紅魔館の図書館の管理をしている魔法使い、パチュリー・ノーレッジは、使い魔の小悪魔を呼んだ。
「どうしましたか?パチュリー様。」
「図書館の貴女に任せていたけれど…一人だと大変よね?」
「そんな…はい。認めます。」
「正直で結構よ。貴女の補佐をする者を召喚しようと思うけど…どうする?」
「宜しいのですか?」
パチュリーは小悪魔に頷いた。小悪魔は奥の部屋から召喚に必要な道具を取ってきてパチュリに渡した。
「ありがとう。」
召喚の道具と対価の準備をする。召喚するために必要な対価は、血が必要となる。間違っても、複数の血を対価に使うのは危険である。死神を呼び出してしまう。
「これで、良いかしら?」
魔法陣を描き、パチュリーはナイフで小さな傷を入れて、魔法陣に血を垂らしていく。
「我に従う者を召喚せよ!」
魔法陣が部屋全体に広がると、黒の霧を発生させながらその者の姿は、執事服を来た少年が現れた。
「貴方は悪魔かしら?少し…人間の血も混じってるようだけど。」
「御名答。私は半魔で御座います。私に名を…それで本契約が完了になります。」
「名を与える前に、対価は何なの?」
パチュリーは名を与える前に、対価の確認を要求する。
「人間の生け贄…と言いたいところですが…それは不可能ですね。なら、この図書館に忍び込んだネズミで遊ぶ許可。ある程度の自由を希望します。どうですか?」
「許可するわ。」
「では、貴女の願いを…」
「願い…?そう…なら。私が死ぬまで、この館の全住人に絶対的の忠誠を…裏切らないことを私に誓って頂戴。それと、絶対に誰も殺さないことを誓って。」
「殺さない?相手が敵であってもですか?」
「駄目なの?」
「畏まりました。最後に私に名を与えてください。」
少年はパチュリーを見据える。どんな名を与えるのかを楽しみにしているように。
「貴方の名は…ゼラート。」
「今後とも宜しくお願いします。パチュリー様。」
夜の晩餐会の食堂には、パチュリーを含めた全住人が集まった。違うところは、パチュリーの真後ろに使い魔の悪魔の少年…ゼラートが立っていることのみ。
「貴方がパチェの使い魔?」
「はい。私はパチュリー様の使い魔…ゼラートで御座います。レミリア・スカーレット卿。」
「ゼラート…私の事は、レミリアで良いわよ。堅苦しいのは好きじゃないのよ。」
「では、レミリア様でよろしいですね?」
「ゼラート…貴方…性格悪いでしょ。」
ゼラートは玩具を見つけたような笑みをする。
「それほどでも…」
「何で…嬉しそうなのよ!正直に言いなさい!」
「貴女のような吸血鬼(玩具)を見たことなかったので…」
「なら良いわ。」
レミリアは気づいていない。ゼラートに玩具だと思われていることに。
「ゼラート様でよろしいですか?私はレミリア御嬢様の専属メイド兼メイド長の十六夜咲夜です。」
「同僚になるので、様付けはやめましょう。」
「そうね。お互い…仲良くしましょう。」
ゼラートと咲夜は握手をする。
「紅美鈴です。門番を任されています。」
「門番ですか。寝ていたら…困りますよ。」
美鈴はゼラートの標的になった。
「私はフランドール・スカーレット。フランて呼んでね!」
「よろしくお願いします。フラン様。」
「自己紹介も終わったことだし、晩餐会を始めるわよ。」
晩餐会が始まった。