注意
・いつものストーリーとは関係ない。
・設定が全く違う。
・レミリアも館を出ていきたいことってあるのかな?→館を出る→独り暮らしじゃなんかなぁ→隠居って言葉かっこいい→さすがに一人じゃかわいそうだからペット投入 って感じ。
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「あーあ...雨降ってきちゃった...」
人里のとある店の軒先で雨宿りをしている女の子が一人。
ふんわりとした緩いウェーブのかかった蒼髪、雪のように白いはだ、そして背中には悪魔であることを主張する真っ黒なつばさ。質素な白いワンピースを着ているが滲み出すお嬢様オーラは隠しきれていない。そう雨宿りをしている彼女こそ幻想郷の妖怪勢力のトップに君臨する吸血鬼、お嬢様のレミリア・スカーレットだ。幻想郷では知らぬものはいない。そんな彼女がなぜ質素なワンピースをきて雨宿りなどしているのかそれは数日前にさかのぼる。
ある日のことレミリアはテラスにでてお茶の時間にしようとしていたしかしその時メイド長が現れて仕事が終わってませんとレミリアを部屋に連れ戻した。
レミリアはうんざりしていた。自分だって好きで当主をやってるわけではない。ぶっちゃけもうやめたいと思っていた。メイド長に監視されながら仕事をこなしているときレミリアはふと思い付いた。どうせなら館を出て一人でのんびり暮らせばいいじゃないかと。幸いスカーレット家には私以外にも妹がいるので次期当主は問題ない。そう考えたレミリアは三日後作戦を開始したのだった。
人里を守護している半獣に手紙をだし理由を説明すると快く空き家を貸してくれた。
こっそりと外の世界に戻り元々すんでいた屋敷から倉庫に押し込まれていた骨董品などを持ち帰り売って資金にした。
準備が整ったレミリアはみんなが寝静まった朝こっそりと館を抜け出したのだった。
そして独り暮らしをはじめて二日め生活用品を買いに里に来たときにわか雨が降ってきてしまったのだった。
「ほんとにどうしようなぁ...」
雨宿りをしながらレミリアは途方にくれていた。吸血鬼であるからして流水に当たるのはまずいのだ。
ぼんやりとしていると不意に雨がやむ。レミリアはほっとして家に向かった。
あと家まで数メートルのところでか細い鳴き声が聞こえた。
「...みー.」
レミリアはピタリと立ち止まると耳を澄ませ鳴き声が聞こえる方に歩いていった。そして辿っていった先には
「みー」
ダンボールのなかで震える小さい猫が一匹。痩せ細り寒いのか震えている。猫好きのレミリアは放っておくことができずその仔猫を抱き上げる。真っ白な毛並みに澄んだ水色の瞳。通常の状態だったら美しいといわれるほどに綺麗な猫だった。レミリアはその子をしっかりと抱き締め帰路をたどる。元々一人は寂しかったのでこの子がいれば楽しいだろうと思い連れ帰ることにしたのだった。
「もう大丈夫?」
「みゃー」
家にたどり着いたレミリアは猫の体を洗い乾かして今は餌をあげている。餌はさっき急いで買ってきたキャットフードだ。お腹がすいていたのか猫はすごい勢いで平らげていく。それをみていたレミリアは自分も空腹だったのを思いだし昨日の残りのお味噌汁とご飯を温める。
「いただきます。」
ときちんと手を合わせると箸をつかい食べ始めるが元々西洋生まれ西洋育ちのレミリアには箸は少し難しい。まだ使いはじめて一日なので食べるのに苦労していた。ご飯とお味噌汁もはじめて作ったので焦げていたり野菜が不揃いだったりする。レミリアは料理の本を買ってきて練習しようと決めていた。元から優秀なレミリアだ。すぐに覚えるだろう。
食事が終わるとレミリアはぼんやりと猫を眺める。勢いでつれてきてしまったがよく考えたら猫なんて飼ったことない。これは明日にでも猫の飼いかたの本を買ってこなければと思っていた。そして同時に名前も決めなくてはならない。レミリアはじっと猫を観察する。猫は毛繕いを済ませるとレミリアが作ったベッドの上で丸くなる。このベッドは急遽作られた簡易的なベッドだ。眠る小さな猫をみていたレミリアはひとつの名前を思い付く。
「キティ。」
思い付いた名前はキティだった。キティとは子猫という意味があり響きも可愛らしいのでこの子にぴったりだと思ったのだ。自分の考えた名前に満足したレミリアは眠る白猫を撫でながら
「キティ。あなたの名前はキティよ。」
と教える。とっくに夢の中の猫は反応しなかったがレミリアは満足だった。
レミリアも布団をしくと潜り込み明日から始まる一人と一匹の生活を楽しみに思いながら眠りについた。
この日から白猫キティと隠居を始めたレミリアのドタバタな日常が始まった。
続きがどうなるのかわくわくです❗