Coolier - 新生・東方創想話

伝わっていること。

2022/11/13 03:30:06
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 メッセージが届いたことを知らせる為に携帯端末は小さく揺れた。
 気づけば時刻は丁度十二時を跨いでおり、石造のように凝り固まった腰をグッと上に伸ばして左右にくねらせる。はたから見れば随分と陽気にみえるかも知れないが、右にある濃紺な夜空で満たされた窓ガラスに映る私の表情は非常に堅氷としていた。
 脳の核たる部分は「労働基準法違反だ!」と騒ぎ立て、とうの昔に思考はボイコット気味なので頭は上手く働かない。書けば何とかなるだろうと願ってパソコンに打ち込んだ文字も何処かちぐはぐで、水に沈んだ半紙のように脆い。
 数週間前に綺麗にネイルをしてもらった手の爪も、日夜キーボードを打ち鳴らしているせいか所々色が剥げてきている。注がれたマグカップの水面には、微量の埃が心地よさそうに漂っている。いつまでも部屋を煌々と照らす白々しい光の元、時折窓の外をぼんやりと眺めては「明日、割と軽いノリで大富豪になれないか」と妄想を膨らましながらも、現在進行形で眼前に広がっている現実を直視して荒涼とした風が心中に吹き荒れた。
 目の奥に小さな生き物が愛らしくゴロゴロとしているような違和感と、瞼の上下が恋焦がれる恋人同士のように抱擁せんとばかりにくっつきたがる衝動を抑えながら、私は机の上にある珈琲に口をつけた。
 珈琲が入ったマグカップを左に持ったまま、私は少しだけ座っている椅子を後ろに移動させて、いつもよりも遠い位置で自分の書いた文字を俯瞰的に見渡す。文字の流れはいつも通りなめらかであるが、よくよく目を凝らして見ると誤字脱字、文字の流れが妙な感じになっているところがチラホラと見受けられた。
 気分転換に右にある窓を開けて、煙草に火をつける。外からは冷たい風が入り込み、部屋の中を停滞していた文字と思考の破片たちが我先にと外へ流れて行く。夜の気温と夜の匂いだけを見れば、もはや冬に近い。しかし私は知っている、冬になれば今の気温が暑く感じる程に寒くなることを。
「あぁ、めんどうだなぁ」
 まだ見ぬ冬の寒さに凍えながら、パソコンの上の棚に飾ってある写真をぼんやりと眺めていた。そこには今から二年ほど前の大学生時代の私と、そのサークルで知り合った彼女が写っている何の変哲もない写真である。普段は写真を見ても何とも思わないのだが、精神的にも肉体的に疲労が層をなして蓄積している現在の私には二人がなんとも幸せそうに見えて、ふいに寂寥感で胸がいっぱいになった。
 その時、私は先ほど来たメッセージを確認していないことに気づいた。
 慌てて携帯端末を起動して、届いたメッセージを確認してみるも時すでに遅し。短いメッセージが三件程連なり、その一番下にある最新のメッセージには。
「おやすみなさい」とだけ書かれていた。それはまるで、電子の海に浮かぶ氷山に刻まれた言葉と思えるほどに冷え冷えとしている。私は急いで返事を返した。無論、返事は返っては来ない。
 これが私。宇佐見 蓮子のよくある優雅な日常の一幕であった。

   ○
 
 朝起きると不快指数は極限まで振り切っており、重たい頭を左右に振りながら瞼をぱちぱちとさせながら時計を見ると、既に九時を少し過ぎていた。
 カーテンの端々から漏れ出す光で部屋はぼんやりと照らされている。無意識的に携帯端末を起動させて画面覗くと、昨夜の彼女から「おはよう。今日はよろしく、遅刻はしないでよ?」と書かれたメッセージが送られてきていた。
 ぼやぼやとした頭を回転させて、勢いのままメッセージの主である彼女に電話を掛けてみるも、一向に電話に出る気配はない。六回ほどコールが鳴ったところで、私は電話を切り、彼女から来たメッセージに返信を送る。
 寝不足が祟り順序良く動くことが出来ないが、一先ず顔を洗おうと思い、洗面台に向かうと随分と酷い顔をした私が鏡の中に居た。
 ここ最近、家に引きこもり原稿ばかりにかまける日々を過ごしていた結果、日頃の細やかなスキンケアを怠っていたことは認めよう。しかし、これはあまりにも酷すぎる。自らの顔に対して好意や特別な価値観を意識してはいないが、特に目の下に出来た隈、張りの無い肌、乾燥した唇。他にも指摘すべき点は数多に見受けられたが、そう悲観している時間はあまりない。
「急げ、急げ」
 簡単に朝食を済ませて時計を見ると、彼女との待ち合わせ時間まではあと二時間程しかない。彼女の隣に立つべき女性として身支度を整える時間にしては余りに少なすぎる。
 鏡を机にセットして、彼女と会うときに使用する化粧道具が入ったポーチを取り出す。
 化粧水を顔にうんと染み込ませ、何度も見てきた血色の悪いブルベ系の自分の顔を艶やかにしていく。目の下に出来た隈を隠す為に幾つか暖色系と肌色のコンシーラーを重ねていき、ようやく隈が薄くなったのを確認してからファンデーションを目の下に乗せていく。
 冗談のように大きなブラシから小筆のような小さなブラシに持ち替えて、顔の隅々まで理想の自分を重ねていく。大学生時代、私はあまり化粧に関心がなかったので、すっぴんで行っても彼女は気にはしないだろうし、野暮な指摘もしてこないだろう。
 それでも、彼女といる時は。
 時間を見てみると、既に三十分が経過していた。後一時間以内に家を出なければ、遅刻は確定する。
 くすみを隠し、ファンデーション、アイブロウ、シェーディング、チーク、リップ……彼女の元にたどり着くまでの道のりはまだ遠い。
 私は彼女を思いながら、四畳半の居間で一人奮闘していた。

     〇

 線路に沿って橙色を基調とする叡山電車が無人のホームに滑り込んで行く、それとほぼ同時に私もホームに滑り込んだ。秋が深まる今日、暑くはないが走れば流石に汗は出る。今日の肌の様子からして化粧が崩れまいかと心配しながらも、急いで二両編成の叡山電車に飛び乗った。
 紅葉の季節なので混雑するのではないかと懸念していたが、思っていた以上に叡山電車の乗客は少ない。恐らく平日の朝だからだろう。
 一息ついた所で、念のため手鏡で自分の顔を確認する。自慢ではないが、決して悪くない私が鏡の向こう側でにっと笑う。汗を少し拭いて、車窓に映る自分をみながら帽子をかぶりなおしたところで、私は一両目から二両目へと移動した。
 二両目に一歩足を踏みると、私の鼻先に心地よい香りが触れた。そして車両の一番左奥にある、座面が窓の外を向いている二人掛けの椅子に、亜麻色の髪を艶やかかに光らせた彼女が陽だまりの中にぽっかりと浮かび上がっていた。
 なんて声を掛けようか。
 彼女と会う日の第一声、私はいつもそんなことを考えてしまう。会うのが数週間ぶりならなおさらだ。しかし、そんな時は決まって気の利いた言葉など思い浮かばないので、私はいつも通り彼女に掛けた。
「メリー、やっほー」
「あ。蓮子、やっほー」
 マエリベリー・ハーン。それが、舌を噛みそうになる彼女の名前である。私はそれ故に省略化と愛情をこめて「メリー」と呼んでいる。
 私は空いているメリーの右側の席に腰を掛けた。
「昨日はごめんね、メッセージ返せなくて」
「どうせ仕事だったんでしょ?お疲れ様」
「まあ、はい。ありがとうございます」
 目の前にある車窓は京都の街を早回しで映して行く。遠景に見える山間は、随分と鮮やかな色を自身の体に散りばめている。
「それにしても鞍馬なんて久しぶりね。確か鞍馬の火祭以来じゃない?」
「そうね。あれって三回生の時だっけ?」
「たぶん、それぐらいだったはず」
「なんだか大学生時代が懐かしいなぁ」
 まだ大学を卒業してから二年ほどしか経過していないはずが、それがもう随分と遠い昔のことように思えた。
 私とメリーは大学生時代「秘封俱楽部」と言う、未だに解明されていない「境界」を探る非公認オカルトサークルを打ち立てた。活動の内容としては「全国津々浦々、京都の隅々まで好奇心のままに「境界」を暴いて行く」という具合で、境界の専門家が聞くと複雑な感情が入り混じった溜息をつくだろう。
 ちなみにメリーは秘封俱楽部で培った経験を活かし、境界専門の大学院に入った。大学院での研究は随分と上手くいっているようで、彼女はお酒を飲むと「私が主席だ」「私の功績を遺す為に、京都の大文字山の麓に前方後円墳を作ってやる」と豪語している。
 一方私はと言うと、「燕石博物誌」と言うサークル活動の一環として作っていた、秘封俱楽部の活動内容、「境界」に触れた時の体験談をまとめた同人誌が思いのほかオカルト界隈に好評だったようで、卒業と同時に在学中から声を掛けられていたオカルト界隈の最大手にライターとして就職した。
 奇しくも、いや幸いにも大学生時代は腫れ物のように扱われていた秘封俱楽部の二人ではあったが、サークル活動が高じて二人とも上手いこと社会に溶け込めたのである。
 気付けば車内には心地よい喧騒に包まれていた。厚着の高校生、目立つ色合い老練のハイカー御一行、陰鬱な男子大学生と思われる集団、仲睦まじい男女、目を輝かせて窓の外を見る少年少女、その様子を見守りながら笑い合う夫婦。
「また秘封俱楽部で活動したいわね」そう言ってメリーは微笑みながら、車窓の向こう側を眺めている。私も彼女に釣られて窓の外を見ながら「そうね」と言った。
 二人でぼんやりと山間の風景を楽しんでいると、「今からもみじのトンネルに入ります」という車内アナウンスが流れた。それと同時に、車内は色めき立ち乗客たちは一様に窓の外に目を向けた。電車の速度は落ちていきやがて人が歩いている程度の速度となった。
 やがて世界は、色彩に包まれる。
 緑、黄、赤。秋の三原色とも言える、色付いた木立の間を叡山電車はすり抜けて行く。私たちは、ただただ二人揃って窓の外を眺めては秋の暮れの色彩を眺めていた。
 色とりどりの影が車内満たしながら、叡山電車は終電である貴船へと向かって行く。
 
     〇

 貴船口で降り立った私たちは「せっかくだから」と、歩いて貴船神社まで向かうことにした。
 天気は良好とは言え、十一月上旬の山中は寒い。私は手に持っていた薄手のコートに袖を通し、メリーはブランケットを肩から掛けて、貴船神社へと向かう緩やかな上り坂を歩いて行く。
 瑞々しい空気と風で揺れる梢の騒めきが私たちを包み、メリーのすぐ隣を流れる川が秋の色に染まった木々たちを淡く映し出している。
「本当に学生時代に戻ったみたい」メリーは目の前に続く、道路を見上げる「確かに四国って、こんな感じじゃなかった?」
「そうそうこんな感じだった。道に迷って危うく絶景の中で死にかけたけど、楽しかったわね」
「また行きたいなぁ、久しぶりに蓮子の類まれなる運転テクニックを体感したい気もするし」
「望まれればいつでもお見せするけど?」
「いや、京都公道は歩行者特化だから遠慮しておくわ。蓮子の運転は、旅の醍醐味として取って置く」
 そう言ってメリーは、何処か恍惚とした表情をした。
 彼女曰く。私の運転は「緩急が鋭いジェットコースター」とのこと。正直褒められているとは言い難い感想ではあるが、彼女は本気で楽しんでいるらしい。実際に数年前の四国旅行中、慣れない車の運転をする私に向かって、彼女は何度も歓喜の悲鳴をあげては、楽しそうに笑っていた。私は彼女が喜ぶ運転をするたびに肝を冷やしていたのだが、そんなことを彼女が知る由もない。

     〇

 貴船口から三十分ほどだろうか。瑞々しい空気を胸に沢山吸い込みながら、ついに貴船神社にたどり着いた。
 貴船神社は水神の総本宮ということもあってか、どこに立っていても水が滴る音や、嫋やかな水のせせらぎが聞こえた。高くそびえる木々の向こう側から、野鳥の鳴き声が訪れる。濃く色づいた梢の隙間から差し込む陽光は私たちを赤く染めた。
 幾つもの灯篭が左右に並ぶ石畳みの階段を上がり、貴船神社の本宮に辿り着いた。
 紅葉の季節ということもあり、四季ごとに姿を変える貴船神社には観光客で賑わっている。
 あまり人混みが好きではない私たちは、手短にお参りを済ませると、立て看板に沿って結社と奥宮を回る。
 三つの神社を回り終えると、時間は丁度昼食の時間になっていた。
何軒か満席のお店を巡り、三十分程かけてやっと「ふじや」という何とも厳かな雰囲気の漂うお店に腰を落ち着かせることが出来た。
 貴船と言えば納涼床なのだが、既に納涼床は満席だったので、二階にある七畳ほどの個室に通された。
 窓の外にはふはふはとした苔に覆われた岸壁と、鮮やかな緑の葉が見える。その下には川に沿って作られた納涼床が連なっている。
 ランチのメニューを注文した私たちはようやく一息をついた。
「うーん、メリー。なんかごめんね」
「どうかしたの蓮子?」
「いや、せっかくのお出かけなのに、なんだかグダグダしちゃって」
 その時、メリーの顔に少しだけ不満そうな表情が過ぎる。しかしそれは、あまりにも一瞬だったので、私はその表情の意味を問うことは出来なかった。
 私たちの間に静寂が過ぎる。外から聞こえる川の音だけが個室の中に満たされていくようで、少し息苦しさを感じた。
 なにか不味いことでも言っただろうか。そんな自問自答をしていると彼女の方から口を開いた。
「まあ良いじゃない。そんな時もあるわよ」
 その言葉は、私の胸にちくりと来るものがあった。
「……もしかして、怒ってる?」
「怒ってないけど?」
 剣呑な雰囲気を感じ取った私は、どうしたものかと戸惑っていると、廊下を隔てている障子からノックの音が聞こえたかと、スルスル障子が開く。
「お待たせしました。お料理でございます」

     〇

 小舟に乗ったおしとやか料理に上品な美味しさ。特に名物である鮎の天ぷらは絶品その物であった。料理を食べている間に部屋に漂っていた不穏な空気は払拭され、昼食を食べ終えた後は、適当にお土産屋さんを冷かしたり、食後のデザートとして少し震えながら抹茶アイスを食べたりして過ごした。
それでも、私の心の中で不安の種は燻ぶっていた。
 電車が混む前に帰ろう。そう言い始めたのはメリーの方で、行きは歩きだったこともあり、少し疲れていた私たちは貴船口まではバスで戻った。
 出町柳駅行きの電車が来るまで少し時間があり、貴船口周辺は探索しようにも見るべきものはあまりに少なく、自動販売機で買った紅茶を飲みながら帰りの電車を待つことにした。
 何んと気なしに駅のホームにあるベンチを選んで座ったが、周囲には転落防止の為に作られた格子状の壁が崖の方にあるだけで、ほぼ吹き抜けであった。崖の底の方からは、控えめな川の音が聞こえてくる。
「ねえ、メリー」私は思い切って聞くことにした。「さっきの話なんだけど、やっぱりはっきりしたくてさ」
「なにが?」
「いやメリーが、私に思うこととかあるのかなって。ほら、昼食の時にさ」
 言葉になる前に口から出してしまい、ちぐはぐのままメリーに伝えると、彼女は少し考えてから「あぁ」と呟いた。
「あれね、いや。大丈夫よ」
「……ううん、言ってメリー。言ってほしい」私は左に座るメリーの目をジッと見つめる。「私に駄目なところがあるなら、頑張って直すからさ」
「そういうのじゃないのよ、あれはね」そう言って、メリーの顔に紅がさす。
 そして、私と見つめ合って数秒後、彼女は観念したように口を開いた。
「あの時、蓮子は『お出かけは』って言ったじゃない?」
「うん」
「……あの時『お出かけ』じゃなくて『デート』って言って欲しかったの」
「え?」
「ほら、私たち付き合って、今日で一年になるじゃない?それなのに、まだ付き合ってる自覚ないのかなって思っちゃって、少しムッとしちゃった」
「待って、待って」
 私はあわてて状況を整理した。そして、高速で頭のカレンダーを遡る。
 いや、そんなことよりも。
「ごめんなさい、忘れてました……」
「だろうと思った。だから私が一応記念日として、貴方をデートに誘ったというわけ」
 彼女は少しだけ照れくさそうにしながら、声を弾ませる。
 私は自分が情けなくなり、もう一層のこと貴船を行き交う風の中に塵となって飛んでいき、オカルト天狗として名を馳せようか。そんなことを考えていると、軽快な音楽と共に叡山電車が来ることを伝える駅のアナウンスが流れた。

     〇

「私、メリーになにも出来ない気がする」
「そうかしら?」
 山間を縫うようにして、叡山電車はきいんきいんと音を立てながら進んでいく。
「記念日だって忘れてたし、そもそも今日会うのだって数週間ぶりだし。この一年間、彼女らしいこと出来てなかった気がする」
「忙しいからしょうがないじゃない。私も貴方も、そういう時だってあるわよ」
「……それでもさぁ」
 優しいメリーに甘えているようで、私は嫌だった。そもそも付き合おうと言い出したのは私からのはずだったのに、デートの行き先も、会う日程も、食事の場所も、全部彼女が決めてくれている。
 私はなんだかメリーの顔を見ることが出来ず、ぼんやりと窓の外を流れて行く風景を眺めていた。空はもう随分と薄まっており、流れて行く町並みが何処か古ぼけたように見えた。
 本当に私はメリーと一緒に居て良いのだろうか。
 そんな考えが頭を過った時「ねえ、蓮子」と彼女の声がスッと心の隙間に入ってきた。私は窓の外から視線を外してメリーの方をみる。
「どうせ貴方のことだから、今日あったことを随分と気にかけているんでしょうけど、大丈夫」
 そう言ってメリーは、私の手をそっと握り。剥がれたネイルの跡を指で少しだけなぞった。
「貴方の想いは、全部伝わっているから」メリーは耳の先まで赤く染めて。おずおずとしながら私を見つめる。「蓮子は、どう?」
 この一年間のことを私は振り返る。会った時、食事の時、散歩をした時、料理をする時、二人で過ごす時。そんなかけがえのない時間の中に、言葉にしなくとも私の心を確かに潤してくれるものがあった。
「私も。君の想いは、全部伝わっている」
 私は思わずメリーを自分の元へと引き寄せる。彼女は私を少し見上げながら微笑んだ。
 そして、視界に亜麻色の髪と艶やかな瞳がいっぱいに広がり、甘い感触が一瞬私の唇に触れた。
 車内に「もみじのトンネルに入ります」とアナウンスが流れる。
 陽光に照らされた赤い影が車内を満たす。私たちは、窓の外を流れて行く紅葉と同じ色に染まっていた。
Lサイズのピザ、クリスピー生地じゃないと食べるのがきつくなってまいりました。
鉄骨屋
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コメント



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1.90奇声を発する程度の能力削除
面白かったです
4.100名前が無い程度の能力削除
旅行記の甘々なデート!ごちそうさまでした
5.100Actadust削除
どこか寂寥感のある二人の距離感、ゆったりと流れる時間と落ち着きのある百合、素晴らしいものを見せてもらいました。
6.100南条削除
面白かったです
時の流れを感じさせるいいデートでした
付き合ってまだ1年なのにすでに熟練の域