注意書き
・いつにもまして駄文注意です
・永夜抄4面を自分からみたらこうなりました
・詠唱組の話……カモしれません
・所謂壊れギャグだけですが、感じ方によっては壊れ度が高くも低くもなると思います
・過激な表現が多々使われていると思います
・もしかしたら18禁かもってくらいです
・一応そこまでじゃないかなぁとは思っているのですが……
・とにかく霊夢とアリスが魔理沙を愛でる話だと思っていただければ間違いない……と思います(多分
・相も変わらず弱魔理沙です
・百合・CP・キャラの暴走に免疫のない方には厳しいと思います
・以上のことを黙認できる方はこの先へお進みください
魔理沙とアリスは月の異変の原因を調べるために夜を止め、竹林を駆けていた。
夜の竹林は暗く、薄ら寒い。自然と二人の会話は減っていた。
(魔理沙と二人っきりで竹林の奥深く……ハァハァ)
会話が減っていたせいで、アリスの魔理沙へ向ける熱視線は気付かれなかった。気付かれていたらその場でタッグ解消となっていたであろう。真っ赤に充血した目は一時たりとも魔理沙を逃さないようにと、一度も瞬きをしておらず、口元からは荒い息と、何を妄想しているのか涎がたれていた。正面から直視したら誰だって逃げだしただろう。むしろ腰が抜けて逃げられないかもしれない。
「さぁ魔理沙! そろそろ当たりが出るころよ!」
「あぁ、そうだな」
竹林も半ばまで来ただろうというところで、アリスが口を開く。
先程までの表情が嘘のように、キリっと引き締まった目、口、そして声。
アリス・マーガトロイド。妄想と現実を完全に分離する幻想郷きっての女優だった。(こういうときだけ)
魔理沙を思い欲望を抱き、また、魔理沙の前では演技を通す。素直になれない人形遣いの女優魂はただ魔理沙のためだけのモノなのだ。……たまに抑えきれずに魔理沙邸に忍び込んでは下目の、肌に身に付けるもの(上は黒白的バストに必要ないので持っていない)を盗っていくあたり、泥棒としても一級の才能を持っているかもしれない。
スキルはある。更に度胸もある(変態な方向に)。
魔理沙のパンツ(あらっていない脱ぎたてのもの)の匂いをどうしても嗅ぎたくなった時は危険を冒しても脱衣所に忍び込み、あらかじめ盗撮によってチェックして用意した同じ柄のパンツとすりかえておく。しかも自分で使い込んでおく当たり芸が細かい。
実は今日魔理沙がはいているパンツはアリスがすり替えていたものであり、当然ながら真っ先にそれに気付いていたアリスはいつもより更に妄想度が激しく、抑えるのにかなりの理性を消費していた。この時点で魔理沙の貞操はかなりピンチだったりしたが、それはともかく。確かに今までの経験上、手がかりにたどり着くころあいだった。
(だが、何か嫌な予感がするぜ……)
魔理沙は相槌をうちながらも、得体の知れない不安を抱えていた。こんなのは、昔霊夢と弾幕ごっこをしたときに、負けたほうがなんでも言うことを聞くと条件をつけたときの霊夢の表情を見たとき以来だ。そのときは凄まじい勢いでボロ負けした。何をされたかは覚えていない。ぼんやりとしたフィルターのようなものがかかっていて、思い出せないのだ。人間には思い出さないほうがいいことがある。
そしてそのときがそうであったように、悪い予感というものは大抵当たるものだ。
「ちょっと待て! なんだ、何時まで待っても魔理沙がこないからおかしいと思って魔理沙の匂いを辿って来たら、アリスの仕業ね! この泥棒猫!」
(悪い予感的中かよ!)
何故だか知らないが、竹やぶの中から霊夢が飛び出てきた。
魔理沙は内心舌打ちでもしたい気分だったが、とにかく今はこの窮地を脱しなければ。
「おい、誤解だ。誘ったのはこいつだぜ」
アリスを指差して必死に弁明する魔理沙。
「なによ、魔理沙もノリ気だったじゃない(魔道書で)」
アリスはその指を掴んで自分の方へ引き寄せる。
「こんなことして……ただですむと思ってないでしょうね?」
それをみていた霊夢のこめかみに血管が浮かぶ。今にもキレそうだ。魔理沙は震えた。っていうか怯えた。
それをチャンスといわんばかりに抱いているアリスの腕に力が入る。どこにそんな力があるのか、もはや自力脱出は不可能だ。
「あれだな、ほら。霊夢、なんと言うか……」
アリスの腕の中で魔理沙はどうにかそれだけ言うのがやっとだ。
(霊夢コワイ霊夢コワイ)
頭の中はそれだけだ。
「歯切れが悪いわね。いつもみたいに言えばいいじゃない。私とアリスのラブラブ空間を邪魔するな! ってね」
「馬鹿! 事実をでっちあげると不味いぜ」
「私の魔理沙に手を出すことが不味いことでしょ。今日はちょっと魔理沙は誰のものなのか教えてあげないといけないわね」
「ふん。あんた、私が魔理沙と一緒にこんな竹林まで来てるのになんとも思わないの? もう、こんなにマリアリだって判り易くなってるじゃない!」
「ああ!? あんたの一方通行な愛でしょ!?」
「ああ、もういいぜ。諦めたよ。そうだ。このマリアリな夜も、私のハートを奪ったのも、すべてはアリスの妄想だ。さぁ私を家に帰せ! っていうか帰らせて!」
「まぁいいけどね、何にしても魔理沙が私のものであることに違いはないわ」
「その言葉、ちょっと屈折させて(私=アリス)お返ししますわ」
「さぁ! マリアリな夜は、ここでお終いよ!」
――叫ぶと同時に、霊夢は結界を巡らせる。
【デート・詠唱編】
「……で、私的にはどうしたらいいんだ?」
先程から霊夢とアリスのマジバトルが繰り広げられているが、アリスは横からの攻撃にめっぽう弱い。今のところは7:3で霊夢有利といったところか。魔理沙が手を貸せば逆転できる数字ではある。
……が。
(下手に手を出したらもうお茶だしてくれないかも……。いや、口きいてくれないかもしれない。……最悪神社に近付かせてくれないかもしれない)
それは嫌だ。
ではこのまま見ているか?
(それだと今度はアリスに絶交されるかもしれない……。そもそも一応私はあいつと一緒に月の異変を調査に来ているんだから、助けるのが当然……か? いや、でも霊夢が……)
あちらを立てればこちらが立たず。
そうこうしているうちにアリスは追い詰められていくが、魔理沙は悩むことに集中していて気付いていない。
「くっ! このままじゃ負ける」
「最初の威勢はどうしたのかしら!? 泥棒猫さん?」
霊夢の追尾弾ははっきり言って卑怯だ。
一方向レーザーのみのアリスでは最早持ちこたえられない。
「魔理沙! 助けて!!」
アリスが魔理沙に助けを求める。
「ごめん、無理」
やっぱり霊夢コワイ。
「魔理沙ァァァーーーーーー!!」
……ドガァ!!
アリスの叫びもむなしく、陰陽玉がアリスのわき腹にクリティカルヒット!
「ふっ……私と魔理沙の愛を邪魔する輩は陰陽玉に当たって墜ちてしまえ」
霊夢がリボンをほどいて髪を流しながら墜ちていくアリスを見下ろす。
余談だが霊夢が髪をおろす時は大抵魔理沙を誘っている時だ。髪をおろし、それとなく艶っぽい視線を投げているのだが未だに気付かれたことはない。ふとんもきちんと用意してあるし、時には魔理沙に抱きついて誘うときもあるのだが、決まって魔理沙は真っ赤になってフリーズしてしまう。その間は何をしても立ち直らない。ナニをしても。
「魔理沙、私を選んでくれてありがとう(はぁと 今夜は寝かせな……」
魔理沙のいる方に振り返って、キメようとした霊夢はフリ-ズした。
なんという早業か、魔理沙は先程墜ちたアリスを一瞬で抱えて疾走していた。
「すまん! 霊夢、ワケは後で話す。私たちは何もランデブーってたわけじゃないんだ」
飛びながら、魔理沙は叫ぶ。後が怖いので、少しでも弁明しておかなければ。
「魔理沙! 魔理沙! 魔理沙ァァァl!!」
ここで逃がしてなるものか!
霊夢は憤怒の形相で魔理沙を追う。何を思ったか服を脱ぎながら。それを見た魔理沙の心にまた一つ静かにトラウマが刻まれた。
「ど、どうにか……逃げ切れたみたいだな」
「……」
捕まったら多分奪われていた(色々と大事なものを)鬼ごっこをなんとか逃げ切った魔理沙は、アリスを下におろして自分はその上に腰を下ろした。
そこは丘の上で、月がよく見えた。相変わらずの、おかしな月、が。
「……」
「うん、いいイスだぜ」
「……(ハァハァ)」
アリスの鼻息が荒くなってきた。
「なぁ、アリス? 起きてるんだろう?」
「ハァハァ……ハ、ハァア」
これやばいんじゃないかっていうくらいアリスの呼吸が荒くなってきた。
「ちょっと、聞いてるのか?そりゃ、手助けしなかったのは悪いと思ってるぜ、でも仕方ないだろ?」
「あ……はぁ……ィ……んっ」
……呼吸音? いやこれは……
「なんだよ、何か言ってくれよ。……まさか私に踏まれて興奮しているのかい?」
魔理沙は冗談で言ったつもりだった。だが。
「う……んっ」
「……え?」
今まで黙っていたアリスが、そこで反応した。しかも肯定した。
「……そうなのっ! 私……ハァハァ……魔理沙のお尻があたってるって、思っただけで、感じちゃう変態なのー!!」
ガバっと起き上がるアリス。
もう我慢の限界だった。
「魔理沙……」
「ア、アリス?」
本能が言った。
――撃て――
「ルパンダーイブ!!」
「マスターーーーースパァーーーーク!!」
かの有名なルパンダイブのため飛んだアリスを魔理沙の魔砲が彼方へ飛ばす。
――フェードアウト……
「お、目が覚めたか。……大丈夫か?」
「……何とか……」
アリスが目覚めたのはアリス低の寝室だった。
「なんか、色々悪かったな……ま、借り一つってことで許してくれ」
「ふん……」
魔理沙に背を向けて怒りをアピールする。マスタースパークで吹っ飛ばされたことなんかではない。助けてくれなかったことにたいしての怒りだ。冷静になったらかなり腹が立ってきた。パートナーを助けるのはごく当然のことなのに、相手が霊夢だということだけで見捨てられたのだから。
「だから悪かったって」
「……どうせ魔理沙は私より霊夢の方がいいんでしょ」
半ば自棄になって、はき捨てるように言い放つ。
「……仕方ないなぁ……アリス、ちょっとこっち向けよ」
「……」
アリスからの返答はない。
「……ったく」
魔理沙はアリスの頭を強引に自分に向けさせる。
「ちょっと! 何なのよいまさ……ら」
――チュッ――
反抗するまもなく、アリスの頬に魔理沙の唇が触れた。
「その……こ、これで許してくれよ。……じゃぁ私はこれで!」
魔理沙は顔を赤くしてその場を立ち去ろうとした。
が、こんなことをされて、そのまま逃がせるほどアリスの色欲は控えめなものではなかった。
ガシィ!
魔理沙のスカートの裾を掴む。
「あ、アリス?」
その目は正気の者の目ではない。
「うん、許す。許すわ私! さぁいただきます!!」
アリスは魔理沙にチャームとバーサクをかけられた。アリスの攻撃力が三倍にアップ。アリスの知能が⑨にダウン。
「キスはやっぱりはやまったかー!?」
「マリアリな夜は終わらないわ!! 魔理沙! あぁ魔理沙!!」
「魔理沙魔理沙と……結局私がいなきゃ何も出来ないのかよ!!」
「違うわ! いなきゃいないで脳内ではいつも二人でやってるわよ!」
「現実を見ろー!!」
その現実ではスカートをつかんで離さないアリスの頭を魔理沙が踏みまくっていた。ナイスアングルではあるが。
踏めば踏むほどアリスの顔に艶が出てきているのも気になるが気にしたら負ける気がする。
「……ここが私の家じゃなくて良かったぜ」
アリスを引きずりながら箒を取りにいく。
「はぁ、はぁはぁ、はぁぁ♪」
アリスは完全に逝ってる状態だったので全く気にしない。
「いくぜ! ブレイジングッッ……」
箒に魔力が収束していく。
「スタァァアァーーーーーーー!!」
そして超高速の流れ星による、引き回しが始まる。
「ッ……はぁぁ!! どうだアリス! 今その手を離すなら傷は浅いぞ!?」
ブレイジングスターでも、アリスは手を離していなかった。この速度の中、布切れ一枚でぶら下がっているのだからどんな恐怖体験だかわからない。
「エクスタシーーーー!!」
見なかったことにしよう。叫ぶアリスの顔を見てしまった魔理沙はコンマ一秒でそう結論づけた。
そんな引き回しも終わりを告げる時がきた。
アリスは馬鹿みたいな握力でスカートを握り締めていたので、落ちることはなかった。……が、スカートが破けたのだ。自然の摂理だから仕方ない。
「エク、エク、エクスタシィー?」
「いや、聞かれてもな、あえて応えてやるとすれば今のお前の顔はスプラッタだぜ。……ばいばいアリス」
アリスに手を振り、一目散に突っ走る。
この後は霊夢をどうするか……だ。
(んー、さっきの感じだと何をされるかわからないからなぁ、ちょっと時間を置いて手土産でも持っていくか)
「まぁ、まずは着替えだぜ」
破れてしまった服を着ていくわけにもいかない。
魔理沙は箒を帰路に向けなおして、また駆けた。
アリスももう、永夜を終わらせるだろう。
(……ん? 永夜?)
「……結局月は?」
――詠唱組Aエンディング――
空には欺瞞が輝いて。
・いつにもまして駄文注意です
・永夜抄4面を自分からみたらこうなりました
・詠唱組の話……カモしれません
・所謂壊れギャグだけですが、感じ方によっては壊れ度が高くも低くもなると思います
・過激な表現が多々使われていると思います
・もしかしたら18禁かもってくらいです
・一応そこまでじゃないかなぁとは思っているのですが……
・とにかく霊夢とアリスが魔理沙を愛でる話だと思っていただければ間違いない……と思います(多分
・相も変わらず弱魔理沙です
・百合・CP・キャラの暴走に免疫のない方には厳しいと思います
・以上のことを黙認できる方はこの先へお進みください
魔理沙とアリスは月の異変の原因を調べるために夜を止め、竹林を駆けていた。
夜の竹林は暗く、薄ら寒い。自然と二人の会話は減っていた。
(魔理沙と二人っきりで竹林の奥深く……ハァハァ)
会話が減っていたせいで、アリスの魔理沙へ向ける熱視線は気付かれなかった。気付かれていたらその場でタッグ解消となっていたであろう。真っ赤に充血した目は一時たりとも魔理沙を逃さないようにと、一度も瞬きをしておらず、口元からは荒い息と、何を妄想しているのか涎がたれていた。正面から直視したら誰だって逃げだしただろう。むしろ腰が抜けて逃げられないかもしれない。
「さぁ魔理沙! そろそろ当たりが出るころよ!」
「あぁ、そうだな」
竹林も半ばまで来ただろうというところで、アリスが口を開く。
先程までの表情が嘘のように、キリっと引き締まった目、口、そして声。
アリス・マーガトロイド。妄想と現実を完全に分離する幻想郷きっての女優だった。(こういうときだけ)
魔理沙を思い欲望を抱き、また、魔理沙の前では演技を通す。素直になれない人形遣いの女優魂はただ魔理沙のためだけのモノなのだ。……たまに抑えきれずに魔理沙邸に忍び込んでは下目の、肌に身に付けるもの(上は黒白的バストに必要ないので持っていない)を盗っていくあたり、泥棒としても一級の才能を持っているかもしれない。
スキルはある。更に度胸もある(変態な方向に)。
魔理沙のパンツ(あらっていない脱ぎたてのもの)の匂いをどうしても嗅ぎたくなった時は危険を冒しても脱衣所に忍び込み、あらかじめ盗撮によってチェックして用意した同じ柄のパンツとすりかえておく。しかも自分で使い込んでおく当たり芸が細かい。
実は今日魔理沙がはいているパンツはアリスがすり替えていたものであり、当然ながら真っ先にそれに気付いていたアリスはいつもより更に妄想度が激しく、抑えるのにかなりの理性を消費していた。この時点で魔理沙の貞操はかなりピンチだったりしたが、それはともかく。確かに今までの経験上、手がかりにたどり着くころあいだった。
(だが、何か嫌な予感がするぜ……)
魔理沙は相槌をうちながらも、得体の知れない不安を抱えていた。こんなのは、昔霊夢と弾幕ごっこをしたときに、負けたほうがなんでも言うことを聞くと条件をつけたときの霊夢の表情を見たとき以来だ。そのときは凄まじい勢いでボロ負けした。何をされたかは覚えていない。ぼんやりとしたフィルターのようなものがかかっていて、思い出せないのだ。人間には思い出さないほうがいいことがある。
そしてそのときがそうであったように、悪い予感というものは大抵当たるものだ。
「ちょっと待て! なんだ、何時まで待っても魔理沙がこないからおかしいと思って魔理沙の匂いを辿って来たら、アリスの仕業ね! この泥棒猫!」
(悪い予感的中かよ!)
何故だか知らないが、竹やぶの中から霊夢が飛び出てきた。
魔理沙は内心舌打ちでもしたい気分だったが、とにかく今はこの窮地を脱しなければ。
「おい、誤解だ。誘ったのはこいつだぜ」
アリスを指差して必死に弁明する魔理沙。
「なによ、魔理沙もノリ気だったじゃない(魔道書で)」
アリスはその指を掴んで自分の方へ引き寄せる。
「こんなことして……ただですむと思ってないでしょうね?」
それをみていた霊夢のこめかみに血管が浮かぶ。今にもキレそうだ。魔理沙は震えた。っていうか怯えた。
それをチャンスといわんばかりに抱いているアリスの腕に力が入る。どこにそんな力があるのか、もはや自力脱出は不可能だ。
「あれだな、ほら。霊夢、なんと言うか……」
アリスの腕の中で魔理沙はどうにかそれだけ言うのがやっとだ。
(霊夢コワイ霊夢コワイ)
頭の中はそれだけだ。
「歯切れが悪いわね。いつもみたいに言えばいいじゃない。私とアリスのラブラブ空間を邪魔するな! ってね」
「馬鹿! 事実をでっちあげると不味いぜ」
「私の魔理沙に手を出すことが不味いことでしょ。今日はちょっと魔理沙は誰のものなのか教えてあげないといけないわね」
「ふん。あんた、私が魔理沙と一緒にこんな竹林まで来てるのになんとも思わないの? もう、こんなにマリアリだって判り易くなってるじゃない!」
「ああ!? あんたの一方通行な愛でしょ!?」
「ああ、もういいぜ。諦めたよ。そうだ。このマリアリな夜も、私のハートを奪ったのも、すべてはアリスの妄想だ。さぁ私を家に帰せ! っていうか帰らせて!」
「まぁいいけどね、何にしても魔理沙が私のものであることに違いはないわ」
「その言葉、ちょっと屈折させて(私=アリス)お返ししますわ」
「さぁ! マリアリな夜は、ここでお終いよ!」
――叫ぶと同時に、霊夢は結界を巡らせる。
【デート・詠唱編】
「……で、私的にはどうしたらいいんだ?」
先程から霊夢とアリスのマジバトルが繰り広げられているが、アリスは横からの攻撃にめっぽう弱い。今のところは7:3で霊夢有利といったところか。魔理沙が手を貸せば逆転できる数字ではある。
……が。
(下手に手を出したらもうお茶だしてくれないかも……。いや、口きいてくれないかもしれない。……最悪神社に近付かせてくれないかもしれない)
それは嫌だ。
ではこのまま見ているか?
(それだと今度はアリスに絶交されるかもしれない……。そもそも一応私はあいつと一緒に月の異変を調査に来ているんだから、助けるのが当然……か? いや、でも霊夢が……)
あちらを立てればこちらが立たず。
そうこうしているうちにアリスは追い詰められていくが、魔理沙は悩むことに集中していて気付いていない。
「くっ! このままじゃ負ける」
「最初の威勢はどうしたのかしら!? 泥棒猫さん?」
霊夢の追尾弾ははっきり言って卑怯だ。
一方向レーザーのみのアリスでは最早持ちこたえられない。
「魔理沙! 助けて!!」
アリスが魔理沙に助けを求める。
「ごめん、無理」
やっぱり霊夢コワイ。
「魔理沙ァァァーーーーーー!!」
……ドガァ!!
アリスの叫びもむなしく、陰陽玉がアリスのわき腹にクリティカルヒット!
「ふっ……私と魔理沙の愛を邪魔する輩は陰陽玉に当たって墜ちてしまえ」
霊夢がリボンをほどいて髪を流しながら墜ちていくアリスを見下ろす。
余談だが霊夢が髪をおろす時は大抵魔理沙を誘っている時だ。髪をおろし、それとなく艶っぽい視線を投げているのだが未だに気付かれたことはない。ふとんもきちんと用意してあるし、時には魔理沙に抱きついて誘うときもあるのだが、決まって魔理沙は真っ赤になってフリーズしてしまう。その間は何をしても立ち直らない。ナニをしても。
「魔理沙、私を選んでくれてありがとう(はぁと 今夜は寝かせな……」
魔理沙のいる方に振り返って、キメようとした霊夢はフリ-ズした。
なんという早業か、魔理沙は先程墜ちたアリスを一瞬で抱えて疾走していた。
「すまん! 霊夢、ワケは後で話す。私たちは何もランデブーってたわけじゃないんだ」
飛びながら、魔理沙は叫ぶ。後が怖いので、少しでも弁明しておかなければ。
「魔理沙! 魔理沙! 魔理沙ァァァl!!」
ここで逃がしてなるものか!
霊夢は憤怒の形相で魔理沙を追う。何を思ったか服を脱ぎながら。それを見た魔理沙の心にまた一つ静かにトラウマが刻まれた。
「ど、どうにか……逃げ切れたみたいだな」
「……」
捕まったら多分奪われていた(色々と大事なものを)鬼ごっこをなんとか逃げ切った魔理沙は、アリスを下におろして自分はその上に腰を下ろした。
そこは丘の上で、月がよく見えた。相変わらずの、おかしな月、が。
「……」
「うん、いいイスだぜ」
「……(ハァハァ)」
アリスの鼻息が荒くなってきた。
「なぁ、アリス? 起きてるんだろう?」
「ハァハァ……ハ、ハァア」
これやばいんじゃないかっていうくらいアリスの呼吸が荒くなってきた。
「ちょっと、聞いてるのか?そりゃ、手助けしなかったのは悪いと思ってるぜ、でも仕方ないだろ?」
「あ……はぁ……ィ……んっ」
……呼吸音? いやこれは……
「なんだよ、何か言ってくれよ。……まさか私に踏まれて興奮しているのかい?」
魔理沙は冗談で言ったつもりだった。だが。
「う……んっ」
「……え?」
今まで黙っていたアリスが、そこで反応した。しかも肯定した。
「……そうなのっ! 私……ハァハァ……魔理沙のお尻があたってるって、思っただけで、感じちゃう変態なのー!!」
ガバっと起き上がるアリス。
もう我慢の限界だった。
「魔理沙……」
「ア、アリス?」
本能が言った。
――撃て――
「ルパンダーイブ!!」
「マスターーーーースパァーーーーク!!」
かの有名なルパンダイブのため飛んだアリスを魔理沙の魔砲が彼方へ飛ばす。
――フェードアウト……
「お、目が覚めたか。……大丈夫か?」
「……何とか……」
アリスが目覚めたのはアリス低の寝室だった。
「なんか、色々悪かったな……ま、借り一つってことで許してくれ」
「ふん……」
魔理沙に背を向けて怒りをアピールする。マスタースパークで吹っ飛ばされたことなんかではない。助けてくれなかったことにたいしての怒りだ。冷静になったらかなり腹が立ってきた。パートナーを助けるのはごく当然のことなのに、相手が霊夢だということだけで見捨てられたのだから。
「だから悪かったって」
「……どうせ魔理沙は私より霊夢の方がいいんでしょ」
半ば自棄になって、はき捨てるように言い放つ。
「……仕方ないなぁ……アリス、ちょっとこっち向けよ」
「……」
アリスからの返答はない。
「……ったく」
魔理沙はアリスの頭を強引に自分に向けさせる。
「ちょっと! 何なのよいまさ……ら」
――チュッ――
反抗するまもなく、アリスの頬に魔理沙の唇が触れた。
「その……こ、これで許してくれよ。……じゃぁ私はこれで!」
魔理沙は顔を赤くしてその場を立ち去ろうとした。
が、こんなことをされて、そのまま逃がせるほどアリスの色欲は控えめなものではなかった。
ガシィ!
魔理沙のスカートの裾を掴む。
「あ、アリス?」
その目は正気の者の目ではない。
「うん、許す。許すわ私! さぁいただきます!!」
アリスは魔理沙にチャームとバーサクをかけられた。アリスの攻撃力が三倍にアップ。アリスの知能が⑨にダウン。
「キスはやっぱりはやまったかー!?」
「マリアリな夜は終わらないわ!! 魔理沙! あぁ魔理沙!!」
「魔理沙魔理沙と……結局私がいなきゃ何も出来ないのかよ!!」
「違うわ! いなきゃいないで脳内ではいつも二人でやってるわよ!」
「現実を見ろー!!」
その現実ではスカートをつかんで離さないアリスの頭を魔理沙が踏みまくっていた。ナイスアングルではあるが。
踏めば踏むほどアリスの顔に艶が出てきているのも気になるが気にしたら負ける気がする。
「……ここが私の家じゃなくて良かったぜ」
アリスを引きずりながら箒を取りにいく。
「はぁ、はぁはぁ、はぁぁ♪」
アリスは完全に逝ってる状態だったので全く気にしない。
「いくぜ! ブレイジングッッ……」
箒に魔力が収束していく。
「スタァァアァーーーーーーー!!」
そして超高速の流れ星による、引き回しが始まる。
「ッ……はぁぁ!! どうだアリス! 今その手を離すなら傷は浅いぞ!?」
ブレイジングスターでも、アリスは手を離していなかった。この速度の中、布切れ一枚でぶら下がっているのだからどんな恐怖体験だかわからない。
「エクスタシーーーー!!」
見なかったことにしよう。叫ぶアリスの顔を見てしまった魔理沙はコンマ一秒でそう結論づけた。
そんな引き回しも終わりを告げる時がきた。
アリスは馬鹿みたいな握力でスカートを握り締めていたので、落ちることはなかった。……が、スカートが破けたのだ。自然の摂理だから仕方ない。
「エク、エク、エクスタシィー?」
「いや、聞かれてもな、あえて応えてやるとすれば今のお前の顔はスプラッタだぜ。……ばいばいアリス」
アリスに手を振り、一目散に突っ走る。
この後は霊夢をどうするか……だ。
(んー、さっきの感じだと何をされるかわからないからなぁ、ちょっと時間を置いて手土産でも持っていくか)
「まぁ、まずは着替えだぜ」
破れてしまった服を着ていくわけにもいかない。
魔理沙は箒を帰路に向けなおして、また駆けた。
アリスももう、永夜を終わらせるだろう。
(……ん? 永夜?)
「……結局月は?」
――詠唱組Aエンディング――
空には欺瞞が輝いて。
出るまで色々予想して楽しみますね♪
今年もよい弾幕とSSを。(ちょっと違うかな。笑
アリス「低」ではなく「邸」ですかね?
健気で、とても哀しいです(つД`)
相変わらずの春全開なノリが最高すぎます!
名前がない程度の能力様>も、もったいないお言葉です(汗 でもそう言って頂けると内心半端なく喜びます(笑
名前がない程度の能力様>楽しんでいただければ嬉しい限りです♪ 直しておきます(汗
丼様>なんだかんだ言っても好きなんです(笑
いつでもどこでも春全開ですヨ~♪(笑
変態街道一直線なアリス最高です!!(弱々しい魔理沙も)
それはともかく、霊夢さん怖すぎ。
憤怒の形相で服を脱ぎながら追ってくるってあんた……
まあ、何はともあれ貴方様の他の作品にも興味湧いたんで今から見てきます。
結界編を心待ちにしながら。
……でも他のもほぼ壊れているので一度に読むと食あたりするカモです(笑