一体どこにいるのかしら。
まったく...いっつもいっつもあっちこっち遊び回ってるんだから。
「...いた」
今日もあの子がいるのか...
「むにゃむにゃあぁ」
「もうチルノちゃんったら、こんなとこで寝ちゃって」
「おーい!大ちゃーん!」
「あ、ラルバちゃん!」
「やっほ。チルノは寝てるんだね。こんな真っ昼間に住処でもないとこで寝るなんて、相変わらずチルノはチルノだなあ」
「うふふ、そうだねえ」
チルノはいつもの活発っぷりからは想像できないほど穏やかな寝顔をしている。
きっとこの子の、大ちゃんの膝の上がよほど心地よいのだろう。
─いつもそうだ。
どうして大ちゃんはいつもチルノの傍にいるんだろう。
別に大ちゃんが嫌いってわけじゃない。
私はただ、チルノともっとふれあいたいんだ。
チルノと二人きりでいろんなお話がしたいんだ。
今日だって、チルノをあちこち探し回ってやっと会えたのに...
大ちゃんはチルノの何なんだろう。
「ねえ大ちゃん、これからどうするの?」
「とりあえずチルノちゃんが起きるのを待とうかな。無理やり起こすのもかわいそうだし」
「大変だなあ、大ちゃんは」
「あはは・・・ラルバちゃんは今日はどうしたの?」
「あ、えと」
ラルバぁ・・・
「え?」
「あ」
耳を疑った。
でも本当に聞こえたんだ。
チルノが私の名前を呼んでくれた。
もしかしてチルノは私のことを・・・
「うふふ、きっと夢の中にラルバちゃんが出てきたんだね。一体どんな夢を見てるのかな?」
「...」
どうしてよ
どうしてそんなに笑っていられるの?
どうして悔しがらないの?
チルノはあなたじゃなくて、私の夢を見てるんだよ?
「...嫌じゃないの」
「え...?」
「大ちゃんが好きなチルノが、他の妖精の夢を見てるのよ!?嫌じゃないのかって聞いてるの!」
「ラルバちゃん...」
私は何を言ってるんだろう。
「少し、寂しいかな」
「あ...大ちゃん私...」
とりかえしのつかないことをしてしまった。
そう思った時はもう遅かった。
大ちゃんのこんな顔を見たのは初めてだった。
私は友達がこんな風に傷つくのを望んでいたのだろうか。
「ラルバちゃん、でもね?」
「あの...」
「私、嬉しいんだ」
あ...
「今のチルノちゃんはたくさんお友達がいて幸せなんだなって。サニーちゃん達とは喧嘩から始まったけど、もうすっかり仲良くなって...」
あぁ...
「ピースちゃんが地上にやってきて、そしてラルバちゃんにも出会えた。チルノちゃん、凄い妖精と友達になったぁ!ってずっとラルバちゃんのこと話してたよ」
本当は分かっていたんだ。
この子はひたすら優しくて...
「きっと今もラルバちゃんと楽しく遊んでる夢を見てるんだろうねえ」
私が抱いているものとは似ても似つかない、真っ直ぐな愛をチルノに注いでるんだ。
「ごめんなさい、大ちゃんっ」
「そ、そんな謝ることじゃないよ!」
そーだそーだぁ・・・むにゃ・・・
「うふふ、ほら、チルノちゃんもそう言ってるよ。ラルバちゃんも元気出し...ラルバちゃん...?」
羨ましい
やっぱり羨ましいよ
こんなにも楽しくて、可愛くて、微笑ましい子と一緒にいられるなんて。
「ラルバちゃん涙が...」
「いやあ、ね。チルノが面白過ぎて泣いちゃった」
「あはは・・・」
「私、そろそろ帰るね」
そう言って二人に背を向け飛び立とうとした。
「ラルバちゃん!」
今になってようやく、彼女の目をちゃんと見れた気がする。
「また遊ぼうね?それと...私、応援してるから!」
「大ちゃん、それって...」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「チルノちゃん、もう日が暮れちゃったよ。帰ろ?」
「んあぁ、おやすいなさあぁ」
「もう、じゃあおんぶしてあげるから」
「ん・・・」
こうやってチルノちゃんをおんぶするのはいつ以来だろう。
重くなったような変わらないような・・・
『嫌じゃないのかって聞いてるの!』
「嫌じゃない...わけないよ...」
「・・・」
「本当はね、ずっと私だけを見ていてほしいの。でもきっとそれは、チルノちゃんの幸せじゃないよね...」
「うぅ・・・」
「だから...一つだけわがまま言っていいかな...?」
もしチルノちゃんの心が
私の届かないところにいってしまっても
ちょっぴりでいいんです
顔だけでも...声だけでもいいんです...
私のことを忘れないでくれますか?
「お願いね、チルノちゃん...」
ギュッ
「だい・・・ちゃんだい・・・す・・・」
「うふふ、今度は私の夢を見てるのかな?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
もう一度だけ...いや...
もっと、もっとあなたの色んな顔を見たいの
太陽のような笑顔を私にも見せてほしいの...
「おー!ラルバじゃん!一緒に遊ぶぞ!!!」
きっと私は、大ちゃんのようにはなれない
あんなにも真っ直ぐな心を、私は持っていないから
それでも...
「今日は何しよっかなあー。ラルバはどんな気分なんだ?」
羽ばたいてみせる
たとえ一瞬でも
「あのね、チルノ...?」
夏が終わる。
次の夏が少しづつ、近づいてくる。
まったく...いっつもいっつもあっちこっち遊び回ってるんだから。
「...いた」
今日もあの子がいるのか...
「むにゃむにゃあぁ」
「もうチルノちゃんったら、こんなとこで寝ちゃって」
「おーい!大ちゃーん!」
「あ、ラルバちゃん!」
「やっほ。チルノは寝てるんだね。こんな真っ昼間に住処でもないとこで寝るなんて、相変わらずチルノはチルノだなあ」
「うふふ、そうだねえ」
チルノはいつもの活発っぷりからは想像できないほど穏やかな寝顔をしている。
きっとこの子の、大ちゃんの膝の上がよほど心地よいのだろう。
─いつもそうだ。
どうして大ちゃんはいつもチルノの傍にいるんだろう。
別に大ちゃんが嫌いってわけじゃない。
私はただ、チルノともっとふれあいたいんだ。
チルノと二人きりでいろんなお話がしたいんだ。
今日だって、チルノをあちこち探し回ってやっと会えたのに...
大ちゃんはチルノの何なんだろう。
「ねえ大ちゃん、これからどうするの?」
「とりあえずチルノちゃんが起きるのを待とうかな。無理やり起こすのもかわいそうだし」
「大変だなあ、大ちゃんは」
「あはは・・・ラルバちゃんは今日はどうしたの?」
「あ、えと」
ラルバぁ・・・
「え?」
「あ」
耳を疑った。
でも本当に聞こえたんだ。
チルノが私の名前を呼んでくれた。
もしかしてチルノは私のことを・・・
「うふふ、きっと夢の中にラルバちゃんが出てきたんだね。一体どんな夢を見てるのかな?」
「...」
どうしてよ
どうしてそんなに笑っていられるの?
どうして悔しがらないの?
チルノはあなたじゃなくて、私の夢を見てるんだよ?
「...嫌じゃないの」
「え...?」
「大ちゃんが好きなチルノが、他の妖精の夢を見てるのよ!?嫌じゃないのかって聞いてるの!」
「ラルバちゃん...」
私は何を言ってるんだろう。
「少し、寂しいかな」
「あ...大ちゃん私...」
とりかえしのつかないことをしてしまった。
そう思った時はもう遅かった。
大ちゃんのこんな顔を見たのは初めてだった。
私は友達がこんな風に傷つくのを望んでいたのだろうか。
「ラルバちゃん、でもね?」
「あの...」
「私、嬉しいんだ」
あ...
「今のチルノちゃんはたくさんお友達がいて幸せなんだなって。サニーちゃん達とは喧嘩から始まったけど、もうすっかり仲良くなって...」
あぁ...
「ピースちゃんが地上にやってきて、そしてラルバちゃんにも出会えた。チルノちゃん、凄い妖精と友達になったぁ!ってずっとラルバちゃんのこと話してたよ」
本当は分かっていたんだ。
この子はひたすら優しくて...
「きっと今もラルバちゃんと楽しく遊んでる夢を見てるんだろうねえ」
私が抱いているものとは似ても似つかない、真っ直ぐな愛をチルノに注いでるんだ。
「ごめんなさい、大ちゃんっ」
「そ、そんな謝ることじゃないよ!」
そーだそーだぁ・・・むにゃ・・・
「うふふ、ほら、チルノちゃんもそう言ってるよ。ラルバちゃんも元気出し...ラルバちゃん...?」
羨ましい
やっぱり羨ましいよ
こんなにも楽しくて、可愛くて、微笑ましい子と一緒にいられるなんて。
「ラルバちゃん涙が...」
「いやあ、ね。チルノが面白過ぎて泣いちゃった」
「あはは・・・」
「私、そろそろ帰るね」
そう言って二人に背を向け飛び立とうとした。
「ラルバちゃん!」
今になってようやく、彼女の目をちゃんと見れた気がする。
「また遊ぼうね?それと...私、応援してるから!」
「大ちゃん、それって...」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「チルノちゃん、もう日が暮れちゃったよ。帰ろ?」
「んあぁ、おやすいなさあぁ」
「もう、じゃあおんぶしてあげるから」
「ん・・・」
こうやってチルノちゃんをおんぶするのはいつ以来だろう。
重くなったような変わらないような・・・
『嫌じゃないのかって聞いてるの!』
「嫌じゃない...わけないよ...」
「・・・」
「本当はね、ずっと私だけを見ていてほしいの。でもきっとそれは、チルノちゃんの幸せじゃないよね...」
「うぅ・・・」
「だから...一つだけわがまま言っていいかな...?」
もしチルノちゃんの心が
私の届かないところにいってしまっても
ちょっぴりでいいんです
顔だけでも...声だけでもいいんです...
私のことを忘れないでくれますか?
「お願いね、チルノちゃん...」
ギュッ
「だい・・・ちゃんだい・・・す・・・」
「うふふ、今度は私の夢を見てるのかな?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
もう一度だけ...いや...
もっと、もっとあなたの色んな顔を見たいの
太陽のような笑顔を私にも見せてほしいの...
「おー!ラルバじゃん!一緒に遊ぶぞ!!!」
きっと私は、大ちゃんのようにはなれない
あんなにも真っ直ぐな心を、私は持っていないから
それでも...
「今日は何しよっかなあー。ラルバはどんな気分なんだ?」
羽ばたいてみせる
たとえ一瞬でも
「あのね、チルノ...?」
夏が終わる。
次の夏が少しづつ、近づいてくる。
いっそホラーでした
夏も終わりますね