「レミリアお嬢様、本日の紅茶のお味の方はどうでしたか?」
「……まあまあね。ごちそうさま」
「まあまあですか」
「そうね。例えれば昨日より、今日、明日より今日って所ね」
「今日は一歩進んで明日一歩戻るということですか。そうですか」
「そんなところかしらね」
「なるほど。それでは、お茶も終わりましたし、今日はこれから漢字のお勉強をしていきたいと思います」
「咲夜? お勉強って、急に何?」
「幻想郷の文字は漢字ですから、漢字書けたら良いですよね」
「そうねえ。言われてみればそうね。ティータイムも終わって。暇だし、お勉強してあげても良いわよ」
「ありがとうございます」
「それじゃあ、咲夜先生。漢字を教えてくれるかしら」
「あれは今から約38億年前、今まで熱かった地球が割といい感じになって、一という漢字生命体が産まれました」
「ちょっと、漢字生命体って何? 漢字の勉強って国語の勉強よね」
「まあ、一って書いてみてください。あ、紙とペンはこれを使って下さい」
「……書いたわよ」
「一とは横線1本で成り立っている原初の原始生命漢字なんです。一とかいて始めと読む場合がありますよね。つまりそういう事です」
「なるほど、それで漢字生命体って何なの?」
「はい、でもそれは、何でしょうか。それは卵が先か鶏が先かという問題に似ていまして。その研究はまだ途中なのです」
「もう、うやむやにして、それは答えになってない」
「しかし、それでも原始生命漢字は進化して口になりました。真核漢字生命体へと進化したのです」
「ふーん。この口の字がねぇ。その真核漢字生命体と言いたいのね」
「そうです。そして、それから時間が流れ口は石になりました。書いてみて下さい」
「piatră 」
「お嬢様? 今なんて?」
「何でもないわ。これで、良いかしら?」
「お嬢様、その英語? ではなく、漢字で書いて下さい」
「仕方ないわね。これで良い?」
「はい、この石を見て何か気が付く事はありませんか?」
「う~ん、我ながら上品と気品を感じさせられると思うわね。この素敵な字を愚かな大衆が見たら、きっと、崇高な神様が書いたと思うわね。でも、残念でした書いたのは気高くて崇高な吸血鬼様なのでした」
「……蚯蚓」
「咲夜? 今なんて」
「何でもないです。えっと、とても上品で美しい神託のような文字だと思います。ですが、注目して欲しい所はそこではありません」
「他ねえ。分からないわ。教えて咲夜」
「口から石になった事により漢字生命体は遊泳力を得たのです。漢字生命体のカンジブリア期と言われる時期の始まりです」
「えっと、遊泳力、この出っ張ったところを動かして泳ぐのね。というより、漢字生命体っていうのは水中の生き物だったのね」
「そうなんですよ。そして、カンジブリア期の前時代までは散漫だった進化が一気に進んだのですよ」
「どういうこと?」
「泳ぎ回る事によって、漢字生命体同士で競争が起きるようになりました。お互いに食べたり食べられたりする生存競争です」
「へー、そんなことがあったのね」
「そうです。そしてより強い石。あ、意思でじゃなくて強い石が進化して若となったのです」
「すごい進化ね石から若って右を抜かして何かくっついて出てきてるじゃないの」
「そうなのです。この大進化をカンジブリア大爆破と名付けましょう」
「あなたが、名付けて良いの?」
「はい、漢字生命体学の分野においては些細な問題ですから」
「あ、些細な問題なんだ。教科も生物に変わってるし」
「さあ、それよりもいよいよ多種多様な若は世界の海で大繁栄しました」
「すごいじゃない。海ってことまで後付けして」
「そうです。漢字生命体進化はすごかったのです。しかし、ここで問題が発生しました」
「え? 何? 何が起こったの若に?」
「あ、気になりますか?」
「べ、別に気になるわけじゃないわ。咲夜があんまりにも楽しそうに話すから気になっただけよ」
「それ気になってるんじゃ?」
「まあ良いから、お勉強の続きを教えて」
「……広かったはずの世界の海はどこもかしこも若だらけになってしまい。これ以上の繁栄が望めなくなりました」
「それならあれよ。海が無いなら陸に上がれば良いじゃない」
「そうです。お嬢様、まさにその通りです。さすがはお嬢様」
「どうしたの? 急に褒めて、褒められても、何も出ないわよ」
「ところがです。お嬢様」
「何? だから何も出ない」
「お嬢様からは出なくても漢字生命体の若からは足が生えて長となったのです」
「口の部分から足が生えたって事なのね。草冠はどうなったの?」
「草冠はエラみたいなものですから体内に吸収されてEとなったのです。肺呼吸の始まりですね」
「なるほど、続けて」
「そして、これらの能力を手に入れた漢字生命体はいよいよ陸上進出を果たしました」
「ついに、陸に上がったのね。でも、陸上だってまた繁栄すれば競争があるんじゃないの?」
「そうです。だから、長もやがて進化していきます。より巨大化し強くより固い、張になったのです」
「まるで、恐竜みたいじゃない」
「そうです。繁栄し一部は海に戻り、若を駆逐したりして世界の覇者となったのです」
「すごいじゃない」
「でも、その繁栄は長くは続きませんでした」
「あれでしょう。火山活動が世界中で活発化して噴火とか起きて、地球が冷たくなって絶滅したのでしょう?」
「お嬢様、それがですね。絶滅したのはあっているのですが」
「張に何があったの?」
「宇宙漢字生命体の襲来があったと、想像しました」
「宇宙漢字生命体? しかも、やっぱりあなたの妄想だったんだ」
「い、いいえその。宇宙漢字生命体の襲来より以前の漢字生命体は化石にしかその姿を確認することができないので想像するしかなかったのです」
「酷く滑稽な言い訳ね」
「まま、まぁ。その宇宙漢字生命体は灰でした」
「灰って、最初から灰になってるじゃない。襲来する前に、太陽光でも浴びちゃったの?」
「いえ、その時代は世界中で火山活動が、いえ。丁度、お嬢様が異変を起こした時の事だったので、太陽光は遮断されていました」
「私が異変を起こした時って、ついこの間だったような」
「いいえ、例えそれがお嬢様にとってついこの間の事だったとしても、もう当時産まれた子供が成人式を迎えている時代かもしれません」
「咲夜、そういう発言はちょっと駄目かも。そもそも、それじゃあなたはじゃあ今年で何歳になったの?」
「話が脱線しましたね。灰と書いて、グレイと読みますから灰は宇宙漢字生命体なのです」
「あの、おめめが可愛い生き物?」
「そうです。あのあれです。しかし、アレは仮の姿で灰は宇宙服を脱ぎ捨てて火という火力が高い攻撃形態になって、あっという間に張を浸食して滅ぼしてしまいました」
「灰から火が出てきたって、燃え粕から灰が出来るわけだから逆なんじゃ?」
「実際、燃えているわけじゃないんです。いらない部分が退化したんですよ」
「宇宙服脱いだのって退化という表現なんだ」
「それもまた、風流なんです。わびさびというものです」
「急に風流とかわびさびってまたどういう了見なの」
「まさに私が言いたいのはそういうことなんです。張にとって晴天の霹靂だったのです」
「納得したわけじゃないけど、まあ、それでのみこんであげるわ。火は新たなる支配者となったのね?」
「はい、そして火はやがて地球に根付いて人となりました。漢字生命体はついに霊長漢字類となったです」
「すごい、進化の速さね。私が異変を起こした後から人類が出来たって事ね? あれ? でも、私の異変を解決したのもというよりもあなたも人だったような?」
「いいえ? 人は人ではありません。漢字生命体の霊長漢字類なので、一切特定の人類、団体等とは関係ありません」
「そして、このお話はフィクションです。信じないでくださいねって言いたいんでしょ?」
「……なんと! 流石です。お嬢様、いつからこの話がフィクションだって気が付いていました?」
「漢字生命体とか言い出したところから」
「流石、お嬢様。素晴らしい読みです」
「そうでしょう」
「しかし、フィクションはそこからじゃ無かったのです」
「じゃあ、どこから?」
「紅茶の味が明日より今日の所からです」
「咲夜、あなた。この漢字のお勉強……漢字生命体の話って全部。紅茶の味をまあまあって評価した事を根に持ってしていたのね」
「はい、今日より明日の紅茶の方が美味しいって事が現実でノンフィクションですから」
「……まあまあね。ごちそうさま」
「まあまあですか」
「そうね。例えれば昨日より、今日、明日より今日って所ね」
「今日は一歩進んで明日一歩戻るということですか。そうですか」
「そんなところかしらね」
「なるほど。それでは、お茶も終わりましたし、今日はこれから漢字のお勉強をしていきたいと思います」
「咲夜? お勉強って、急に何?」
「幻想郷の文字は漢字ですから、漢字書けたら良いですよね」
「そうねえ。言われてみればそうね。ティータイムも終わって。暇だし、お勉強してあげても良いわよ」
「ありがとうございます」
「それじゃあ、咲夜先生。漢字を教えてくれるかしら」
「あれは今から約38億年前、今まで熱かった地球が割といい感じになって、一という漢字生命体が産まれました」
「ちょっと、漢字生命体って何? 漢字の勉強って国語の勉強よね」
「まあ、一って書いてみてください。あ、紙とペンはこれを使って下さい」
「……書いたわよ」
「一とは横線1本で成り立っている原初の原始生命漢字なんです。一とかいて始めと読む場合がありますよね。つまりそういう事です」
「なるほど、それで漢字生命体って何なの?」
「はい、でもそれは、何でしょうか。それは卵が先か鶏が先かという問題に似ていまして。その研究はまだ途中なのです」
「もう、うやむやにして、それは答えになってない」
「しかし、それでも原始生命漢字は進化して口になりました。真核漢字生命体へと進化したのです」
「ふーん。この口の字がねぇ。その真核漢字生命体と言いたいのね」
「そうです。そして、それから時間が流れ口は石になりました。書いてみて下さい」
「piatră 」
「お嬢様? 今なんて?」
「何でもないわ。これで、良いかしら?」
「お嬢様、その英語? ではなく、漢字で書いて下さい」
「仕方ないわね。これで良い?」
「はい、この石を見て何か気が付く事はありませんか?」
「う~ん、我ながら上品と気品を感じさせられると思うわね。この素敵な字を愚かな大衆が見たら、きっと、崇高な神様が書いたと思うわね。でも、残念でした書いたのは気高くて崇高な吸血鬼様なのでした」
「……蚯蚓」
「咲夜? 今なんて」
「何でもないです。えっと、とても上品で美しい神託のような文字だと思います。ですが、注目して欲しい所はそこではありません」
「他ねえ。分からないわ。教えて咲夜」
「口から石になった事により漢字生命体は遊泳力を得たのです。漢字生命体のカンジブリア期と言われる時期の始まりです」
「えっと、遊泳力、この出っ張ったところを動かして泳ぐのね。というより、漢字生命体っていうのは水中の生き物だったのね」
「そうなんですよ。そして、カンジブリア期の前時代までは散漫だった進化が一気に進んだのですよ」
「どういうこと?」
「泳ぎ回る事によって、漢字生命体同士で競争が起きるようになりました。お互いに食べたり食べられたりする生存競争です」
「へー、そんなことがあったのね」
「そうです。そしてより強い石。あ、意思でじゃなくて強い石が進化して若となったのです」
「すごい進化ね石から若って右を抜かして何かくっついて出てきてるじゃないの」
「そうなのです。この大進化をカンジブリア大爆破と名付けましょう」
「あなたが、名付けて良いの?」
「はい、漢字生命体学の分野においては些細な問題ですから」
「あ、些細な問題なんだ。教科も生物に変わってるし」
「さあ、それよりもいよいよ多種多様な若は世界の海で大繁栄しました」
「すごいじゃない。海ってことまで後付けして」
「そうです。漢字生命体進化はすごかったのです。しかし、ここで問題が発生しました」
「え? 何? 何が起こったの若に?」
「あ、気になりますか?」
「べ、別に気になるわけじゃないわ。咲夜があんまりにも楽しそうに話すから気になっただけよ」
「それ気になってるんじゃ?」
「まあ良いから、お勉強の続きを教えて」
「……広かったはずの世界の海はどこもかしこも若だらけになってしまい。これ以上の繁栄が望めなくなりました」
「それならあれよ。海が無いなら陸に上がれば良いじゃない」
「そうです。お嬢様、まさにその通りです。さすがはお嬢様」
「どうしたの? 急に褒めて、褒められても、何も出ないわよ」
「ところがです。お嬢様」
「何? だから何も出ない」
「お嬢様からは出なくても漢字生命体の若からは足が生えて長となったのです」
「口の部分から足が生えたって事なのね。草冠はどうなったの?」
「草冠はエラみたいなものですから体内に吸収されてEとなったのです。肺呼吸の始まりですね」
「なるほど、続けて」
「そして、これらの能力を手に入れた漢字生命体はいよいよ陸上進出を果たしました」
「ついに、陸に上がったのね。でも、陸上だってまた繁栄すれば競争があるんじゃないの?」
「そうです。だから、長もやがて進化していきます。より巨大化し強くより固い、張になったのです」
「まるで、恐竜みたいじゃない」
「そうです。繁栄し一部は海に戻り、若を駆逐したりして世界の覇者となったのです」
「すごいじゃない」
「でも、その繁栄は長くは続きませんでした」
「あれでしょう。火山活動が世界中で活発化して噴火とか起きて、地球が冷たくなって絶滅したのでしょう?」
「お嬢様、それがですね。絶滅したのはあっているのですが」
「張に何があったの?」
「宇宙漢字生命体の襲来があったと、想像しました」
「宇宙漢字生命体? しかも、やっぱりあなたの妄想だったんだ」
「い、いいえその。宇宙漢字生命体の襲来より以前の漢字生命体は化石にしかその姿を確認することができないので想像するしかなかったのです」
「酷く滑稽な言い訳ね」
「まま、まぁ。その宇宙漢字生命体は灰でした」
「灰って、最初から灰になってるじゃない。襲来する前に、太陽光でも浴びちゃったの?」
「いえ、その時代は世界中で火山活動が、いえ。丁度、お嬢様が異変を起こした時の事だったので、太陽光は遮断されていました」
「私が異変を起こした時って、ついこの間だったような」
「いいえ、例えそれがお嬢様にとってついこの間の事だったとしても、もう当時産まれた子供が成人式を迎えている時代かもしれません」
「咲夜、そういう発言はちょっと駄目かも。そもそも、それじゃあなたはじゃあ今年で何歳になったの?」
「話が脱線しましたね。灰と書いて、グレイと読みますから灰は宇宙漢字生命体なのです」
「あの、おめめが可愛い生き物?」
「そうです。あのあれです。しかし、アレは仮の姿で灰は宇宙服を脱ぎ捨てて火という火力が高い攻撃形態になって、あっという間に張を浸食して滅ぼしてしまいました」
「灰から火が出てきたって、燃え粕から灰が出来るわけだから逆なんじゃ?」
「実際、燃えているわけじゃないんです。いらない部分が退化したんですよ」
「宇宙服脱いだのって退化という表現なんだ」
「それもまた、風流なんです。わびさびというものです」
「急に風流とかわびさびってまたどういう了見なの」
「まさに私が言いたいのはそういうことなんです。張にとって晴天の霹靂だったのです」
「納得したわけじゃないけど、まあ、それでのみこんであげるわ。火は新たなる支配者となったのね?」
「はい、そして火はやがて地球に根付いて人となりました。漢字生命体はついに霊長漢字類となったです」
「すごい、進化の速さね。私が異変を起こした後から人類が出来たって事ね? あれ? でも、私の異変を解決したのもというよりもあなたも人だったような?」
「いいえ? 人は人ではありません。漢字生命体の霊長漢字類なので、一切特定の人類、団体等とは関係ありません」
「そして、このお話はフィクションです。信じないでくださいねって言いたいんでしょ?」
「……なんと! 流石です。お嬢様、いつからこの話がフィクションだって気が付いていました?」
「漢字生命体とか言い出したところから」
「流石、お嬢様。素晴らしい読みです」
「そうでしょう」
「しかし、フィクションはそこからじゃ無かったのです」
「じゃあ、どこから?」
「紅茶の味が明日より今日の所からです」
「咲夜、あなた。この漢字のお勉強……漢字生命体の話って全部。紅茶の味をまあまあって評価した事を根に持ってしていたのね」
「はい、今日より明日の紅茶の方が美味しいって事が現実でノンフィクションですから」
紅茶の評価を気にしてここまで壮大な作り話を話する咲夜が可愛い
口が進化して石になって泳ぐとか私には逆立ちしてもできない発想だと思いました。
さすがの咲夜さんでした