキ、どうやって作ったか気にならない?」
彼女が私に近づき、耳元で囁く。
「私の卵が入ってるんだよ」
一瞬、言葉の意味が理解できなかった。そんな私を見ながら彼女は話を続ける。
「私、卵を1ヶ月に1回産むの。このロールケーキには『私の』卵を使ったんだよ?」
その言葉が頭の中で反響する。
理解した瞬間、全身に鳥肌が立った。
目の前の彼女は満足そうにこちらを見つめる…その表情は獲物を狙う一匹の夜雀、いやかのローレライのようだった。破滅へといざなうあのローレライである。
「全部食べてくれるなんて…嬉しい。君の中に私が入っていく感覚で私どうにかなっちゃいそう」
いつの間にかミスティアはカウンター側からこちら側に来ていた。
「これからももっと作ってあげるね?」
彼女の声には狂気が帯びていた。
「あ…え…」
言葉にならない声が私の口から漏れる。ミスティアはさらに近付き私の頭を優しく撫でる。
「怖がらなくてもいいんだよ〜?1つになったんだから…。これからは私しか見えないようにしてあげる…」
ミスティアの目は狂おしいほどの愛情で満ちていた。
みすちーの話し方が大好きです、表情の描写などが良かったです。
僕もみすちーに狂おしいほど愛されたい。