Coolier - 新生・東方創想話

秘封警察24時

2021/12/31 02:04:45
最終更新
サイズ
1.43KB
ページ数
1
閲覧数
1457
評価数
13/20
POINT
1580
Rate
15.29

分類タグ

私が配属先で初めて乗ったパトカーは蓮子だった。

私は警察学校を卒業した後、結界の境目を見る能力を買われて特命秘封隊へと配属された。
そこで私のパートナーとして当てがわれたのが、この蓮子だったのだ。

彼女は部隊の中でも特に変わり者で、命令を無視することも度々ある。
実際に初めて蓮子に試乗した時はさんざんだった。
四条の辺りで蓮子は私の言うことも聞かず、勝手に予定のルートを外れて走り出したのだ。
そのせいで後で上司には、勤務中に寄り道とは何事だ、私情を挟むんじゃないとこっぴどく叱られた。

彼女には昔不良だったという噂もある。
確かに彼女の勤務態度はひどいものだ。しかし別にグレていたという訳ではないらしい。
むしろやたらと陽気に私に絡んでくるので、本当に不良だったのか疑わしくなってくる。
つい先日のクリスマスの日には、蓮子が回転灯を光らせて「メリークリスマス、メリークリスマス」と連呼しながら走り寄ってきた。
可愛げがある…と言えなくもないかもしれない。

彼女は最新型だが、所々システムが全時代的だ。
パトカーなのに近年のS-GPSシステムを積んでいない。
彼女曰く、そんなものを使わなくても空を見れば自分の正確な場所と時間が分かるらしい。
どんな特殊能力よ。気持ち悪い。



今夜も私たちは二人で市内をパトロールする。
いつものように、唐突に緊急無線が車内に響く。

《京都本部より上京05、戻橋付近で結界の揺らぎを観測、直ちに現場に急行せよ。》
《上京05了解、直ちに急行する。》

あらら今日も大変そうね。
「蓮子、急いで向かうわよ、ほらサイレン鳴らして!」
「おっけー、メリー!」

〈宇〜〜〜〜〜〉

大晦日の深夜も、私たちは走り続ける。





最後のをどうしても言いたかった()
しらゆい
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.330簡易評価
1.90柏屋削除
3ヶ月くらい給料無しで生活してそう系蓮子
2.90奇声を発する程度の能力削除
面白かったです
4.100水十九石削除
やられた
5.100名前が無い程度の能力削除
面白すぎました。もうだめです。
6.80名前が無い程度の能力削除
良い一発ネタでした。大晦日特番秘封倶楽部
7.100サク_ウマ削除
比喩じゃなかったの!?!?!?
負けました。もう100点でいいよ!!!もってけ!!!!!
9.90夏後冬前削除
今年一番笑った
10.100KoCyan64削除
「宇〜〜〜〜〜」で腹がよじきれるほど笑いました
11.100南条削除
面白かったです
宇〜〜〜〜〜じゃないんだわ
12.100名前が無い程度の能力削除
笑いました
13.100モブ削除
これは逮捕しちゃうぞ。
オチがいいなあ。こういうの書けるのは羨ましいです。
ご馳走様でした。
14.100キタノジェネラル削除
声出して笑いました
20.100鈴木孫一削除
これは面白すぎる