「ねえ夢月」
「どうしたの姉さん」
「どうして今年はこんなに暑いの?」
「姉さんの日頃の行いじゃない?」
「酷くない?」
「でも姉さん。もう今23℃だよ?秋だよ?セミの鳴き声だって一切ないよ?今更遅くない?」
「そこが問題なのよ。夢月。」
「問題?どこが?」
「いい?夢月?暑いのは夏だからじゃない。」
「そうだね。」
「そして秋になると涼しくなって夏が終わる。そして今年は秋になるのが遅い。秋の神様がサボっているのよ!」
「結構変な意見じゃない?」
「全く。秋の神様は一体何をしているのかしら?」
「呼びましたか?」
「え?誰?」
「呼んだじゃないですか。秋の神様の秋静葉ですよ。」
「ほんとに来るとは思わないじゃない。ねえ、夢月?」
「姉さんが呼んだんじゃない。」
「酷くない?」
「酷くないです」
「ふふ、仲いいわね。」
「私達、二人で一人前ですから。」
「自慢になってなくない?」
「ね〜え〜さ〜ん〜速いよ〜いくらなんでも毎年木を一万蹴ってもそんな速くはなんないはずなのに〜」
「なんか来ましたけど誰ですか?」
「ああ、あれは私の妹よ。」
「神様にも妹っているんだ…」
「あなた達も姉妹なの?」
「そうですよ。」
「そういえば話逸れたけど、なんでここに来たんですか?」
「そこの翼生えてる人に呼ばれた気がしてここに来たんです。」
「私人じゃなくて悪魔ですよ!」
「へえ〜」
「姉さん、見事にスルーされてるよ。」
「まあ私達神様ですから。」
「そういえばそうだったわ。」
「ってかサラッとここに来たって言ってるけどどうやって来たの?ここ夢幻世界よ?」
「くるみさんに秋の甘味あげたら通してくれました。」
「あいつチョロくね?」
「それで用件は何かしら?」
「秋が来るのが遅かったからサボっているのかな〜って思っただけよ。」
「まさかサボる訳ないじゃない。そうよね穣子?」
「そうだよ。サボったら神様の威厳がなくなっちゃうもん。」
「でも秋が来るのは遅かったからね〜。まさか寝坊でもしたんじゃないの?」
「寝坊なんてしないわよ。二十日だけ多く寝たぐらいよ?」
「それを世間は寝坊と言うんだよ…え?長すぎない?ねえ、姉さん?」
「そうよ。私でも最低五時間よ!」
「姉さんも寝坊レベルじゃないじゃん…」
「これは立派な睡眠よ?」
「徹夜しないでください」
「そっちも大変ね」
「穣子さんはどうなんですか?」
「いっつもお姉ちゃんと寝てるから変わらないかな〜」
「え?一緒に?」
「冗談よ」
「それじゃあここにいる人私以外全員寝坊魔じゃん」
「私人じゃなくて悪魔だから」
「私神様だから」
「私も穣子と同じで神様だから」
「それでもちゃんと起きなさい」
「私には夢月がいるから大丈夫ね!」
「次は起こしませんよ?」
「えー?」