「最後の勇気が出ない、と言うじゃない?」
「はい?」
地霊殿の奥深く、書斎にて。
資料を広げながら呟いた主人の言葉に、ハタキをかけていた飼い猫は呆けて返した。
「また、妙な事を言い出しましたね」
「酷い言われようね。私のような弱い妖怪は悲しくて泣いてしまうわ」
いつもの顔で声だけ僅かながら悲しげに言う様に、最早大した感情の機微もない。
お燐にとって、こういった会話は日常であった。
古明地さとりは思いついた事をその場で吐き出す類の者であるから、今回のようにお燐や、或いは鴉の霊烏路空、お空などがいるとそれなりの頻度で起きるのである。そして、お空はさとりの言葉を大して理解せず返答してしまうので、大抵さとりが彼女の頭を撫でて会話が終わる。結果的に、問答が起きるのは決まってお燐のいる時であった。
お燐はそれなりに頭の回る妖怪である。それは、彼女が元来そういう頭脳を持つことによるものでもあったが、三割程度は主人の存在が大きいものとしてあった。さとりに影響されて成長したお燐は、ある程度までなら彼女の思考を理解することができるようになっていたのである。そのため、会話を楽しませる程度のことはできていた。
今回のテーマは「最後の勇気が出ない」である。この題も、いつもと大差ないものである。したがって、お燐の態度もまたいつも通りであった。
「それで、さとり様はなんで急にそんな事を言い出したんです」
「いえね、この前地上に行った時にそういうことがあったのよ」
ただ、今回の話は少し違った。
いつもはただの思いつき。空想の中の仮定の話。だって、さとり様は家を出ない。
だが、今回は現実の話。さとり様が関わった、どこかの誰かの物語。
火焔猫燐は、その全てを聞いて言った。
「人にとって人というのは、同胞ということですから。人間であったとして、そいつは人だったのかどうか」
さとりはただ笑って返した。
「人でもなく妖怪でもない、男の行方は誰も知らないのね」
※
雨が降る。夏特有の、大地のにおいを晒す水が落ちる。
その勢いは四季の中でも苛烈で、冬の冷たさに勝るとも劣らない脅威として、明確な対抗手段を必要とするものであった。
朽ちて森に消えた寺の、かろうじて形を残す伽藍堂。最早信仰宿らぬその下で、一人の少女が雨止みを待っていた。
周囲に集落などなく、また、人のいないところに妖はいない。
しかし、少女のいる伽藍堂の奥には気配があった。人の気配である。それも、女子供でなく、強い存在感を示す気配であった。
このような場所、まともな人がいるはずもない。なぜならば、ここの近くには地底への入口がある。かつて地上に辟易した、鬼を筆頭とした妖怪が潜む場所に人は集まらぬものである。
野盗か、或いは駆け落ちか。
心底面倒そうなため息とともに、少女は奥の誰かに声をかけた。
「もしもし、そこのお方。このようなところで何をされているのです」
影が少し動いた。どうやら座禅を組んでいたらしく、固くなったと思われる体をおもむろに動かして、軒下の明るみに出る。
汚れた服、伸びてばかりの髪に髭。少なくとも、文化的な生活を送れているとは思えない風貌の男がそこにあった。最初の動作から僧侶の類かと一瞬穏やかな心持ちになったが、どうやらそんな事はなかったようで、少女は再び面倒をため息にした。
「どういったご身分で?」
「俺は野盗をやっていた者だ。あぁ、そちらはどうやら人間でないように見受けられる。一つ問いたい。人を喰うか、喰わないか」
「食べませんよ。私はそういう妖怪ではありませんから」
「ならばよし。すまない、人を喰う奴ならば我が身が危ういでな」
「いえ、人間でしたら妥当な判断でしょう」
「ところで、貴殿はどうやら知恵者らしいから、一つ相談に乗ってみてはくれまいか」
予想だにしない言葉に、少女は思わず目を見開いた。
少女はさとり妖怪である。心を読むことができる。しかし、少女の元来の性格から平常時は瞳を閉じて、自身の頭で心を読むことに努めていた。実際その効果はあるもので、今回地上に来る前にあった仕事では瞳を殆ど使わずに解決まで導いたのである。
だが、今の言葉は少女にも予想できないものであった。
人喰いであるかどうかの確認を取ったとはいえ、妖怪を相手に相談など正気の沙汰ではない。人喰いでないというのが嘘かもしれず、よしんば嘘でなかったとして、妖怪が何をするかなどわかったものではない。
男には如何なる理由があって、斯様な愚行に及ぶのか。少女の興味を誘った事は言うまでもなく、すぐさま平静を得て、いつもの調子で会話を続けた。
「野盗と問答とは物騒な事で」
「何を隠そう、相談というのはそこなのだ」
「どこです?」
「俺が野盗だという事だ。野盗であったと言うべきか否か、少々困るところではあるが」
言葉を濁らせる野盗に、少女は怪訝な顔で返した。
「つまり?」
「俺はこれまで野盗をやってきた。人の世に仇為す者であった。だが、ここにきて妙な悟りを得てしまってな。悪事は虚しいもので、善行を為すべきであると思ったわけだ」
「今更都合の良いことを仰るのですね」
「都合の良い話である事は重々承知の上だ。そうなんだが、当然世が俺を受け入れぬ事は怖い。全てが因果応報であるために、俺は最後の一歩を踏み出すことができずにいる」
「それで、私に何を相談しようと?」
「最早俺には相談できる相手はいない。妖怪でもよいから、話せば活路を見出せるのではないかとな」
「そんな事はありませんがいいでしょう。雨が止むまでは、付き合いますよ」
「かたじけない。ところで、貴殿は悪事を為す者か?」
「悪といえば悪ですし、違うといえば違う。曖昧な所にいる半端者です」
ぼんやりと空を見つめて、少女は漏らすように答えた。
その姿はやはり年相応でなく、男はこの妖怪がそこらの木端共とは違うのだとここではっきりと理解する。そして、今日この時にそのような妖怪と出会えた自身の僥倖に感謝した。
「俺は、生まれは大層悲惨であった。母親は俺を産んで死に、父親は5つになった頃に何処かへ消えた。何も持たぬ子供が生きるには、悪事をするほかなかった」
「かといって、悪事が許されるわけではない」
「そう、悪は悪だ。更に言えば、俺は歳をとって真面目に働こうと思えばそうできたものを、悪人である事を選んだ。生粋の悪党であり、はっきり言って救いを得られる身ではない」
「あらゆる善人が貴方を拒絶するでしょうね」
「俺はどうすればいいのだろうか。自身の愚かしさに気づいてしまった今、悪人でいることに耐えられず、善人となるには悪に染まりすぎてしまった」
大層な難問である。
どこぞの寺の聖人であれば、それでも善を為すことを勧めるであろうが、現実的に考えて良くて死に、悪して生地獄。マトモな頭を持つ者であれば、それを勧める事はない。
かと言って、悪であることを勧めても男が納得しない事はわかり切っている。
どうしようもない状況である。或いは、自身の愚かしさに気づくという事こそが男への応報なのかもしれない。全ては、あまりにも遅すぎたのである。
しかし、少女は悩む様子もなく、大した間を置く事もなく問いに答えた。
「私から提示できる選択肢は二つ」
「二つもあるのか? それは良い。聞かせてくれ」
「一つは、悪への悪となる事。即ち、世の悪党を殺し善人を救う影となる事」
「それは……ふむ、善といえば善か。もう一つは?」
「今生は諦めて、妖怪か何かに身を捧げる事。捨身飼虎というやつですね。果たして人の世に善行を為せないならば、別の生類の助けとなるもまた答えかと」
「ふむ、そちらはちと理解し難いな。よし、俺の腹積りは決まったぞ。悪を殺す悪となろう。最早この身は地獄に堕ちるのみ。善人の為に殺生を重ねるもまた良きかな」
「意外と早く問答が終わりましたね。雨はまだ降っている」
「妖怪よ、助かった。礼を言う。それでは俺は行くよ。一刻も早く善行を為し、善人を救わねばならぬ」
「最後の一歩を踏み出せたようで、良かった」
「あぁ。では、さらばだ。恐らくはもう会う事もないだろうが、貴殿のことは忘れない」
男が素早く雨の中へと消えていく。明るい空の下でも、雨と森に覆われてしまえば、人一人が隠れてしまうには十分である。
少女はそれをただ見送って、雨を待つまで伽藍堂でただ座って待つばかりであった。
「そういえば伝えていませんでしたね」
わざとらしく呟いた。
「この辺りは、誰も寄り付かないから野盗どもの巣窟となっている。とりわけここは目立つから、人がいれば気づかぬはずもない」
遠くより雄叫びが聞こえた。
「妖怪を襲うほど馬鹿ではありませんが、人を容易く殺す程度には狡賢い連中です」
二つの悲鳴が聞こえた。
「あぁ、どうやら一人は殺せたようで。良かったですね、善行を為せた」
声は聞こえなくなった。
「その上、その身を妖怪や獣に捧ぐ善行まで為せた。大層な人物では御座いませんか」
雨が止んだ。
「ここに来た時点で、死ぬ事は決まっていたようなもの。最後に二つも善行を為せて良かったと思いますよ」
少女はゆっくりと立ち上がると、歩き始めた。
誰もいなくなった伽藍堂に人の気配はなく、足跡もいつかの雨にゆっくりと消されて誰もいなかったかのようになっていく。
ここには人などいなかった。いたのは一人の妖怪と、一匹の愚かな獲物。
狙っていたのは、妖怪ではなかったけれど。
少女の行方は、誰も知らない。
「はい?」
地霊殿の奥深く、書斎にて。
資料を広げながら呟いた主人の言葉に、ハタキをかけていた飼い猫は呆けて返した。
「また、妙な事を言い出しましたね」
「酷い言われようね。私のような弱い妖怪は悲しくて泣いてしまうわ」
いつもの顔で声だけ僅かながら悲しげに言う様に、最早大した感情の機微もない。
お燐にとって、こういった会話は日常であった。
古明地さとりは思いついた事をその場で吐き出す類の者であるから、今回のようにお燐や、或いは鴉の霊烏路空、お空などがいるとそれなりの頻度で起きるのである。そして、お空はさとりの言葉を大して理解せず返答してしまうので、大抵さとりが彼女の頭を撫でて会話が終わる。結果的に、問答が起きるのは決まってお燐のいる時であった。
お燐はそれなりに頭の回る妖怪である。それは、彼女が元来そういう頭脳を持つことによるものでもあったが、三割程度は主人の存在が大きいものとしてあった。さとりに影響されて成長したお燐は、ある程度までなら彼女の思考を理解することができるようになっていたのである。そのため、会話を楽しませる程度のことはできていた。
今回のテーマは「最後の勇気が出ない」である。この題も、いつもと大差ないものである。したがって、お燐の態度もまたいつも通りであった。
「それで、さとり様はなんで急にそんな事を言い出したんです」
「いえね、この前地上に行った時にそういうことがあったのよ」
ただ、今回の話は少し違った。
いつもはただの思いつき。空想の中の仮定の話。だって、さとり様は家を出ない。
だが、今回は現実の話。さとり様が関わった、どこかの誰かの物語。
火焔猫燐は、その全てを聞いて言った。
「人にとって人というのは、同胞ということですから。人間であったとして、そいつは人だったのかどうか」
さとりはただ笑って返した。
「人でもなく妖怪でもない、男の行方は誰も知らないのね」
※
雨が降る。夏特有の、大地のにおいを晒す水が落ちる。
その勢いは四季の中でも苛烈で、冬の冷たさに勝るとも劣らない脅威として、明確な対抗手段を必要とするものであった。
朽ちて森に消えた寺の、かろうじて形を残す伽藍堂。最早信仰宿らぬその下で、一人の少女が雨止みを待っていた。
周囲に集落などなく、また、人のいないところに妖はいない。
しかし、少女のいる伽藍堂の奥には気配があった。人の気配である。それも、女子供でなく、強い存在感を示す気配であった。
このような場所、まともな人がいるはずもない。なぜならば、ここの近くには地底への入口がある。かつて地上に辟易した、鬼を筆頭とした妖怪が潜む場所に人は集まらぬものである。
野盗か、或いは駆け落ちか。
心底面倒そうなため息とともに、少女は奥の誰かに声をかけた。
「もしもし、そこのお方。このようなところで何をされているのです」
影が少し動いた。どうやら座禅を組んでいたらしく、固くなったと思われる体をおもむろに動かして、軒下の明るみに出る。
汚れた服、伸びてばかりの髪に髭。少なくとも、文化的な生活を送れているとは思えない風貌の男がそこにあった。最初の動作から僧侶の類かと一瞬穏やかな心持ちになったが、どうやらそんな事はなかったようで、少女は再び面倒をため息にした。
「どういったご身分で?」
「俺は野盗をやっていた者だ。あぁ、そちらはどうやら人間でないように見受けられる。一つ問いたい。人を喰うか、喰わないか」
「食べませんよ。私はそういう妖怪ではありませんから」
「ならばよし。すまない、人を喰う奴ならば我が身が危ういでな」
「いえ、人間でしたら妥当な判断でしょう」
「ところで、貴殿はどうやら知恵者らしいから、一つ相談に乗ってみてはくれまいか」
予想だにしない言葉に、少女は思わず目を見開いた。
少女はさとり妖怪である。心を読むことができる。しかし、少女の元来の性格から平常時は瞳を閉じて、自身の頭で心を読むことに努めていた。実際その効果はあるもので、今回地上に来る前にあった仕事では瞳を殆ど使わずに解決まで導いたのである。
だが、今の言葉は少女にも予想できないものであった。
人喰いであるかどうかの確認を取ったとはいえ、妖怪を相手に相談など正気の沙汰ではない。人喰いでないというのが嘘かもしれず、よしんば嘘でなかったとして、妖怪が何をするかなどわかったものではない。
男には如何なる理由があって、斯様な愚行に及ぶのか。少女の興味を誘った事は言うまでもなく、すぐさま平静を得て、いつもの調子で会話を続けた。
「野盗と問答とは物騒な事で」
「何を隠そう、相談というのはそこなのだ」
「どこです?」
「俺が野盗だという事だ。野盗であったと言うべきか否か、少々困るところではあるが」
言葉を濁らせる野盗に、少女は怪訝な顔で返した。
「つまり?」
「俺はこれまで野盗をやってきた。人の世に仇為す者であった。だが、ここにきて妙な悟りを得てしまってな。悪事は虚しいもので、善行を為すべきであると思ったわけだ」
「今更都合の良いことを仰るのですね」
「都合の良い話である事は重々承知の上だ。そうなんだが、当然世が俺を受け入れぬ事は怖い。全てが因果応報であるために、俺は最後の一歩を踏み出すことができずにいる」
「それで、私に何を相談しようと?」
「最早俺には相談できる相手はいない。妖怪でもよいから、話せば活路を見出せるのではないかとな」
「そんな事はありませんがいいでしょう。雨が止むまでは、付き合いますよ」
「かたじけない。ところで、貴殿は悪事を為す者か?」
「悪といえば悪ですし、違うといえば違う。曖昧な所にいる半端者です」
ぼんやりと空を見つめて、少女は漏らすように答えた。
その姿はやはり年相応でなく、男はこの妖怪がそこらの木端共とは違うのだとここではっきりと理解する。そして、今日この時にそのような妖怪と出会えた自身の僥倖に感謝した。
「俺は、生まれは大層悲惨であった。母親は俺を産んで死に、父親は5つになった頃に何処かへ消えた。何も持たぬ子供が生きるには、悪事をするほかなかった」
「かといって、悪事が許されるわけではない」
「そう、悪は悪だ。更に言えば、俺は歳をとって真面目に働こうと思えばそうできたものを、悪人である事を選んだ。生粋の悪党であり、はっきり言って救いを得られる身ではない」
「あらゆる善人が貴方を拒絶するでしょうね」
「俺はどうすればいいのだろうか。自身の愚かしさに気づいてしまった今、悪人でいることに耐えられず、善人となるには悪に染まりすぎてしまった」
大層な難問である。
どこぞの寺の聖人であれば、それでも善を為すことを勧めるであろうが、現実的に考えて良くて死に、悪して生地獄。マトモな頭を持つ者であれば、それを勧める事はない。
かと言って、悪であることを勧めても男が納得しない事はわかり切っている。
どうしようもない状況である。或いは、自身の愚かしさに気づくという事こそが男への応報なのかもしれない。全ては、あまりにも遅すぎたのである。
しかし、少女は悩む様子もなく、大した間を置く事もなく問いに答えた。
「私から提示できる選択肢は二つ」
「二つもあるのか? それは良い。聞かせてくれ」
「一つは、悪への悪となる事。即ち、世の悪党を殺し善人を救う影となる事」
「それは……ふむ、善といえば善か。もう一つは?」
「今生は諦めて、妖怪か何かに身を捧げる事。捨身飼虎というやつですね。果たして人の世に善行を為せないならば、別の生類の助けとなるもまた答えかと」
「ふむ、そちらはちと理解し難いな。よし、俺の腹積りは決まったぞ。悪を殺す悪となろう。最早この身は地獄に堕ちるのみ。善人の為に殺生を重ねるもまた良きかな」
「意外と早く問答が終わりましたね。雨はまだ降っている」
「妖怪よ、助かった。礼を言う。それでは俺は行くよ。一刻も早く善行を為し、善人を救わねばならぬ」
「最後の一歩を踏み出せたようで、良かった」
「あぁ。では、さらばだ。恐らくはもう会う事もないだろうが、貴殿のことは忘れない」
男が素早く雨の中へと消えていく。明るい空の下でも、雨と森に覆われてしまえば、人一人が隠れてしまうには十分である。
少女はそれをただ見送って、雨を待つまで伽藍堂でただ座って待つばかりであった。
「そういえば伝えていませんでしたね」
わざとらしく呟いた。
「この辺りは、誰も寄り付かないから野盗どもの巣窟となっている。とりわけここは目立つから、人がいれば気づかぬはずもない」
遠くより雄叫びが聞こえた。
「妖怪を襲うほど馬鹿ではありませんが、人を容易く殺す程度には狡賢い連中です」
二つの悲鳴が聞こえた。
「あぁ、どうやら一人は殺せたようで。良かったですね、善行を為せた」
声は聞こえなくなった。
「その上、その身を妖怪や獣に捧ぐ善行まで為せた。大層な人物では御座いませんか」
雨が止んだ。
「ここに来た時点で、死ぬ事は決まっていたようなもの。最後に二つも善行を為せて良かったと思いますよ」
少女はゆっくりと立ち上がると、歩き始めた。
誰もいなくなった伽藍堂に人の気配はなく、足跡もいつかの雨にゆっくりと消されて誰もいなかったかのようになっていく。
ここには人などいなかった。いたのは一人の妖怪と、一匹の愚かな獲物。
狙っていたのは、妖怪ではなかったけれど。
少女の行方は、誰も知らない。
なんの試験かは知りませんがルールを読もう。