「フランちゃん、ウミガメのスープしよう!」
黄緑髪の少女は私の部屋に来るなりそう言った。こいしの行動が突拍子もないのはいつもの事だ。最初の方は戸惑ったもののさすがにもう慣れた。
それはそうとウミガメのスープとは何だろう?聞いてみると出題者に「はい」か「いいえ」で答えられる質問をして答えを導き出すクイズらしい。一番有名な問題の名前が「ウミガメのスープ」のためジャンルの名前もそうなったらしい。
どうやら里の子供達の間で流行ってるらしく私ともしたくなったそうだ。
「まぁ、いいけど。」
「やった!じゃあいくよ。ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。 しかし・・・」
こいしが出題したのは「ウミガメのスープ」という問題らしい。男が何故自殺したか?問題文だけでは全く分からない。とりあえず質問してみるか。
「出てきたスープは本当にウミガメのスープだった?」
「はい。」
「毒入りのスープだった?」
「いいえ。」
こうして色々質問してみたけど結局答えは分からなかった。悔しいが降参して答えを聞いてみる。
男は昔、無人島に漂着した経験がある。食料がないので男の仲間は仕方なく死んだ人間を食べたらしいが男は頑なに拒んだ。何も食べず衰弱していく男を見かねた仲間はウミガメのスープと偽って人肉スープを食べさせた。そしてレストランで本物のウミガメのスープを飲んだ男は昔飲んだウミガメのスープの正体に気づき自殺した。
それを聞いた私の第一声は
「なんで?」
「だから昔飲んだのが人肉s」
「いや、そうじゃなくてなんで人肉食べたら自殺するの?」
「・・・言われてみればなんでだろ?」
こいしも分からないらしい。
「人間ってそういうものなんじゃないかな?」
こいしに言われ私は身近な人間の事を思い浮かべる。
十六夜 咲夜、あのメイドはその生涯をお姉様に捧げてる。お姉様が命令しない限り自殺なんてしないだろう。というか彼女は人肉を食べていそうだ。いくら彼女でも食べた事ないものを美味しく調理するのは難しいだろうから。
博麗 霊夢、彼女はどうだろう?ただ人肉を騙されて食べさせられた事に気付いたら、騙した奴をしばき倒しに行くのは間違いないだろう。
霧雨 魔理沙、彼女は嫌悪感をしめすだろうが自殺はしないだろう。私を負かせるほどの努力をしてきた彼女がその努力を無駄にするとは思えない。
結論
「そういうもんじゃないと思う。」
「うーん、じゃあ自分に置き換えてみたら?」
「どういうこと?」
「例えばフランちゃんが吸血鬼を食べたらどう思うかとか?」
吸血鬼、お姉様を食べるとしたら・・・。
「あいつの肉は不味そう。でもそれだけだわ。自殺なんて考えないわね。そういうあんたはどうなの?」
「お姉ちゃんってどんな味がするんだろう?先っちょだけでいいから食べちゃダメかな?じゅるり。」
自分がイかれてる自覚はあるがこいつも大概だな。流石の私もお姉様を進んで食べようとは思わない。
「そういや、こいしの姉ってどんな人なの?」
「ずっと家に引きこもってるよ。普段は書類仕事したり本を読んだり書いたりしてるの。」
趣味は合いそうだ。
「私と気が合うかしら?」
「うーん、根暗で性格悪いからなー。上の階にいた魔女さんとなら合いそうだけど。」
どこか人間らしいレミリアなら、あるいは人間の心の脆さをよく知るさとりなら男が自殺した理由が分かっただろう。だがフランドールは普通の人間という物を知らず、こいしも子供達とは遊ぶものの数年で忘れ去られるから深い付き合いはしてこなかった。そんな彼女たちに自殺した理由なんて分かるはずがなかった。やがて彼女たちの話題は別の物に変わりこいしが去るまで続くのだった。
黄緑髪の少女は私の部屋に来るなりそう言った。こいしの行動が突拍子もないのはいつもの事だ。最初の方は戸惑ったもののさすがにもう慣れた。
それはそうとウミガメのスープとは何だろう?聞いてみると出題者に「はい」か「いいえ」で答えられる質問をして答えを導き出すクイズらしい。一番有名な問題の名前が「ウミガメのスープ」のためジャンルの名前もそうなったらしい。
どうやら里の子供達の間で流行ってるらしく私ともしたくなったそうだ。
「まぁ、いいけど。」
「やった!じゃあいくよ。ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。 しかし・・・」
こいしが出題したのは「ウミガメのスープ」という問題らしい。男が何故自殺したか?問題文だけでは全く分からない。とりあえず質問してみるか。
「出てきたスープは本当にウミガメのスープだった?」
「はい。」
「毒入りのスープだった?」
「いいえ。」
こうして色々質問してみたけど結局答えは分からなかった。悔しいが降参して答えを聞いてみる。
男は昔、無人島に漂着した経験がある。食料がないので男の仲間は仕方なく死んだ人間を食べたらしいが男は頑なに拒んだ。何も食べず衰弱していく男を見かねた仲間はウミガメのスープと偽って人肉スープを食べさせた。そしてレストランで本物のウミガメのスープを飲んだ男は昔飲んだウミガメのスープの正体に気づき自殺した。
それを聞いた私の第一声は
「なんで?」
「だから昔飲んだのが人肉s」
「いや、そうじゃなくてなんで人肉食べたら自殺するの?」
「・・・言われてみればなんでだろ?」
こいしも分からないらしい。
「人間ってそういうものなんじゃないかな?」
こいしに言われ私は身近な人間の事を思い浮かべる。
十六夜 咲夜、あのメイドはその生涯をお姉様に捧げてる。お姉様が命令しない限り自殺なんてしないだろう。というか彼女は人肉を食べていそうだ。いくら彼女でも食べた事ないものを美味しく調理するのは難しいだろうから。
博麗 霊夢、彼女はどうだろう?ただ人肉を騙されて食べさせられた事に気付いたら、騙した奴をしばき倒しに行くのは間違いないだろう。
霧雨 魔理沙、彼女は嫌悪感をしめすだろうが自殺はしないだろう。私を負かせるほどの努力をしてきた彼女がその努力を無駄にするとは思えない。
結論
「そういうもんじゃないと思う。」
「うーん、じゃあ自分に置き換えてみたら?」
「どういうこと?」
「例えばフランちゃんが吸血鬼を食べたらどう思うかとか?」
吸血鬼、お姉様を食べるとしたら・・・。
「あいつの肉は不味そう。でもそれだけだわ。自殺なんて考えないわね。そういうあんたはどうなの?」
「お姉ちゃんってどんな味がするんだろう?先っちょだけでいいから食べちゃダメかな?じゅるり。」
自分がイかれてる自覚はあるがこいつも大概だな。流石の私もお姉様を進んで食べようとは思わない。
「そういや、こいしの姉ってどんな人なの?」
「ずっと家に引きこもってるよ。普段は書類仕事したり本を読んだり書いたりしてるの。」
趣味は合いそうだ。
「私と気が合うかしら?」
「うーん、根暗で性格悪いからなー。上の階にいた魔女さんとなら合いそうだけど。」
どこか人間らしいレミリアなら、あるいは人間の心の脆さをよく知るさとりなら男が自殺した理由が分かっただろう。だがフランドールは普通の人間という物を知らず、こいしも子供達とは遊ぶものの数年で忘れ去られるから深い付き合いはしてこなかった。そんな彼女たちに自殺した理由なんて分かるはずがなかった。やがて彼女たちの話題は別の物に変わりこいしが去るまで続くのだった。
意見等が欲しいということで、話はウミガメのスープを題材にしたお話ということでしたが、短いながらもまとまっていたと思います。文章も読みやすかったです。改善点というか個人的な意見になってしまうかもしれませんが、こいしとフランドールというせっかくの個性的なコンビの話なのでもう少しオチに個性というか狂気をつけてもよかったのかなと思いました。次作も楽しみにしてます。
アドバイス希望とのことなので僭越ながら。もしわたしが書くとしたらですが、姉妹の対比を描く最後は地の文で説明するのではなく、話を聞いたさとりかレミリアに「そういうものなのよ」的なことを言ってもらうのもアリかなと思いました。一言でも十分に意図を込められるかなと。ただ、こういった真理めいた地の文で締めるのは原作のエンディングを思わせる表現で、それを意識して書かれたとすれば現状が完成系だと思います。
話にしっかりとテーマがあって良かったです。
ウミガメのスープで遊ぶ話で終わらせず、2人なりの考察と結論が出されていてよかったです
ただ、「人間を食べたからといって自殺したくなるのは何故?」という設問に対する答えが「よく判らない」だと、読んでて肩透かしなのでそこは改善の余地があると思います。この物語の書き方ですと、面白くする方法は「フランとこいしの解釈が普通の人間には考え付かないほどぶっ飛んでいる」か、「回答を導き出すためのプロセスを充実させる」かの2つがあるかな、と思いますので、その方向で話を膨らませていくのはどうでしょうか。
あとは、この話を書くことで何を表現したいのか?(=この話を読んだ読者にどうなって欲しいのか)というテーマなり目論見なりをもって書くと、話がまとまりやすくなるのでお勧めです。(フランとこいしを見て、かわいいと思ってほしい? こいつらやべぇな、と思ってほしい? 読者のフランとこいしの解釈を粉々にして再構築させたい?)
頑張ってください。