輝夜「じゃあ行くわよ。難題『龍の頸の玉 -五色の弾丸-』」
来人「はあ!?お前弾幕使うの!?」
輝夜「えぇそうよ。誰も使っちゃいけないなんて言ってないもの」
輝夜は遠慮なく俺に弾幕を向けてくる。俺は遠距離攻撃がないので、避け続ける。
外野からの声がうるさいが(特に魔理沙)、今は弾幕をよけることに専念し、攻略法を探る。
来人「『反射神経を100%上昇』!」
輝夜「あら、だいぶ避けれるわね。難題『仏の御石の鉢 -砕けぬ意思-』」
来人「スペカ連発すな!」
これ絶対避けな死ぬやつやん!だって弾幕の着弾地点めっちゃ地面えぐれてるし…手加減を知らねえのか!?
と内心輝夜に愚痴をこぼしつつ、びっくりさせるような何かはないかと考え続ける。
だが、考えすぎたことが仇となったのか、走っている最中の足元に注意が向かず、手ごろな石に躓いてしまった。
来人「あ、やっべ…!」
輝夜「あらあら、ドジねぇ…難題『火鼠の皮衣 -焦れぬ心-』!」
来人「くっそ、あいつウッキウキな顔をしてやがる…!」
魔理沙「来人ー!危ないぞー!」
永琳「姫様ァー!そこです!やっちゃってください!」
霊夢「うっさいわね…」
ヤバいな…一応『脚力を100%上昇』で行けるけど、すべてを回避することは難しい…
そう考えていると、目の前に半透明な水色の壁が現れ、輝夜が打った弾幕を全て防いで見せた。
ヤナギ「キシャ!」
来人「おぉ、助かった!よし、この石を…『腕力を100%上昇』!」
輝夜「何をするのー?」
来人「目に物を見せるんだ…よッ‼」
俺はさっきこけた石を使い、輝夜に向けて全力投球をした。輝夜は猛スピードで飛んでくる石に驚いた表情をしていた。石がぶつかろうとした瞬間、輝夜の姿が消えた。
来人「ゑぇ!?」
輝夜「私はこっちよ。えいっ」
来人「痛っ!『えいっ』の威力じゃなかったよね!?」
輝夜「驚いているわね?説明してあげましょう」
来人「聞けよ!」
輝夜「私の能力は『永遠と須臾を操る程度の能力』。須臾というのはね、まあ簡単に言えば、認識できないほどの一瞬よ。それで、あなたの能力は?私だけが教えるって、不公平じゃない?」
来人「お前が勝手にしゃべっただろ…まぁいい。俺は今、『自分のありとあらゆる身体機能を操る程度の能力』『遠距離武器を生み出す程度の能力』を持っている」
輝夜「期待した通り、面白そうな子ね。それに、遠距離武器…?」
来人「こういうことだよ」
俺は即座にハンドガン(エアガン)を生成し、輝夜に振り向きざまに撃つ。さすがにそれは想定してなかったのか、腕にねらって打った球はそのまま当たり、腕を抑えて俺からバックステップで距離を取った。
輝夜「…ふふ、その銃、偽物のようね。でも本物でもこの私には効かないわ!なぜなら、この私は不老不死だもの!」
霊夢「何ですって!」
魔理沙「何だって!?」
紫「…( ゚Д゚)」
来人「な、なんだってー(棒)」
輝夜「残念だったわね。実力の差をこんなはっきりと表わされるなんて…かわいそうでしかないわ」
来人「うぜぇな、こいつ…」
ヤナギ「キシャ…」
輝夜は自分が不老不死だと言って反応してくれたことがうれしいのか、俺が負けそうなのが愉快なのか、裾で口元を隠し、フフフ( *´艸`)と笑っている。まあ別に?俺が本気を出せば輝夜なんてすぐに倒せるし…という負け惜しみは置いといて、せっかくの機会だから少し試してみよう。この能力になってからまだやったことがないことだ。俺はいつも『~~を100%上昇』という。ここで言いたいのは、100%以上があるのか。なぜなら、上昇した後もまだ力が上がる気がするんだ。だが、もしデメリットがあるとなると、医者(薬剤師)である永琳がいた方が安全性が高くなることを考慮して、試してこなかったのだ。
来人「…」
輝夜「あら、立ち上がってどうしたの?必殺技でも見せる気になった?」
来人「あぁその通りだ。即興だがな…『脚力を500%上昇』スペルカード、神速『追静止視界≪クロノスタシス≫』」
輝夜「あら、何にも変化が見当たらないのだけど?」
来人「後ろだよ?」
輝夜「え!?いつの間に…」
魔理沙「はっや!?まさに目にもとまらぬ、だぜ!」
霊夢「時を止めてってわけじゃなさそうね…私の強敵になりそうな技ね」
やぁ皆、上白沢慧音だ。分からない人に説明しよう。ここで言っておくと、追従静止視界とクロノスタシスは違う現象だからな、間違えるなよ。簡単に言うと、追従静止視界は自分が車などで移動をしているときに、たまに止まっているような錯覚に陥るんだ。例えるならば、新幹線がいいだろうな。走っている新幹線を見ていると、止まったり逆走しているように見えるだろう?それだ。クロノスタシスというのはだな、これはちょっと難しいが…すごく簡単に言うと、時計が一瞬止まって見えるんだ。ま、そんなところで今日は去るとするよ。
…ん?なんだか一瞬だけと気が止まったような気がしたが…大丈夫か。
輝夜「ふふ、しゃべってる暇はないわよ!」
来人「めっちゃあるよ!」
輝夜「後ろにいたはずなのに!?」
霊夢「そもそも追従せい…って何!?」
永琳「聞いたことがあるわ。追従静止視界は同じ景色が続くものによって起こるもの。本来ここで起こる現象ではないわ。…でも、ここでクロノスタシスの出番ね」
紫「なるほどね。クロノスタシスは眼球を動かした直後の景色がゆっくりに見える現象又は一瞬の時間認識の障害…霊夢たちにわかりやすく伝えるなら『目が回る』ね」
永琳「似ているようで中身は違う二つの現象を組み合わせたことによる技が、あれってわけね…」
霊夢「え、何?何でいきなり説明を始めたの?」
紫「貴方が頼んだからでしょ」
外野がバトル漫画のテンプレみたいなことになってるが、今の俺には関係ない。
さっきやられた分を背負い投げでやり返し、輝夜の攻撃をよける。
だが輝夜は、さらにスペルカードを打ってきた。
輝夜「くッ…難題『燕の子安貝 -永命線-』‼」
来人「お、あぶねっ…『第六感と動体視力を500%上昇』‼スペルカード、予知『ラプラスの悪魔の再誕』!」
紫「ラプラスの悪魔…!」
魔理沙「何なんだぜ、それ」
永琳「ラプラスの悪魔はね、簡単に言うとすべての原子の動きを理解し、それを見据えたうえで未来を予測・予知する架空の怪物よ。でもうまいわね…一時期外の世界では『ラプラスの悪魔』は否定されたのよ。それを『再誕』という形で技の構成を行うとはね…」
霊夢「何がうまいのかが全く理解できないわ…」
俺は再びハンドガン(エアガン)を取り出し、輝夜に向けて撃つ。だが、それを予想してか結界を張り、玉を防がれた。俺はさらにそれを見越して、後ろに回り込む。攻撃をしようとしたがいきなり鎖のようなものが巻き付き、体が動かなかった。
輝夜「引っかかったわね!難題『蓬莱の弾の枝 -虹色の弾幕-』‼」
来人「くっそ…『防御力を100%上昇』…」
魔理沙「来人ー!」
結界を破ろうとすることがダメなような気がしたので、自分の防御力を上げて何とか耐えた。
結界が解け動こうとしても、すでに輝夜のペースに飲み込まれていた。
次から次へと弾幕が射出され、まさに防戦一方だった。
輝夜「さっきまでの勢いはどうしたのかしら!」
来人「どうしようか…そうだ!ヤナギ、不可解の壁を一枚出してくれ!」
ヤナギ「キシャ!」
来人「おっけ!『腕力を100%上昇』!てやぁ!」
輝夜「ふふ、そんな薄い板一枚で何が…痛ぁ!」
来人「今だ!ヤナギ、俺と輝夜が出れないようにに防音の壁で囲んでくれ!」
ヤナギ「キシャ!」
霊夢「あら、大きな壁ね」
魔理沙「いったい何をするんだ?」
永琳「あの壁が張られた瞬間にあそこからの音がなくなった。つまり、音関係のわざを使うのかしらね」
魔理沙「おぉ!すごい推理だぜ!」
永琳「造作もないことよ」
半透明の薄緑色をした壁が俺と輝夜を囲む。ヤナギの出す壁は、性質によって色が違うのだろうか。そう考えていると、輝夜がやっとこっちに注意を向けた。この壁を見て俺が何をしていくのかを分かっているのかわかっていないのか、弾幕を射出しながらスペルカードを取り出した。
輝夜「これで終わらせてやるわッ‼」
来人「じゃあ俺もこれで最後にするよ。そのつもりだったし」
そもそも、俺がなぜ防音性の壁を張らせたのかわかるだろうか。まあデカい音を出す技だから、あまり外に被害を出すこちがしたくなかったのだ。
輝夜「スペルカード!」
来人「『声量と肺活量を500%増加』!」
ちなみに今回使う技は『アポカリプティック・サウンド』。天使のラッパだとか、終焉の音だとかいろいろ言われている。これは聖書で言われているものだが、天使が7回ラッパを鳴らすと、災害が起こるといわれている。これは実際にも確認されているとされ、現象の特徴としては…
輝夜「『蓬莱の樹海』‼」
来人「忘れてないか?俺はまだ超スピードが使えるぜ!」
輝夜「なっ‼」
無から飛行機が通ったといわれるくらいの音が出る。
来人「大爆音『終焉の合図~アポカリプティック・サウンド~』‼」
これを耳元でやられればひとたまりもないだろう。そう考えたのだ。
_______________ッ‼‼‼
輝夜「アガッ!?」
脳にとんでもない刺激をくらい、輝夜が気絶してしまった。まあ当たり前なのだが…倒れそうになったところを受け止めて、ヤナギが作った壁を消す。すると魔理沙たちが俺のほうに駆け寄ってきた。
魔理沙「すごいのぜ!どんな原理かわからないが、強いんだな!」
永琳「姫様ァ!」
霊夢「あんな強い技を使ってデメリットはないわけ?」
来人「あぁ、実は俺もそこを心配してたん…だ…」
突然、俺の腕に違和感が生まれる。次の瞬間、腕がしびれだした。足がビリビリってなるだろ?それの5倍くらいの強さだ。輝夜を落としそうになるも何とか永琳に輝夜を預け、帰ろうとする。その瞬間、何と足までしびれだしたのだ。しかも腕と同様5倍ぐらいの強さで。もはや立つことすら難しく、しりもちをする形で地面に座り込んだ。
魔理沙「お、おい!大丈夫か?」
来人「あ、あぁ問題はない。しいて言うなら足のしびれの5倍が腕と足に来てる、だけだ」
霊夢「それほんとに大丈夫?」
来人「できることなら、スキマで送ってくれないか?」
紫「えぇ、いいわよ」
来人「じゃあ霊夢たち、後は…任せたぞ。あ、ちょっと待て、優しく送ってくれ…ああああああァッぁぁぁ!!」
紫「あら?何か言ったかしら」
霊夢「…アンタ気を付けなさいよ」
~来人の食堂~
来人「クッソ、紫許さねぇ…お、紙があるな…」
紫が一緒に送ったのだろう。俺はその紙をめちゃくちゃ頑張って手に取り、中身を見た。
『次の満月に、肝試し大会を行います。
これは招待状です。肝試しにはこの招待状が必要です。
ぜひ、あなたの勇気ある参加をお待ちしております。』
来人「…次の満月か。さぁ永夜EX本番ってやつだな…痛たたたた!」