メリーが空に落ちた。
二人で河原に寝そべっていた時のことだった。
秋の空は、深く深く、どこまでも続いていた。
「空の中はどうなっているかしら」
メリーはそう言って身を乗り出し、空の中を覗き込んだ。
空の中には雲が泳いでいて、夢中になったメリーは、どんどんと前のめりになっていく。
メリーはそのまま、じゃぽんと、空の中へ落っこちてしまった。
頭から見事に突っ込んだものだから、私はついつい声を出して笑ってしまった。
メリーはすぐに空から這い上がって、びしょ濡れの身体をぶるぶると震わせた。
秋の空はもうすっかり冷たく、時折吹く風がメリーの身体を冷やしていく。
すかさず私は、鞄からドライヤーを取り出した。
モバイルバッテリーにつないで、メリーの身体に温かい風をあてる。
風邪を引いてしまわないよう、私はメリーの身体を隅々まで乾かした。
時々私が思い出し笑いをすると、メリーはむすっとして、ぴしゃりと私のおでこを叩いてきた。
メリーの身体は、すっかりと乾いた。
私はドライヤーのコードをぐるぐると巻き、鞄に手を伸ばす。
しかしその拍子に、私は鞄を空に落っことしてしまった。
ぱしゃりと音が立ち、鞄は空の上にぷかぷかと浮いていた。
私は身を乗り出し、なんとか鞄のベルトを掴んだ。
私は鞄をゆっくり引き上げた。しかし中からノートだけが、するりと抜けてしまったのだ。
ノートはそのまま、じゃぽんと、空の中へ落っこちてしまった。
ノートはみるみるうちに、空の深くへと沈んでしまう。
うろたえる私を見て、メリーはお返しと言わんばかりに、声を出して笑っていた。
「いったい、何が書いてあったっていうのよ」
「暦よ。結界が開く時刻を、計算するためのね」
二人で河原に寝そべっていた時のことだった。
秋の空は、深く深く、どこまでも続いていた。
「空の中はどうなっているかしら」
メリーはそう言って身を乗り出し、空の中を覗き込んだ。
空の中には雲が泳いでいて、夢中になったメリーは、どんどんと前のめりになっていく。
メリーはそのまま、じゃぽんと、空の中へ落っこちてしまった。
頭から見事に突っ込んだものだから、私はついつい声を出して笑ってしまった。
メリーはすぐに空から這い上がって、びしょ濡れの身体をぶるぶると震わせた。
秋の空はもうすっかり冷たく、時折吹く風がメリーの身体を冷やしていく。
すかさず私は、鞄からドライヤーを取り出した。
モバイルバッテリーにつないで、メリーの身体に温かい風をあてる。
風邪を引いてしまわないよう、私はメリーの身体を隅々まで乾かした。
時々私が思い出し笑いをすると、メリーはむすっとして、ぴしゃりと私のおでこを叩いてきた。
メリーの身体は、すっかりと乾いた。
私はドライヤーのコードをぐるぐると巻き、鞄に手を伸ばす。
しかしその拍子に、私は鞄を空に落っことしてしまった。
ぱしゃりと音が立ち、鞄は空の上にぷかぷかと浮いていた。
私は身を乗り出し、なんとか鞄のベルトを掴んだ。
私は鞄をゆっくり引き上げた。しかし中からノートだけが、するりと抜けてしまったのだ。
ノートはそのまま、じゃぽんと、空の中へ落っこちてしまった。
ノートはみるみるうちに、空の深くへと沈んでしまう。
うろたえる私を見て、メリーはお返しと言わんばかりに、声を出して笑っていた。
「いったい、何が書いてあったっていうのよ」
「暦よ。結界が開く時刻を、計算するためのね」