博麗神社の縁側では博麗霊夢がお空を膝に寝かせて、耳掃除をしていた。耳掻き棒で少しずつしているので、お空はおとなしくしている。
「うにゅ…」
「眠そうね。大丈夫?」
「大丈夫…うにゅ…」
お空の頭を撫でると、眠気が来たようで眠ってしまったようだ。
(終わったけど、そのまま寝かせようかな。)
霊夢は耳掻き棒を掃除すると、お燐が神社に来た。お空を迎えに来たようだ。
「お空、迎えに来たよ。帰るよ。」
「うにゅ…」
「あちゃ…寝ちゃってるし。お姉さんの膝が気持ちいいのかもね。」
霊夢は耳掻き棒の掃除を終えると、お空が目を覚ました。
「ん…おはようー。お燐もお帰り…」
「こらこら、まだ寝惚けてるよ。」
お燐が苦笑して、お空をおこして完全に眠気が消えた後で、地霊殿に連れて帰ったようだ。
「……あうん。どうしたの?」
あうんは霊夢が右手に持っている、耳掻き棒を見ている。それに気づいた霊夢は、あうんを少し待たせる。
(お空に使ったやつを使うのもね…新しいのあったかしら?)
霊夢は新しい耳掻き棒を取りに向かう。あうんは霊夢が戻ってくるまで、お茶を飲んでゆっくりする。
(霊夢さん。まだかな…)
「あうん。待たせたわ。」
霊夢は新しい耳掻き棒を持って、戻ってきた。あうんは霊夢の膝に頭を乗せる。
「痛かったら、言いなさいよ。」
あうんの耳に耳掻き棒をゆっくり通して、掃除を始める。
「痛くない?」
「大丈夫です。」
あうんの耳の中を耳掻き棒で丁寧に処理していく。
「ちょっと、大きいわね。あうん、痛いかもしれないけど、動かないでよ。」
「わかりまし…ひゃ!?」
「大丈夫?」
「大丈夫…です。続けてください。」
霊夢はあうんの耳の中を見ながら、奥に溜まっているものを耳掻き棒で取りながら確認していく。
「……霊夢さん?」
「終わったわよ。反対もするから。」
「反対も!?」
「しないとダメでしょう?反対に向いて。」
あうんは霊夢の言われた通りに反対を向く。
「反対の耳も溜まってるわね。少しずつするわ。」
中の外側に溜まっているものを耳掻き棒で処理していくと、あうんが眠たそうにしている。
「もうちょっと、時間が掛かるから寝てもいいわよ。」
「大丈夫…です……すぅ…すぅ…」
(寝ちゃったわね。耳掃除を終わらせますか。)
ベリベリと溜まっているものを取り除いて、あうんの耳の中を綺麗にする。
(耳掃除完了。あうんが起きるまで、待ちますか。)
暫くすると、あうんが目を覚ました。
(寝ちゃいました。霊夢さんに……は!?)
あうんの目の前には、霊夢の顔があった。一瞬で、顔を赤くしたあうんは、霊夢が寝ているのに気づいたが、起きられる状況ではない。
(いつのまにか、霊夢さんに抱き抱えられてるんですが!?身動きがとれません…)
すると、霊夢が目を覚ました。寝惚けているのか、あうんの頭を撫で続けている。
「霊夢さん!起きてください。身動きがとれません!」
「……あれ?私…寝てた。あうん…ごめん。」
あうんを解放する。すると、博麗神社の境内に行列ができていた。
「な!?何の騒ぎなのよ!」
「実はお姉さんがお空に耳掻きしているのを誰かが、見ていたらしくてさ…」
行列をよく見ると、動物妖怪が多い。
「私に耳掻きしてほしいわけね…」
「どうしますか?」
「全員まとめて、してあげるわよ!」
この後、霊夢は並んでいた動物妖怪全員の耳掻きをしたそうだ。
嫉妬してるあうんちゃんがかわいかったです