「見てみてみんな!この子可愛いでしょ?今日からここで飼うからよろしくね。」
((どうしてこうなった?))
紅魔館の当主の部屋は疑問に包まれていた。
原因はそう。他でもない当主のレミリア・スカーレットである。
いや正確に言えばレミリアではなくレミリアが抱えてるあるモノだが...
レミリアが抱えてたのは、
「にゃ~...」
猫だった。もちろん普通の猫なら大歓迎だが...この猫なぜか一回り小さいレミリアに猫耳と尻尾がついているのだ。
館の住人は不思議に思う。なぜ自分達の主にそっくりなのか、言葉は話せないのか、そして何より、
なぜレミリアは疑問に思わないのか?と。
とりあえずといった感じで住人の代表としてメイド長が意を決した感じで聞く。
「あの...お嬢様。色々と聞きたいことはありますがまずはその猫?をどうしてつれてるのか教えてくださいませんか?」
一瞬きょとんとしたレミリアはすぐに話始めた。
「ああこの子?この子はね拾ったの。さっき神社から帰る途中に雨が降ってきちゃってね。傘をさして急いでいたら鳴き声が聞こえたのそれで不思議に思って近づくとね何とダンボールのなかでこの子が震えていたの‼」
そこで言葉を切ったレミリアは腕に抱く猫?をぎゅーっとだきしめる。
猫?も満足そうに抱かれていた。
レミリアは話を続ける。
「それでねかわいそうになっちゃって...それにすっごくかわいいからつれてきちゃったのよ。さっきお風呂に入れて服は私のお下がりだけど...可愛いでしょ?」
「はあ...そうですか...」
にこにこと笑う主の姿になにも言えないメイド長は黙って頷く。
「ねえレミィその子猫なの?完全に猫娘じゃない?」
しびれを切らしたパチュリーが直球に聞く。
レミリアは目を瞬かせると抱えている猫?を覗きこむ。
「確かになぜか人形だけど...でも猫よ。猫。鳴き声もにゃんこじゃない。」
「あ...そう...」
パチュリーはもういいやというように魔導書にとりかかった。
門番も吹っ切れたのか猫?を可愛がっている。
「かーわいー‼」
ついでにフランも撫でている。
レミリアは嬉しそうだ。
「それでは名前を決めてあげましょう。」
いち早く回復したメイド長がそう提案する。
レミリアは楽しそうに受け入れると猫レミィ(仮)を膝にのせて座る。猫レミィ(仮)は満足そうにすり寄っていた。
「私はMKNOがいいわ‼」
さっそくフランが提案するが意味がわからなかった。説明を求める。
「めっちゃ可愛いにゃんこお姉様の略よ‼」
「却下。」
「えー...」
長すぎて却下された。
「じゃあみーちゃんはどうですかね?」
美鈴が提案するが
「却下。」
「むぅ...」
もうすでにみーというなまえの猫はいるので却下された。
「もうシンプルにれみにゃにしましょうよ。」
パチュリーがつまらなさそうに提案する。
「...由来は?」
「レミィに猫耳が生えただけの子でしょ?じゃあ単純にれみにゃでいいじゃない。」
パチュリーの案にみんな賛成する。
しかし当のレミリアはれみにゃ(仮)を抱いたまま考え込んでいた。
気に入らないのか。皆がそう思ったときレミリアが不意に疑問を口にした。
「え...?この子私ににてるの?」
みなは無言で頷いた。
レミリアはショックを受けたような顔をしていた。いわく、
「れみにゃは可愛いけど私はこんなに可愛くないじゃない⁉」だそう。
このことばに住人たちはみんな無言で首を降った...
なんだかんだ言ってれみにゃは飼うことにしたみたいだ。
勿論世話はレミリアがするが...このときは知らなかった。
まさかこのおとなしいこの子が実はすごいいたずらっ子だったことに。
この事に気づくのはまだ少し先の話...