Coolier - 新生・東方創想話

小鈴と子狐のひととき

2022/06/09 14:57:36
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人里にある貸本屋、鈴奈庵の店番を任されている少女、本居小鈴はいつものように売り物の本の確認をしていた。すると、寺子屋に通っている子狐の少年が小鈴にノート渡してきた。

「はい。新しいノートね。」

「ありがとう。小鈴お姉さん!」

「今日は寺子屋はお休みなの?」

小鈴から出されたお茶を飲みながら、質問に答えた。

「慧音先生が用事で、寺子屋が休みになったよ。」

子狐の隣に座る。すると、子狐は尻尾と耳を出して寛いでいた。

「耳と尻尾が出てるよ。」

「今は小鈴お姉さんだけだし、良いでしょ?」

「丁度昼になるから店を閉めないとね。」

小鈴は店の外に出て、紙を張り付け、店を閉める。

「え!?店を閉めちゃうの?」

「2時になったら、開けるわ。君はどうするの?」

「暇だから本を読んでる。お客さんは来ないんだよね?」

「友達が来るかもだけど、大丈夫なの?」

子狐は大丈夫と言いながら、隠しから葉っぱを取り出して、頭に乗せる。宙返りすると、一匹の猫に化けた。

「凄いわ…」

「これならお客さんが来ても大丈夫だよ。」

元の姿に戻ると、小鈴の隣に座る。小鈴は無意識に子狐の耳に触れると、子狐が吃驚したようで、小鈴を見る。

「小鈴お姉さん?」

「ごめん。無意識だったわ。」

「……耳…触りたい?」

「良いの?」

「……うん。」

小鈴は子狐の耳に撫でると、ピクリと、耳が動いたが次第におとなしくなる。

「毛並みが凄い!」

「小鈴お姉さん。耳の中はくすぐったいよ…」

「あ、ごめん…」

小鈴は撫でるのをやめると、子狐は残念そうにしている。それに気づいたのか小鈴は、少し考えて子狐に聞いてみる。

「耳掻きしてあげよっか?」

「耳掻き!?どうして?」

「なんとなく。」

小鈴の手にはいつのまにか、耳掻き棒を準備していた。

「……お願いします。」

「それじゃあ、横になって。」

小鈴は子狐の耳に触れて、耳掻き棒をゆっくり耳の穴に入れる。

「痛かったら、いってね。」

耳掻き棒で耳の中を丁寧に掻いていく。子狐はくすぐったそうにしているが、動かないように我慢する。

「痛くない?」

「だ、大丈夫。」

「よし…綺麗になったよ。反対向いて。」

「え、その…」

子狐は恥ずかしながらも、反対を向いた。

「大丈夫…?」

「うん…」

子狐の耳を掃除する。反対側は、思っていたよりも少なく、すぐに終わった。子狐を見ると、小鈴の膝で眠ってしまった。

(寝てるの?起こすのは…可哀想だね…)

時間を確認すると、12時50分になっている。

(10分前に起こそうかな。)

小鈴は子狐の頭を撫でながら、暇を潰していると、子狐が目を覚ましてしまった。

「よく眠れた?」

「え!?小鈴お姉…さん。僕…寝てた?」

「寝てたよ。」

子狐の顔が次第に赤くなると、飛び起きて小鈴から離れた。恥ずかしいようだ。

「起こしてよ!」

「気持ち良さそうに寝てたから、起こさない方がいいかなと…思ったんだけどな。」

「………もうそろそろ、2時になるよ!僕…帰るね!」

子狐は帰ってしまった。

(うーん。恥ずかしなが行っちゃった。接し方…ダメだったかな。)

引き出しから、一冊の本を取り出した。本の題名は【誰にでもできる、男性へのアプローチ】と書かれている本だった。
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1.90奇声を発する程度の能力削除
良かったです
3.90名前が無い程度の能力削除
かわいい。良かったです
4.100南条削除
面白かったです
2人ともかわいらしかったです
5.80ブルーレヰ削除
二人のやり取りが微笑ましい