Coolier - 新生・東方創想話

霧の中の訪問者 最終章 「最終決戦」

2024/10/24 16:38:05
最終更新
サイズ
4.65KB
ページ数
1
閲覧数
222
評価数
4/4
POINT
400
Rate
17.00

分類タグ

幻想郷に再び不穏な霧が広がっていた。しかし、今回の霧はこれまでのものとは異なり、どこか異様な力を帯びている。村人たちは怯え、自然のバランスも狂い始めていた。霊夢と魔理沙、そして紅魔館の仲間たちは、この最後の異変に立ち向かうため、再び力を合わせることとなった。

紅魔館の中心に集まった一行は、最終決戦に向けた作戦を練っていた。レミリア、フラン、咲夜、そしてパチュリーも揃い、かつてないほどの強力な布陣が整っている。

「この霧、ただの自然現象じゃない。強力な魔力が絡んでいるわ。」パチュリーが魔導書をめくりながら言った。

「うん、今回の敵はただの霊じゃないだろうな。前回よりもかなり厄介な相手になるはずだ。」魔理沙は自信たっぷりに答えたが、その表情には緊張が見えた。

「私たちがこれまで戦ってきたのは、あくまで前哨戦に過ぎなかったってわけね。」霊夢は冷静に言い放ちながら、戦いの準備を整えていた。

「フフ、私は楽しみだわ。これだけの力を持つ相手と戦えるなんて、血が騒ぐじゃない!」レミリアは高笑いをしながら、鋭い目つきで外の霧を見つめていた。

フランも、姉に負けじと興奮した様子で拳を握りしめている。「お姉さまと一緒に戦えるなんて、すっごく楽しみ!私は全力でぶっ壊すわ!」

咲夜は冷静にナイフを手入れしながら、「お嬢様方をお守りするのが私の役目ですが、今回は私自身も戦います。覚悟を決めてください。」と一同に静かに語りかけた。


---

霧の中心に向かって、霊夢たちは一斉に飛び立った。紅魔館を背に、彼らは未知なる敵が潜む場所へと向かう。霧はますます濃くなり、目の前がほとんど見えなくなっていく。

「やっぱり何かいるな……この霧の中に。」魔理沙が小声でつぶやいた。

その瞬間、霧の中から巨大な影が現れた。姿を現したのは、これまでのどの敵とも異なる、漆黒の霧に覆われた強大な魔物だった。その瞳は赤く輝き、全身から放たれる圧倒的な力に、空気が震えた。

「ようこそ、博麗の巫女。そしてその仲間たちよ……。私こそがこの異変を引き起こした存在、霧の深淵だ。」低く響く声が、霧の中から響いてきた。

「これが最後の敵か……!」霊夢は結界札を握りしめ、構えを取った。

「ふん、ただの霧じゃないわね。でも、これまでの経験がある。負けるわけにはいかない!」レミリアは真紅の翼を広げ、一気に飛びかかる。

「行くぞ、霊夢!この霧を全て消し去る!」魔理沙も後に続き、ミニ八卦炉から強力な光弾を放つ。


---

絶望と逆転

戦いは熾烈を極めた。霧の深淵は無尽蔵に霧を操り、霊夢たちを翻弄する。濃霧が視界を奪い、次々と攻撃がかわされるたびに、霊夢たちは疲労感を覚え始めた。

「くそ……どこからでも霧が襲ってくる!」魔理沙が焦りながら叫ぶ。

「このままじゃ持たないわね……」霊夢も息を切らしながら相手の動きを追っていたが、深淵の動きは予測しにくく、強力な魔力で守られている。

「姉さま、手を貸して!」フランは笑みを浮かべながらも、疲労の色を隠せなかった。

「もちろんよ、フラン!これで終わりにしましょう!」レミリアは満身の力を込めて、吸血鬼の力を最大限に引き出し、強力な一撃を放つ。だが、それさえも霧の深淵には届かない。

戦いが長引く中で、霊夢の中に再び迷いが生まれた。「こんなに強いなんて……私たち、本当に勝てるの……?」

その瞬間、霊夢の頭の中にこれまでの戦いがフラッシュバックした。村人たちの非難の声、紅魔館での特訓、そして仲間たちとの絆……すべてが頭を巡り、彼女はふと気づいた。

「私は……一人じゃない。」


---

決着の瞬間

「みんな、力を合わせるわよ!一斉攻撃よ!」霊夢は強い声で仲間たちに呼びかけた。

「ようやく霊夢らしくなってきたな!」魔理沙はにやりと笑い、再びミニ八卦炉を掲げた。「いくぞ、全力を出すんだ!」

「ふふっ、これで決めるわ!」レミリアも笑いながら、大きな翼を広げ、空に舞い上がった。

霊夢は結界札を高く掲げ、全ての力を込めた。彼女の周りに光が集まり、強力な結界が展開される。それに呼応するように、魔理沙、レミリア、フラン、咲夜、パチュリーがそれぞれの魔力を注ぎ込む。強力な攻撃が一斉に放たれ、霧の深淵に向かって突き進んだ。

「これで終わりだ……!」霊夢の叫びとともに、全ての力がぶつかり合った。

霧の深淵は、圧倒的な力に耐えきれず、徐々にその形を失っていく。「私が……敗れるというのか……!?」深淵の声は次第にかすれていき、やがて完全に消滅した。


---

終わりと新たな始まり

霧が晴れ、幻想郷には久しぶりに清らかな光が戻ってきた。霊夢と仲間たちは、勝利を手にしながらも、静かにその場に立ち尽くしていた。

「やったな、霊夢。これで終わりだ。」魔理沙は汗を拭いながら、微笑んだ。

「ええ、みんなのおかげよ。」霊夢も深く息をつき、仲間たちに感謝の気持ちを込めて微笑み返した。

「また一緒に戦えて、私は満足よ。」レミリアは笑顔で言った。「これが私たちの力ね。」

フランも嬉しそうに飛び跳ねている。「すっごく楽しかった!またこんな戦いがあったらいいのに!」

パチュリーは疲れた顔をしながらも、「あまり大きな異変は、できればもうごめんだわ……」と呟いた。

「これで、幻想郷はしばらく安泰ね。」咲夜は穏やかな微笑みを浮かべ、静かに周囲を見渡していた。

霊夢は改めて空を見上げ、今回の戦いを振り返っていた。迷い、弱音を吐き、仲間の支えを感じながら成長してきた自分。それを胸に、彼女は決意を新たにした。

「これからも、私はこの幻想郷を守り続けるわ。どんな異変が来ようとも。」

その言葉に、全員が頷いた。
読んでくれてありがとう!!この次の話エピローグでこの物語は終わりです。最後まで読んでくれてありがとう。エピローグは物語とあまり関係がないので読まなくても大丈夫だと思います〜
とあるAC乗り
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.簡易評価なし
1.100海鮮丼丸です削除
とても素晴らしい作品です、ご友人…!
2.100ブラックグリント削除
物語全部読んだけど、めちゃくちゃクオリティ高い。
でも、これで終わっちゃうって言うのがちょっと悲しい。
最高でした!
3.100夜飴削除
うわああああああよかったあああああああ((
いつの間にかみんなに感情移入しててマジで泣けた、、
めちゃくちゃいい話でしたああああああ(((
エピローグも読む!!!!
4.100名無し3削除
エピローグも見る