守矢神社の屋根に座っている洩矢諏訪子は、今現在暇なのである。何して過ごそうか悩んでいると、東風谷早苗に呼ばれた。
「どうしたの早苗?」
「諏訪子様。暇なのでしたら、散歩に行かれてはどうでしょうか?」
「散歩に?」
「良い天気ですから、どうなのかなと…」
諏訪子は空を見て、散歩に行くことを決めると、早苗からお金を貰うと、カエルの財布に入れる。
「お昼代も入っていますので…」
「そうかい。うーん…夜までには戻るね~」
諏訪子は一旦部屋に戻ると、タンスから青のワンピースと赤色の帽子を出して、着替え始める。
(人里を散策するからね。服と帽子を違うのにしてと…)
着替え終わると、鏡で服装をチェックする。
(帽子は深く被って…伊達眼鏡合ったかな…)
伊達眼鏡を見つけると、鏡で確認する。出掛ける準備をしてから、守矢神社を出発した。
(人里に散策するのは、良いけれど…何処にするか?)
人里を散策する諏訪子は団子屋を発見したので、立ち寄ることにした。
「三色団子とみたらし団子。」
「ちょっと待ってな。」
諏訪子は三色団子とみたらし団子を貰うと、店内に入り適当に空いている席に座った。
(甘くて美味しい~)
団子を食べながら、この後の予定を決める。
(どうしようかな…暇なんだよね。今の私の服装なら、神様だと気づかれないよね。)
諏訪子の今現在の服装は、青のワンピースと赤の帽子と伊達眼鏡、青のズボンの格好である。誰も神様だと、気づかないだろう。
(うーん。どうしようかな…)
団子を食べ終えると、お金を置いて店から出る。
(暇潰しに、広場に行ってみようかな。)
目的地が決まると、のんびりと歩きながら、向かうことに。
「良い天気だね~」
広場に到着すると、ボールが諏訪子の方に転がってきた。広場にいた少年が走ってくると、ボールを少年に渡した。
「気をつけてね。」
「ボールありがとう。」
少年は広場に戻った。諏訪子はベンチを見つけると、腰を下ろして座る。
(子供は元気が良いね。)
暫く広場を眺めていると、少年が近づいてきた。
「ん?どうしたの…?」
「一緒にボール遊びしない?」
「そうだね…」(子供と間違われたかな?)
諏訪子は立ち上がると、少年とボール遊びをすることに。
「何するの?」
「蹴り遊びだけど…どうかな?」
少年が蹴って、ボールを渡すと諏訪子が、足でホールを止める。
「やろうか。」
少年にボールを蹴り渡すと、諏訪子にボールを飛ばしてきた。そのボールを足で止めると、蹴鞠の要領で蹴り続けるが、数回した後でボールを落とした。
「難しいね。」
すると、人里内に音が流れた。
「12時だね。君はどうするの?」
「そろそろ帰るよ。じゃあね!」
「気をつけて、帰るんだよ。」
諏訪子は少年と別れると、昼食を食べるために、広場を出て、人里を歩きながら、お店を探す。
(昼は何するかな…昼だから、ガッツリ食べたいよ…)
暫く歩いていると、うどん屋を発見したが、そのお隣に飯屋を発見する。
(うどん屋と飯屋…悩むぞ…。)
30分くらい考えて、飯屋に入るようだ。店内は昼時なので、お客で満席だ。店員が来て、相席を提案された。
「相手が良いなら相席で…」
「畏まりました。少々お待ちください。」
諏訪子はメニュー表を見ながら待っていると、店員が戻ってくる。相席なら問題ないようなので、諏訪子は相席をお願いした。席に案内されると、相席相手が食事中の霧雨魔理沙だ。
「相席良いぜ!」
「ありがとう…」(気づいてないね。)
諏訪子は席に座ると、メニュー表を開いて、選び始める。
(やっぱり、丼物が多いね。酒もある!)
諏訪子が悩んでいると、魔理沙は食べ終わったようで、お酒を注文している。
(お!?天ぷら定食がある。値段も…予算以内で大丈夫みたい。これにするかな。お酒は…やめておこう。)
メニューが決まると、店員を呼んで、天ぷら定食を注文する。すると、店員はカードの入った木箱を出した。
「え!?」
「期間限定でお客様にお配りしているカードです。好きなカードを1枚どうぞ。」
木箱には、幻想郷に存在する妖怪や妖精等のコレクションカードが入っていた。
(何で、妖怪や妖精が描かれたカードがあるの!?守矢神社のカードまであるし…)
「どれにしますか?」
「そうだね…」
「ちなみに私のおすすめは、博麗神社のカードだぜ!」
「そうなの?どれにするかな…このカードください。」
早苗が描かれたカードを貰うと、懐にしまった。料理が来るまで、水を飲んで待っていると、魔理沙に話し掛けられた。
「店内で帽子は行儀が悪いぜ。」
「えー!?ダメなの?」
「この店に来るのは、はじめてなのか?」
「はじめて。」(声聞いても、私だと気づかないのか?魔理沙は。)
暫くして、諏訪子が注文した天ぷら定食が来た。さつまいも、ネギ、玉葱、オクラの天ぷらが2つずつと、ネギのお味噌汁、ご飯が付いた定食だ。
(天ぷら多い!?)
天ぷらを食べ始める。目を輝かせながら、黙々と食べ進める。
(美味しい~サクサクだよ!ビール飲みたい…どうしようかな。神様だとわからないような服装にしたから、子供だと思われるかも…)
ご飯も食べて、お味噌汁を食べ終える。天ぷらは残りが、4つ残っている。
(ご飯と天ぷらが残った…もう無理!お酒注文する!)
メニュー表からお酒を選んで、店員を呼んだ。
「ビールください。」
「ビールですね?畏まりました。」
店員がビールを取りに厨房に戻る。すると、魔理沙が諏訪子を見て、目を見開いた。
「酒…飲めるのか!?」
「まだ、気づかないのかな?魔理沙は…」
「まさか……諏訪子か!?服装が違うからわからなかったぜ。」
「そうなの!?あ、ビール来た!」
諏訪子はビールを飲んで、満面の笑みを浮かべる。
「ビールうま!」
残りの天ぷらとご飯を平らげると、ビールを飲みながら、メニュー表を見ている。
「どうしようかな…よし、すみません!ビールと枝豆ください。」
「まだ飲むのか!?」
「たまには、良いよね。」
ビールと枝豆が来て、今度はゆっくり飲みながら、枝豆を頬張る。
「ビールと枝豆うまー!宴会だと、静かに飲めないからね~流石に3杯目はやめとくよ。」
枝豆を食べ終えて、ビールを飲み干す。
「やっぱり、ビールは最高だね~ご馳走さまでした。魔理沙。また、今度ね~」
諏訪子は会計をすると、店を出ていった。時間は午後2時だ。
「そろそろ、帰ろうかな。」
諏訪子は人里を出ると、空を飛ぼうとしたが、気が変わったようだ。
「たまには、歩いて帰ろっと。」
歩いて守矢神社に帰っていった。