Coolier - 新生・東方創想話

恋塚

2021/05/19 18:20:02
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『恋塚』


<花鳥風月、嘯風弄月>

 ひらくつぼみに笑顔ほころぶ
 この花だけが映す色
 水あたえ
 嵐の日にも思いやり

 陽のあの姿よく真似て
 見渡すばかり風揺れる

 ああ望む花
 お前に言葉伝うなら
 私はお前に
 なにを言おうか

 伴に営む 私を包むゆめの郷
 まぼろしつきぬ、もの想い

 なにかを愛す行いは
 私の庭をいつまでも
 色とりどりにしてくれる


<月に叢雲、花に風>

 つみとるつぼみ、口元ゆるむ
 好かない形その色を
 根の深くまで
 刈りとって
 邪魔な礫は踏み砕く

 土とよく似た姿まで
 お前のすべてしつらえる

 ああ躙る花
 言葉持ち得ぬお前さえ
 最期の声は
 粛に消えゆく

 伴に営む 私を満たすゆめの郷
 まぼろしつきぬ、もの想い

 なにかを殺す行いは
 私の庭をどこまでも
 夢見心地にしてくれる


<桜花之恋塚>

 つぼみにふれて
 もの想う
 なにかを愛す行いは
 なにかを殺す行いと
 きっと一緒のことでしょう


  太陽の畑より、風見幽香
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コメント



0.310簡易評価
7.90夏後冬前削除
今回の詩も言葉の選び方が丁寧で好きでした。
月に叢雲、花に風、桜花之恋塚で「殺す行い」がダブってるのがちょっともったいないなと感じました。