魔法の森の付近にある道具屋の店主、森近霖之助はいつもお客が来ない日は読書をしている。そんなある日の出来事。
「この本は興味深いな。」
今日も店内で読書をして過ごしていると、霧雨魔理沙が風呂敷を背負って入ってきた。霖之助は風呂敷から道具を出している魔理沙に聞いた。
「今日はどうしたんだ?」
「この道具の使い方を教えてくれ!」
小さな樽に、数本の小さな玩具の剣と人形があった。霖之助は手に持って観察すると説明をする。
「これは黒ひげ危機一髪の玩具だな。樽に剣を差し込んで、人形を飛ばしたら人の負けの玩具だよ。」
「この玩具を買取できないか?」
「玩具をか。古道具屋だが、買取を断る気はないさ。何が欲しいんだ?2つまでなら交換する。」
「やったぜ!」
魔理沙は店内の商品をから2つの道具を霖之助に見せる。面子と竹トンボの玩具の2つだ。
「魔理沙が珍しい物を…」
「別にいいだろ?最近、異変もないから平和的な玩具を妖精がやってたぜ。」
「平和なことは良いことだ。あげるよ。」
「サンキュー!香霖!」
玩具を持っていくと、魔理沙は店内から出ていった。再び、本の続きを読み始める。暫くすると、1匹の子狸が入ってきた。
「子狸……マミゾウの使いかな?」
子狸は霖之助の目を見て、カウンターにキセルを置いた。キセルの中を見ると、中で詰まっていた。どうやら、修理依頼らしい。
(自分で出来ないのか?依頼だからやるが…)
キセルの中に葉が詰まっていたので、細い棒で丁寧に取り出す。綺麗になったのを確認して、キセルを子狸に渡した。子狸はお金を霖之助に出す。
「葉っぱじゃないだろうね?」
「……………」フルフル
「信じよう。」
お金を受け取ると、子狸は帰っていった。商品の整理をしていると、八雲紫が出現した。霖之助は黙って木箱を取り出して中を開けると、いろんな貴金属が入っていた。更には、幻想郷に存在するはずのない弾丸まであった。
「危険な物だらけね。結界が不安定なのかしら?」
「特に、魔理沙と霊夢に知られたら大問題だ。処分を頼むよ。」
「代わりにこれをあげるわね。」
紫が霖之助に渡したものは、外の世界の紙幣だ。霖之助は紫に危険物の回収を頼まれている代わりに、外の世界の紙幣を受け取っている。コレクションにしているらしい。
「海外の紙幣だ。紫には感謝してるよ。」
「頼んでるのは、私なのよ?」
「それにしても、幻想郷に危険な物が流れすぎているな。拳銃もある。」
「困ったわね。それじゃあ、処分しとくわね。」
紫は木箱から危険物以外の貴金属を霖之助に渡して、姿を消した。その光景を覗いていた河城にとりを捕まえた。
「さて…にとり。覗き見は感心しないな。渡さないとは、言ってないだろ?」
貴金属をにとりに渡すと、にとりを抱き締めて頭を撫でている。にとりはされるがままだ。
「だって盟友。会いに来ないじゃないか?」
「僕は空を飛べないからね。行こうにも無理がある。」
「それは…そうだけど…」
「今日は泊まるんだろ?」
「えへへ。」
霖之助とにとりは、一緒に眠った。