Coolier - 新生・東方創想話

畜生のかけっこ

2023/04/02 08:38:50
最終更新
サイズ
5.34KB
ページ数
1
閲覧数
1016
評価数
5/7
POINT
580
Rate
15.13

分類タグ

 むかしむかし あるところに おうまさんと かめさんが いました。
 おうまさんの なまえは さきちゃんと いいました。
 かめさんの なまえは やちえちゃんと いいました。

 あるひ さきちゃんは いいました。
「わたし あしがすっごくはやいから しょうぶしよう!」
 でも やちえちゃんは うんどうが にがてです。
「まけないように がんばるぞ!」
 やちえちゃんは つよがっています。

 さきちゃんが
「それじゃあ ゴールは ちくしょうかいの まんなかの れいちょうえんに しよう!」
 といいました。
 れいちょうえんまでは とおくて とちゅうで つかれてしまいそうです。ですが やちえちゃんは がんばることにしました。

「さきちゃんと やちえちゃんが かけっこで しょうぶするの?」
 こっそり はなしを きいていた まゆみちゃんや けいきちゃん カワウソや おおかみが おうえんに やってきました。


「それじゃあ いちについて よ〜い どん!」
 さきちゃんが びゅ〜んと とびだします。
 やちえちゃんは ゆっくりゆっくり みちを はしっていきます。

「さきちゃん がんばれぇ...!」
 さきちゃんを おうえんする こえが きこえます。
「やちえちゃん がんばって!」
「やちえちゃん まけるな!」
 でも それよりも やちえちゃんを おうえんする こえのほうが おおきいです。
 あっというまに さきちゃんが みえなくなってしまいました。

 
 さきちゃんは うしろを ふりむいてみました。
「やちえちゃんは おそいなぁ。ちょっと きゅうけい しよっと。」
 そして さきちゃんは くさむらで ぐっすりと ねむってしまいました。

 そのころ やちえちゃんは がんばって みちを はしっていました。
「まだ ゴールまで はんぶんいじょう ある...」
 やちえちゃんは つかれてしまいました。それでも、
「やちえちゃん ファイト!」
「フレー フレー やちえちゃん!」
 なかまたちの おうえんで もっとがんばれます。
「わたし ぜったいに あきらめないよ!」

 やちえちゃんは いっしょうけんめい はしりました。
「あと すこし...!」
 やちえちゃんが さいごの まがりかどを まがったそのとき...

「いけない!ねすごした!」
 さきちゃんが とびおきました。

 さきちゃんは すごいはやさで やちえちゃんを おいかけます。
「やちえちゃんに まけてたまるか!」
「わたし さきちゃんには まけないよ!」
 あと もうすこしで ゴールです。
「ふたりとも がんばれ!」
 けいきちゃんの いちばんおおきい おうえんが きこえてきます。

 ゴールに さきについたのは やちえちゃんでした。
「やったあ!わたし がんばったよ!」
 やちえちゃんは うれしくて にこにこ。
「がっかり。まけちゃったぁ...」
 さきちゃんは しょんぼり。

「さきちゃんと しょうぶできて たのしかったよ! ありがとう!」
 やちえちゃんが そういうと さきちゃんは やっと かおをあげました。
「こちらこそ ありがとう。また なかよくしようね。」
 ふたりは なかよく あくしゅをして にっこりと わらいました。

 そうして ちくしょうかいは ふたたび じゃくにくきょうしょくの せかいに もどっていきました。



おまけ
ひらがなだと何がなんだかわかんないので、漢字を使ったちょっとむずかしいバージョンも載せます。

 むかしむかし、あるところに、お馬さんと亀さんがいました。
 お馬さんの名前は、早鬼ちゃんといいました。
 亀さんの名前は、八千慧ちゃんといいました。

 ある日、早鬼ちゃんは言いました。
「おい八千慧!かけっこで勝負しようぜ!」
 でも、八千慧ちゃんは運動が苦手です。
「はぁ?その年になってかけっこですか?やっぱり貴方は馬鹿ですね。」
 八千慧ちゃんは、煽りのレベルがとても高いです。

 早鬼ちゃんが、
「ゴールは霊長園でいいよな!」
 といいました。
 霊長園までは遠くて途中で疲れてしまいそうです。ですが、八千慧ちゃんは、あんな馬鹿には負けたくないので、頑張ることにしました。

「お前ら、その年でかけっこするって正気なの?」
 話を聞いていた、磨弓ちゃんと袿姫ちゃんがやってきました。
 さらに、カワウソ霊やオオカミ霊が応援ににやってきました。


「それじゃあ、位置について、よーい、ドン!」
 早鬼ちゃんは、自慢の脚力で、一気に八千慧ちゃんに差をつけました。
 八千慧ちゃんは、運動が苦手なので、疲れないようにゆっくりと走っていきます。

「驪駒様、がんばれ!」
 早鬼ちゃんを応援する、オオカミ霊たちの声が聞こえます。
「組長、がんばってください!」
「吉弔様、まけるな!」
 でも、それよりも、八千慧ちゃんを応援するカワウソ霊達の声のほうが大きいです。
 スタート地点にいた霊たちには、あっという間に早鬼ちゃんが見えなくなりました。

 
 早鬼ちゃんは、後ろを振り向いてみました。
「アイツ遅っw ちょっとぐらい休憩してもいいよなw」
 そして、早鬼ちゃんは、草むらで眠ってしまいました。

 その頃、八千慧ちゃんは、頑張って走っていました。
「まだ、ゴールまで半分以上あるわ...」
 八千慧ちゃんは、疲れてしまいました。でも、
「組長、ファイト!」
「フレー、フレー、組長!」
 カワウソ霊たちの応援で、八千慧ちゃんはもっとがんばれます。
「私があんな馬鹿に負けるわけありません!」

 八千慧ちゃんは、一生懸命走りました。
「あと少し!」
 八千慧ちゃんの目に、ゴールが映ったその時、

「ヤバい、寝過ごした!」
 早鬼ちゃんが飛び起きました。

 早鬼ちゃんは、すごい速さで八千慧ちゃんを追いかけます。
「あんなのろま亀に負けてたまるか!」
「絶対に負けられません!」
 あともう少しでゴールです。
「うふふ、二組長の全力かけっこ面白いわね!」
 横で袿姫ちゃんが笑っています。

 先にゴールしたのは八千慧ちゃんです。
「やったぁ!私、勝ちました!」
 八千慧ちゃんは、嬉しくて、にこにこ。怪しい笑みを浮かべています。
「負けちゃった...」
 早鬼ちゃんは、しょんぼり。

「比類なき脚力って雑魚いんですねw」
 八千慧ちゃんがそう煽ると、早鬼ちゃんは顔を上げました。
「はぁ?普通に走ったら絶対に勝ってたし。」
 二人は喧嘩をはじめました。

 そうして、畜生界は、弱肉強食の世界に戻っていきました。
むしろおまけが本編&ウサギとカメパロ&題名は適当です。
こんにちは。萌花です。基本的に私はさきやちしか書かないと思ってもらって大丈夫です。
最近キムチを食べて、めっちゃ美味しかったので、次のテーマは吉弔様が辛いものを食べるやつにしようか迷ってます。
感想やアドバイスのコメント待ってます!
萌花
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.100簡易評価
1.90奇声を発する程度の能力削除
良かったです
2.90みゆきの削除
そうして、畜生界は、弱肉強食の世界に戻っていきました。という一文がとても好き。教訓じみたイソップ童話とはまた違う良い読後感を感じました。
あんまり書いてない者が言うのも恐縮ですが、地の文での描写を多くすれば勝手に話は長くなっていきます。地の文を充実させたらどうでしょう。(アドバイスになってないかもしれねえ...) ともあれ面白かったです。次作も楽しみにしてます
3.100雨宮幽削除
ほのぼのさきやち、とても良かったです。
さきやちたくさん書いて頂けるの非常に嬉しいです。ありがとうございます。
4.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。やってること同じでも文体によって全然違うのが楽しかったです。
7.100メアみょん削除
オマケの方が面白いのがまた好きw