お昼休憩の時間私はボーッと窓の外を見る。
クラスメイトたちは弁当を食べたり購買へ向かったりとしている。
実際私も誘われたがすべて断っていた。
どうせもうすぐ彼女が来るから。
「れーいむ‼」
明るい声が聞こえると私は弁当をもって立ち上がり彼女のもとへ向かう。
「今日はどこで食べるの?レミリア」
そう言うと彼女...レミリアは楽しそうに「屋上で食べましょう」といった。
了承した私はレミリアとともに屋上へ向かうのだった。
「にしても...どうしてレミリアは毎日私と一緒にいるのよ?」
食事をしながら問いかけると口いっぱいにご飯を頬張ってモゴモゴしているレミリアがこっちを向く。
仮にもレミリアはお嬢様なんだがいいのかな?そんな格好...
「んぐ...どうしてってどうして?」
やっとご飯を飲み込んだレミリアは涙目で応対する。
どうやら飲み込むときになんかあったらしい。
「いや...レミリアは可愛いし明るいし人気があるでしょ?だから他の友達と食べたりしないのかなって...」
「あーそんなことー?」
レミリアはこういうのもなんだが人気者だ。
世界でも有数の大富豪スカーレット家に生まれたお嬢様でありながら裏表がなくいつでも明るい。
そんなレミリアにはもちろんのこと人が集まる。
だが私は別に人気がない訳じゃないがなぜかあんまり人と一緒にいれないんだよなあ...
そんなことを考えながらレミリアの方をちらりと見る。
レミリアは卵焼きを頬張りながら考え込んでいた。そして
「...私があなたのことが好きだからあなたと一緒にいるとか?」
といった。
「え。。ええ⁉」
思考が停止した。
確かにレミリアは可愛いし私もなんというかあれだけど‼でも...そんないきなり...‼
「レ...レレレミリア!それって‼」
上ずった声で口を開くとレミリアはにやにやしながらいった。
「冗談に決まってるでしょ霊夢はほんっと面白いわねぇー。」
「...はっ!」
私は我に帰る。レミリアはいまだにやにやと笑っていた。
「くっ...レミリア‼あんたまた私をからかったわね⁉」
「あははは‼だって面白いからつい...」
真っ赤になる私の前でレミリアは笑い転げた。
そう。またといっているようにこれがはじめてではない。
レミリアはことあるごとに私をからかってくるのだ。
その度に毎回「今度はひっかからない❗」と宣言するが気づくと引っ掛かっているのだ。
私はいまだ笑い続けているレミリアを眺める。
「ふふっ...あー面白かった‼霊夢ったら昨日「もうひっかからない❗」っていったばかりなのに速攻でひっかかるなんて...あはは!思い出したらまた笑いが...」
「うぐぐ...」
その通りなので反論できずレミリアは昼休憩が終わるまで笑い続けてたのだった。
帰り道。
いつものようにレミリアと帰っていた。
時々思い出し笑いをするレミリアにささやかな抗議をする。
「レミリア‼もう絶対絶対ひっかからないわ‼だからかかってきなさい‼そんなんじゃ友達いなくなるわよ?」
レミリアは笑いを止め悲しそうな顔でこっちを見た。
あれ?思ってた反応と違うぞ?
「霊夢は私のこと嫌いなの...?」
「え?」
レミリアは潤んだ紅い瞳でこちらを見ている。
まずい。これはやってしまったかもしれない。後輩を泣かしてしまうなんて...‼
私は慌てながら言う。
「いえ!嫌いじゃないわ。嫌いじゃないわよ?」
「じゃあ私のこと好きなの?」
「うあ...そ..それは...」
涙目で問いかけられた質問に私はつまる。
確かに好きだがそれを面と向かって言うのは恥ずかしい。
だが目の前の泣いている後輩を放っとくわけにも...
私が悶々としているとレミリアがうつむき体を震わせてるのが見えた。
やばいやばい‼意を決した私は言おうとして...止めた。なぜなら
「あははは‼やっぱり面白いわ‼」
目の前のレミリアが昼と同じように笑い転げていたからだ。
「レミリア...‼あんたまさか!」
再び真っ赤な顔で私はレミリアに詰め寄る。
レミリアは笑いすぎて涙を浮かべていた。
「あはは...もうさっき宣言したばっかなのに...また...ひっかかってる...ふふっ...」
「レ...レ...レミリアァァァァァ‼」
「あはははー‼また明日ねー!」
「こら待ちなさいレミリア‼」
慌てて止めるがレミリアは脱兎のごとく逃げてしまった。
やれやれ...私はまたレミリアのからかいにひっかかってしまったのだ。
もうこれでなんかいめかなー...などとぼんやり考えていると友達がいっていたことを思い出した。
レミリアのからかいについひっかかってしまうことを友人に相談したとき友人はこういっていた。
『ははっさしずめ「からかい上手なレミリアさん」ってとこだな❗』
あのときは友人のネーミングセンスとおかしな二つ名に呆れたが今考えてみるとそうかもしれない。
「『からかい上手なレミリアさん』...ねぇ..勝てる気がしないわ。」
軽い諦めの境地に達した私だが一応明日も会うであろうレミリアのからかいにどう対抗するかを考えながら帰路についた。
きっと無駄だろうしまたからかわれてひっかかってしまうだろう。
でも嫌ではないのだ。それを楽しんでいる自分がいる....気がする...
霊夢が楽しそうでよかったです