窓から日差しがさしている。
正直鬱陶しさもあるが、いつもと同じ日常が繰り返されることを表しているような安心感もある。
ひとまず起床しいつもと同じように顔を洗い、髪をとかした。
めんどくさいという短絡的な理由で髪を伸ばし続けていたが、さすがに面倒になってきた。
因果応報である。朝飯を作ろうと思ったが、具材が何もなかった。
おかしい。記憶では佃煮が一食分は残っていたはずである。
おそらく、妖怪にでも食われた。という結論をつけ、外で食べることにした。
朝だから人の往来は少ないが、遠くから爆破音が聞こえる。
おそらく、博麗の巫女と霧雨のお嬢さんあたりが弾幕で勝負しているのだろう。
正直今の巫女はかなり特殊である。
妖怪と仲が良かったり、神を倒したりとろくな噂を聞かないのだが、少し俺は面白いと感じてしまっている。
妖怪と仲が良い巫女なんて矛盾の塊だ!興味がわいてしまう!
しかし、交友を深めたいかと聞かれればそうでもない。
妖怪巫女などの近くにいたら、碌に動けなくなってしまう。
あれこれ考えているうちに意外な知り合いと遭遇した。
「おはよう、赤蛮奇。」
と声をかけると赤髪の少女は
「久しぶりね。元気にしてた?」
とあくびしながら答えた。
「いや、なにもない日々だったよ。ただ、随分と巫女は忙しかったみたいだけどな。」
「おいおい私は巫女ではなくお前の話をしているんだ。話をそらさないでもらえる?」
と少しあきれた表情でこちらに視線を向けた。
「お前は話をそらそうと中途半端な輩みたいな口調になるんだよ。逆も同様に、だ。」
と少女は俺に少しアドバイスをする。
アドバイスされる謂れはないんだが、これも長年の人生の経験から出る言葉なんだろうか?
さすが妖怪だ。
妖怪といえば、と思い質問してみた。
「そういえば、俺の家から食料が消えたんだがお前何か知らないか?」
と少し疑った口調で質問する。
「お前の家の食糧なんて私がとるはずがないだろう?そもそも家の中にある物を私が取れるわけないじゃないか?そんな探偵みたいな脅し口調で話しても何も出ないよ。」
別に脅してはいないのだが、
「それもそうだな・・・・。これから飯を食うんだがお前も一緒に食べるか?」
と誘ってみると
「いや、私はいいよ。これから竹林で友達と待ち合わせしてるんだ。またな。」
と突然会話を切られてしまった。
おそらく友人というのは妖怪のことだろう。
慧音先生ならともかくあいつが竹林で待ち合わせするなら妖怪しかいない。
おそらく前に聞いた狼女のことだろう。
仲が良くて何よりだ。
さあ、俺は朝から居酒屋で定食を食べるとしよう。
さすがに健康に悪いので酒は飲まないが。
「いらっしゃいませ!」
と鯢呑亭の看板娘の声が響き渡る。
この少女はおそらく妖怪だ。
うまく隠せてはいるが。
ただ、少し不思議なのはこの少女は妖力からして座敷童なのだが、おそらく記憶を操っている。
なぜかと問われれば、酒を飲むと彼女が妖怪であることを忘れてしまうからだ。
断じて俺が酔っているからなどということではない。
俺は酒に強いし、記憶力はいい方だ。
1年前のことでもはっきりと答えることができる。
しかし、彼女の正体は紙に書かなければ覚えることはできない。
あの時の俺にまるで新聞記者のようにすぐにメモをする習慣があって良かった。
もしかしたら、”程度の能力”なのかもしれないが、人間の場合はともかく妖怪にはその妖怪に由来した能力が顕現する。
記憶と座敷童は少し離れているような気がする。
幻想郷には好奇心が絶えない。
好奇心が消えることはない。
「はい!お待たせしました!明朝定食です!と元気な看板娘の声が響き渡る。
「ありがとう。美宵ちゃん。」
と俺は彼女に声をかけると
「いえいえ、これが私の使命ですので!どうぞごゆっくり!」
といかにも10代の少女らしい笑顔で答えた。
定食は簡単に言えば一般家庭の朝食だった。
まあ、幻想郷に海はないので鮭などという魚ではなくアユモドキなどの外で幻想になり始めている魚を使っている。
ただし、海の生物が全ていないというわけではなく蛸はいるらしいが。
それ以外は白飯に納豆、味噌汁というよくあるものだ。
こういう料理はうまい。
シンプルにうまい。
毎日朝に食べる人間がいるのも納得できる。
胃にも重くないし、味は地味な感じもするが、それこそが毎日食べられている由縁であると俺は考えている。
いや、間違いなくそうだ。
「ご馳走さまでした。」
鯢呑亭を後のした俺は特にすることもないのでブラブラしていた。
すると、
「皆さーん守矢神社に入信しませんかー-?」
「守矢神社に入れば我らが神奈子様の力であなたの愛する人々に幸せとちょっとの奇跡を起こしてくれますよー--!」
正直胡散臭いことこのうえない。
まあ、それでも信仰がついているのは本当に幸せと奇跡をもたらしているからかまたは、この神社に縋る程凄惨な状況だからだろう。
まあ、普通の人間が外に出るだけで妖怪に食われる可能性がある程危険な場所なのに、人間の味方であるはずの博麗の巫女が妖怪と友好で里の人間を妖怪に差し出しているなどという噂があれば人々は絶望するだろう。
一時期は巫女を倒す、などという案が里であがる程深刻な事態だったが、昨今の異変解決のおかげで疑惑は晴れ、案は跡形もなく消えた。
まあ、俺は面白いからいいのだが。
ただ、守矢の嬢ちゃんも面白い存在だ。
俺と対して年が変わらないのにあそこまでできるのは素直にすごい。
さらに面白い点としてはあの嬢ちゃんはおそらく人間であって人間じゃない。
半妖などということではなく、本当に人間ではないのだろう、されど妖怪でもない
あの嬢ちゃんからは霊力とそれとは違う似通った何かを感じる。
実体があるの幽霊ではないと思うのでおそらく、仙人または現人神の類だろう。
まあ、おそらく現人神だろう。
あのある意味純粋な性格で何100年も修行し仙人になったとは思えないし、それをあの神社の神様が許すのだろうか?
だとしたら、巫女という立ち位置、そして彼女自身に信仰が集まっていることを考えて、現人神だと考えるのが普通である。
現人神ではないという根拠も疑いもない。
さて長々しい演説も終わったので本でも読みに行くか。
「どうも久しぶり本居のお嬢さん。」
と貸本屋の少女に呼びかける。
どうも本に集中していて気がついていないようだ。
正直人の読書を邪魔してまで挨拶したいとは思わないので、適当に丁寧に本を漁ることにした。
ここには様々な本がある、外の世界の本、外国の本、禁書【グリモア】・・・・などなど正直俺のような人間にとっては天国だ。
妖怪が書いた本はただでさえ少ないのに、ここでは何冊も読んだり、貸りることもできる。
一つ問題があるとすればここ最近博麗の巫女と霧雨の嬢ちゃんがここにいることが多く、しかも妖魔本関係のことを話していたので俺はここ数ヶ月立ち寄ることも読むこともできなかった。
おそらく、異変でも起きてそれに妖魔本が関係していたのだろう。
面倒事はごめんだ。
面白いのは大歓迎だがこういうのは好きじゃない。
嫌な感じだ。
まあ、この感情は理解されないだろう。
俺個人としての考えだ、一般大衆向けじゃない。
他人とは問題も軋轢も起こしたくない。
相手に必要以上干渉もしたくない。
それが俺の生き方だ。
正直鬱陶しさもあるが、いつもと同じ日常が繰り返されることを表しているような安心感もある。
ひとまず起床しいつもと同じように顔を洗い、髪をとかした。
めんどくさいという短絡的な理由で髪を伸ばし続けていたが、さすがに面倒になってきた。
因果応報である。朝飯を作ろうと思ったが、具材が何もなかった。
おかしい。記憶では佃煮が一食分は残っていたはずである。
おそらく、妖怪にでも食われた。という結論をつけ、外で食べることにした。
朝だから人の往来は少ないが、遠くから爆破音が聞こえる。
おそらく、博麗の巫女と霧雨のお嬢さんあたりが弾幕で勝負しているのだろう。
正直今の巫女はかなり特殊である。
妖怪と仲が良かったり、神を倒したりとろくな噂を聞かないのだが、少し俺は面白いと感じてしまっている。
妖怪と仲が良い巫女なんて矛盾の塊だ!興味がわいてしまう!
しかし、交友を深めたいかと聞かれればそうでもない。
妖怪巫女などの近くにいたら、碌に動けなくなってしまう。
あれこれ考えているうちに意外な知り合いと遭遇した。
「おはよう、赤蛮奇。」
と声をかけると赤髪の少女は
「久しぶりね。元気にしてた?」
とあくびしながら答えた。
「いや、なにもない日々だったよ。ただ、随分と巫女は忙しかったみたいだけどな。」
「おいおい私は巫女ではなくお前の話をしているんだ。話をそらさないでもらえる?」
と少しあきれた表情でこちらに視線を向けた。
「お前は話をそらそうと中途半端な輩みたいな口調になるんだよ。逆も同様に、だ。」
と少女は俺に少しアドバイスをする。
アドバイスされる謂れはないんだが、これも長年の人生の経験から出る言葉なんだろうか?
さすが妖怪だ。
妖怪といえば、と思い質問してみた。
「そういえば、俺の家から食料が消えたんだがお前何か知らないか?」
と少し疑った口調で質問する。
「お前の家の食糧なんて私がとるはずがないだろう?そもそも家の中にある物を私が取れるわけないじゃないか?そんな探偵みたいな脅し口調で話しても何も出ないよ。」
別に脅してはいないのだが、
「それもそうだな・・・・。これから飯を食うんだがお前も一緒に食べるか?」
と誘ってみると
「いや、私はいいよ。これから竹林で友達と待ち合わせしてるんだ。またな。」
と突然会話を切られてしまった。
おそらく友人というのは妖怪のことだろう。
慧音先生ならともかくあいつが竹林で待ち合わせするなら妖怪しかいない。
おそらく前に聞いた狼女のことだろう。
仲が良くて何よりだ。
さあ、俺は朝から居酒屋で定食を食べるとしよう。
さすがに健康に悪いので酒は飲まないが。
「いらっしゃいませ!」
と鯢呑亭の看板娘の声が響き渡る。
この少女はおそらく妖怪だ。
うまく隠せてはいるが。
ただ、少し不思議なのはこの少女は妖力からして座敷童なのだが、おそらく記憶を操っている。
なぜかと問われれば、酒を飲むと彼女が妖怪であることを忘れてしまうからだ。
断じて俺が酔っているからなどということではない。
俺は酒に強いし、記憶力はいい方だ。
1年前のことでもはっきりと答えることができる。
しかし、彼女の正体は紙に書かなければ覚えることはできない。
あの時の俺にまるで新聞記者のようにすぐにメモをする習慣があって良かった。
もしかしたら、”程度の能力”なのかもしれないが、人間の場合はともかく妖怪にはその妖怪に由来した能力が顕現する。
記憶と座敷童は少し離れているような気がする。
幻想郷には好奇心が絶えない。
好奇心が消えることはない。
「はい!お待たせしました!明朝定食です!と元気な看板娘の声が響き渡る。
「ありがとう。美宵ちゃん。」
と俺は彼女に声をかけると
「いえいえ、これが私の使命ですので!どうぞごゆっくり!」
といかにも10代の少女らしい笑顔で答えた。
定食は簡単に言えば一般家庭の朝食だった。
まあ、幻想郷に海はないので鮭などという魚ではなくアユモドキなどの外で幻想になり始めている魚を使っている。
ただし、海の生物が全ていないというわけではなく蛸はいるらしいが。
それ以外は白飯に納豆、味噌汁というよくあるものだ。
こういう料理はうまい。
シンプルにうまい。
毎日朝に食べる人間がいるのも納得できる。
胃にも重くないし、味は地味な感じもするが、それこそが毎日食べられている由縁であると俺は考えている。
いや、間違いなくそうだ。
「ご馳走さまでした。」
鯢呑亭を後のした俺は特にすることもないのでブラブラしていた。
すると、
「皆さーん守矢神社に入信しませんかー-?」
「守矢神社に入れば我らが神奈子様の力であなたの愛する人々に幸せとちょっとの奇跡を起こしてくれますよー--!」
正直胡散臭いことこのうえない。
まあ、それでも信仰がついているのは本当に幸せと奇跡をもたらしているからかまたは、この神社に縋る程凄惨な状況だからだろう。
まあ、普通の人間が外に出るだけで妖怪に食われる可能性がある程危険な場所なのに、人間の味方であるはずの博麗の巫女が妖怪と友好で里の人間を妖怪に差し出しているなどという噂があれば人々は絶望するだろう。
一時期は巫女を倒す、などという案が里であがる程深刻な事態だったが、昨今の異変解決のおかげで疑惑は晴れ、案は跡形もなく消えた。
まあ、俺は面白いからいいのだが。
ただ、守矢の嬢ちゃんも面白い存在だ。
俺と対して年が変わらないのにあそこまでできるのは素直にすごい。
さらに面白い点としてはあの嬢ちゃんはおそらく人間であって人間じゃない。
半妖などということではなく、本当に人間ではないのだろう、されど妖怪でもない
あの嬢ちゃんからは霊力とそれとは違う似通った何かを感じる。
実体があるの幽霊ではないと思うのでおそらく、仙人または現人神の類だろう。
まあ、おそらく現人神だろう。
あのある意味純粋な性格で何100年も修行し仙人になったとは思えないし、それをあの神社の神様が許すのだろうか?
だとしたら、巫女という立ち位置、そして彼女自身に信仰が集まっていることを考えて、現人神だと考えるのが普通である。
現人神ではないという根拠も疑いもない。
さて長々しい演説も終わったので本でも読みに行くか。
「どうも久しぶり本居のお嬢さん。」
と貸本屋の少女に呼びかける。
どうも本に集中していて気がついていないようだ。
正直人の読書を邪魔してまで挨拶したいとは思わないので、適当に丁寧に本を漁ることにした。
ここには様々な本がある、外の世界の本、外国の本、禁書【グリモア】・・・・などなど正直俺のような人間にとっては天国だ。
妖怪が書いた本はただでさえ少ないのに、ここでは何冊も読んだり、貸りることもできる。
一つ問題があるとすればここ最近博麗の巫女と霧雨の嬢ちゃんがここにいることが多く、しかも妖魔本関係のことを話していたので俺はここ数ヶ月立ち寄ることも読むこともできなかった。
おそらく、異変でも起きてそれに妖魔本が関係していたのだろう。
面倒事はごめんだ。
面白いのは大歓迎だがこういうのは好きじゃない。
嫌な感じだ。
まあ、この感情は理解されないだろう。
俺個人としての考えだ、一般大衆向けじゃない。
他人とは問題も軋轢も起こしたくない。
相手に必要以上干渉もしたくない。
それが俺の生き方だ。