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東方現夢郷 第一章 幻想という名の夢と地獄の始まり 1

2021/02/24 04:53:14
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 これは俺が体験したかなり意味不明な出来事を俺から見た視点で小説風に綴ったものであり、他から見た視点で書かれることは永久に無いので文句があるなら読むなと言っておく。簡単に言えば最初から最後まで主観視点という事だ。まあ日記のような物だと思ってもらいたい。
 今書いているのは前置きみたいなものなのでここで自己紹介でもしておく。最初に言うと俺は人間が嫌いだ。比喩表現とかではなく純粋に人間が嫌いなのだ。それこそ異世界にでも行って一人で暮らしたい。それ故に友達などいるはずもなく高校でも常に一人だ。そのせいか変な噂ばかり付き纏っている。無口キャラだの幽霊だのと散々な言われようだがそんな事はどうでもいい。個人的に問題なのが俺が不幸体質だという事だ。名前に至っては研真遼という不吉そのものみたいになっている。そのせいで学校でも不幸な目にばかり遭っている。月に一回は何かしら事件が起き、週に一回はクラスでもめ事が起きる。そして事件の瞬間やもめ事が起きる瞬間を俺が必ず目撃している。これで俺が元凶ではないのが唯一の救いだろう。その件でも噂が立ち、不吉の神だとか現人神とかでなぜか神様扱いされているようだ。たまに拝みに来る奴もいるが完全に無視している。というか不吉の神を拝んだら自分も不吉な目に合うだろう事に気づかないのだろうか。
 と、ここまで学校での事を書いてきたが、別に今学校にいるわけではない。そもそも人間嫌いが高校に行っているだけまだマシだと思ってもらいたいが、俺は別に真面目という訳ではない。実際今日は夏休みの数日前の平日で、学校をサボって山に来ている。来た理由は特にない。なんとなくの直感に従った結果山に着いたのだ。そして今はよく見ないと分からないような細道を興味本位で進んでいた。ここの山はさほど有名ではないがオカルト界隈ではかなり有名な場所である。ちなみに俺はオカルト肯定派であり、高校でオカルトクラブなるものを立ち上げていたりする。(もちろん非公式で部員は俺一人だが)教師連中はその事を知っているようで、どうにかして廃部にしたいようだが、そんな事はさせるまいと徹底的に阻止している。
 そうこうしている間に急に開けた所に出た。
「・・・・・・神社?」
 こんな所に神社などあっただろうか。スマホの地図を見るが、航空写真には何も写っていなかった。調べてもこの神社の情報は出てこなかった。神社と言えば神隠しだが、そんなことに遭う確率は数億もしくは数兆分の一もないだろうが、それは常人からしたらの話であり、俺からしたらよくある日常といった感じだ。という事で辺りを散策する。鳥居もあり社の作りもしっかりしており人がいないにも関わらず妙に綺麗だ。鳥居の文字を読もうとしたが掠れていて分からなかったのでとりあえず道の左側を通り賽銭箱の前まで行く。
「潔く神隠しされますか・・・・・・」
 鞄から財布を取り出し賽銭箱に五円玉を入れ手を合わせる。神隠しの原理は分からないが、妖怪の仕業とか偶然次元の隙間を通ったりして異世界に行ったりするらしい。ネット界隈ではスキマ送りと言っていたりしたが、なぜそう呼ばれているのか詳しくは知らない。噂では日本のどこかに結界で隔たれた場所があり、そこにいる奴が結界の外から気まぐれに結界の中に連れて行くという話がある。正直眉唾ものだったが、地図に神社どころか鳥居や開けた場所が映っていないのを見るに単なる偶然ではないだろう。神隠しなのかは分からないがとにかくオカルトに遭遇したのは間違いない。特に何も祈らずに目を開け周りを見渡してみる。
 これといって目につくものはないが、何故だかおかしな空気が流れている。さっきまであほほど太陽が照っていたのに今は薄暗く、なんか変なものが見える。空間の裂け目というか紫色の何かがある。その中は目のようなものがのぞいており、おぞましい気配がするのと同時にあの空間の向こうはこの世界とは何もかもが違う世界が広がっている気がして無性に好奇心を揺さぶられた。無意識ながらも慎重に近づき手を入れてみる。
「・・・・・・なんも起きねぇんだが・・・・・・」
 てっきり手を入れた瞬間引き込まれるかと思ったが、以外にも何も起きなかった。ちょうど人が一人通れる大きさなのでこのまま行くのもありかもしれないが、行くなら行くで準備をしてから行きたい。だがこの空間がいつまでも開いている確証はないので入ってみることにしたが、その前に写真でも撮っておく。大体こういうものは写真に写らないが以外にもしっかり映っていた。やる事もやったし今度は手からゆっくり入ってみる。やはり引き込まれる事はなかった。
「まあ二回目で、なんて事はないか・・・・・・」
 そのまま腕の関節まで入った所で異空間の見えないところからいきなり手が見えたと思った瞬間手首の辺りを掴まれ、ものすごい力で異空間に引きずり込まれた。
「なっ」
 何で二回目なんだよと突っ込む暇もなく全身が完全に異空間に入る。その時横目にチラッと服の一部が見えたが、正確にどんな服なのかまでは分からなかった。そして地に着くはずだった足が空を蹴り、重力そのまま大量の目が覗く空間を前につんのめったままの格好で落ちていく。不思議と落ちているのに風を感じない。地面があるのかも分からないが、何故か急に思考が鈍り出し、目が開けられなくなっていく。眠くなるのとは違った感覚で、誰かに無理矢理意識を奪われるようなよく分からない感覚に襲われ、意識が完全に暗闇の底に落ちていった。

初投稿です。誤字や脱字があったら教えてください投稿ペースは遅いとひと月以上になってしまうかもしれませんがよろしくお願いします。
もりさきこうや
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コメント



0.50簡易評価
2.無評価名前が無い程度の能力削除
続きを楽しみにしています!
4.100名前が無い程度の能力削除
これは続きに期待
5.無評価名前が無い程度の能力削除
ゾーニング完璧ですね ありがとう