断言しておくと、メリーの名前は「マエリベリー」じゃない。もっとずっと理解し難い、狂わされるような音節の羅列だ。
初めて見たとき、「にゃーん(形容し難い音節を社会性フィルターに通した音)・ハーンよ」という彼女の自己紹介を横で聞いていて思わず声を上げなかった私を誉めてほしい。その後「マエリベリーさんね(全然違う)」と平然と応えた知らない女子には、何をどうしたらそう聞こえるのかと困惑した。「ちょっと違うわね(ちょっとどころではない)。にゃーん(形容し難い音節を社会性フィルターに通した音)……いえ、ハーンと呼んでもらっても?」と続けられた言葉にはもはや理解できずに気が遠くなった。ダイスロール失敗。状態:気絶。
思うに、現代人は好奇心を忘れてしまったが故にメリーの名前を聞き取ることができなくなったのではないだろうか。正常性バイアスという言葉がある。なにか既存の認識に反することがあったとき、それに気付くことを拒否する傾向がどうやら人間にはあるらしい。私の場合は親戚筋の菫子ばーちゃん(年齢不詳。自称・妖怪見習い)からそういうものがいるって話をいっぱい聞いてきていたから聞き取れたというだけで、未知を拒絶する現代の風土ではメリーの名前を聞き取れる方が珍しいんだろう。
正しい変化ではあると思う。名前を聞くたび泡を吹いて発狂するよりは、少なくともずっと健全だ。
だけど、私みたいなオカルトかぶれにはつまらない方向性だな、とも思った。
……それはそれとして、メリーはなんであれを発音できていて、しかも平然としているんだろう。
メリーはお金持ち。某駅前の高層マンション、上層階での一人暮らし。何かの買い物で金銭面に悩んだところなんて見たことがない。
メリーの親戚筋は不明。たぶん誰も知らないと思う。海外にいるんじゃって噂だけれど、それも怪しいと私は思ってる。サークル活動で結構長い付き合いだけど、メリーが外国語を話してるところを見たことはない。親と電話する場面も同様。
オカルトは結構好きみたいだけど、あんまり詳しいわけではない。貞子も花子もメリーさん(都市伝説の方)も、私に聞くまで知らなかった。これについては、メリーは情報収集にあんまり積極的じゃないから、そのせいなんじゃないかと思う。境界を映すその目があれば知識がなくても楽しめるから、その影響もあるのかなと思う。
というか、メリーはそもそものところがぽんこつ。勉強もできるし社交性もあるけど隠れ社会不適合なタイプ。冷蔵庫には賞味期限の切れて随分経っている食品が並んでいる(指摘したら青ざめて全部ゴミ袋に投げ入れた)し、包丁の持ち方は指を切りそうではらはらする(持ち方教えたら感激したとでも言いそうな顔で見てきた。よせやい)し、疑似天然繊維製の緩長袖服で火を扱う(それ引火するから!って言って止めさせた)し、気付いたら明らかに詐欺と見て分かるセミナーに吸い込まれるように歩いていく(説教した)。よくこれで生きてこれたなと思う。どこぞの箱入りお嬢様か、それこそ不死者でもやっていたのかなどとも思う。これは流石に冗談だけど。
学生証はマエリベリー名義。見かけてから間もない頃はよくそれを眺めて嘆息していた。部屋の表札は「ハーン」とだけで、私以外から呼ばれるときも「ハーンさん」。たぶん「マエリベリー」の当て字のことは、あんまり好きじゃないんだと思う。
あとメリーはよく泣く。それはもう泣く。教室や校内SNSで「清楚」「純真すぎて目が潰れる」「高嶺の花」とめちゃくちゃ褒めそやされてる自覚がないのかと疑問になるくらいめちゃくちゃ泣く。「私は名前を上手く発音できそうにないからメリーって呼んでいい?」って訊いたら泣くし、「オカルトサークル立ち上げようと思ってるんだけど、どう?」って訊いてもまた泣くし、「え、そんな変わったものが見えるなんて最高じゃない?」って言ったら泣くし、「夢の中から持って帰った!? えっすごいすごいめっちゃ興味ある今度見せてっていうか何なら今からメリーんち行っていい!?」なんて言ったらもはや一時間ぐらい泣き止まなかった。なんで? 理由を聞いたら赤くなってそっぽ向かれた。なんで???
以上のことを書き連ねてみるに、やっぱり私はメリーのことをあまりよく知らないらしい。具体的には、メリーの正体に近づけそうな情報がない。気にするなと言えばそれまでだが、気になったものはしょうがない。そういった小さな引っかかりを大事にするのが私達、秘封俱楽部だ。脳内のイマジナリーメリーが「蓮子みたいな情報フェチ型クソ理系と一緒にしないで!?」と絶叫したがこれは気にしないことにする。
一学生の身にはこの難題は重すぎるので、真・裏ルートを使うことにした。普段使っている裏表ルートとは違い現実世界の情報を重んじる、満月級に危険なソースだ。
あらゆる個人情報を網羅しているとされているそこに、「マエリベリー・ハーン」の文字列を打ち込み検索をかける。私と同じ大学名。メリーの今住んでるマンション名。年齢も知ってる情報通り。これは問題ない。興味があるのはその家族構成なの『該当なし』なんて?
いや、該当なしというのは有り得ないことじゃない。捨て子とかが児童養護施設に送り付けられたときなどがその典型だ。でもメリーが孤児院育ちなのは想像できない。なにせあの生活力のなさだ。流石にそういうとこ育ちならある程度は教わるはずだし。
経歴欄を開く。最低限しか見ないようにと思ってたけど、でももうそうは言ってられない。出身は「児童養護施設 やくも園」。検索をかけると長野の山奥にサジェストが出た。
公式ページがあったので見てみる。代表者は八雲紫というらしい。服装は胡散臭いけど代表挨拶は案外普通だ。メリーの帽子に似た系統の帽子を被っているけれど、あれはメリーが憧れて真似したのだろうか。
本業は天然野菜栽培。利益を社会に還元するために施設を始めたと書いてある。なるほど確かに合成食が普通になった現代において、天然野菜は超高級な娯楽食だ。そこの付帯施設ならお金が余っていても別段おかしくはない。それを思えばメリーの箱入りお嬢様感も理解はできるかもしれない。納得はできない。ほんとに教育ちゃんとしてるの?
総合して、一見すると比較的普通の施設だ。山奥にあるということを除けば。地方の山奥なんてもう随分過疎が進んでいて、今ではだいたい廃墟になってると聞いている。マップを見るに、やくも園の近辺はしっかり街と田畑が広がっているから案外過疎ってもなさそうだけど、それでも珍しいのは珍しいし、それになんだか違和感がある。
……航空写真マップに手を出して、理由が分かった。街に電線が走ってない。どころか街灯すら見当たらない。つまりその街はこのご時世に、電気が通っていないのだ。まるでそこだけ時代に取り残されたみたいだった。私が違和感を抱けたのは、写真の中のやくも園の手前に、電線が写り込まなかったからだと思う。
私がぞっとするのと同時、真・裏ルートから検索終了との通知が来た。表示された名前は同姓同名が二件、片方は三十年前に失踪したとされるデータ。顔写真には、今のメリーと瓜二つの顔が写っていた。
正直、だいたい察したと言わなければ嘘になる。けれど念のため、確証が欲しいと思って私は裏表ルートを「やくも園」の名前で検索した。
複数件のヒットにざっと目を通す。
『――やくも園代表は六十年間年を取った様子がない』。
『――やくも園出身者はオカルト好きが多い』。
『――やくも園出身者はたいてい三十前後で失踪する』。
……なるほどと一つ頷いて、私はPCをそっ閉じした。
秘密を暴くのはオカルトサークルの嗜みだが、大事な秘密は口にしないのがオカルトサークルの慎みである。
などと格好つけたモノローグをしたが、まさかメリーがその身をもって自白するとは思わなかった。
「違うのよ蓮子、これは違うの」とメリーは必死に言っているが、うっかり包丁で指を落とした結果するりと自動自己再生を果たすことの何が違うと思っているのかは是非教えてほしい。そのぽんこつぶりでよく人間のふりができていたなと思ったけれど、世の人間の正常性バイアスは相当なものらしいので案外そんなものかもしれない。
ともあれ、メリーが人間じゃなかったからって気にすることがあるのだろうか。私達はオカルトサークルなのだから、むしろ身近に怪異があることを喜ぶべきなんじゃないだろうか。いやそのことを今まで隠されていたことは地味に結構ショックだったけど。
そんな感じのことを私が言うと、メリーはとうとう泣き出してしまった。なんで?
朝起きると私の家にメリーがいた。なんで?
朝食を作ってくれていたらしい。だからなんで???
初めて見たとき、「にゃーん(形容し難い音節を社会性フィルターに通した音)・ハーンよ」という彼女の自己紹介を横で聞いていて思わず声を上げなかった私を誉めてほしい。その後「マエリベリーさんね(全然違う)」と平然と応えた知らない女子には、何をどうしたらそう聞こえるのかと困惑した。「ちょっと違うわね(ちょっとどころではない)。にゃーん(形容し難い音節を社会性フィルターに通した音)……いえ、ハーンと呼んでもらっても?」と続けられた言葉にはもはや理解できずに気が遠くなった。ダイスロール失敗。状態:気絶。
思うに、現代人は好奇心を忘れてしまったが故にメリーの名前を聞き取ることができなくなったのではないだろうか。正常性バイアスという言葉がある。なにか既存の認識に反することがあったとき、それに気付くことを拒否する傾向がどうやら人間にはあるらしい。私の場合は親戚筋の菫子ばーちゃん(年齢不詳。自称・妖怪見習い)からそういうものがいるって話をいっぱい聞いてきていたから聞き取れたというだけで、未知を拒絶する現代の風土ではメリーの名前を聞き取れる方が珍しいんだろう。
正しい変化ではあると思う。名前を聞くたび泡を吹いて発狂するよりは、少なくともずっと健全だ。
だけど、私みたいなオカルトかぶれにはつまらない方向性だな、とも思った。
……それはそれとして、メリーはなんであれを発音できていて、しかも平然としているんだろう。
メリーはお金持ち。某駅前の高層マンション、上層階での一人暮らし。何かの買い物で金銭面に悩んだところなんて見たことがない。
メリーの親戚筋は不明。たぶん誰も知らないと思う。海外にいるんじゃって噂だけれど、それも怪しいと私は思ってる。サークル活動で結構長い付き合いだけど、メリーが外国語を話してるところを見たことはない。親と電話する場面も同様。
オカルトは結構好きみたいだけど、あんまり詳しいわけではない。貞子も花子もメリーさん(都市伝説の方)も、私に聞くまで知らなかった。これについては、メリーは情報収集にあんまり積極的じゃないから、そのせいなんじゃないかと思う。境界を映すその目があれば知識がなくても楽しめるから、その影響もあるのかなと思う。
というか、メリーはそもそものところがぽんこつ。勉強もできるし社交性もあるけど隠れ社会不適合なタイプ。冷蔵庫には賞味期限の切れて随分経っている食品が並んでいる(指摘したら青ざめて全部ゴミ袋に投げ入れた)し、包丁の持ち方は指を切りそうではらはらする(持ち方教えたら感激したとでも言いそうな顔で見てきた。よせやい)し、疑似天然繊維製の緩長袖服で火を扱う(それ引火するから!って言って止めさせた)し、気付いたら明らかに詐欺と見て分かるセミナーに吸い込まれるように歩いていく(説教した)。よくこれで生きてこれたなと思う。どこぞの箱入りお嬢様か、それこそ不死者でもやっていたのかなどとも思う。これは流石に冗談だけど。
学生証はマエリベリー名義。見かけてから間もない頃はよくそれを眺めて嘆息していた。部屋の表札は「ハーン」とだけで、私以外から呼ばれるときも「ハーンさん」。たぶん「マエリベリー」の当て字のことは、あんまり好きじゃないんだと思う。
あとメリーはよく泣く。それはもう泣く。教室や校内SNSで「清楚」「純真すぎて目が潰れる」「高嶺の花」とめちゃくちゃ褒めそやされてる自覚がないのかと疑問になるくらいめちゃくちゃ泣く。「私は名前を上手く発音できそうにないからメリーって呼んでいい?」って訊いたら泣くし、「オカルトサークル立ち上げようと思ってるんだけど、どう?」って訊いてもまた泣くし、「え、そんな変わったものが見えるなんて最高じゃない?」って言ったら泣くし、「夢の中から持って帰った!? えっすごいすごいめっちゃ興味ある今度見せてっていうか何なら今からメリーんち行っていい!?」なんて言ったらもはや一時間ぐらい泣き止まなかった。なんで? 理由を聞いたら赤くなってそっぽ向かれた。なんで???
以上のことを書き連ねてみるに、やっぱり私はメリーのことをあまりよく知らないらしい。具体的には、メリーの正体に近づけそうな情報がない。気にするなと言えばそれまでだが、気になったものはしょうがない。そういった小さな引っかかりを大事にするのが私達、秘封俱楽部だ。脳内のイマジナリーメリーが「蓮子みたいな情報フェチ型クソ理系と一緒にしないで!?」と絶叫したがこれは気にしないことにする。
一学生の身にはこの難題は重すぎるので、真・裏ルートを使うことにした。普段使っている裏表ルートとは違い現実世界の情報を重んじる、満月級に危険なソースだ。
あらゆる個人情報を網羅しているとされているそこに、「マエリベリー・ハーン」の文字列を打ち込み検索をかける。私と同じ大学名。メリーの今住んでるマンション名。年齢も知ってる情報通り。これは問題ない。興味があるのはその家族構成なの『該当なし』なんて?
いや、該当なしというのは有り得ないことじゃない。捨て子とかが児童養護施設に送り付けられたときなどがその典型だ。でもメリーが孤児院育ちなのは想像できない。なにせあの生活力のなさだ。流石にそういうとこ育ちならある程度は教わるはずだし。
経歴欄を開く。最低限しか見ないようにと思ってたけど、でももうそうは言ってられない。出身は「児童養護施設 やくも園」。検索をかけると長野の山奥にサジェストが出た。
公式ページがあったので見てみる。代表者は八雲紫というらしい。服装は胡散臭いけど代表挨拶は案外普通だ。メリーの帽子に似た系統の帽子を被っているけれど、あれはメリーが憧れて真似したのだろうか。
本業は天然野菜栽培。利益を社会に還元するために施設を始めたと書いてある。なるほど確かに合成食が普通になった現代において、天然野菜は超高級な娯楽食だ。そこの付帯施設ならお金が余っていても別段おかしくはない。それを思えばメリーの箱入りお嬢様感も理解はできるかもしれない。納得はできない。ほんとに教育ちゃんとしてるの?
総合して、一見すると比較的普通の施設だ。山奥にあるということを除けば。地方の山奥なんてもう随分過疎が進んでいて、今ではだいたい廃墟になってると聞いている。マップを見るに、やくも園の近辺はしっかり街と田畑が広がっているから案外過疎ってもなさそうだけど、それでも珍しいのは珍しいし、それになんだか違和感がある。
……航空写真マップに手を出して、理由が分かった。街に電線が走ってない。どころか街灯すら見当たらない。つまりその街はこのご時世に、電気が通っていないのだ。まるでそこだけ時代に取り残されたみたいだった。私が違和感を抱けたのは、写真の中のやくも園の手前に、電線が写り込まなかったからだと思う。
私がぞっとするのと同時、真・裏ルートから検索終了との通知が来た。表示された名前は同姓同名が二件、片方は三十年前に失踪したとされるデータ。顔写真には、今のメリーと瓜二つの顔が写っていた。
正直、だいたい察したと言わなければ嘘になる。けれど念のため、確証が欲しいと思って私は裏表ルートを「やくも園」の名前で検索した。
複数件のヒットにざっと目を通す。
『――やくも園代表は六十年間年を取った様子がない』。
『――やくも園出身者はオカルト好きが多い』。
『――やくも園出身者はたいてい三十前後で失踪する』。
……なるほどと一つ頷いて、私はPCをそっ閉じした。
秘密を暴くのはオカルトサークルの嗜みだが、大事な秘密は口にしないのがオカルトサークルの慎みである。
などと格好つけたモノローグをしたが、まさかメリーがその身をもって自白するとは思わなかった。
「違うのよ蓮子、これは違うの」とメリーは必死に言っているが、うっかり包丁で指を落とした結果するりと自動自己再生を果たすことの何が違うと思っているのかは是非教えてほしい。そのぽんこつぶりでよく人間のふりができていたなと思ったけれど、世の人間の正常性バイアスは相当なものらしいので案外そんなものかもしれない。
ともあれ、メリーが人間じゃなかったからって気にすることがあるのだろうか。私達はオカルトサークルなのだから、むしろ身近に怪異があることを喜ぶべきなんじゃないだろうか。いやそのことを今まで隠されていたことは地味に結構ショックだったけど。
そんな感じのことを私が言うと、メリーはとうとう泣き出してしまった。なんで?
朝起きると私の家にメリーがいた。なんで?
朝食を作ってくれていたらしい。だからなんで???
面白かったです。
あとがきからして恐らく事態の根本的な解決には至っていないのだろうけど蓮子ちゃんが楽しくやっていけるならまあ多分それで良いんだと思います
物語としてはあなたの隣に怪異がいた系のメリーで、きれいにまとまっていると思います。
ただ、意外性が欲しいといいますか、展開がわかりやすすぎるきらいがあったのでもう一捻り欲しかったですね。
冒頭のクトゥルフ……というよりCoCTRPGネタは少々全体から浮いているように感じるのが、少々違和感がありました。
メリーさんはともかくとして、まぁ蓮子も蓮子だな……と
吸い寄せられるようにもう一度読んで納得しながらまた笑ってました。なんで???(この流れも好きです。)
で、秘封としてどうなのかで言うと、悪くないという評になると思います。
使われてる小ネタについては自分が欲してるSF感に合ってて好きでした。メリーの掘り下げに関しては独自性がありましたが、その独自性そのものが好みが分かれるもので、自分はあまり好きじゃなかったです。
あとは紫との関連はもう少しひねれたでしょうし、人外設定は唐突に思えましたた。総じて、メリーのバックボーンとして語るには物足りなかった印象です。
ただ、メリーがお金持ちな設定は単純に解釈一致したのでちょっと嬉しかったです。
あと、題名にもなってるクトゥルフ要素に関して、これは単純にもったいないと感じました。作中で挙げられてるクトゥルフ要素は、主にメタネタとメリーが人外である要素に用いられていますが、上記の通りメリーが人外であるという説明に直接つながる描写がなく、ラストに唐突に語られるだけで説得力に乏しいです。むしろ、ラストに説得力を持たせるために描写を重ねていくべきで、蓮子視点のメタネタで浪費してしまっている場合じゃないだろう、と感じました。あと、せっかくだからクトゥルフ神話の中の何が絡まってきてるのか? というところも知りたかったです。
“やくも園”という設定がツボでした。紫様はなにをしているんだ。野菜を育てていてえらいね。
クトゥルフ要素については、個人的には「趣味としてクトゥルフを嗜んでる蓮子が正体不明のメリーをクトゥルフになぞらえて洒落でそういう表現をした」と解釈したので、そんなに気になりませんでした。
面白かったです。
異形とそれをあっさり受けいれる探索者のコントラストがよかったです。
やくも園の設定も面白かったです。
『――やくも園代表は自らを少女と言い張る』。
やくも園のアレソレすき。それと紫との関係性が地雷に触れなくて良かったですようん。うん。
ファーストコンタクトって大事だと改めて思わされる、軽快さと切れ味がよいお話でした。ご馳走様でした。面白かったです。
蓮子のあの鈍感主人公感が凄くて、でもなんか許される程度だしその微妙なラインついてる感じが面白かったです。