シュグーン!ぎゅぷーん!
あん?何ぃ???咲夜?こんな夜明けの前に?
きゅきゅきゅきぁぱぱぱぱーん!
咲夜!
『お嬢様、私ロケットになります。3年後最高峰A5ランクのロケットになって仔馬館に帰ってきます』
まったく何てこと、咲夜。あなたまでも、私のもとから去って行くのね。哀染みと傷心のレミリアあーん。
んでまあ。ぞう言っで、咲夜ぁさぁが出てっだぬが三日前のことだったぁ。
そこにぃ、紅魔館にぃ咲夜ゃは帰ってきたぁのだったぁ。
「えーと、……お帰り、咲夜。ロケットになれた? A5ランクだったっけ?」
「ああ、お嬢様! あの時の私は間違っていました。私はロケットになれるなれるなんてなんてなんておこがましい考えでした。愚者愚者です」
咲夜の身体は約0.035パーセンティカルテット位はロケットになっていたが、それだけではロケットとは言えず。
三日坊主と知りつつも余りにも違いすぎる人間とロケットに絶望して戻って来たのだった。まああれだ。電気系統からして違うんじゃないの?
「……シュグーン! ぎゅぷーん!」
「うあああああ、お嬢様! ごめんなん、ごめんなサンパウロ!! アチャモ!」
「これ、ロケットの音だったっけ?」
「へ、へぇ。そうですけぇね。どけっとの音ですけぇね。お嬢様、許してくだちぃ」
「許す? いったい、あなたは私に何かしたの?」
あの時のレミリアは、咲夜が飛び出して行った窓辺、東の空をどういう事とポカーンと見上げるしかできなかった。逸脱したその行動について脳の処理が間に合わなかったのであった。
ウイルス対策ソフトをパソコンに入れてる諸兄も一度は体験したことがあるだろうけど、ウイルス対策ソフトが重すぎる動作でパソコンが止まっちゃうあれと一緒だ。
まあしばらく、呆けていると太陽が光の粒子を送ってきたので、思わずおえっぷすとなったので、はっとなりカーテンを閉めた。
直接的な被害といえばそれくらいであった。
「え、えっと? それでは大丈夫ですか? 私、紅魔館に復職しても限りなく大丈夫ですか?」
「どうぞ、好きにしなさいな。別に良いんじゃないの? そもそも、3年後戻って狂っていう話じゃなかったの?」
「それはロケットになってふるさと納税……紅魔館に錦をあざ笑いたいからと思いまして。でも、三日で帰ってきた以上は、私としては許されないというか」
「あーなるほど、あなたなりの。ケジメをつけたいのね」
一種それは達観であった。紅魔館の主であるレにとって、咲がそういうことした後は大体しおらしくしてケジメとか言ってくるのである。
「はい、そうです。それがロケットになれなかった咲夜がケジメを付けます」
「よし、やってみろ」
何するのかは全く見当がつかないが何かしらしようとしているらしい。
「は、はい。やってみます」
「ただし、グロいのとか、エロいのはコンプライアンス違反だからな!」
そう、この紅魔館……美鈴は中二病っぽいことをやらかして、グロいケジメをつけてアウト
そして、パチュリーもなんか知らんがやらかしてエロいのやって2アウト
これ以上の失態は重ねられ魔館であった。
「……それは、どうしましょう。けじめ……」
「どうした、できないの?」
なんやかんやで、㋹㋯㋷㋐は調子に乗ってきたよ。来たよ。往年を思い出させる、悪逆非道、嗜虐的な何とかだ。
紅い悪魔の片鱗が垣間見えてきたよ。とは言うもののどうせ大したことしないんでしょうの気持ちもある。
「お嬢様、やります! なしトゲトゲ!」
「ならば、やってみさらせ!!!」
咲夜はケジメをつけるため、身体から異常発熱しはじめた。とにかく何か行動を起こさなくちゃケジメがつけられない今日だ。……爆発するのか?だが、グロいのはコンプライアンス違反だ。
それとも、身体が火照ってなんとやらか?そいつもいけねえ。やっぱそうだコンプライアンス違反だ。
「シュグーン!ぎゅぷーん!」
「え? それって?」
「お嬢様、これが私のケジメ・ケジメです!」タツノオトシゴ!
細胞が、全身の細胞が叫んでいるぜ!こいつはやべえぇ。こいつは来るとこまで来ているってなぁあ!!
「一体何を? 咲夜ぁああ!」
「お嬢様もご一緒に復唱願います!! 3.2.1.0発射!」
さくひゃは、身体の唯一ロケットになっていた部分(踵?)から、液体燃料がダバダバダと射出その勢いで、暁が照らす水平線(幻想郷には水平線はございません)の彼方へ飛んで行ったのだった。
「けほっ、けほっと。ちょっと、咲夜! 飛んでちゃったら、復唱できないわ」
ほこりが待ったその場で、レミリアは少し咳き込んでしまった。
残ったのは、可燃性なのか不燃性なのかわからない咲夜から出てきた液体燃料だけだった。
これが、咲夜が星座になった伝説の話である。
面白かったです。
ありがとうございます。