Coolier - 新生・東方創想話

どんな、きもち?

2020/12/14 22:57:49
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大事なものを壊したらどんな気持ちになるんだろう。


私は壊すことが好き。

生き物を壊したときの悲鳴も好きだし、無機物が豆腐のように呆気なく崩れていくのも好きだ。

それは地下からでても変わらない。

ばれてしまってはいけないからこっそりと壊す。

昨日は花を壊した。簡単に粉々になってしまった。

一昨日は猫を壊した。これはただの好奇心だ。

好奇心は猫をも殺すという言葉があるが私は本当に好奇心で猫を殺せちゃうのだ。

最初は苦しそうに唸っていた。でもだんだんと狂ったように鳴き始め、最後にはのたうちまわり動かなくなった。

私は深い満足感を覚えたがまだ何か足りなかった。



それから部屋に戻りごろごろとしていると私の視界にあるものが映った。

それは1つのぬいぐるみ。なんの変鉄もないくまのぬいぐるみだが私にとっては大事なもの。

これはお姉様にもらったぬいぐるみ。

壊すことが好きな私が唯一壊したくないと思うもの。

でも今日は違った。

ふと私の脳裏に言葉が浮かぶ。

大事なものを壊したらどんな気持ちになるんだろう。と

特に大事ではない花や猫を壊しただけで満足感を覚える私。だったら

大事なものを壊したときの満足感はどれ程多いのだろう。

気になることは即実行。の私はさっそく目を握りつぶす。

ぱぁんという軽い音をたててぬいぐるみは簡単にばらばらになった。

その時に感じた満足感は猫や花の時とは比べ物にならなかった。

この深い満足感をもっと味わいたいと思った私はふとテーブルの上を見る。

そこには咲夜の入れた紅茶と咲夜がやいたクッキーが乗っていた。

二つとも私の大好物だ。

さっそく壊す。テーブルが一緒に宙を舞い粉々になる。

満足感はあったがぬいぐるみよりはなかった。

つまり咲夜のおやつはそんなに大事なものじゃなかったんだろう。

もっと感じられると思っていた私は落胆し次の大事なものを探す。

でもへやにはもうなかった。

そこで私は思い出した。先ほど壊したくないと思うものがぬいぐるみだといったがあれは間違っていた。

私が本当に唯一壊したくないのは、お姉様だ。

大好きで、優しくて、強くて、たよりになって…

あげていけばきりがないお姉様の美点。

私の狭い狭い世界の中心で、私が全てを委ねているお姉様。

愛しくて愛しくて仕方がない私のお姉様。

ああ…そうだ。

あるじゃないか。こんなに近くに世界で一番大事なもの。

きっとお姉様を壊せばぬいぐるみ何かよりもっと満足感を味わえるだろう。

そう思ったらいてもたってもいられなくなって私は部屋からでた。




「お姉様。」

「あらどうしたのフラン。」

お姉様の部屋に飛び込んだときお姉様はお茶を飲んでいた。

お姉様は不思議そうにこちらを見ている。

何時もなら話しかけるが今日は頭が別のことで一杯だった。

こんなにも近くに大事なものがいる。

これを壊せばきっと…

私は何も言わずお姉様に飛びかかる。

「愛してる」

無意識にそう言葉をこぼしながら。

紅茶を入れたティーカップが宙を舞う。

お姉様は驚いてるのか抵抗されずに押し倒すことができた。

「えっ?なに…フラン…?」

私は黙ってお姉様の首にてをかける。

そしてそのまま首を絞めてゆっくりと目を壊していく。

「うっ…ああ…フラ…ン…」

お姉様が苦しそうな声をあげる。

私はいまどんな顔をしているのだろう。

涙が流れているのはわかる。きっと苦い笑みを浮かべているんだろう。

「うあ…ふぁ…うぅ…」

お姉様の目から涙がこぼれ私の涙と混じりベッドのシーツを濡らしていく。

ふいにお姉様は微笑んだ。

想像を絶する苦痛だろう。気が狂いそうなほど苦しいだろう。

それなのに優しい笑みを浮かべることのできるお姉様のことを私は素直にすごいと思った。

お姉様が私に向かって口を開く。

何故かお姉様が言おうとしていることが分かった私はお姉様に合わせて口を開く。

「「愛してる」」

きれいに重なったその言葉は霧のようにすぐに消えた。

私は涙を流しながら、お姉様は微笑みながら。

そしてお姉様は微笑んだまま事切れた。

私はなにも感じなかった。

お姉様を壊したことで手に入ったのは満足感何かじゃない。

虚無感だ。

そこで私は気づいた。

本当に大事なものを壊したとき、満足感なんてものは得られないのだと。

今まで満足感を覚えていたのは本当に心から大事にしていたものじゃ無かったんだろう。

ああ私は何ておろかなんでしょう。

無くなってから、後戻りできなくなってから気づくなんて。

自分の愚かさに笑うしかなかった。その時

『フラン』

優しい声が聞こえた。

聞きなれた、私の世界で一番大事なもの…大事な人の声。

許してもらえるのだろうか。

自分の欲求のために命を奪った私を。

お姉様は本当に許してくれるのだろうか。

そこで私はお姉様の口癖を思い出す。

何事も、やってみなくちゃわからないわ

「そうだよね」

そうやってみなくちゃわからない。となると私がすることは1つ。

一瞬だけ冷たいお姉様に口づける。

そして私は自分の首を締めはじめた。

苦しい。とにかく苦しかった。

お姉様はこんな気持ちだったんだ。

薄れ行く意識の中、私はそう思った。

意識が消える寸前に見えたのは、



優しく微笑むお姉様のすがただった。
「首を絞めるって言うのは殺す手段の中では唯一長く触れるだろう?だから首を絞めるという行為は好意を示す手段のひとつなんだと思う。」
とか言っていた友人リスペクト。
分かるような分からないような…

綺麗事かもしれませんし偽善かもしれません。
でも私は綺麗事すら言えない世の中の方が怖いと思います。
ねこふらん
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コメント



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1.100ふにゃん削除
それでいいのか友人よ…
2.90奇声を発する程度の能力削除
暗い雰囲気が良かったです
3.10名前が無い程度の能力削除
人殺しが自殺した話を美化しただけ