はじめてあったのは、赤いきりのいへんのときだったかな?
わたしがはじめて見た人間。なまえは「博麗霊夢」。
わたしたち吸血鬼とおなじ、紅いおんなのこだった。
こわいぐらい強くって、わたしもお姉さまも咲夜もみーんなまけちゃった。
でもわたしたちを追い出したりせずに、ともだちになってくれた。
わたしのはじめての人間のともだち。
霊夢はまいにち、くらい地下のわたしのところへあいにきてくれた。
「わたしのため?」って毎回毎回聞く。
そしたら霊夢はかおを真っ赤にして、「あんたのためじゃない」ってつぶやくの。
おもしろいから「もっかいいって?」ってかわいく言ったら、こんどこそちっちゃな声でもう一回言ってくれる。
そんなあなたがだいすきで、ふとした時に壊したくなる。
ねぇ、その時は私を——壊して。霊夢。
*
「フラン、ちょっといいかしら?」
今日も霊夢がきた。
でも、その表情は少し硬い。
「なあに、霊夢。」
わたしがそう言うと、どうしてか悲しそうな顔をする。
やめて、やめてよ。
“その顔“でわたしを見ないで。
わたしは、おかしいの?
狂ってるの?
ねぇ。
そんな顔しないで。
わたし、ちゃんといい子にするから。
だから、おねがい…!
「お姉さまがするのと同じ顔で、わたしを見ないでよ!」
数歩踏み出せば体がくっつく位置にいた霊夢を、魔力の衝撃で吹き飛ばす。
部屋の反対側まで飛ばされながらも受け身を取った霊夢は、怒るのでも、驚くのでもなく、ただただわたしを悲しそうに見ていた。
違う。霊夢はそんな顔でわたしを見たりしない。
じゃあ目の前にいるコイツは…誰?
「フラン。私は霊夢じゃない。レミリアよ。貴方の姉。それに霊夢はもう…。」
「煩い!黙れ!霊夢は、霊夢、は……。」
立っている力すら尽き、膝をつく。
体が芯から震えた。
寒い。すかすかの心が、すきまかぜをピューピュー吹かせる。
寒いのは、体じゃない。
何もかもを失った、わたしの心だ。
禁忌『レーヴァテイン』
「…!……そう。あの娘はフランを壊して散ったのね。それならよかった。」
何がいいって?
それにもう、お姉さまの声もよく聞こえないよ。
あれ?どうしてわたしのレーヴァテインはお姉さまを貫いてるの?
ねぇどうして?
「本当に、よかっ、た……。」
なんで答えてくれないの?
「…なんでよ。霊夢。わたしを無視しないでよ!ばか、ばか、ばか!霊夢のばか!」
もう周りには何もない。
わたしを振り返って笑ってくれる人はいない。
霊夢。
お姉さま。
霊夢。
お姉さま。
「うそだ。」
……。
「うそだ。」
だって、
「うそだ。」
こんなの…。
「うそだ。」
ひどすぎるよ。
「うそだ。」
わたしは何も…
「うそだ!」
悪くないのに。
「うそだ!」
どうして?
「うそ…だ…。」
ねぇどうして?
どうして、わたしは霊夢を殺したの?
わたしがはじめて見た人間。なまえは「博麗霊夢」。
わたしたち吸血鬼とおなじ、紅いおんなのこだった。
こわいぐらい強くって、わたしもお姉さまも咲夜もみーんなまけちゃった。
でもわたしたちを追い出したりせずに、ともだちになってくれた。
わたしのはじめての人間のともだち。
霊夢はまいにち、くらい地下のわたしのところへあいにきてくれた。
「わたしのため?」って毎回毎回聞く。
そしたら霊夢はかおを真っ赤にして、「あんたのためじゃない」ってつぶやくの。
おもしろいから「もっかいいって?」ってかわいく言ったら、こんどこそちっちゃな声でもう一回言ってくれる。
そんなあなたがだいすきで、ふとした時に壊したくなる。
ねぇ、その時は私を——壊して。霊夢。
*
「フラン、ちょっといいかしら?」
今日も霊夢がきた。
でも、その表情は少し硬い。
「なあに、霊夢。」
わたしがそう言うと、どうしてか悲しそうな顔をする。
やめて、やめてよ。
“その顔“でわたしを見ないで。
わたしは、おかしいの?
狂ってるの?
ねぇ。
そんな顔しないで。
わたし、ちゃんといい子にするから。
だから、おねがい…!
「お姉さまがするのと同じ顔で、わたしを見ないでよ!」
数歩踏み出せば体がくっつく位置にいた霊夢を、魔力の衝撃で吹き飛ばす。
部屋の反対側まで飛ばされながらも受け身を取った霊夢は、怒るのでも、驚くのでもなく、ただただわたしを悲しそうに見ていた。
違う。霊夢はそんな顔でわたしを見たりしない。
じゃあ目の前にいるコイツは…誰?
「フラン。私は霊夢じゃない。レミリアよ。貴方の姉。それに霊夢はもう…。」
「煩い!黙れ!霊夢は、霊夢、は……。」
立っている力すら尽き、膝をつく。
体が芯から震えた。
寒い。すかすかの心が、すきまかぜをピューピュー吹かせる。
寒いのは、体じゃない。
何もかもを失った、わたしの心だ。
禁忌『レーヴァテイン』
「…!……そう。あの娘はフランを壊して散ったのね。それならよかった。」
何がいいって?
それにもう、お姉さまの声もよく聞こえないよ。
あれ?どうしてわたしのレーヴァテインはお姉さまを貫いてるの?
ねぇどうして?
「本当に、よかっ、た……。」
なんで答えてくれないの?
「…なんでよ。霊夢。わたしを無視しないでよ!ばか、ばか、ばか!霊夢のばか!」
もう周りには何もない。
わたしを振り返って笑ってくれる人はいない。
霊夢。
お姉さま。
霊夢。
お姉さま。
「うそだ。」
……。
「うそだ。」
だって、
「うそだ。」
こんなの…。
「うそだ。」
ひどすぎるよ。
「うそだ。」
わたしは何も…
「うそだ!」
悪くないのに。
「うそだ!」
どうして?
「うそ…だ…。」
ねぇどうして?
どうして、わたしは霊夢を殺したの?
そうですね、自分でも一応自覚しているんですが何となく気づくとグロめな表現や描写にはなってしまいがちなんですよね…。
他人に自分の書いたものを見せるという機会があまりなかったので自分が満足すればよし、の方針で書いてきましたがその点とても参考になりました!本当にありがとうございます。
他の場所でも小説書いた経験あるんでしたっけ、短編なのに純粋に表現が上手いなぁては思いました。霊夢もレミリアも紅色だから錯覚してしまったていう認識で良いのかな。
私はグロ系に耐性あるので全く問題無く見れますけど確かに読者を稼ぐなら減らした方が読んでくれる人増えるかも?とはいえ、私もハーメルンで書いてた東方小説は中々グロ寄りだったので説得力無いですね...笑
私は学生ですし個人的な事情にはなりますが親の目もありますので活動場所はここ東方創想話のみとさせていただいております。
投稿するには至りませんでしたが何本か小説自体は書いています。
グロ系耐性には個人差がありますし、できる限り過激な表現は避け、どうしてもの場合はタグ等でお知らせできればと思います。
改めて、このような拙い文章を読んでくださりありがとうございます!
また後ほど読ませていただき、そちらのコメント欄にて感想述べたいと思います。
前後不覚なフランに作者様の癖を感じました
フランの内面でレミリアと霊夢が分からなくなっていく場面は、何度か修正しているので繋がりが不安だったのですが、楽しんでいただけたのでしたら本望です。
比喩表現や場面描写の未熟さは自分でも一応自覚していたのですが、こういう形で伝えてくださるととてもありがたいです。
携帯小説ですか〜お恥ずかしながら存じ上げない〜。
評価ありがとうございます。