「お願い妖夢!料理を教えて!」
「いきなりどうしたみょん?」
朝、掃除をしていた妖夢のところに飛び付いてきたのは通称みんなの妹レミリアだった。
わざわざ白玉楼まできたらしい。
「実はさこの前魚を捌いたりして料理をしたんだけどダメ出し食らっちゃって...だから完璧な料理をつくってみんなを見返そうと...」
「はあ...そういうことみょんか...」
悔しそうに言うレミリアに妖夢はポカンとした感じで返す。
「お願い妖夢~‼」
「まあいいみょん。任せて!」
「やった!」
跳び跳ねるレミリア。『可愛いなあ』と思った妖夢だった。
「じゃあ最初は基本中の基本。野菜炒めを作るみょん。」
「任せて!」
白玉楼から紅魔館に移動したレミリアたちはキッチンを占領していた。
妖精メイドは追い出しエプロンもつけて準備は万端。
「じゃ野菜を切るみょん。」
「わかった。」
妖夢は野菜を刻むように指示を出す。
気合いバッチリのレミリアは包丁をもち野菜を抑え...
「ストップ!ストーップ!」
慌てたような静止が入る。
「なによ?」
今まさに野菜を切ろうとしていたレミリアは不満がおで振り向く。
「なにかを切るときは猫の手みょん猫の手。」
「ねこのて?」
首をかしげるレミリアに妖夢は人参で実践する。
「ほらこうやって手を丸めて猫みたいにするの。わかった?」
「ふーん...わかった。」
「軽くうなずいたレミリアは妖夢に言われたとおりにきっていく。
やったことはないが順応性はたかいレミリアだった。
「よし野菜は完璧みょん。」
数分後調理台のうえには綺麗に切り揃えられた野菜が並べられていた。
最初に手を注意された以外は特に何事もなく進んだ。
「次はお肉を切るみょん。」
「.....野菜炒めなのにお肉をいれるの?何で?」
「知らん。レシピに言うみょん。」
レミリアの素朴な疑問を適当にやり過ごした妖夢はお肉のパックを手に取る。
が、妖夢には気になることがあった。それはお肉のパックにかいてある産地と中身だ。
普通なら『幻想郷産 第一人里野菜畑』などと表記されているがこれには、
『外の世界産 金髪で色白な6歳の少女』とかかれていた。
そこでレミリアが吸血鬼だと思い出した妖夢はなにも突っ込まず黙ってお肉を取り出した。
まあ自分も半分死んでるし冥界に住んでるので特に抵抗はなかったが。
「妖夢!これぷにぷにしてるけどどうやって切るの?」
「野菜とあまり変わらないよ。適当なサイズに切り分けて。」
「わかった!」
レミリアはしっかりと片手を猫にしお肉を切る。
途中「若い人間の女だとぷにぷにしすぎなのよね...まあおいしいんだけど」という呟きが聞こえたが妖夢は無視した。
「切れたよ?」
「上出来みょん。」
切れたお肉を並べ満足げな笑みを浮かべる妖夢。
「次は焼く行程にはいるよ?まず油を引いて..」
妖夢が言うとレミリアはあのお肉のパックから小さめの油のかたまりを取り出した。
「.....それなんの油?」
「ん.....これ?」
このあとの答えを聞き聞かなければ良かったと後悔するまで時間はかからなかった。
「うーんもうこのじてんでいい匂い.....」
油の一件から数分キッチンには肉が焼ける音が響いていた。
まだ塩コショウしかいれてないがすでに二人はお腹がすいていた。
しっかりと肉を炒め野菜をいれたら醤油を少し.....
妖夢の言うことに順丈にしたがっていたのでお皿に盛り付けると美味しそうに見えた。
「「いただきます!」」
お腹がすいてる二人はすぐに食べ出す。
「美味しいみょん.....」
「おいし.....」
成功だったみたいだ。
「次は煮物を教えてね妖夢?」
「勿論‼いつでも教えるみょん!」
二人は空になったお皿を片付けながら笑いあった。
「半霊許さない.....私のお姉様を...!」
「(殺気を感じる...)」