「お姉さまー!フランはモルモットを飼いたいの。」
「急に何?」
突然の妹のお願いにポカンと口を開けるレミリア。
余談だが彼女の手から落ちかけたティーカップはメイドが落ちる寸前に食い止めました。
「だーかーらーモ ル モ ッ ト!」
フランは駄々をこねるように言う。
「ちょっとストップ。いきなりすぎるわ。そもそもなんで飼いたいの?」
冷静に返すレミリア。
「あのね気分。」
「ダメよ。」
答えは予想していた。
何故ならフランは毎日のように何かしらしたがるからだ。
昨日は狼を欲しがり一昨日は部屋にヤシの木を植えたがった。
姉の答えにぷくーっと頬を膨らませフランは反論する。
「それだけじゃないもん。フランのお友達のハツカネズミちゃんのお友達にしようと思ったんだもん‼」
「ネズミが友達とか絶対言いふらさないでね。お姉さま威厳がなくなるわ。」
レミリアは半分なげやりに返す。
「えーー!なんでだめなの?いいじゃんモルモットぐらい‼」
「嫌よ。歯が怖いじゃない!」
「目は可愛いよ?」
レミリアは頭の中でモルモットの目と歯を天秤にかける。
「やっぱり歯が嫌。」
歯には勝てなかった。
「むー!」
フランはますますふくれる。
そこでレミリアは反論を試みる。
「だってあなた昨日は狼を飼いたがったじゃない。どうせ明日は別の生き物欲しがるんでしょ?そんな風に毎日変わるのではお姉さま対応できないわ。」
「変わらないわ‼絶対に一生モルモットがほしいの‼」
「はいはい...でもとにかくダメなものはダメ」
「うぅー...ごめんねハツカネズミちゃん。」
フランがふくれたまま呟くとナイトキャップのなかから真っ白なハツカネズミが出てきた。
「チチチッ」
「あら。可愛い。」
レミリアは小動物も好きだった。
だが猫、チュパカブラ、ドラゴンを飼っているこの屋敷でよく生き延びたなこのネズミ。
そんなことを考えるレミリア。
「可愛いでしょ?じゃあ...」
「ダメよ‼さとりのとこみたいになっちゃうでしょ!」
うちは動物園ではない。とレミリアはフランを説き伏せる。
そもそも動物園にチュパカブラとドラゴンはいないが。
「はーい...」
ついに諦めたフランはハツカネズミをナイトキャップに戻すとしぶしぶ部屋に戻った。
「モルモット飼いたかったなぁ。」
ーー翌日ーー
「お姉さまー!フランは蛇を飼いたいの‼」
「...モルモットは?」
「もういらない。」
「そらみろっっ‼」
ナイスなオチでした
その次の日はマングースですね