「こらっ待ちなさい!」
「やだー!」
「やだじゃない!」
夜。紅魔館ではほとんど恒例となっている鬼ごっこが行われていた。
館の長い廊下を全力疾走しているのは幼い少女。
紫がかった髪の毛をツインテールにし、小さな黒い羽をぱたぱたさせている。
綺麗な赤い瞳のこの少女は母親に瓜二つだとみんなが言う。
さて少女を追っているのは他でもない少女の母親である。
娘とそっくりの母親は腰まで伸ばした長い髪をなびかせながら追いかける。
ここまで言えば分かるだろう。母親の名はレミリア・スカーレットかの有名な吸血鬼のお嬢様だ。
そして追いかけられている少女はティナ・スカーレット紅魔館当主であるレミリアの愛娘であり次期当主だ。
ティナが生まれたのは僅か五年前のこと。
レミリアとその恋人との間にできた子供だが残念なことに恋人である人間はティナが生まれる前に既に病気でこの世を去っていた。
それからレミリアは一人で育てているからか大分過保護であり娘も結構我儘だ。
毎日のように起こっている鬼ごっこはお風呂に入れさせたい母と入りたくない娘の戦いなのだ。
さて余談だがレミリアはティナを生むとき大分難産だったのもあって体を少し壊してしまっている。すなわち
「はぁ…はぁ…もう限界…」
遊びたい盛りである娘にはついていけないと言うことだ。
レミリアは最終手段を使うことにした。
「咲夜ーー!」
「お任せを。」
「あー!咲夜はずるいーー!」
一瞬のうちに逃げていた娘は咲夜のうでのなかにいた。
レミリアはため息をつくと娘をお風呂場に連れていくよう指示を出す。
忠実なメイドはひとつ頷くとむくれるティナをつれて消えた。
「おかーさま!」
「うおっと…」
レミリアは急に懐に飛び込んできた娘をギリギリ受け止める。
頭を撫でるとふんわりとシャンプーの香りが漂いお風呂上がりだと言うことを知らせる。
ティナは褒めて、と言うように母のふくよかな胸に頭を擦り付け甘える。
レミリアも微笑んで撫でる。
「お姉様ぁー♪」
いつの間にか便乗して背中にくっついてる妹は無視するが。
暫く穏やかな時間が流れたがふとレミリアが手を止める。
どうして止めたのか分からないティナはレミリアの顔を見上げる。
レミリアは笑顔でティナに問いかける。
「ところでティナ。甘えるのはいいけど…寺子屋の宿題やったの?」
「……」
ティナは無言で母の膝から降りる。そして、
ダッ!
「あっこらっティナ!待ちなさい!今日という今日は許さないわよ!」
逃走した。
レミリアは先程と同じくティナを追いかける。
夜の紅魔館にはドタバタと賑やかな音が響いていた。
因みに、レミリアがダウンしたあとにメイド長にあっけなく捕まったティナは回復したレミリアに叱られおやつ抜きの刑を言い渡され涙目で「もうしません!」と叫んでいたという。
これがここ最近の紅魔館の日常だ。
「やだー!」
「やだじゃない!」
夜。紅魔館ではほとんど恒例となっている鬼ごっこが行われていた。
館の長い廊下を全力疾走しているのは幼い少女。
紫がかった髪の毛をツインテールにし、小さな黒い羽をぱたぱたさせている。
綺麗な赤い瞳のこの少女は母親に瓜二つだとみんなが言う。
さて少女を追っているのは他でもない少女の母親である。
娘とそっくりの母親は腰まで伸ばした長い髪をなびかせながら追いかける。
ここまで言えば分かるだろう。母親の名はレミリア・スカーレットかの有名な吸血鬼のお嬢様だ。
そして追いかけられている少女はティナ・スカーレット紅魔館当主であるレミリアの愛娘であり次期当主だ。
ティナが生まれたのは僅か五年前のこと。
レミリアとその恋人との間にできた子供だが残念なことに恋人である人間はティナが生まれる前に既に病気でこの世を去っていた。
それからレミリアは一人で育てているからか大分過保護であり娘も結構我儘だ。
毎日のように起こっている鬼ごっこはお風呂に入れさせたい母と入りたくない娘の戦いなのだ。
さて余談だがレミリアはティナを生むとき大分難産だったのもあって体を少し壊してしまっている。すなわち
「はぁ…はぁ…もう限界…」
遊びたい盛りである娘にはついていけないと言うことだ。
レミリアは最終手段を使うことにした。
「咲夜ーー!」
「お任せを。」
「あー!咲夜はずるいーー!」
一瞬のうちに逃げていた娘は咲夜のうでのなかにいた。
レミリアはため息をつくと娘をお風呂場に連れていくよう指示を出す。
忠実なメイドはひとつ頷くとむくれるティナをつれて消えた。
「おかーさま!」
「うおっと…」
レミリアは急に懐に飛び込んできた娘をギリギリ受け止める。
頭を撫でるとふんわりとシャンプーの香りが漂いお風呂上がりだと言うことを知らせる。
ティナは褒めて、と言うように母のふくよかな胸に頭を擦り付け甘える。
レミリアも微笑んで撫でる。
「お姉様ぁー♪」
いつの間にか便乗して背中にくっついてる妹は無視するが。
暫く穏やかな時間が流れたがふとレミリアが手を止める。
どうして止めたのか分からないティナはレミリアの顔を見上げる。
レミリアは笑顔でティナに問いかける。
「ところでティナ。甘えるのはいいけど…寺子屋の宿題やったの?」
「……」
ティナは無言で母の膝から降りる。そして、
ダッ!
「あっこらっティナ!待ちなさい!今日という今日は許さないわよ!」
逃走した。
レミリアは先程と同じくティナを追いかける。
夜の紅魔館にはドタバタと賑やかな音が響いていた。
因みに、レミリアがダウンしたあとにメイド長にあっけなく捕まったティナは回復したレミリアに叱られおやつ抜きの刑を言い渡され涙目で「もうしません!」と叫んでいたという。
これがここ最近の紅魔館の日常だ。
設定と展開にスゴ味がありました
よかったです