Coolier - 新生・東方創想話

星屑と無意識

2020/11/29 21:49:28
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 今日は星屑に出会いました。

 地底の奥底の洞窟で倒れる星屑さんは意識が無いようでした。
「おーい、星屑さん? 起きて?」
 私はゆさゆさと星屑さんを揺らしました。
 うぅんと、星屑さんはゆっくりと身体を起こしました。
「う……誰だ……」
 痛そうに身体を起こし、座り込みました。
「あぁ、こいしか……どうしたんだ?」
「それはこっちのセリフ。星屑さんはどうしてこんなところで倒れてるの?」
「星屑……洒落た名前だな。なら、お前は無意識さん、か」
 重そうな身体を揺らした星屑さん。金の髪を揺らしてきらきらと反射していた。綺麗。まるで御伽噺のような髪だと思った。
「ふふ、無意識さんはいいね。改めて星屑さんはどうしてここにいるの?」
「嫉妬さんにボコボコにされたんだよ。ボロボロになって飛んでたら疲れて飛べなくなってさ。バレないように奥で寝たんだよ」
 にこっと思い出して笑う星屑さん。
「ふふ、星屑さんはおっちょこちょいだなあ。こんなところでて寝てたら怖い鬼さんに連れ去られてしまうよ?」
「その時はマスタースパークで消し飛ばしてやるよ」
 カカカと大笑いする星屑さんは楽しそうだった。
「私が連れていこうかしら。ねえ、星屑さん?」
 私も笑って答えた。星屑さんの髪は飾っておきたいくらい綺麗だ。なら私の手の中に入れたいと思った。
「おっ、無意識さんもそう思うのか。それは勘弁だな。私にはしたいことが沢山あるんだ」
 よいしょ、と星屑さんは元気よく立ち上がった。それにつられて私も立ち上がった。
「よし、私は帰るか」
「待ってくれるかしら。星屑さん、地の底の殿に来ない?メイドとして」
「嫌だね。メイド服はいいが、メイドという立場はやだね。紅い館で散々体験したさ」
 不満そうな星屑さん。
「ええーいいじゃない、虹色の吸血鬼さんは楽しそうにやってたのに」
「……その吸血鬼さんはどっちだって、妹の方か」
「当たり前よ。虹色だもの」
 くすくすと私は笑った。当たり前じゃない、私が好きなのは虹色の吸血鬼さんだもの。
「吸血鬼さんはね、楽しそうにうきうきでしていたよ? 星屑さんもしないのかしら」
「だから私はやらんって、言ってるだろ。メイドは大変なんだから。銀時計さんを尊敬するよ。本人には言わないけど」
「へえーっ、尊敬してるんだ? また言おうかな?」
「あっ、おい、やめろよ! 恥ずかしいんだからな!」
「うふふ、またポロって出るかもね」
 私はタッと洞窟から駆け出した。それを追いかけてくる星屑さん。
「あはは、捕まえてみなさいな」
「待てーっ!」
 振り返って見た星屑さんは恥ずかしそうに顔を赤らめていた。

 お姉ちゃん、今日は私、星屑に出会ったのよ。
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コメント



0.200簡易評価
1.100ひーだ削除
「星屑さん」呼びが素敵すぎますね
3.90奇声を発する程度の能力削除
雰囲気が良かったです
4.70ばかのひ削除
とてもいい呼び方ですね
5.100サク_ウマ削除
雰囲気好き
6.100名前が無い程度の能力削除
魔理沙もメイド服着てみたいんだな……
7.100名前が無い程度の能力削除
可愛かったです
8.100めそふらん削除
星屑さんって呼び方がとても好きです。
二人して可愛かったです。
9.100れどうど(レッドウッド)削除
二つ名じゃないですけど、即席の愛称みたいなの可愛らしくていいですね
11.100水十九石削除
良いですよね、自分から『星屑さん』呼びしておいてラストの『星屑に出会ったのよ』!
ちゃんと合わせてくれている魔理沙もそうですし、会話と表情だけで成立した文章の煌きがとても愛おしい。面白かったです。
12.100Actadust削除
あえて名前で呼ばないところに、どこか仮面舞踏会じみたミステリアスが雰囲気が出てていいですね。
即興でしっかり合わせる二人の軽快な掛け合いが素敵でした。
13.100南条削除
面白かったです
星屑さん無意識さんと呼び合う二人がおしゃれでした
14.100名前が無い程度の能力削除
綺麗でいい感じでした