Coolier - 新生・東方創想話

〇んたまキラキラ

2022/10/04 20:28:39
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 彼女は 優しい 妖怪 でした。 彼女は 人間も 妖怪も 好きでした。

 ですが 今の 世の中は 妖怪は 人間を バカにして 人間は 妖怪を どうやって やっつけるかと いうこと ばかりを考え、 それだけでなく 同じ 人間 どうし 妖怪 どうし でも 争い合う それはそれは ひどい 世の中でした。

 彼女は それで いつも 悲しんでいました。 なので 彼女は 争いの無い 平和な 世界を 作ろうと 思ったのです。 それは とても 大変 でしたが 彼女は 人間も 妖怪も 好きなので つらいことが あっても 彼らのために まい進しました。 そして とうとう やりとげ 理想の世界 を 作ったのです。

 彼女は とても 嬉しくて 人間も 妖怪も みんな 嬉しそうでした。とても 満ち足りた 気分になり それはそれは 幸せな時間でした。ですが ある日 反乱が 起きて しまいました。彼女は 驚きながらも 抵抗しましたが 人間と 妖怪に 手を組まれては いくら力のある 彼女でも どんどんと 押されていって ついには 捕まって しまいました。とても 悲しかったのですが それ以上に なんで? という 気持ちの方が 上回っていました。 その疑問は 彼女の心からあふれ 彼らに 問いかけました。

「どうしてなの? いい世界に なるように 妖怪には 絶対に 人を襲わないようにして、 悪いことした 人や 妖怪は いなくなってもらって、 お金の 差は おきないように  平等に ふり分けて、 悪い人間や もう動けなくなった 人間だけ 妖怪に 食べていいようにして、 いい人が 多くなるように いい人を 選んで 子供を 残せるように したのに、 みんなが 幸せに なれるために あんなに 頑張ったのに 何が悪かったの」

 彼女の 問いかけに 彼らは ひどい事を 言うばかりで だれも 答えてくれませんでした。 そうして 彼女は 深い 悲しみに 包まれたまま 封印されてしまったのです。 彼女は 何度も 何度も 考えました。 何が いけなかったのか。 どこが ダメだったのか。 考えました。

「どうしてなのかしら。 みんな あんなに 喜んでいたのに。 何が 悪かったのかしら。  たしか 外の 人間が へんなこと 言い始めたから かしら。 そうよ、 きっとそうだわ。 次は 外の 人間が 勝手に 入ってこれないように けっかいを はりましょう。 あとは いい人が たくさん 外の 人間の 言うことに したがって いたわね。 いい人 だけを 残すのは あんまり よくないのかも 知れないわ。 そうだ、 いい人を 選ぶのは こっそりやって その一番 いい人に 妖怪側に ついてもらいましょう。 そして いっしょに けっかいを 管理すればいいんだわ。 私たち妖怪だけで 管理していたのが いけなかったのよ。 人間にも 管理させて 私の 苦労を 知ってもらえれば きっと 人間にも わかってくれるわ。 あとは、 あとは 何が 良くなかったかしらね 」

 彼女は もう次の 計画を ねっていました。 次は もっと いいものが できるでしょう。 彼女は あきらめません。 なぜなら 彼女は 人間も 妖怪も 大好きだからです。
















「………………………………なんですか。これ」

 何も言わずに渡された文章を読んだ私は、自分の真っ先に思い浮かんだ正直な心情を吐露した。

「何って、本よ本」

 と、読んでいる間中ずーっと私に視線を向け続けていた彼女は得意げな顔をしてそう答える。

「人間の中で流行ってるって言うから私も書いてみようと思って。しかも子供まで読める様に絵本?っていうやつで書いてみたのよ!」

「やべー」

 あっ、声に出ちゃった。まあいいか、事実だし。

「えー?何が駄目なのよ。言ってみなさいよ」

「いや、そのー……あっそうだ。人間に読ませるんなら人間に読んでもらったらどうですか?頭が緑の巫女とか白黒のとか。その方が参考になるんじゃないですか」

「ふーーーん?まあいいわ。人間の視点も必要なのも確かだし。じゃあ、ちょっといってくるわ」

 そういって、彼女はそれまで無かった足元の穴に落ちる様に自然に吸い込まれ、姿を消す。後には何の変哲もない和室と私だけが残っていた。私はそのいつも通りの和室で、大仕事が終わったようにどっこいしょ、と声に出しながら重い腰を持ち上げ、やりかけの家事に戻る。どこからか「あとで感想をきかせなさいよ」という声が聞こえたが、まあそれどころじゃないだろうな、と思った。

 その翌日、布団の中で丸くなっている彼女がいた。その光景で既にもう何を言われたか、そしてこれから何が起こるのかまで容易に想像できるが、それでも私は声を掛ける。それが私の役目だからだ。

「で、何て言われたんですか」

「聞いてよ藍!皆してひどいのよ!邪悪の具現化とか闇の煮凝りとか特級呪物とか言って誰も私の事褒めてくれないの!」

「でしょうね」

「霊夢なんてね、読みもしないで鼻をかんだのよ!信じられないわ!」

「あんなのが人の役に立ったんなら良い事だと思います」

「良くない!」「なら、どうするんですか」

 勢いよく布団から立ち上がり声を荒げる彼女に対して、言い終わるよりも早く私は彼女の目に視線を向けながら聞く。その目は、どこまでも続く洞窟の様に、月明りの一片も届かない森の様に、ただの人間が見てしまえばとても正気を保てない程の、それほど深く、暗い目をしていた。

「え?うーん……本を渡したら逆にお金をあげたらどうかしら。特別な人間にだけ配っているって言えばもっと効果がありそうね。そして本を持っていないことは良くない事だと思わせれば皆私を褒めてくれるんじゃないかしら。そうよ!誰も私を褒めてくれないなら私を褒める方がを良い奴だと思われる世の中にすればいいんだわ!」

 そう言った彼女の目は、一点の曇りもなくきらきらと輝いていた。

 私はこいつの式になるまではそれなりに名の知れた妖怪だった。勿論私がこいつの式になった理由は妖怪が好きだから、なんてことはなくどちらかと言えば人間の方が好きだった。より正確に言うのならば人間の際限ない欲望が、だ。落とせば落とすだけ堕ちていく人間のさまを見るのは滑稽でいい暇潰しになった。私は、なんていうか、底の無いものが好きだったのだ。これはどこまで続いてるんだろう、とか、この先に何があるんだろう、とか考えることに、私は快感を覚えていた。だが実際にそこまで行ってしまうと、私が考えている様なものはなく、大抵は私が満足しない結末を迎えることが多かった。だから、私はいつしか傍観者になり、見るだけの存在になっていった。
 だが、こいつは。私の底なんて簡単に照らし出し、更には白く染め上げる程の暴力的な白さを持つこいつは。居るのか。他に。これだけの光を背負えるものが。どれだけのものを捧げればこの境地まで行けるというのか。私には想像さえ出来ない。こいつは、私なんてはるかに超えた──

「こーら。藍」

「っ!はい、なんでしょう」

「どーせまた見てるだけのつもりだったんでしょう?あなたもやるのよ。やるなら一緒にやったほうが楽しいじゃない。ね?」

 ──彼女は、なんの屈託もなく私にこれに参加しろという。彼女は失敗しても諦めない。それどころか私さえも飲み込んで更に大きく、強く、磨き上げられていく。
 彼女という存在が終わるまでこの『善行』は終わらない。

「……勿論。どこまでもお付き合いしますよ。紫様」
めんたまキラキラ

みんながゆかりちゃんを責めてばかりいるのでゆかりちゃんは強くなって戻ってきました
お前のせいです
あ~あ
ハピ茶
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コメント



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1.80名前が無い程度の能力削除
こんな絵本は嫌だ
2.90奇声を発する程度の能力削除
面白かったです
3.100ヘンプ削除
紫頑張ってくれ!面白かったです!
4.100南条削除
面白かったです
流石です紫様
管理者!管理者!管理者!
8.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。ゆかりちゃん頑張って!
9.70名前が無い程度の能力削除
前半の絵本のパートに狂気を感じました。