あら。魔理沙に霊夢。
どうして私の部屋にいるの?
はあ...怪談を聞きたい?
聞くためにわざわざ幻想郷を回っているの?
...それってあれかしら?あの髪が伸びる人形とか動く肖像画とか。
え?違うの?じゃあなんなのよ。
実話ってやつがいいの?
...ひとつだけあるわ。ただ怖いかどうかはわからないわよ。それでもいいのね?
わかったわ。じゃあ話すわね。
罪と拘り 語り手・レミリア・スカーレット
強欲で自分勝手。私は人間のことがあまり好きではない。
自分の得のためなら平気で他人を陥れ、裏切ることも躊躇しない。
勿論すべての人間がそうとは言わないけど、今から話す人間はそれに近い存在。
その人間はマジシャン、手品で人を楽しませる仕事をしていたわ。
私にその手の子供だましは通用しない。
私は吸血鬼、身体能力は人間のそれを遥かに上回る。
簡単に言えば見逃さないということ。人間が如何に上手く隠したところで私には無意味。
それまでにあってきたマジシャン、手品師と呼ばれる人間は私の前にすべてひれ伏した。
でも、その人間の芸は本当に見事だった。
私は初めてマジック、手品で驚きを感じたわ。
才能って言うのかしらね?私が認めてあげられるほどにその人間は天才だった。
だけど...その人間は自分の芸に満足していなかった。
あの人は本物に拘る人間だった。
...種明かしするとその人間は特殊な体をしていたのよ。
自らの体を少しだけど変化させることができた
変化といってもそれほど驚くような変化ではなく腕や足の一部を粘土のように変形させることができる。
その程度の能力...私からしたら能力と呼ぶのも躊躇われるほどにどうでもいい力。
それでもあの人間のマジックには欠かせない力だった。
私が見破れなかったコイン移動のマジックはそれを利用したもの。
変形させた部分にものを隠せるというのはあの人間にとっては便利で都合のいい能力...
あの人はそれを天から授かった力だと嬉しそうにいっていたわ。
そう...本当に嬉しそうに私に話してくれた。
そして、話の最後にあの人は人体切断マジックに興味があると言ったわ。
人体切断マジック。
簡単に説明するとマジシャンのアシスタントが箱に入り、アシスタントの腕や足、頭などが箱から出ている状態にしてマジシャンが刃物で箱を切っていくというかなり過激なマジック。
本物に拘るあの人にとって私は最高のアシスタントに映ったんでしょうね。
私が吸血鬼だと彼が知ったのはある事故で彼を助けた時。
正体をばらす気はなかったのだけれど仕方なかったのよ。
そうしないとあの人はあそこで死んでいたのだから。
私は手足を切られても再生できる。...だけど痛みは感じるからそんなことさせるのはいや。
私は当然断ったわ。
でも、あの人は私にたのみ続けた。
ふふふ...今思い出してもあの姿は笑えるわ。
いい年した大人の男がまるで子供みたいに駄々をこねて...ほんと人間らしいあわれな姿だった。
それでも私は断った。
人間に体をバラバラにされるなんて冗談じゃない。断るのは当然。
彼は何も言わず私の前から消えたわ。
ふふふ...そのまま消えていなくなればよかったのに。...
だから人間は愚かな生き物なのよ。
数日がたち、彼から連絡が入った。
この前のことを謝りたい...お詫びにとっておきのマジックを披露すると。
彼のマジックに興味があった私は彼の指定した場所にいくことにした。
そこは人里から離れた寂しい場所にたてられた古い小屋。
彼はそこで私を出迎え、私の後ろに回る。
その直後、私はめまいをおこしその場に倒れた。
愚かにも薬か何かで私の意識を奪おうとしたんでしょうね。でも私には意識があった。
吸血鬼の私を気絶させようだなんて小賢しい。
そう思いながらも私は気絶したふりをしたわ。
...なぜそんなことをしたかって?それは彼の行動に興味があったから。
ふふふ、まあ予想通り私は拘束されはこの中に固定されたわ。
彼は何度もすまないといいながら作業を進めていった。
私はそんな彼をただ黙って見ていた。
数分後彼の手にはノコギリが握られていた。
その握る手は微かに震えていたわ。
拘束を解こうと思えば簡単にとくことができたのだけれど何故かそんなきが起きなかった。
咲夜に昔お嬢様はSかMのどちらですか?と聞かれたときSだと答えたけれどもしかしたらMなのかもしれないわね。
彼は私の体を切断することに躊躇いを感じながらもゆっくりとノコギリを左右に動かし人体切断マジックを成そうとしていた。
不思議と痛みはなかったわ。
多分私を気絶させようとした薬の効果だったのでしょうね。
月が雲に隠れ、現れ、また隠れ...それを何度か繰り返したとき私の体はバラバラに切断され、動かせるのは頭から上だけになった。
それでも生きている私を見たとき、彼は安堵し、そして...喉元にノコギリを押し当て、自ら命を絶った。
人間は本当に弱い生き物だわ。
欲望に勝てず、その罪の意識に耐えられずに自ら死を選ぶ。
私は首だけになったとしても一日もあれば元通りになるというのに...
自分勝手で強欲。だから...
私はあまり人間のことが好きではないのよ。
...話は以上よ。怖いかどうかはわからなかったけどこれで満足かしら?
え?『その彼と呼ばれた人間はもうこの世には...』って?
ええ。いないわよ?蘇生させることもできたけど理由はどうであれこの私を切り刻んだのだから当然の報いだわ。
ん..私は結構人間に優しいって美鈴から聞いたって?
そりゃあ嫌われるよりは好かれた方がいいでしょ?
だから私はあまり好きではない人間のことも好きになるように努力はしているわ。
でも..
やっぱり..あの人間は...大嫌い。
どうして私の部屋にいるの?
はあ...怪談を聞きたい?
聞くためにわざわざ幻想郷を回っているの?
...それってあれかしら?あの髪が伸びる人形とか動く肖像画とか。
え?違うの?じゃあなんなのよ。
実話ってやつがいいの?
...ひとつだけあるわ。ただ怖いかどうかはわからないわよ。それでもいいのね?
わかったわ。じゃあ話すわね。
罪と拘り 語り手・レミリア・スカーレット
強欲で自分勝手。私は人間のことがあまり好きではない。
自分の得のためなら平気で他人を陥れ、裏切ることも躊躇しない。
勿論すべての人間がそうとは言わないけど、今から話す人間はそれに近い存在。
その人間はマジシャン、手品で人を楽しませる仕事をしていたわ。
私にその手の子供だましは通用しない。
私は吸血鬼、身体能力は人間のそれを遥かに上回る。
簡単に言えば見逃さないということ。人間が如何に上手く隠したところで私には無意味。
それまでにあってきたマジシャン、手品師と呼ばれる人間は私の前にすべてひれ伏した。
でも、その人間の芸は本当に見事だった。
私は初めてマジック、手品で驚きを感じたわ。
才能って言うのかしらね?私が認めてあげられるほどにその人間は天才だった。
だけど...その人間は自分の芸に満足していなかった。
あの人は本物に拘る人間だった。
...種明かしするとその人間は特殊な体をしていたのよ。
自らの体を少しだけど変化させることができた
変化といってもそれほど驚くような変化ではなく腕や足の一部を粘土のように変形させることができる。
その程度の能力...私からしたら能力と呼ぶのも躊躇われるほどにどうでもいい力。
それでもあの人間のマジックには欠かせない力だった。
私が見破れなかったコイン移動のマジックはそれを利用したもの。
変形させた部分にものを隠せるというのはあの人間にとっては便利で都合のいい能力...
あの人はそれを天から授かった力だと嬉しそうにいっていたわ。
そう...本当に嬉しそうに私に話してくれた。
そして、話の最後にあの人は人体切断マジックに興味があると言ったわ。
人体切断マジック。
簡単に説明するとマジシャンのアシスタントが箱に入り、アシスタントの腕や足、頭などが箱から出ている状態にしてマジシャンが刃物で箱を切っていくというかなり過激なマジック。
本物に拘るあの人にとって私は最高のアシスタントに映ったんでしょうね。
私が吸血鬼だと彼が知ったのはある事故で彼を助けた時。
正体をばらす気はなかったのだけれど仕方なかったのよ。
そうしないとあの人はあそこで死んでいたのだから。
私は手足を切られても再生できる。...だけど痛みは感じるからそんなことさせるのはいや。
私は当然断ったわ。
でも、あの人は私にたのみ続けた。
ふふふ...今思い出してもあの姿は笑えるわ。
いい年した大人の男がまるで子供みたいに駄々をこねて...ほんと人間らしいあわれな姿だった。
それでも私は断った。
人間に体をバラバラにされるなんて冗談じゃない。断るのは当然。
彼は何も言わず私の前から消えたわ。
ふふふ...そのまま消えていなくなればよかったのに。...
だから人間は愚かな生き物なのよ。
数日がたち、彼から連絡が入った。
この前のことを謝りたい...お詫びにとっておきのマジックを披露すると。
彼のマジックに興味があった私は彼の指定した場所にいくことにした。
そこは人里から離れた寂しい場所にたてられた古い小屋。
彼はそこで私を出迎え、私の後ろに回る。
その直後、私はめまいをおこしその場に倒れた。
愚かにも薬か何かで私の意識を奪おうとしたんでしょうね。でも私には意識があった。
吸血鬼の私を気絶させようだなんて小賢しい。
そう思いながらも私は気絶したふりをしたわ。
...なぜそんなことをしたかって?それは彼の行動に興味があったから。
ふふふ、まあ予想通り私は拘束されはこの中に固定されたわ。
彼は何度もすまないといいながら作業を進めていった。
私はそんな彼をただ黙って見ていた。
数分後彼の手にはノコギリが握られていた。
その握る手は微かに震えていたわ。
拘束を解こうと思えば簡単にとくことができたのだけれど何故かそんなきが起きなかった。
咲夜に昔お嬢様はSかMのどちらですか?と聞かれたときSだと答えたけれどもしかしたらMなのかもしれないわね。
彼は私の体を切断することに躊躇いを感じながらもゆっくりとノコギリを左右に動かし人体切断マジックを成そうとしていた。
不思議と痛みはなかったわ。
多分私を気絶させようとした薬の効果だったのでしょうね。
月が雲に隠れ、現れ、また隠れ...それを何度か繰り返したとき私の体はバラバラに切断され、動かせるのは頭から上だけになった。
それでも生きている私を見たとき、彼は安堵し、そして...喉元にノコギリを押し当て、自ら命を絶った。
人間は本当に弱い生き物だわ。
欲望に勝てず、その罪の意識に耐えられずに自ら死を選ぶ。
私は首だけになったとしても一日もあれば元通りになるというのに...
自分勝手で強欲。だから...
私はあまり人間のことが好きではないのよ。
...話は以上よ。怖いかどうかはわからなかったけどこれで満足かしら?
え?『その彼と呼ばれた人間はもうこの世には...』って?
ええ。いないわよ?蘇生させることもできたけど理由はどうであれこの私を切り刻んだのだから当然の報いだわ。
ん..私は結構人間に優しいって美鈴から聞いたって?
そりゃあ嫌われるよりは好かれた方がいいでしょ?
だから私はあまり好きではない人間のことも好きになるように努力はしているわ。
でも..
やっぱり..あの人間は...大嫌い。