「靈夢の母ちゃん無事か!?」
靈夢の母は既に神社へ着いていた。
魔梨沙と霖之助も神社に到着し、靈夢の母と合流した。
「ええ、魔梨沙ちゃんも霖之助君も無事だったのね」
「そうだな、すごく危なかったぜ」
「ほんとだよ。運が良かったとしか言えないね」
「無事ならそんなのどうでもいいさ!はっはっは!」
靈夢の母は高笑いする。見てるだけで二人は安心する。
神社に付く前、霖之助と魔梨沙は危機に瀕していた。
紫の光線が二人を襲ったのだ。あまりの物量にもうだめかと思ったその時、
紫の光線が突然消滅した。
不思議に思ったが、靈夢によるものとしか考えられない。
「靈夢は一体どうなってるんだ…?」
魔梨沙はまた不安になって口に出してしまう。
「私にも分からないよ。自分の娘なのに」
「…」
「でも、信じてるよ。私の娘は生きてるってね!」
この人と会えて良かった。魔梨沙はそう思った。
「…そうだな!」
ギィィイン!!!
「ひゃあぁあ!!」
「母さん!僕に掴まって!」
紫が本当の力を放ち始めた。
「何だ…あれ…」
「僕も肌で感じる…あれは近づいちゃだめだ…」
まっすぐ立っていられない。あんなのは関わっちゃいけない…!
衝撃波が続く。
「れ、靈夢…」
「母さん!まずは自分の安全を確保してくれ!」
靈夢の母は近くの木に何とかしがみついていた。
「くっ、まだか…」
「おいおい、どうなってんだ…!」
3人がこれ以上続くとどうなるか分からなくなる不安を感じている時―――
衝撃は止まった…
3人は衝撃を耐えきった…。
「皆、大丈夫!?」
「霖之助君、あたしは大丈夫だよ」
「こーりん、私も大丈夫だ」
「そうか、良かった」
霖之助の呼びかけに二人は反応する。
「あんなの反則だろ…」
「これが現実だなんてね…人生生きてみるもんだね。
でも、靈夢はそれでも、負けてないって、それだけは曲げないね!」
頑なに笑顔を崩そうとしない。
「そうだね。母さんの言う通り、靈夢を信じよう。そして、僕たちに今できる事は何かを考えなきゃ!
私達で考えるより今は巫女さんに会ってから考えようよ!」
大げさなくらい手を振って声を張っている。
「…こーりんも、成長したんだな」
「…何?魔梨沙。遠い目をしてるよ」
「いや、別に」
「そう、か」
「まあまあ、お前の言う通りだ。まずは巫女に会ってからだな」
「建物の中にいた方が安全だもんねぇ。木にしがみつくのは勘弁だよ」
三人は頷く。
「よし、行こう!!」
………
木造の建物に足音が響く。
「…誰もいない?」
「人だけがいなくなったって感じだな」
「外には巫女さんいなかったけどね。どこ行ったんだかね」
「隅まで探せばどこかにいるんじゃないかな」
「分かれて探そうよ」
霖之助が提案すると、3人が別々に分かれて
しらみつぶしに部屋を回った。
「巫女さーん」
「おーい巫女さーん」
「巫女様ー」
3人が呼んでも一切返答が来ない。
「ふぅん…どこにいんだろうかねぇ。
魔梨沙ちゃん、霖之助君。ちょっと休憩―――」
「!!。巫女様!!」
霖之助は急に叫びだした。
「こーりんどうした!」
「霖之助君!?」
二人は声の元に駆け寄る。
霖之助は庭にいた。
『!?』
庭に、女性が倒れていた。
脈、呼吸、瞳孔に異常がないか霖之助は即座に確認する。
「…だめだ、死んでいる。脈なし、呼吸もしていない、瞳孔も開いている…」
「遅かったか…これからどうすればいい…」
『…』
「よし、私がマスタースパークで応戦する!こーりん達は神社の中で待ってろ!」
明らかな焦りに霖之助は両手を前に出してストップの合図。
「だめだ、魔梨沙。さっき見ただろう?あんなのマスタースパークでも太刀打ちなんて出来ない」
「ならどうすれば……!」
「まあ、魔梨沙ちゃんも霖之助も休憩しましょう?神社の中でお茶でも飲みましょ!」
「靈夢の母ちゃん!そんな事してる場合じゃ…!」
「魔梨沙、僕たちは今のところ出来る事がない。
下手に動くなら、ゆっくり考えを巡らせた方が合理的だと思う。そうじゃないか?」
魔梨沙は腕を組んで床と天井を交互に見て静かに答える。
「……もっともかもな。そうするか…」
三人は靈夢母主催のティータイムの為、茶の間へと移動した。
………………
「はい、お待たせ!これでも飲んでゆっくりしな!」
「おう、ありがとな」
「ありがとうございます」
靈夢の母が淹れたお茶を二人は飲む。
「ずずっ…、…!美味いな」
「本当だ、美味しい!」
魔梨沙と霖之助は眉を上げ、顔を上げる。
「ありがとね、ここの茶葉が美味しいのかも。巫女様はいい生活をしてたのかね」
「それもそうかもしれないが、靈夢の母ちゃんの淹れ方が上手いって言うのもあるな。
熱すぎないし、余計な苦み・エグみがない」
「そんな褒めなくていいんだよ。いつも通りに淹れてるだけなんだから」
靈夢の母は出がらしの茶葉が入った急須にお湯を入れ、自分の湯呑みに茶を組んで飲む。
「いや、これは冗談ではなく美味しいですよ、お母さん」
「あらら、霖之助君までねぇ。これからもずっと飲んでくれていいんだよ?」
「ああ…たまに飲みに上がらせて頂けると嬉しいです…」
「濁したな…」
「?。あたしの茶は出がらしだよ?」
三人は笑顔が絶えないティータイムを過ごす。
茶の間に残っていた菓子をつまみながら話に花を咲かせていた。
………
「せっかくだから、二人について聞きたい事があるんだけどね」
「なんですか?」
「何だ?」
唐突に靈夢の母が話題を切り出す。
「靈夢の事をどう思ってる?」
二人は間髪を入れずに返答する。
「私達は友達だ。…それだけで充分じゃないか?」
「僕も同じ意見だよ。僕たちはずっと前に、友達の誓いを立てた。これからもそれが変わる事は無いよ」
間髪入れずに次の質問をする。
「そう。じゃあ、友達から見た靈夢の印象は?」
少し間が空く。
「まあ、ずけずけと物を言うかな。でも、結構ビビりだぜ。そういうの見てると面白く感じるんだよな、飽きないぜ」
「魔梨沙、言い方気を付けようよ…でも、魔梨沙の言っている事は間違いじゃないね。
靈夢は何かポテンシャルがあるなって、そう思ってた。だからああいう風に戦っているんだけど」
最後まで二人が話しきるのを待ってから口を開ける。
「…ありがとね、二人とも。分かっているとは思うんだけど…靈夢は言いたい事をちゃんと言うし、みんなに優しいのよ」
一瞬、天井を見上げる。
「あの妖怪が村に来たばっかりの頃、村からいなくなっちゃってね。
村のおじいちゃんとおばあちゃんを探そうとして。気がついたら大きな家に住んでたって。
多分、私達がさっきまでいた狐と猫さん達の家だと思うの、話し方からして」
「!。そうだったのか…」
「…」
二人は驚いている。
「結局何事もなく帰ってこれたんだけど…あんな風に"また"戦ってる。私達、いや村の人達みんなの為に」
『…』
「だから、二人は靈夢の友達であり理解者であってほしいの。
恐らく、ここで勝とうが負けようが私の元から離れるはず…。
それでも、貴方達だけは靈夢の心を支えてあげて欲しいの。
傍にいなくてもいいから。私からのお願い」
「当たり前だ!靈夢の母ちゃん!」
「僕たちはずっと友達でいるって誓ったからね」
二人は拳を突き上げる。
靈夢の母はありがとねと言うと、二人が手を下げて床に深く座る。
「私も貴方達が靈夢の友達である事が幸せよ。これからもよろしくね」
「ああ!」
「はい!」
そのまま、魔梨沙が深く座って足を楽な姿勢に動かそうとした時。
「…?」
「魔梨沙、どうしたんだ?」
「足に物がある感じがしてな。テーブルの下に何かある…」
魔梨沙はテーブルの下に頭から潜り込んでみると…
「?。何だこれ…手紙?」
「手紙…!魔梨沙!もしかすると!」
「巫女さんが残した言葉!」
「読んでみよう!」
三人は早速、手紙を開けてみる。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
博麗神社を継ぐ者へ
これを読んでいるという事は私はもう死んでいると思う。
そして、次代の巫女に力を受け継がせているはずだ。
巫女の力は増幅するが、それでも妖怪を倒すことは出来ないだろう。
神具を侵食するほどの強さなのだから。
だが、それこそが弱点でもあると考えている。
今頃、妖怪は全力を出している頃合いだろう。そこがチャンスである。
神具を壊せば良い。妖怪の力は神具を依り代にして出している力なのだ。
神具に強く依拠するほど、霊力は高くなる。
だが、それは別の神具に移る"分散力"を失うという代償を持つ。
言い換えると、その神具を壊してしまえば、
妖怪の力は著しく下がるだろう。
お願いがある。
その神具を壊してほしい。どんなやり方でも構わない。
少しひび割れさせるだけでいい。力が下がれば、きっと次代の巫女は妖怪を倒してくれるだろう。
どうか、村を救ってほしい。私の願いはそれだけだ。
よろしく頼む。
--代巫女 博麗 -----
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
『!!』
「…これだ!!今すぐやろう!!すごいよ魔梨沙!」
「魔梨沙ちゃん良く見つけたよ!大したもんだ!」
「私はテーブルの下を覗いただけなんだがな…」
喜んでいいのか分からない。
「いや、結果は結果だ。どんなに当たり前の様な場所に置いてあっても見つからなければ意味がない」
「そうだな。皆、ありがとう」
霖之助の掛け声で三人は一斉に動く。
「よし!行こう!目指すは本殿だ!!」
靈夢の母は既に神社へ着いていた。
魔梨沙と霖之助も神社に到着し、靈夢の母と合流した。
「ええ、魔梨沙ちゃんも霖之助君も無事だったのね」
「そうだな、すごく危なかったぜ」
「ほんとだよ。運が良かったとしか言えないね」
「無事ならそんなのどうでもいいさ!はっはっは!」
靈夢の母は高笑いする。見てるだけで二人は安心する。
神社に付く前、霖之助と魔梨沙は危機に瀕していた。
紫の光線が二人を襲ったのだ。あまりの物量にもうだめかと思ったその時、
紫の光線が突然消滅した。
不思議に思ったが、靈夢によるものとしか考えられない。
「靈夢は一体どうなってるんだ…?」
魔梨沙はまた不安になって口に出してしまう。
「私にも分からないよ。自分の娘なのに」
「…」
「でも、信じてるよ。私の娘は生きてるってね!」
この人と会えて良かった。魔梨沙はそう思った。
「…そうだな!」
ギィィイン!!!
「ひゃあぁあ!!」
「母さん!僕に掴まって!」
紫が本当の力を放ち始めた。
「何だ…あれ…」
「僕も肌で感じる…あれは近づいちゃだめだ…」
まっすぐ立っていられない。あんなのは関わっちゃいけない…!
衝撃波が続く。
「れ、靈夢…」
「母さん!まずは自分の安全を確保してくれ!」
靈夢の母は近くの木に何とかしがみついていた。
「くっ、まだか…」
「おいおい、どうなってんだ…!」
3人がこれ以上続くとどうなるか分からなくなる不安を感じている時―――
衝撃は止まった…
3人は衝撃を耐えきった…。
「皆、大丈夫!?」
「霖之助君、あたしは大丈夫だよ」
「こーりん、私も大丈夫だ」
「そうか、良かった」
霖之助の呼びかけに二人は反応する。
「あんなの反則だろ…」
「これが現実だなんてね…人生生きてみるもんだね。
でも、靈夢はそれでも、負けてないって、それだけは曲げないね!」
頑なに笑顔を崩そうとしない。
「そうだね。母さんの言う通り、靈夢を信じよう。そして、僕たちに今できる事は何かを考えなきゃ!
私達で考えるより今は巫女さんに会ってから考えようよ!」
大げさなくらい手を振って声を張っている。
「…こーりんも、成長したんだな」
「…何?魔梨沙。遠い目をしてるよ」
「いや、別に」
「そう、か」
「まあまあ、お前の言う通りだ。まずは巫女に会ってからだな」
「建物の中にいた方が安全だもんねぇ。木にしがみつくのは勘弁だよ」
三人は頷く。
「よし、行こう!!」
………
木造の建物に足音が響く。
「…誰もいない?」
「人だけがいなくなったって感じだな」
「外には巫女さんいなかったけどね。どこ行ったんだかね」
「隅まで探せばどこかにいるんじゃないかな」
「分かれて探そうよ」
霖之助が提案すると、3人が別々に分かれて
しらみつぶしに部屋を回った。
「巫女さーん」
「おーい巫女さーん」
「巫女様ー」
3人が呼んでも一切返答が来ない。
「ふぅん…どこにいんだろうかねぇ。
魔梨沙ちゃん、霖之助君。ちょっと休憩―――」
「!!。巫女様!!」
霖之助は急に叫びだした。
「こーりんどうした!」
「霖之助君!?」
二人は声の元に駆け寄る。
霖之助は庭にいた。
『!?』
庭に、女性が倒れていた。
脈、呼吸、瞳孔に異常がないか霖之助は即座に確認する。
「…だめだ、死んでいる。脈なし、呼吸もしていない、瞳孔も開いている…」
「遅かったか…これからどうすればいい…」
『…』
「よし、私がマスタースパークで応戦する!こーりん達は神社の中で待ってろ!」
明らかな焦りに霖之助は両手を前に出してストップの合図。
「だめだ、魔梨沙。さっき見ただろう?あんなのマスタースパークでも太刀打ちなんて出来ない」
「ならどうすれば……!」
「まあ、魔梨沙ちゃんも霖之助も休憩しましょう?神社の中でお茶でも飲みましょ!」
「靈夢の母ちゃん!そんな事してる場合じゃ…!」
「魔梨沙、僕たちは今のところ出来る事がない。
下手に動くなら、ゆっくり考えを巡らせた方が合理的だと思う。そうじゃないか?」
魔梨沙は腕を組んで床と天井を交互に見て静かに答える。
「……もっともかもな。そうするか…」
三人は靈夢母主催のティータイムの為、茶の間へと移動した。
………………
「はい、お待たせ!これでも飲んでゆっくりしな!」
「おう、ありがとな」
「ありがとうございます」
靈夢の母が淹れたお茶を二人は飲む。
「ずずっ…、…!美味いな」
「本当だ、美味しい!」
魔梨沙と霖之助は眉を上げ、顔を上げる。
「ありがとね、ここの茶葉が美味しいのかも。巫女様はいい生活をしてたのかね」
「それもそうかもしれないが、靈夢の母ちゃんの淹れ方が上手いって言うのもあるな。
熱すぎないし、余計な苦み・エグみがない」
「そんな褒めなくていいんだよ。いつも通りに淹れてるだけなんだから」
靈夢の母は出がらしの茶葉が入った急須にお湯を入れ、自分の湯呑みに茶を組んで飲む。
「いや、これは冗談ではなく美味しいですよ、お母さん」
「あらら、霖之助君までねぇ。これからもずっと飲んでくれていいんだよ?」
「ああ…たまに飲みに上がらせて頂けると嬉しいです…」
「濁したな…」
「?。あたしの茶は出がらしだよ?」
三人は笑顔が絶えないティータイムを過ごす。
茶の間に残っていた菓子をつまみながら話に花を咲かせていた。
………
「せっかくだから、二人について聞きたい事があるんだけどね」
「なんですか?」
「何だ?」
唐突に靈夢の母が話題を切り出す。
「靈夢の事をどう思ってる?」
二人は間髪を入れずに返答する。
「私達は友達だ。…それだけで充分じゃないか?」
「僕も同じ意見だよ。僕たちはずっと前に、友達の誓いを立てた。これからもそれが変わる事は無いよ」
間髪入れずに次の質問をする。
「そう。じゃあ、友達から見た靈夢の印象は?」
少し間が空く。
「まあ、ずけずけと物を言うかな。でも、結構ビビりだぜ。そういうの見てると面白く感じるんだよな、飽きないぜ」
「魔梨沙、言い方気を付けようよ…でも、魔梨沙の言っている事は間違いじゃないね。
靈夢は何かポテンシャルがあるなって、そう思ってた。だからああいう風に戦っているんだけど」
最後まで二人が話しきるのを待ってから口を開ける。
「…ありがとね、二人とも。分かっているとは思うんだけど…靈夢は言いたい事をちゃんと言うし、みんなに優しいのよ」
一瞬、天井を見上げる。
「あの妖怪が村に来たばっかりの頃、村からいなくなっちゃってね。
村のおじいちゃんとおばあちゃんを探そうとして。気がついたら大きな家に住んでたって。
多分、私達がさっきまでいた狐と猫さん達の家だと思うの、話し方からして」
「!。そうだったのか…」
「…」
二人は驚いている。
「結局何事もなく帰ってこれたんだけど…あんな風に"また"戦ってる。私達、いや村の人達みんなの為に」
『…』
「だから、二人は靈夢の友達であり理解者であってほしいの。
恐らく、ここで勝とうが負けようが私の元から離れるはず…。
それでも、貴方達だけは靈夢の心を支えてあげて欲しいの。
傍にいなくてもいいから。私からのお願い」
「当たり前だ!靈夢の母ちゃん!」
「僕たちはずっと友達でいるって誓ったからね」
二人は拳を突き上げる。
靈夢の母はありがとねと言うと、二人が手を下げて床に深く座る。
「私も貴方達が靈夢の友達である事が幸せよ。これからもよろしくね」
「ああ!」
「はい!」
そのまま、魔梨沙が深く座って足を楽な姿勢に動かそうとした時。
「…?」
「魔梨沙、どうしたんだ?」
「足に物がある感じがしてな。テーブルの下に何かある…」
魔梨沙はテーブルの下に頭から潜り込んでみると…
「?。何だこれ…手紙?」
「手紙…!魔梨沙!もしかすると!」
「巫女さんが残した言葉!」
「読んでみよう!」
三人は早速、手紙を開けてみる。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
博麗神社を継ぐ者へ
これを読んでいるという事は私はもう死んでいると思う。
そして、次代の巫女に力を受け継がせているはずだ。
巫女の力は増幅するが、それでも妖怪を倒すことは出来ないだろう。
神具を侵食するほどの強さなのだから。
だが、それこそが弱点でもあると考えている。
今頃、妖怪は全力を出している頃合いだろう。そこがチャンスである。
神具を壊せば良い。妖怪の力は神具を依り代にして出している力なのだ。
神具に強く依拠するほど、霊力は高くなる。
だが、それは別の神具に移る"分散力"を失うという代償を持つ。
言い換えると、その神具を壊してしまえば、
妖怪の力は著しく下がるだろう。
お願いがある。
その神具を壊してほしい。どんなやり方でも構わない。
少しひび割れさせるだけでいい。力が下がれば、きっと次代の巫女は妖怪を倒してくれるだろう。
どうか、村を救ってほしい。私の願いはそれだけだ。
よろしく頼む。
--代巫女 博麗 -----
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
『!!』
「…これだ!!今すぐやろう!!すごいよ魔梨沙!」
「魔梨沙ちゃん良く見つけたよ!大したもんだ!」
「私はテーブルの下を覗いただけなんだがな…」
喜んでいいのか分からない。
「いや、結果は結果だ。どんなに当たり前の様な場所に置いてあっても見つからなければ意味がない」
「そうだな。皆、ありがとう」
霖之助の掛け声で三人は一斉に動く。
「よし!行こう!目指すは本殿だ!!」