Coolier - 新生・東方創想話

ぼくのめがねが見当たらないんだ

2022/03/22 23:52:01
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「ぼくのめがねが見当たらないんだ。こいしちゃん、どっかに隠したでしょ」
「え、『君の頭に乗ってるでしょ』だって?あれ、本当だ。ばかだなあ、まるでおじいちゃんみたいだ」
「これでよし。こいしちゃんのお顔がよく見えるよ」

「それとね、こいしちゃん、電池見なかった?テレビが見たいんだけど、リモコンの元気がないみたい」
「ここの引き出しは探したんだよ。でも入ってなかったんだ」
「電池って必要なときになくなっちゃうから困るよね」
「こいしちゃん!勝手に引き出し見ないで!」
「『これなに?』って……。たからものだよ」
「それはパパが買ってくれたミニカーで、こっちがママの折り鶴。あれはクラスのみんなの寄せ書きだよ」
「みんなたからものだけど、今はたからものじゃなくて電池がほしいの」
「『そのボタンでお姉さん呼べばいいじゃないの?』って?押したらお姉さんびっくりさせちゃうよ。それに、お姉さん呼ぶとこいしちゃんいなくなっちゃうじゃん」
「……うーん、テレビはもういいや。こいしちゃんとお話できるから」

「お外はまだ寒いのかな。見て、あそこの人たちみんなマフラーや手袋してる」
「一回でいいからマフラーと手袋してみんなで雪合戦したかったなあ」
「リモコンみたいにぼくも電池をかえれば元気になればいいのにね」

「それでね、前にこいしちゃんのこと、『他の人にはナイショにしてて』って言ってたじゃない?でもね、ママに言っちゃったの」
「ううん。ママとお話してたらバレちゃったの。そしたら、『ごめんね』って言ってすごく悲しい顔してた」
「いや、こいしちゃんは悪くないよ。ママもお姉さんたちもこいしちゃんのこと知らないみたいなの」
「え?こいしちゃん、ぼくにしか見えないの?そっかあ、それならママもびっくりしちゃうよね」

「ぼく、友達がいないの。幼稚園入る前からずっとここにいたから」
「だからね、こいしちゃんが来たときはすごく嬉しかった」
「こいしちゃんとお話してるとね、嬉しくて、心があったかくなるんだよ」
「あったかくなって、なんだか眠たくなってきちゃった。でも寝ちゃうとお話ができなくなっちゃう」
「そうだ!明日もお話ししてくれる?」
「あれ?こいしちゃんどこ?もういなくなっちゃったの?しょうがないなあ」
「こいしちゃん、またね。おやすみ」



『さよなら、おやすみ』
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コメント



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3.90奇声を発する程度の能力削除
良かったです
4.80名前が無い程度の能力削除
あなたのそのこいしちゃんとやらは本当に実在する人物なのでしょうか?
こいしイマジナリーフレンドネタとして面白かったです
5.90サク_ウマ削除
すきです
6.90名前が無い程度の能力削除
可愛らしさと同時に不思議さも感じました