登場人物が多いので見やすさを重視して泣く泣くセリフ前に名前を入れました。苦渋の決断。楽しんでません。
うわキツ、と思ったら閉じてください。
以下本文
パ「バレンタインラリアットォー!」
パフパフ、とラッパの玩具を水橋パルスィが鳴らす。それを気怠げな表情で黒谷ヤマメ、キスメの両名が見る。
ヤ「は?」
パ「世間は今バレンタインです!」
ヤ「キスメ。今日何月何日?」
キ「今日は2月…」
パ「今日は!2月!14日です!」
ヤ「はい」
パ「そこでですね!浮かれまくっている世間の奴らにこの私が漢気溢れるラリアットで世間を目覚めさせようという企画ですよ!」
むん、とパルスィが腕を上げ、力こぶを見せるように曲げる。
そこにあるのは平均的な女性の太さの、どちらかといえば非力に見える漢気は感じ難いものだった。
二人はまた始まった、と面倒くささを隠す気もない顔をしている。キスメが袖から箱を取り出し、一本の白い棒を出し口にくわえる。
ヤ「お、一本くれよ」
とキスメから一本貰い、口に含む。
ヤ「あててやろう。マルボロ」
キ「ココアシガレット」
パ「そんなしょーもない茶番してないで聞きなさいよ!」
ヤ「この茶番よりしょーもないんだよ。あんたの話は」
ふぅーとパルスィに向かって息を吹きかける。もちろん白くもなんともない。
パ「この企画には三人で力を合わせなきゃ達成できないの!」
ヤ「知らねーよ」
パ「まずはキスメをこうやって──」
と言い出し、キスメの桶に繋がれている縄を持ち振り回す。
ヤ「聞けよ」
パ「ぶつけます!」
ヤ「駄目でしょ」
パ「そこで怯んだ相手に私がラリアットをかまします!」
ヤ「駄目でしょ」
パ「最後にヤマメが謝って終わり!」
ヤ「嫌だよ。」
パ「じゃあいつやるの!」
ヤ「しねえよ。ほら、第一被害者のあんたもなんか言いなよ」
キ「ヤマメが三人に見える~。お得~」
ヤ「あんたがしてんのは損だよ」
「お、こんな所にいたのか」
と声がかけられる。そこには額に角の生えた着物の女性が立っていた。
語られる怪力乱神・星熊勇儀「探したよパルスィ」
パ「何よ!私はこれから世直しに行くのよ!」
ヤ「テロだろ」
破滅的な金剛力・星熊勇儀「ほら、これ」
と星熊勇儀は二人の会話を気にも留めず袖から箱を取り出し、パルスィに渡す。
パ「何よこれ」
めっちゃつよい鬼・星熊勇儀「チョコだよ。地上じゃこういうのやってるんだって聞いてな」
パ「へっ、あっ、ふーん」
と、先ほどまで暴れまわっていたのが嘘のようにおとなしくなる。
顔を赤らめ、毛先を指で弄り回している。そのピンク色のオーラが可視化するほどの空間を外から見ている二人。
その顔は無表情であった。
何も感じていないのではなくあまりにも多岐にわたる感情(負の)が混ざり合い、無を作っていた。
パ「ま、まあ渡したいってんならおとなしくもらってあげてもいべっ──」
キスメが側頭部にヒットする。いいところに当たったようで足元がふらつく。
そこへヤマメがラリアットをかます。パルスィの体が綺麗に一回転半し、顔から地面に落ちる。
二人には阿吽の言葉すら必要無い。そのまま振り返らずにキスメの縄を引きながらその場を後にする。
その後ろ姿はまさに一騎当千。鎧袖一触。勇往邁進。
ヤ「そんじゃあ勇儀、後で謝っといてくれ。それで終わるから」
比類なき谷間を持つ女・星熊勇儀「大丈夫かパルスィ?何だいあんたら喧嘩でもしてたのか?後も何も説明してくんなきゃわかんないよ」
鬼の勇儀が正論を言うほどの理不尽がそこにはあった。おとなしく引きずられているキスメが指を差し、キメ顔でこう言う。
キ「これが──バレンタインラリアット」
うわキツ、と思ったら閉じてください。
以下本文
パ「バレンタインラリアットォー!」
パフパフ、とラッパの玩具を水橋パルスィが鳴らす。それを気怠げな表情で黒谷ヤマメ、キスメの両名が見る。
ヤ「は?」
パ「世間は今バレンタインです!」
ヤ「キスメ。今日何月何日?」
キ「今日は2月…」
パ「今日は!2月!14日です!」
ヤ「はい」
パ「そこでですね!浮かれまくっている世間の奴らにこの私が漢気溢れるラリアットで世間を目覚めさせようという企画ですよ!」
むん、とパルスィが腕を上げ、力こぶを見せるように曲げる。
そこにあるのは平均的な女性の太さの、どちらかといえば非力に見える漢気は感じ難いものだった。
二人はまた始まった、と面倒くささを隠す気もない顔をしている。キスメが袖から箱を取り出し、一本の白い棒を出し口にくわえる。
ヤ「お、一本くれよ」
とキスメから一本貰い、口に含む。
ヤ「あててやろう。マルボロ」
キ「ココアシガレット」
パ「そんなしょーもない茶番してないで聞きなさいよ!」
ヤ「この茶番よりしょーもないんだよ。あんたの話は」
ふぅーとパルスィに向かって息を吹きかける。もちろん白くもなんともない。
パ「この企画には三人で力を合わせなきゃ達成できないの!」
ヤ「知らねーよ」
パ「まずはキスメをこうやって──」
と言い出し、キスメの桶に繋がれている縄を持ち振り回す。
ヤ「聞けよ」
パ「ぶつけます!」
ヤ「駄目でしょ」
パ「そこで怯んだ相手に私がラリアットをかまします!」
ヤ「駄目でしょ」
パ「最後にヤマメが謝って終わり!」
ヤ「嫌だよ。」
パ「じゃあいつやるの!」
ヤ「しねえよ。ほら、第一被害者のあんたもなんか言いなよ」
キ「ヤマメが三人に見える~。お得~」
ヤ「あんたがしてんのは損だよ」
「お、こんな所にいたのか」
と声がかけられる。そこには額に角の生えた着物の女性が立っていた。
語られる怪力乱神・星熊勇儀「探したよパルスィ」
パ「何よ!私はこれから世直しに行くのよ!」
ヤ「テロだろ」
破滅的な金剛力・星熊勇儀「ほら、これ」
と星熊勇儀は二人の会話を気にも留めず袖から箱を取り出し、パルスィに渡す。
パ「何よこれ」
めっちゃつよい鬼・星熊勇儀「チョコだよ。地上じゃこういうのやってるんだって聞いてな」
パ「へっ、あっ、ふーん」
と、先ほどまで暴れまわっていたのが嘘のようにおとなしくなる。
顔を赤らめ、毛先を指で弄り回している。そのピンク色のオーラが可視化するほどの空間を外から見ている二人。
その顔は無表情であった。
何も感じていないのではなくあまりにも多岐にわたる感情(負の)が混ざり合い、無を作っていた。
パ「ま、まあ渡したいってんならおとなしくもらってあげてもいべっ──」
キスメが側頭部にヒットする。いいところに当たったようで足元がふらつく。
そこへヤマメがラリアットをかます。パルスィの体が綺麗に一回転半し、顔から地面に落ちる。
二人には阿吽の言葉すら必要無い。そのまま振り返らずにキスメの縄を引きながらその場を後にする。
その後ろ姿はまさに一騎当千。鎧袖一触。勇往邁進。
ヤ「そんじゃあ勇儀、後で謝っといてくれ。それで終わるから」
比類なき谷間を持つ女・星熊勇儀「大丈夫かパルスィ?何だいあんたら喧嘩でもしてたのか?後も何も説明してくんなきゃわかんないよ」
鬼の勇儀が正論を言うほどの理不尽がそこにはあった。おとなしく引きずられているキスメが指を差し、キメ顔でこう言う。
キ「これが──バレンタインラリアット」
いっそエンジン全開フルスロットルで突き抜けてくれると良くなるんじゃないかと思います! これからも楽しみにしております!