こいし。そのごめん……失敗しちゃった
おぅこれはぁ、えっと、これはもしかして。これがそうなの?お姉ちゃん
この辺がまだ炭になってないから食べられるわ
なるぽとね。まだスボンシが少し生きてる。でも生クリームまでもどうやった炭になるの?
『何故かってそれは、ケーキを焼こうと思ったらオーブンが壊れていたから、地底の地熱を使って焼こうとしてこうなったの』
灼熱地獄ようこそ、あ。そこは駄目だって。言っては無いけど。そこはあっついよ。
なおオーブンを壊したのは、こいしだったのはまだばれてない。ばれる予報で言えば、今夜のばれる確率は10%でオチでこいしが犯人として逮捕されることは無いでしょう。明日以降のばれる予報もおおむね10%でばれる見込みは無い模様です。
厨房で『お化けが居るよ。ウィルオウィスプ世ルフポルターガイストごっこ地霊殿冬の陣』とかと称して、1人気配を消してオーブンのフタがぶっ壊れるまで開け閉め開閉開閉を繰り返した結果だった。
そして、途中からポルターガイストという設定よりもバンバン開閉する音でハルトマンを再現しようとして、一番盛り上がるところで力いっぱいにやったんだ。
べコォ、っていう破壊音と共に壊れ落ちたフタについて何かコメントはというと、何もない。
「こいし、この生クリームはその」
「お姉ちゃん、これ以上の言い訳は聞きたくないよ。言い訳ばかりしているしているお姉ちゃんは、えっと」
大嫌いだよ。と言おうとしたけれど、それは本当の気持ちじゃないことに気が付いてしまった。こいしは言葉に詰まった。
嘘でも大好きな姉の事を、大嫌いと言えない良い子!!!!なんてな、良い子はオーブン壊さないのでやっぱり悪い子!!!
でも、オーブンだけで人格を決めてしまうなんて人のエゴだよ。
「こいし?」
「ううん、お姉ちゃんは頑張ったよね。頑張った結果が悪くても過程が大事な時もあるよね……苦い」
こいしはスプーンでひとすくいし、炭になった生クリームを口に運んだ。
口の中で広がる味はキシキシと軋む苦味を伴なった。
「……こいし、そのごめんね。イチゴは死守してあるから大丈夫」
「お姉ちゃん、それはもうケーキじゃなくてフルーツなんじゃないかな?」
新鮮なイチゴを摘んで来て綺麗に洗い水を切る。それからへたと丁寧に分離したそんな状態である。
ショートケーキになるべくして産まれたその身をフルーツの落人として身を落としてしまって居る。
イチゴが何を思って居るかは、さとりですら読むことが出来なかった。
もしも、この時心が読めてればイチゴが目撃したポルターガイストについてさとれたかも知れない。
おぅこれはぁ、えっと、これはもしかして。これがそうなの?お姉ちゃん
この辺がまだ炭になってないから食べられるわ
なるぽとね。まだスボンシが少し生きてる。でも生クリームまでもどうやった炭になるの?
『何故かってそれは、ケーキを焼こうと思ったらオーブンが壊れていたから、地底の地熱を使って焼こうとしてこうなったの』
灼熱地獄ようこそ、あ。そこは駄目だって。言っては無いけど。そこはあっついよ。
なおオーブンを壊したのは、こいしだったのはまだばれてない。ばれる予報で言えば、今夜のばれる確率は10%でオチでこいしが犯人として逮捕されることは無いでしょう。明日以降のばれる予報もおおむね10%でばれる見込みは無い模様です。
厨房で『お化けが居るよ。ウィルオウィスプ世ルフポルターガイストごっこ地霊殿冬の陣』とかと称して、1人気配を消してオーブンのフタがぶっ壊れるまで開け閉め開閉開閉を繰り返した結果だった。
そして、途中からポルターガイストという設定よりもバンバン開閉する音でハルトマンを再現しようとして、一番盛り上がるところで力いっぱいにやったんだ。
べコォ、っていう破壊音と共に壊れ落ちたフタについて何かコメントはというと、何もない。
「こいし、この生クリームはその」
「お姉ちゃん、これ以上の言い訳は聞きたくないよ。言い訳ばかりしているしているお姉ちゃんは、えっと」
大嫌いだよ。と言おうとしたけれど、それは本当の気持ちじゃないことに気が付いてしまった。こいしは言葉に詰まった。
嘘でも大好きな姉の事を、大嫌いと言えない良い子!!!!なんてな、良い子はオーブン壊さないのでやっぱり悪い子!!!
でも、オーブンだけで人格を決めてしまうなんて人のエゴだよ。
「こいし?」
「ううん、お姉ちゃんは頑張ったよね。頑張った結果が悪くても過程が大事な時もあるよね……苦い」
こいしはスプーンでひとすくいし、炭になった生クリームを口に運んだ。
口の中で広がる味はキシキシと軋む苦味を伴なった。
「……こいし、そのごめんね。イチゴは死守してあるから大丈夫」
「お姉ちゃん、それはもうケーキじゃなくてフルーツなんじゃないかな?」
新鮮なイチゴを摘んで来て綺麗に洗い水を切る。それからへたと丁寧に分離したそんな状態である。
ショートケーキになるべくして産まれたその身をフルーツの落人として身を落としてしまって居る。
イチゴが何を思って居るかは、さとりですら読むことが出来なかった。
もしも、この時心が読めてればイチゴが目撃したポルターガイストについてさとれたかも知れない。